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傷病手当金は協会けんぽで4日目から|退職後も受け取る2つの条件

傷病手当金は協会けんぽで4日目から|退職後も受け取る2つのイメージ写真

協会けんぽ(全国健康保険協会)の傷病手当金は、連続して3日休んだあと、4日目から支給されます*1。支給が始まる前のこの3日間を待期といい、有給休暇を使った日や土日祝日も待期に数えます*1。2日休んで3日目に出勤すると、待期は成立しません*1。

退職後も受け取れるのは、勤め先の健康保険に続けて1年以上入り、退職日に受けているか受けられる状態の人です*1。退職日を決める前に、この2つに当てはまるかを見ておいてください。ただし退職後に一度働ける状態になると、また働けなくなっても支給されません*1。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 支給の要件は4つで、仕事以外の病気やケガの療養で休むこと、仕事に就けないこと、待期を含めて4日以上休むこと、給与が出ていないことです*1。給与が出ていても傷病手当金の額より少なければ、差額を受け取れます*1。
  • 1日あたりの額は、支給を始める日以前の12か月の標準報酬月額(保険料の計算に使う月々の報酬の区分)の平均の30分の1に、3分の2を掛けた額です*1。協会けんぽの計算例では、平均が17万円のとき1日あたり3,780円です*1。
  • 退職日に「受けられる状態」かどうかは、4つの要件のうち給与の条件を除く3つで見ます*1。退職日までに待期の3日間が終わっていない人や、退職日に出勤して仕事をした人は、この状態に当たりません。

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1. 協会けんぽの傷病手当金は待期3日のあと4日目から支給される

傷病手当金は、仕事を休んだ日が連続して3日あったあと、4日目以降に仕事に就けなかった日に支給されます*1。病気やケガで会社を休み、会社から十分な報酬を受けられない被保険者(健康保険に入っている本人)に出る給付です*1。退職後も続けて受け取るには、被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日にも支給を受けられる状態であることが要ります*1。支給される期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月です*1。

たとえば月曜から続けて仕事に就けなかった場合は、月曜から水曜までが待期で、木曜の分から支給されます*1。金曜から休んだときは、土曜と日曜も待期に入るので、月曜の分が支給の始まりです*1。待期にあたる3日間の分は、傷病手当金として支給されません*1。

4日目以降も、支給されるのは仕事に就けなかった日の分だけです*1。途中で出勤した日があれば、その日の分は支給されません。そのため、休んだ日と出勤した日は、日付ごとに手帳などへ書き残しておいてください。

在宅勤務の日も同じで、出社していなくても、自宅で仕事をした日には傷病手当金が出ません。待期の途中で在宅勤務をした日を挟めば、その時点で連続した3日間は途切れます。体調が戻らないうちに自宅で作業を続けるかどうかは、医師と会社の両方に相談してください。

2. 待期の3日間を数えてから申請書を協会けんぽの支部へ出す

4日目以降の休んだ日の分を協会けんぽの支部へ申請する 1 会社を休む 仕事以外の病気やケガで仕事に就けない 2 待期の3日間 有給休暇や土日祝日も含めて連続3日 3 4日目から 仕事に就けなかった日が支給の対象 4 申請書を出す 加入している協会けんぽの支部へ 待期の3日間が続けば4日目の分から支給の対象に入ります

まず、待期の3日間は、欠勤した日だけでなく、有給休暇を使って休んだ日でも数えます*1。ただし、3日間が連続していることが条件で、月曜と火曜を休んで水曜に出勤すると待期は成立しません*1。

申請書は「健康保険傷病手当金支給申請書」で、提出先は加入している協会けんぽの支部です*1。4日目以降で最初に支給される日を支給開始日といい、1日あたりの額の計算も支給期間も、この日を基準にします*1。支給開始日が4日目になるのは、4日目も仕事に就けずに休んだときです。

