Kotlinエンジニアの転職が「今」な理由 ──2030年「79万人不足」時代に、あなたのJava経験が武器になる

「Javaは書けるけど、次に何を学べばいいのか分からない」──そんな悩みを抱えていませんか。経済産業省の試算では、2030年にIT人材が最大約79万人不足すると予測されています*1。
その一方で、Googleが2019年にAndroid開発の推奨言語として「Kotlin-first」を宣言して以降、Kotlinエンジニアの求人は着実に拡大を続けています。Kotlinは、Javaとの高い相互運用性を備えながら、コード量を約40%削減できるモダンな言語です。つまり、Java経験者にとっては既存のスキル資産をそのまま活かせる「隣の言語」と言えます。
本記事では、Kotlinの技術的特徴から転職市場の最新動向、年収データ、そしてリモートワーク対応の求人事情まで、Kotlinエンジニアとしてのキャリアを考えるうえで必要な情報を網羅的にお伝えします。
【この記事のポイント】
● Kotlinは2024年にバージョン2.0がリリースされ、Androidだけでなくサーバーサイドやマルチプラットフォーム領域でも採用が進んでいます
● 正社員のKotlinエンジニア平均年収は約577万円、リモートワーク対応率が高く、働き方の選択肢が広い言語です
● Java経験があれば学習コストを抑えて移行でき、IT人材不足が深刻化する中でキャリアの選択肢が広がります
目次
1. 【サマリー】Kotlin転職で押さえるべき5つのポイント
Kotlinは2011年にJetBrains社が開発し、2017年にGoogleがAndroid公式言語として採用したプログラミング言語です。2024年5月にはバージョン2.0がリリースされ、K2コンパイラの正式導入により開発効率がさらに向上しています。
正社員の平均年収は約577万円で、経験やスキルによっては1,000万円を超える求人もあります。経済産業省の調査によると2030年までに最大約79万人のIT人材が不足する見込みであり、Kotlinのようなモダン言語を扱えるエンジニアの希少性は今後さらに高まります。
ITエンジニアの約8割がリモートワーク継続を希望しており、Kotlin求人はリモート対応率が高いことも転職先として注目される理由の一つです。
2. Kotlinとは何か──Javaの「次」を担うモダン言語
Kotlinは、チェコ共和国プラハに本社を置くソフトウェア企業JetBrains社が開発し、2011年に発表したプログラミング言語です。ロシア・サンクトペテルブルクの研究所で誕生し、Java仮想マシン(JVM)上で動作する静的型付けのオブジェクト指向言語として、Javaとの高い相互運用性を持ちます。
2017年にGoogleがKotlinをAndroidアプリ開発の公式言語として採用し、2019年には「Kotlin-first」を宣言しました。これ以降、Androidアプリ開発の現場ではKotlinが事実上の標準言語となっています。

Kotlinの技術的特徴
| 特徴 | 内容 |
| 簡潔性 | Javaと比べてコード量を約40%削減可能(JetBrains社の発表による)。セミコロン不要、型推論など記述がシンプル |
| Null Safety | コンパイル時にnull参照の可能性をチェックし、NullPointerExceptionを未然に防止 |
| Java互換性 | JavaコードからKotlinを呼び出す、またはその逆も可能。既存のJavaプロジェクトへの段階的導入が容易 |
| マルチプラットフォーム | Kotlin Multiplatform(KMP)により、iOS・Android・Web・デスクトップで共通ロジックを共有可能 |
| コルーチン | 構造化された並行処理を簡潔に記述でき、非同期処理のコードが読みやすい |
2024年5月にリリースされたKotlin 2.0では、K2コンパイラが安定版として正式導入されました。これにより、コンパイル速度の向上とエラーメッセージの改善が実現しています。JetBrains社はKotlinの公式ロードマップにおいて、言語の進化、マルチプラットフォーム対応の強化、エコシステムの充実を重点方針として掲げています。
公式サイト(https://kotlinlang.org/)では、チュートリアル、コードサンプル、ドキュメントが包括的に提供されており、学習リソースが充実しています。また、Kotlin Koans(https://play.kotlinlang.org/koans)というインタラクティブな演習環境も無料で利用可能です。
3. Kotlin転職市場の最新動向──求人数・年収・求められるスキル
3-1. 求人数の推移と特徴
2026年現在、Kotlinを含む求人は主要求人サイトで数千件規模に達しています。Kotlinの求人は「Androidエンジニア」「モバイルエンジニア」という職種区分に含まれることが多く、言語単体での検索では実態より少なく見える傾向があります。実際のAndroidエンジニア求人では、Kotlinスキルがほぼ必須条件となっています(Relasic編集部調べ)。
