Tableauの実務経験|転職で評価される分析と可視化
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

Tableauで数字を見せる画面を長く作ってきたエンジニアほど、その経験を転職の場でどう言葉にすればよいか迷う場面があります。作った画面の枚数や機能の複雑さだけが評価されるわけではなく、見た人の判断がどう変わったかという経緯も、面接では実績として言葉にできる材料になります。
可視化の経験は、誰のどの判断を変えたかの記録として言葉にすると、面接でも実績として伝わりやすくなります。
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この記事のポイント
- 可視化の経験は、作った画面の数ではなく、誰のどの判断を変えたかで実績になります
- 面接では、やっていたことをそのまま話すより、伝わる言い方に置き換えたほうが伝わります
- 一般労働者の賃金は全国計で月340.6千円です*1。前提として押さえたうえで、判断は経験の記録に置きます
1. 可視化の経験は、変えた判断で伝わります
可視化の経験は、作った画面の数ではなく、誰のどの判断を変えたかという記録として伝わります。Tableauで扱ってきた見せ方の工夫よりも、見た人が何を決めたかという経緯が、面接では実績として扱われます。棚卸しの仕方と言い方に絞って見ていきます。
Tableauで数字を見せる画面を長く作ってきたエンジニアほど、転職の面接でその経験をどう言葉にすればよいか迷う場面があります。作った画面の数や機能の複雑さは、面接で聞かれる評価の軸とは違うところにあります。
画面を作ること自体は、可視化の経験の一部にすぎません。その画面を見た人が何を決めたか、決め方がどう変わったかという経緯まで含めて振り返ると、実績として言葉にできる材料が増えます。
同じ画面を作っていても、その画面が誰の判断に使われていたかを言えるかどうかで、面接での伝わり方が変わります。作った枚数を並べるより、使われた場面を1つ具体的に話すほうが強く残ります。
誰の判断をどう変えたかという経緯は、単純な作業の説明ではありません。何を見せれば決め手になるかを見極める判断が、画面を作るたびに必要になります。
その経験をどう棚卸しし、どう言葉にすれば面接で伝わるかを、経緯の順にたどっていきます。
2. 画面ができるまでの流れをたどります
Tableauで画面を作る作業は、完成した画面だけを切り出すと、操作の説明のように見えます。聞き取りから直すまでの流れを4段に区切ると、経緯として振り返りやすくなります。
聞き取る段階では、依頼した人が何を知りたいのか、何を決めたいのかを確かめます。見せ方より先に、何を判断したいかを聞くことが起点になります。
形にする段階では、聞いた内容を画面に起こします。ここでの判断は、見せ方の工夫そのものよりも、何を見せれば決め手になるかという選び方にあります。
見てもらう段階では、実際に見る人の反応を確かめます。想定していた見方と違う反応が返ってくることもあり、その差が次の直す段階の材料になります。
直す段階を経ることで、画面は一度で終わらない経緯になります。4段のどこで相手の判断が変わったかを覚えておくと、あとから振り返るときの記録になります。
3. やっていたことを、伝わる言い方に置き換えます
面接でTableauの経験をそのまま話すと、画面の操作説明にしか聞こえないことがあります。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれることを4行に分けて並べます。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれること
| やっていたこと | 伝わる言い方 | 面接で聞かれること |
|---|---|---|
| どの単位で数字を見せるかを決めた | 見る人の判断に合わせて見せる単位を決めた経緯として話す | その単位をどう決めたか |
| 画面の数字が最新か古いかを確認する担当を決めた | 更新の担当を決めて、判断のもとになる数字を保った経緯として話す | 更新の担当をどう決めたか |
| 見た人から分かりにくいという指摘を受けて画面を直した | 指摘を受けて、判断しやすい見せ方に直した経緯として話す | 何を基準に直したか |
| 複数の見方を求められて画面を増やした | 見る人ごとに必要な判断が違うと分かり、画面を分けた経緯として話す | 画面をどう分けたか |
表の4行は、Tableauで画面を作っていると起こりやすい場面を並べたものです。共通しているのは、やっていたことをそのまま話すのではなく、経緯を通して言い換える点です。
「どの単位で見せるかを決めた」だけを話すと、設定の説明にしか聞こえません。見る人の判断に合わせて単位を決めた経緯まで話すと、判断が加わった場面として伝わります。
「更新の担当を決めた」も同様です。担当を決めた結果だけでなく、その数字を根拠に誰が何を判断していたかまで話すと、作業者ではなく判断を支えた場面として伝わります。
「指摘を受けて画面を直した」も同じ型です。指摘の内容と、直した基準まで話すと、言われたとおりに直したのではなく、判断のしやすさを基準に直した場面として伝わります。
「画面を増やした」も同様です。増やした理由と、見る人ごとに必要な判断がどう違ったかまで話すと、画面を量産したのではなく、判断の違いに応じて分けた場面として伝わります。
4行に共通する型は、やっていたことの説明を、経緯を通じて言い換えるという型です。型が分かれば、ほかの場面にもそのまま当てはめられます。
画面を見せる相手が現場の担当者から報告先に変わると、伝える粒度も変わります。粒度の決め方については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 進捗報告は粒度で決まる|相手が判断できる形に
4. 見た人の判断が変わった場面を書き出します