3. 仕事以外の病気やケガで働けず給与が出ない日が支給の対象

支給の要件は4つあり、待期のほかに、業務外(仕事以外の理由)の病気やケガの療養で休むこと、仕事に就けないこと、給与が出ていないことが求められます*1。仕事中や通勤中の病気やケガは、労災保険(労働者災害補償保険)の対象なので、傷病手当金は出ません*1。たとえば通勤の途中で転んだケガも、労災保険の対象です。美容整形のように病気と見なされないものも、支給の対象から外れています*1。

次に、仕事に就くことができないかどうかは、療養担当者(診療にあたる医師など)の意見などを基に、仕事の内容を考えて判断されます*1。同じ病気やケガでも、どんな仕事をしているかによって判断が分かれることがあります。心身の不調で休む場合も、この判断のしかたは変わりません。そのため、診察では、机に向かう作業が中心か、外出や立ち仕事が多いかなど、自分の仕事の中身を医師に伝えてください。

最後に、給与の要件では、休んだ期間に給与が支払われていないかを見ます*1。給与が出ていても、その額が傷病手当金の額より少なければ、差額が支給されます*1。休職中も会社から給与の一部が出る人は、受け取る給与と傷病手当金の額のどちらが大きいかを比べてください。

たとえば4日目以降に有給休暇を使った日は、会社から給与が支払われる日です。その日は、有給休暇の給与が傷病手当金の額を下回るときに限って、その差が支給されます*1。待期の3日間を有給休暇で休んでも、4日目以降の支給額から差し引かれることはありません。

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4. 退職後の継続給付は加入1年以上と退職日の状態の2つで決まる

退職したあとも引き続き受け取れる仕組みは、資格喪失後の継続給付と呼ばれています*1。条件を見る日は、資格喪失日(健康保険の資格を失う日=退職日の翌日)の前日、つまり退職日です*1。1つ目の条件は、退職日までに被保険者期間が続けて1年以上あることです*1。この1年には、任意継続被保険者(退職後も協会けんぽの健康保険に入り続けている人)の期間や、共済組合・国民健康保険の期間を含めません*1。

2つ目の条件は、退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態にあることです*1。受けられる状態かどうかは、4つの要件のうち給与の条件を除く3つを満たしているかで見ます*1。そのため、退職日までに待期の3日間が終わっていなければ、受けられる状態とはいえません。退職日に出勤して仕事をすれば、その日は「仕事に就けない」という要件を満たさなくなります。

2つの条件のどちらかが欠けると退職後は支給されない 期間が1年未満 退職日に受けていても退職後は続きません 退職後も受け取れる 2つの条件がそろい引き続き支給されます どちらも欠ける 退職後の継続給付はありません 退職日に働ける 1年以上加入していても退職後は続きません 受 け ら れ る 状 態 働 け る 状 態 1年に届かない 続けて1年以上 2つがそろったときだけ退職後も引き続き支給されます

たとえば休職して傷病手当金を受けたまま退職する人は、2つ目の条件を満たしています*1。退職日を有給休暇にあてた場合も、給与の条件は2つ目の条件に入らないため、仕事に就けない状態で待期も終えていれば当てはまります*1。一方、働きながら通院していて、退職したあとに休み始める人は、退職日に受けられる状態ではありません。

ただし、退職後の継続給付は、いったん仕事に就ける状態に戻ると、その後に再び仕事に就けなくなっても支給されません*1。そのため、退職後も受け取る予定の人は、仕事に就ける状態に戻る見通しを、診察のときに医師と話しておいてください。

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5. 1日あたりの支給額と通算1年6か月の支給期間

1日あたりの額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均を30で割り、その3分の2を掛けて出します*1。表の17万円を自分の標準報酬月額の平均に置き換えれば、1日あたりの額が出せます。

協会けんぽの傷病手当金の1日あたりの額と支給期間*1

項目計算のしかた協会けんぽの計算例
もとにする額支給開始日以前の継続した12か月間の標準報酬月額の平均17万円
30で割る平均の30分の1を出す約5,670円
3分の2を掛ける30分の1にした額の3分の23,780円(1日あたり)
支給期間支給開始日から通算する1年6か月

