リモートワーク転職で自分らしく リラシク
  1. リモートワーク 転職で自分らしく「リラシク」
  2. リラシクコラム
  3. 退職の引き止めはハラスメント?言われたら残す記録と相談先

退職の引き止めはハラスメント?言われたら残す記録と相談先

退職の引き止めはハラスメント?言われたら残す記録と相談先のイメージ写真

退職を申し出たら、上司から何度も呼び出されて引き止められ、断っても話が終わらないことがあります。どこまでが普通の引き止めで、どこからがハラスメントなのか、分からなくなる人もいます。

退職の引き止めそのものは、それだけでハラスメントになるわけではありません。職場のパワーハラスメントは、上司などの立場を背景にした言動が仕事に必要な範囲を超え、働く環境を害するという3つの要素をすべて満たすものです*1。人格を否定する暴言や脅しを使えば、当たりえます*1。言われた日時と内容を記録し、総合労働相談コーナーに相談できます*4。

Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景にした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、働く環境が害されるものです。3つの要素をすべて満たす必要があります*1。
  • 期間の定めのない雇用は、退職を申し入れた日から2週間が過ぎると終わります*2。新しい人が見つかるまで、いつまでも退職を許可しないということはできません*3。
  • 引き止めで言われた日時と内容を記録しておくと、総合労働相談コーナーなどで相談するときに説明できます*4。

リモートワーク対応の正社員求人|Relasic(株式会社LASSIC運営)

退職後の働き方を考えるなら、リモートワーク対応の正社員求人も見てみてください。

リモートワーク対応の正社員求人を見る →

1. 退職の引き止めがハラスメントになるのは必要な範囲を超えたとき

引き止めることそのものは、ハラスメントではありません。ただ、人格を否定する言葉や脅しで仕事を続けにくくされたなら、パワーハラスメントに当たりえます*1。

職場のパワーハラスメントの定義には、3つの要素があります*1。①優越的な関係を背景とした言動であること、②業務上必要かつ相当な範囲を超えていること、③労働者の就業環境が害されることです*1。①から③がそろって初めてパワハラになります*1。

客観的にみて適正な業務指示や指導は、パワハラには当たりません*1。退職の申し出を受けた上司が、理由を聞いたり、残ってほしいと伝えたり、引き継ぎの段取りを相談したりするのは、この範囲に入ることが多いでしょう。

問題になるのは、言い方や回数です。大声で人格を否定する、退職するなら損害を払わせると脅す、話し合いを口実に何時間も帰さないといった言動は、必要な範囲を超えていると見られる可能性があります。どこからが範囲を超えるかは、言動の内容や頻度などの事情で個別に判断されます。

あわせて読みたい | 退職の引き止めの断り方は?言われる順に返す例文

2. パワハラの6つの類型と引き止めで起きやすい言動

パワハラの代表的な言動は、6つの類型に分けられています*1。退職を申し出たあとの場面に当てはめると、次のような言動が考えられます。右の列は類型の説明に沿った例で、当てはまれば必ずパワハラになるという意味ではありません。

パワハラの6類型と、退職の引き止めの場面で考えられる言動

類型類型の中身退職を申し出たあとに考えられる言動
身体的な攻撃暴行・傷害*1退職届を受け取らずに突き返し、物を投げつける
精神的な攻撃脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言*1「辞めるなんて無責任だ」と同僚の前で大声で責め続ける
人間関係からの切り離し隔離・仲間外し・無視*1退職を申し出た日から会議やチャットから外す
過大な要求業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制*1辞めるなら後任を自分で探せと命じる
過小な要求能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない*1退職を申し出たとたんに仕事を一切与えない
個の侵害私的なことに過度に立ち入る*1転職先の名前や家庭の事情をしつこく聞き出す

精神的な攻撃には、脅迫や名誉毀損、侮辱、ひどい暴言が当たると説明されています*1。退職を申し出たあとには、「無責任だ」「どこに行っても通用しない」といった言葉を繰り返される形で現れることがあります。

個の侵害とは、私的なことに過度に立ち入る言動を指します*1。転職先を言わないと退職を認めないといった言い方は、この類型に近い形です。転職先を答えたくなければ、「転職先は控えさせてください」と伝えて、それ以上は話を広げないのが無難です。