面接でTableauの経験を話すとき、画面の作り方を詳しく説明しようとすると、話が長くなります。見た人の判断が変わった場面は、画面の説明より短い言葉で伝わります。
「この画面を見て、在庫を減らす判断に変わった」という一文は、画面の構成をどれだけ詳しく話すよりも、聞く側に残ります。判断が変わった場面は、結果を短く言い切れるところに強さがあります。
書き出す場面は、大きな成果である必要はありません。担当者が数字の見方を変えた、会議で使う資料が変わったという程度の場面でも、誰のどの判断が変わったかが分かれば材料になります。
判断が変わった場面は、良い方向への変化だけを指すわけではありません。見直した結果、それまでの判断のままでよいと分かった場合も、判断が変わった経緯として言葉にできます。
この経緯は、業務を知らない相手に説明する場面でも生かせます。分けて語る観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 業務知識は持ち運べるか|分けて語ると伝わる
5. 棚卸しは三層に分かれます
棚卸しは、抱えている経験をいきなり言葉にしようとすると、範囲が広すぎて手が止まります。作った記録・見た人と場面・変わった判断という三層に分けると、積み上げる順番が見えてきます。
土台になるのは、作った画面や仕組みの記録です。いつ何を作ったかという記録がなければ、その先の層を積み上げる材料がありません。
中段では、誰がどの場面で見ていたかを整理します。同じ画面でも、見る人や場面が違えば、そこで求められていた判断も変わります。
頂点では、誰のどの判断が変わったかを言葉にします。ここまで積み上げてはじめて、面接で話せる実績の形になります。
三層は、必ずしも一度で全部埋まるとは限りません。土台と中段だけが埋まっている経験は、頂点を言葉にする作業をこれから始める段階だと分かります。
6. 棚卸しは、言葉にできる記録で仕分けます
可視化の経験を実績にする前に、抱えている経験をまず仕分けておくと整理しやすくなります。
棚卸しの3つの観点
- 見た人:その画面を誰が見ていたかを、部署も含めて確認します
- 場面:どの場面でその画面を使っていたかを確認します
- 変わった判断:見た人の判断がどう変わったかを言葉にできるか確認します
棚卸しは、抱えている経験をすべて並べたうえで、3つの観点に沿って仕分ける作業です。仕分けた結果、判断の変化まで言葉にできる経験だけが、実績として語れる形になります。
見た人を確認する段階では、画面を見ていたのが誰か、どの部署の誰かまで把握しているかを見ます。見た人が分からない経験は、次の段階に進めません。
場面を確認する段階では、その画面がどの場面で使われていたかを見ます。前段で見た三層の整理が、ここでの仕分けの基準になります。
変わった判断を確認する段階では、判断の変化を文章として書き出してみます。書き出してみて具体的な文章にならない経験は、記録の内容が十分でないと分かります。
棚卸しを終えたら、判断の変化まで言葉にできる経験から順に、面接で話す候補として並べておくと準備がしやすくなります。
書き出す場面は、直近で担当した画面だけに絞らず、これまで担当してきた画面全体から探すと、候補として並べられる経験の数が増えます。
棚卸しは一度で終わらせず、新しい経験が増えるたびに見直すと、実績として言葉にできる経験の数を少しずつ増やしていけます。
見せる相手が社内の担当者から、導入を検討している相手に変わる場面もあります。説明の相手が変わるときの観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | プリセールスエンジニアへの転職|説明の相手が変わる
7. よくある質問(Q&A)
Q1. Tableauの経験が、社内向けの簡単な画面作成ばかりだった場合、実績として見劣りしますか。
A. 画面の複雑さよりも、その画面を見た人の判断がどう変わったかが実績として言葉にする際の材料になります。簡単な画面でも、判断が変わった経緯があれば実績になります。
Q2. 面接では、使ってきた機能をどこまで詳しく説明する必要がありますか。
A. 機能の詳しさよりも、何を見せれば判断の材料になったかという経緯を優先して話すほうが伝わりやすくなります。機能は、聞かれた範囲で答える形で十分です。
Q3. 棚卸しをしても、判断が変わった場面を思い出せない場合はどうすればよいですか。
A. 思い出せない場合は、画面を見た人からの反応や、あとで聞いた感想を手がかりに書き出しておくことができます。今後は反応をそのつど記録する習慣をつけることも次につながります。
Q4. 長く担当してきた画面を離れる場合、経験をどう伝えればよいですか。
A. 担当していた期間の長さそのものより、その間にどのような判断の変化を支えてきたかを、経緯として順に伝えるほうが実績として伝わりやすくなります。
8. まとめ:可視化の経験は、変えた判断として言葉にできます
この記事の要点
- 可視化の経験は、作った画面の数ではなく、誰のどの判断を変えたかで実績になります
- 面接では、やっていたことをそのまま話すより、伝わる言い方に置き換えたほうが伝わります
- 画面ができるまでの流れは、聞き取る→形にする→見てもらう→直す、の4段で振り返れます
- 棚卸しは、作った記録・見た人と場面・変わった判断という三層に分けて積み上げます
- 一般労働者の賃金は全国計で月340.6千円です*1。判断は経験の記録に置きます
可視化の経験は、作った画面だけでなく、誰の判断をどう変えたかという記録からも実績として言葉にできます。棚卸しで仕分け、判断の変化まで言葉にできる経験から、面接での言い方を整えていくことができます。担当してきた画面が多いほど、積み重なった経緯も多くなります。経験の残し方について気になる点は、専任エージェントに相談しながら整理することもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
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