一方、支給開始日より前の加入期間が12か月に満たない人は、計算に使う平均の出し方が変わります*1。直近の継続した月の標準報酬月額を平均した額と、全被保険者(協会けんぽに入っている人全体)の標準報酬月額の平均額を比べ、低いほうを使います*1。支給開始日が令和7年4月1日以降の人なら、比べる平均額は32万円です*1。そのため、直近の平均が32万円を上回る人でも、計算には32万円が使われます。転職して間もなく休むことになった人は、加入期間がこの12か月に届いていないことがあります。

支給期間の1年6か月は、退職後に継続給付を受ける場合も、在職中の支給開始日から通算した期間です*1。退職したからといって、支給期間が初めから数え直されることはありません。

6. 休み始めてから退職日までに書き出しておく4つの日付

支給が始まる日も、退職後に受け取れるかどうかも、日付を並べれば分かります。次の4つの日付を、休み始めたときから書き出しておいてください。

書き出しておく4つの日付

  • 休み始めた日:この日から連続した3日間が待期です*1。
  • 支給開始日:4日目以降で最初に支給される日です。支給期間はこの日から通算して数えます*1。
  • 健康保険に入った日:この日から退職日まで、被保険者期間が途切れずに1年以上あるかを見ます*1。
  • 退職日:翌日が資格喪失日です。この日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態かが問われます*1。

たとえば支給開始日が退職日より前にあり、退職日も休んでいれば、退職日に支給を受けている状態です*1。健康保険に入った日から退職日までが続けて1年以上あるかも、2つの日付を並べれば数えられます。退職日に出勤の予定を入れていないかも、あわせて見ておいてください。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 転職して1年たっていなくても傷病手当金は受け取れますか

A. 受け取れます。在職中の支給では、加入してからの期間の長さは4つの要件に入っていません*1。1年以上の加入が条件になるのは、退職後の継続給付だけです*1。加入して12か月に届かないうちは、1日あたりの額の出し方も変わります*1。

Q2. 自宅で療養している期間も傷病手当金は出ますか

A. 出ます。自宅療養の期間も、傷病手当金の支給の対象です*1。入院しているかどうかではなく、仕事に就けない状態かどうかとほかの要件で支給が決まります*1。

Q3. 自費で受けた診療でも傷病手当金は出ますか

A. 出ます。自費で受けた診療でも、仕事に就けないことの証明があれば支給の対象です*1。診療の費用を自分で払ったかどうかで、ほかの要件の見方が変わることはありません。

Q4. 退職後に任意継続で入ってから病気になった場合も受け取れますか

A. 受け取れません。任意継続被保険者の期間中に発生した病気やケガについては、傷病手当金が支給されません*1。退職後も続けて受け取れるのは、退職日の時点で傷病手当金の支給が始まっていたか、始められる状態だった病気やケガです*1。

8. まとめ:傷病手当金は4日目から出て退職後は2つの条件で続く

この記事のまとめ

  • 協会けんぽの傷病手当金は、連続した3日間の待期のあと、4日目以降に仕事に就けなかった日に支給されます*1。
  • 1日あたりの額は、標準報酬月額の平均の30分の1に3分の2を掛けた額で、支給期間は通算1年6か月です*1。
  • 退職後も受け取るには、被保険者期間が続けて1年以上あり、退職日に受けているか受けられる状態であることが要ります*1。
  • 在宅勤務を含めて仕事をした日や、給与が傷病手当金の額以上出ている日は、支給されません*1。

まず休み始めた日と退職日を書き出し、待期の3日間と1年以上の加入が退職日までにそろうかを見てください。そのうえで、「健康保険傷病手当金支給申請書」を協会けんぽの支部へ出します*1。

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出典・参考情報

*1 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」(2026年確認)

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