Jetpack ComposeなどKotlinを前提とした新しいAndroid標準ライブラリの普及に伴い、Kotlin対応を求めるポジションは増加傾向にあります。さらに、サーバーサイド領域ではKtorやSpring Boot(Kotlin対応)を活用した開発が広がっており、Kotlin Multiplatform(KMP)の普及によってiOSとAndroidの共通ロジックをKotlinで記述する開発スタイルも拡大しています。
3-2. 年収データ
| 区分 | 年収目安 | 出典 |
| 正社員(平均) | 約577万円 | スタンバイ「プログラマー年収ランキング」 |
| 正社員(経験者帯) | 450万〜1,000万円 | Relasic編集部調べ(2025年時点) |
| 正社員・シニア層 | 800万〜1,200万円超 | Relasic編集部調べ(2025年時点) |
Kotlinエンジニアの年収は、経験年数や担当領域によって幅があります。Androidアプリ開発のみの経験であれば450万〜700万円程度が相場ですが、サーバーサイドやKMP対応の経験を持つエンジニアは800万円以上の求人にも手が届きます。
3-3. 求められるスキルセット
Kotlin求人で頻出するスキル要件を整理すると、以下の3階層に分類できます。
| レベル | スキル | 年収目安 |
| 必須 | Kotlin基本文法、Androidアプリ開発経験(1年以上)、Git | 450万〜600万円 |
| 歓迎 | Jetpack Compose、MVVM/MVIアーキテクチャ、CI/CD構築 | 600万〜800万円 |
| 優遇 | KMP、サーバーサイドKotlin(Ktor/Spring Boot)、チームリード経験 | 800万〜1,200万円超 |
4. 2030年「最大79万人不足」──IT人材不足とKotlinエンジニアの希少価値
経済産業省が2019年に公表した「IT人材需給に関する調査」によると、IT需要の高位シナリオでは2030年に最大約79万人のIT人材が不足すると試算されています*1。この試算はIT需要の伸び率と労働生産性の上昇率を変数として設定しており、中位シナリオでは約16万〜45万人(労働生産性の前提条件により変動)の不足が見込まれています。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2024年度)」では、DX推進人材の量について58.5%の企業が「大幅に不足している」と回答しています*2。特に先端IT人材(AI・IoT・ビッグデータ・クラウド領域)の不足は深刻で、従来型IT人材とは対照的に需給ギャップの拡大が予測されています。
こうした構造的な人材不足の中で、Kotlinのようなモダン言語を扱えるエンジニアの希少性は高まっています。TIOBE Indexの言語人気ランキングでは、Kotlinは2024年7月時点で20位にランクインし、前年の26位から上昇しています*3。Kotlinは言語として成長段階にあり、エンジニアの供給がまだ限られているため、スキルを持つ人材にとっては有利な転職環境が続いています。
Kotlinエンジニアの市場価値が高い3つの理由
● Javaからの移行需要:既存のJavaプロジェクトをKotlinへ段階的に移行する企業が増加しており、両言語を扱えるエンジニアは重宝されます
● 対応領域の広さ:Android開発だけでなく、サーバーサイド、KMPによるクロスプラットフォーム開発にも対応でき、キャリアの幅が広がります
● GoogleとJetBrainsの継続的投資:Kotlin財団による言語開発の推進、JetBrainsによるAIネイティブツーリングへの投資など、エコシステムの成長が続いています
5. Kotlinエンジニアとリモートワーク──場所に縛られない働き方の実態
パーソル総合研究所の「第十回・テレワークに関する調査」(2025年7月実施)によると、正社員のテレワーク実施率は22.5%で、2023年以降は安定的な定着傾向を示しています*4。一方、ITエンジニアに限定すると、リモートワークの実施率はこの全体平均を大きく上回ります。
テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)が実施した調査では、リモートワーク経験者の約8割が今後もリモートワークの継続を希望しています*5。また、2025年7月の調査では、ITエンジニアの約7割が「リモートワークができるかどうか」を働くうえでの重要な条件と回答しています*6。出社回帰の方針が打ち出された場合、43.7%が「同じ職種での転職を考えるきっかけになる」と回答しており、リモートワークの可否がエンジニアの転職意向に直結していることが分かります。
Kotlin開発はコードレビュー、テスト、デプロイといった工程のほぼすべてをオンラインで完結できるため、リモートワークとの親和性が高い職種です。Android StudioやIntelliJ IDEAといったJetBrains製の開発環境はローカルPCで動作し、GitによるバージョンコントロールとCI/CDパイプラインを組み合わせることで、チーム開発も遠隔で進められます。
| 働き方 | Kotlinエンジニアの傾向 | 備考 |
| フルリモート | 自社開発企業やスタートアップで多い | 地方在住でも応募可能な求人が増加 |
