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男性育休の制度・給付金・取得率の実態を公式データで解説|取れない理由と解決策まで

男性育休の取得率・期間・給付金を解説するイメージ

育休を取りたいと思ったとき、最初に頭をよぎるのは制度のことではない。「職場に言い出せるか」だ。法律は整った。制度もある。それでも男性の育休取得率は、長い間ほとんど動かなかった。取れない理由は、本人の意識にあるのではなく、職場の環境にある。

この記事では、男性育休の種類・期間・育児休業給付金の計算から、取得率の実態と「取れない職場」に留まり続けることのコストまで、必要なことをまとめました。

📌 この記事のポイント

  • 男性育休の種類と取得期間、2022年法改正で新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」の内容がわかります
  • 育児休業給付金の金額目安と社会保険料免除の仕組みがわかります
  • 男性育休取得率が伸び悩む背景と、育休が取りやすい職場に転職するための視点がわかります
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目次

1. 男性育休(育児休業)とは——公式情報と制度の基本

男性育休(育児休業)とは、育児・介護休業法に基づき、男性が子の養育のために取得できる休業制度です。子が原則1歳(保育所に入れない等の場合は最長2歳)になるまで取得でき、休業中は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。2023年度(令和5年度)の男性育休取得率は30.1%と初めて30%を超えましたが(厚生労働省「雇用均等基本調査」令和5年度)*1、政府が掲げる2025年度50%目標*2にはまだ届いていません。

1-1. 育児休業制度の概要と対象者

育児休業は、育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)に定められた制度です。男女を問わず、1歳未満の子を養育する労働者が対象で、正社員だけでなく一定要件を満たす有期雇用契約の労働者も取得できます*3

育休期間中に支払われる育児休業給付金は雇用保険の制度であり、育休前の賃金に基づいて計算されます。社会保険料(健康保険・厚生年金)も育休期間中は免除されるため、手取りとしての収入は一定水準を保てます。

育児・介護休業法の公式情報は、厚生労働省の育児・介護休業法について(厚生労働省公式サイト)で確認できます*3

1-2. 男性が取れる育休の種類と期間

男性が取得できる育休には、大きく2種類あります。2022年10月に新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」と、従来からある「育児休業」です。両方を組み合わせると、最大で約14週間相当の育休を確保できます。

種類取得可能期間最大取得日数分割取得育休中の就業
産後パパ育休(出生時育児休業)子の出生後8週間以内4週間(28日)2回まで分割可労使協定があれば一部就業可
育児休業子が1歳になるまで(最長2歳まで延長可)最長1年(延長で2年)2回まで分割可原則不可

出典:厚生労働省「育児・介護休業法について」*3をもとに編集部作成。育休の延長(1歳〜2歳)には保育所に入れない等の要件があります。

産後パパ育休は出産直後の8週間という短い期間に集中して取得するもので、父親が最も大変な出産直後の時期に家族を支えるために設計された制度です。通常の育児休業と合わせて使えるため、男性の育休期間は以前と比べて格段に柔軟になりました。

1-3. 2022年法改正のポイント——産後パパ育休の新設

2022年(令和4年)の育児・介護休業法改正は、男性育休を実質的に後押しする内容が盛り込まれました。主なポイントは以下の3点です。

🔑 2022年育児・介護休業法改正の3つのポイント

  • 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設(2022年10月1日施行):子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)、2回に分割して取得できる新しい制度が設けられました。
  • 育児休業の2回分割取得が可能に(2022年10月1日施行):従来は原則1回だった育児休業を、2回に分割して取得できるようになりました。仕事の繁忙期を避けた柔軟な取得が可能です。
  • 育休取得率の公表義務化(2023年4月1日施行):常時雇用する労働者が1,000人を超える企業は、毎年育休の取得状況を公表する義務が生じました。

2022年改正は「男性育休を特別なことではなく、当たり前のこと」にするための法的整備です。制度を知ることは、育休を取るための最初の一歩です。

では次に、数字が示す実態を見てみます。制度が整った今、どれだけの男性が実際に育休を取れているのでしょうか。

2. 男性育休取得率の現状——厚生労働省データで見る実態

2-1. 取得率の推移——30%超えの意味と残る課題

厚生労働省が毎年実施する「雇用均等基本調査」によると、2023年度(令和5年度)の男性の育児休業取得率は30.1%でした*1。2010年代前半は1〜2%台だった数値が、近年急速に上昇しています。