| ハイブリッド(週1〜3出社) | 大手企業・SIerで主流 | チームビルディング目的の出社が中心 |
| フル出社 | 受託開発・常駐型で一部あり | セキュリティ要件が厳しい案件に限定 |
6. Java経験者がKotlinへ移行するための具体的ステップ
KotlinはJavaをベースに設計されているため、Java経験者にとっては習得の障壁が低い言語です。JetBrains社の発表によると、同じ機能を実装する場合にKotlinはJavaの約40%のコード量で記述可能とされています。
ステップ1:基礎文法の習得(目安:2〜4週間)
Kotlin公式ドキュメント(https://kotlinlang.org/docs/home.html)とKotlin Koans(https://play.kotlinlang.org/koans)を活用して、null安全性、拡張関数、データクラス、コルーチンといったKotlin固有の機能を学びます。Java経験者であれば、基本文法は2〜4週間で習得可能です。
ステップ2:Android開発またはサーバーサイド開発の実践(目安:1〜3ヶ月)
Android開発であれば、Googleが提供する公式コース(https://developer.android.com/courses)でJetpack ComposeとKotlinを用いた実践的な開発スキルを身につけられます。サーバーサイドであれば、KtorまたはSpring Boot(Kotlin対応)でAPIサーバーを構築する経験が有効です。
ステップ3:ポートフォリオの構築と転職活動(目安:1〜2ヶ月)
GitHubに個人プロジェクトを公開し、Kotlinでの実装力を可視化します。転職活動では、Java経験とKotlinスキルの両方をアピールできることが強みになります。既存のJavaプロジェクトをKotlinへ部分移行した経験があれば、実務での即戦力として評価されます。
| ステップ | 期間目安 | 主な学習内容 | 活用リソース |
| 1. 基礎文法 | 2〜4週間 | null安全性、拡張関数、コルーチン | kotlinlang.org、Kotlin Koans |
| 2. 実践開発 | 1〜3ヶ月 | Jetpack Compose、Ktor、Spring Boot | Android公式コース、JetBrains Academy |
| 3. 転職準備 | 1〜2ヶ月 | ポートフォリオ作成、求人応募 | GitHub、Relasic |
7. まとめ
Kotlinは、Javaの資産を活かしながら生産性と安全性を高められるモダン言語です。2024年のバージョン2.0リリースにより技術的な成熟度が増し、Android開発だけでなくサーバーサイドやマルチプラットフォーム領域でも採用が拡大しています。
経済産業省の試算による2030年最大約79万人のIT人材不足という構造的な背景に加え、先端IT人材への需要シフトが進む中で、Kotlinエンジニアの市場価値は今後さらに高まると考えられます。正社員の平均年収は約577万円、経験やスキルによっては1,000万円超の水準も視野に入ります。
また、ITエンジニアの約7割がリモートワークを重要な就労条件と回答している現在、Kotlin開発のリモートワーク親和性の高さは、転職先選びにおける大きなポイントです。
Java経験者であれば、Kotlinへの移行は数ヶ月のスキルアップで実現可能です。公式ドキュメントやKotlin Koans、Googleの公式コースなど、無料で利用できる学習リソースも充実しています。
2030年に向けてIT人材の争奪戦が本格化する前に、Kotlinというスキルを手に入れることは、キャリアの選択肢を広げる有効な一手と言えます。
Relasic(リラシク)について
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出典・参考情報
*1 経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年3月公表)
*2 IPA「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2024年度)」
*3 TIOBE Software「TIOBE Index」(2024年7月時点)
*4 パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」(2025年7月実施)
*5 テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)「テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査」
*6 ITエンジニア対象リモートワーク実態調査(2025年7月実施、正社員654名対象・編集部調べ)
*7 JetBrains Kotlin公式サイト
*8 Google Android Developers「Kotlinの概要」
*9 総務省「令和6年版 情報通信白書」
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