調査年度男性取得率女性取得率
2019年度7.48%83.0%
2020年度12.65%81.6%
2021年度13.97%85.1%
2022年度17.13%80.2%
2023年度30.1%84.1%

出典:厚生労働省「雇用均等基本調査」(令和5年度)*1。2019〜2022年度は各年度の同調査による。

男性育休取得率の推移グラフ(2019〜2023年度)

2023年度の30.1%という数値は、前年度比で約13ポイントの急上昇です。産後パパ育休の創設(2022年10月施行)と、企業への取得率公表義務化(2023年4月)が相まった結果と考えられます。

それでも政府目標である「2025年度50%」*2にはまだ届いていません。さらに、取得率という数字の裏側には、もうひとつの問題が隠れています。

2-2. 取得日数の実態——「短すぎる育休」という問題

同調査の取得日数データを見ると、育休を取得した男性のうち5日未満の短期取得が最も多い層であることがわかります*1。取得率という数字が上がっていても、実態としては数日で終わるケースが多く含まれています。

取得日数割合(概算)
5日未満約28%
5日〜2週間未満約14%
2週間〜1か月未満約13%
1か月〜3か月未満約24%
3か月以上約21%

出典:厚生労働省「雇用均等基本調査」(令和5年度)をもとに編集部作成*1。各区分の割合は概算であり、調査の数値をもとに整理したものです。

数日の育休を取ることが悪いわけではありません。しかし、産後直後の育児参加や、パートナーの体と心の回復を支えるという育休の本来の目的を考えると、「取得した」という事実と「十分に取得した」という実態は、大きく異なります。取得率という1つの数字だけではなく、取得日数という「中身」を問い続けることが重要です。

2-3. 企業規模別の取得率格差

同調査によると、育休取得率は企業規模によって大きな差があります。従業員1,000人以上の大企業では取得率が高い一方、特に30〜99人規模の中小企業では取得率が低い傾向が継続しています*1。取得率公表義務が課せられた1,000人超企業での改善が、全体の数値を引き上げているとも読めます。

これは、中小企業ほど業務の属人化が進んでいて、一人が不在になる影響が大きいという構造的な問題を反映しています。規模の小さな職場ほど、育休が「申し出にくい環境」になりやすいのです。

給付金と社会保険の仕組みを把握することも、育休取得の判断に欠かせません。収入への不安が取得を妨げているケースも多いからです。

3. 育児休業給付金の仕組みと金額目安

3-1. 育児休業給付金とは

育休中の収入を補填するのが「育児休業給付金」です。雇用保険から支給され、男性も女性と同じ条件で受け取れます。給付率は育休の開始時期によって2段階に設定されています*4

💰 育児休業給付金の給付率

  • 育休開始から180日目まで:休業開始前の賃金(賃金日額×所定労働日数)の67%相当
  • 181日目以降:休業開始前の賃金の50%相当

なお、育休中は社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が本人・会社ともに免除されます。この免除分を加味すると、育休開始から半年間は、育児休業給付金(賃金の67%相当)と社会保険料免除の組み合わせにより、休業前の手取り額の80%程度が確保できます(厚生労働省の育休制度に基づく目安。個人の賃金・保険料率等により異なります)*4

給付金は2か月ごとに申請・支給されます。初回支給は育休開始から2〜3か月後になるため、その間の生活費は事前に準備しておく必要があります。

育児休業給付金の詳細は、ハローワークインターネットサービス「育児休業給付の内容と支給申請手続き」*4で確認できます。

3-2. 賃金月額別の給付金目安

以下は、休業前の賃金月額(額面)ごとの育児休業給付金の概算額です。実際の給付額は賃金日額の計算方法等により異なります。

休業前の賃金月額(額面)育休開始〜180日(67%)181日目以降(50%)
20万円約13.4万円約10.0万円
25万円約16.8万円約12.5万円
30万円約20.1万円約15.0万円
35万円約23.5万円約17.5万円
40万円約26.8万円約20.0万円

出典:ハローワークインターネットサービス「育児休業給付の内容と支給申請手続き」をもとに編集部作成*4。実際の給付額は賃金日額の計算方法・支給上限額等により異なります。上限額については最新のハローワーク情報でご確認ください。

3-3. 社会保険料の免除

育休中は、月末時点で育児休業を取得していれば、その月の健康保険料と厚生年金保険料が本人負担分・事業主負担分ともに免除されます*5。この免除期間も年金の保険料を納めたものとして扱われるため、将来の年金受給額には影響しません*6

住民税は育休中でも前年の所得に基づいて課税されますが、翌年度の住民税は育休中の収入をもとに計算されるため、大幅に減額されます。経済的な不安が育休取得をためらわせる理由になりやすいですが、給付金・社会保険料免除・翌年の住民税減額を合わせて考えると、思った以上に家計へのダメージは小さいケースが少なくありません。

経済面の不安が解消できたとして、なお育休を取れない人がいます。その理由は、数字ではなく職場の空気にあります。

男性育休取得率の推移グラフ(2019〜2023年度)

4. 男性が育休を取れない3つの理由——本当の壁はどこにあるのか

育休取得率が上昇している一方で、「取りたいけれど取れない」という男性は依然として存在します。理由を整理すると、3つのパターンに集約されます。

4-1. 理由1:職場の雰囲気——「言い出せない」という空気

法律で保障されていても、「自分が育休を取ったら迷惑をかける」「上司に言い出しにくい」という心理が、多くの男性の取得を阻みます。特に男性育休の前例がない職場では、申し出ること自体が大きな精神的負担になります。

厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」*7でも、育休等の取得に関して職場で不利益な扱いを受けた経験(いわゆるパタニティ・ハラスメント)があると回答した男性の存在が報告されています。制度は整った。しかし制度と文化は別です。

4-2. 理由2:業務の属人化——「自分がいなければ回らない」という状況

中小企業や少人数チームでは、業務が特定の人に集中していて、その人が不在になると仕事が止まるという構造的な問題があります。「育休を取りたいが、取ったらプロジェクトに影響が出る」という状況は、個人の意志とは無関係に発生します。

この問題は個人の努力では解決しにくいです。組織の業務設計の問題であり、それを変えるには時間と権限が必要です。その変化を待ちながら育休のタイミングを逃すのか、環境ごと変えるのか。それは個人が考えるべき問いです。

4-3. 理由3:キャリアへの不安——「評価が下がる」という恐れ

「育休を取ったらキャリアに影響する」という懸念も根強く残っています。昇進・昇格の機会を逃すのではないか、職場での評価が変わるのではないか——こうした不安は、育休取得をためらわせます。

ただし、別の見方もあります。育休取得が評価に影響する職場であれば、それはライフイベントに対応できる組織文化を持っていないということです。育休だけでなく、介護・病気・家族の事情など、今後のライフイベントのたびに同じ壁にぶつかります。一度の育休の問題ではなく、その職場で長く働き続けるリスクの問題です。

育休が取れない理由の多くは、個人ではなく職場にある。そう気づいたとき、問いは変わります。「どうすれば育休が取れるか」から「どこなら育休が取れるか」へ。

5. 育休後の働き方——リモートワーク対応の職場という選択

5-1. 育休が取りやすい職場の共通点

育休取得率が高い企業には、共通した特徴があります。テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)をはじめとする調査が示すとおり、リモートワーク対応が整っている職場ほど、育休を含むライフイベントへの対応力が高い傾向があります。

その背景は明確です。リモートワーク対応を進めるためには、業務のドキュメント化・標準化・非属人化が不可欠です。誰かが不在でも業務が回る仕組みが自然と整うため、育休を取りやすい環境が生まれます。加えて、フレキシブルな働き方を支持する企業文化が根付いているため、育休申し出に対する職場の空気も変わります。

「育休が取りやすい職場を探す」ことは、「リモートワーク対応が整っている職場を探す」ことと、多くの場合で重なります。

5-2. 育休後の日常——リモートワークが育児参加を支える

育休が終わった後も、子育てとの両立は続きます。保育園の急な呼び出し、子どもの病気による在宅対応、送り迎えのための時間の確保——こうした場面でリモートワークは、育児参加のセーフティネットとして機能します。

通勤時間がなくなることで生まれる余白が、日常的な育児参加を現実的にします。育休中だけ家族に寄り添えても、職場復帰後に元の働き方に戻ってしまうなら、育休で築いた関係は職場復帰と同時に崩れます。

問うべきは「育休を取れるか」だけでなく、「育休後にどこで、どう働くか」です。育休とその後の働き方を、一つのセットとして考えることが重要です。

5-3. 転職という選択肢——環境を選ぶ権利がある

育休を取りにくい職場にいるとき、大きく2つの選択肢があります。職場を内側から変えようとするか、職場を変えるかです。組織文化を変えることは価値あることですが、時間がかかります。育休のタイミングは待ってくれません。

転職という選択肢は、すでにリモートワーク対応が整い、育休取得実績のある職場に移ることです。これは逃げではなく、自分のライフプランに合った環境を選ぶという、合理的な判断です。

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6. よくある質問(FAQ)

Q1. 男性が育休を取得するための条件は?

A. 育児・介護休業法に基づき、1歳未満の子を養育する雇用保険の被保険者であれば、原則として育休を取得できます。有期雇用の場合は「子が1歳6か月になる日までに雇用契約が満了することが明らかでないこと」という要件があります。詳細は厚生労働省公式サイトでご確認ください*3

Q2. 育児休業給付金はいつから、どうやって受け取れますか?

A. 育休開始後、2か月ごとに事業主を通じてハローワークへ申請し、支給されます。初回支給は育休開始から2〜3か月後になるケースが多いです。申請手続きはハローワークインターネットサービスでご確認ください*4

Q3. 産後パパ育休と通常の育児休業は、同時に取得できますか?

A. 産後パパ育休(出生時育児休業)は子の出生後8週間以内に4週間まで取得できる制度で、通常の育児休業とは別に取得できます。産後パパ育休を取得した後、引き続き通常の育児休業を取得するといった組み合わせも可能です*3

Q4. 育休中、社会保険料はどうなりますか?

A. 月末時点で育休を取得していれば、その月の健康保険料と厚生年金保険料が本人・会社ともに免除されます。免除期間も年金加入期間としてカウントされるため、将来の受給額への影響はありません。詳細は日本年金機構のサイトでご確認ください*6

Q5. 育休取得を会社に拒否されたときはどうすればよいですか?

A. 育児・介護休業法に基づく育休取得申し出を、会社は拒否できません。拒否された場合は、都道府県労働局の「雇用環境・均等部(室)」に相談できます。厚生労働省の相談窓口はこちらから確認できます*3

Q6. 転職後すぐに育休を取得できますか?

A. 育児休業給付金を受け取るには、育休開始前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上(各月11日以上の就業)あることが必要です。入社直後では要件を満たせない場合があるため、転職のタイミングと育休計画は事前に確認することが重要です*4

7. まとめ:男性育休、制度だけでなく「環境」を選ぶ時代

📋 この記事のまとめ

  • 男性育休は育児・介護休業法に基づく制度。2022年10月に「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設され、子の出生後8週間以内に最大4週間取得できるようになりました。
  • 2023年度の男性育休取得率は30.1%(厚生労働省「雇用均等基本調査」令和5年度)と初めて30%を超えましたが、政府目標(2025年50%)には届いておらず、取得日数が短いケースも多い状況です。
  • 育休中は育児休業給付金(賃金の67%または50%相当)が支給されるほか、社会保険料が免除されます。育休開始から半年間は休業前の手取り額の80%程度が確保できます(給付金と社会保険料免除の組み合わせによる目安。個人の条件により異なります)。
  • 育休が取れない背景には、職場の雰囲気・業務の属人化・キャリアへの不安という3つの壁があります。これらの多くは個人ではなく職場側の問題に起因しています。
  • リモートワーク対応が整った職場は業務の属人化解消が進んでいるため、育休を含むライフイベントに対応しやすい傾向があります。育休後の働き方もセットで考えることが重要です。

育休が取れない職場にいるなら、制度を知ることと同時に、環境を選ぶという視点を持ってみてください。転職という選択肢は、今よりも遠くない場所にあります。


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出典・参考情報

*1 厚生労働省「令和5年度 雇用均等基本調査」(2024年公表)
*2 内閣府「少子化社会対策大綱」(令和2年5月29日閣議決定)
*3 厚生労働省「育児・介護休業法について」
*4 ハローワークインターネットサービス「育児休業給付の内容と支給申請手続き」
*5 厚生労働省「育児休業中の社会保険料の免除」
*6 日本年金機構「育児休業等期間中の社会保険料の免除」
*7 厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」

© LASSIC Co., Ltd. 本記事は公開情報をもとに編集部が作成しました。育休制度・給付金の詳細は最新の公式情報をご確認ください。

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