過大な要求や過小な要求も、退職の前後に起きやすい形です*1。後任を自分で探すよう命じられたり、反対に仕事を急に取り上げられたりしたら、その日付と内容も記録に加えます。

3. 普通の引き止めと範囲を超えた引き止めの違い

同じ慰留でも、伝え方によって受け止め方は大きく変わります。業務上必要な範囲の話し合いと、その範囲を超えた言動を並べると、違いが見えてきます。

引き止めは伝え方と回数で業務上必要な範囲を超えることがある 業務上必要な範囲 退職の理由を聞く 残ってほしいと伝える 退職日と引き継ぎを相談 条件の見直しを示す 範囲を超えうる言動 人格を否定する暴言 損害を払えという脅し 長時間帰さない面談 仕事を一切与えない 適正な業務指示や指導はパワハラに当たらない*1

左の列のような話し合いは、会社が人員の手配を考えるうえで必要なことです。待遇や配置の見直しを示されて、それを受けるかどうかを考えるのも、働く人の自由です。

右の列のような言動が続くと、出社そのものがつらくなることがあります。ただし、パワハラに当たるかどうかは、先に挙げた3つの要素がそろうかで判断されます*1。1つの言動だけで決めつけず、いつ、誰に、何を言われたかを記録しておけば、相談の場でそのまま見せられるはずです。

条件の見直しを示されたときは、その場で返事をせず、書面で内容を出してもらってから考えるのが安全です。口約束のまま退職を取りやめると、示された条件が守られなかったときに、何を約束されたのかを示せなくなります。

4. 退職は会社の許可がなくても申し入れから2週間で成立する

期間の定めのない雇用は、当事者がいつでも解約の申入れをでき、申入れの日から2週間が過ぎると終わります*2。民法第627条第1項の決まりで、会社の承諾は条件になっていません*2。

労働局の解説でも、新しい人が見つかるまで、いつまでも退職を許可しないということはできないとされています*3。話し合いが続いても、退職の意思を書面で伝えておけば、その日から2週間で雇用は終わります。

退職の意思は、口頭だけでなく、メールや退職届など日付の残る形で伝えておきます。申し入れの日がはっきりしていれば、2週間がいつ過ぎるかも数えられます。面談が何度続いても、申し入れた日は動きません。

退職するなら損害賠償を請求すると言われることもあります。労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約を禁止しています*5。「辞めたら罰金」のような約束は、この条文に反します。

有給休暇が残っている場合は、退職日までの2週間に使うこともできます。出社がつらいなら、退職の意思と一緒に、残りの有給休暇を使いたいことも書面で伝えておきます。年次有給休暇は働く人が請求して使うもので、退職が決まっていても使えることに変わりはありません。

あわせて読みたい | 退職願が受理されないときは?労働基準監督署と相談先の違い

5. 引き止めで言われたことを記録する

相談するときに一番役に立つのは、日時と内容が分かる記録です。言われた日、場所、その場にいた人、言われた言葉をできるだけそのまま書き留めます。言われた直後にスマートフォンのメモに残すだけでも、あとで経緯を説明しやすくなります。

チャットやメールで届いた慰留のメッセージは、消さずに保存しておきます。退職を申し出たメールや、退職届を出した日付の分かるものも、同じ場所にまとめておきます。

体調を崩して病院にかかった場合は、受診した日と医師に伝えた内容も控えておきます。面談で何時間も話が続いたなら、始まった時刻と終わった時刻を書いておくと、状況が具体的に伝わります。

記録は、事実と自分の受け止めを分けて書くのがこつです。まず「〇月〇日、会議室で課長から『辞めるなら損害を払え』と言われた」のように事実を書きます。そのあとに、眠れなくなった、出社がつらくなったなど、自分に起きたことを書き添えます。

6. 引き止めがハラスメントだと感じたときの相談先

都道府県労働局や全国の労働基準監督署などには、総合労働相談コーナーが置かれています*4。解雇、雇止め、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、あらゆる分野の労働問題を対象にしていて、予約は要らず、無料で相談できます*4。

相談は面談か電話で受け付けていて、相談者のプライバシーに配慮して対応するとされています*4。話を聞いたうえで、助言・指導やあっせんの制度を案内してもらえることもあります*4。

総合労働相談コーナーは、各都道府県労働局と全国の労働基準監督署などの378か所にあります*4。土日・祝日と年末年始は閉まっているので、平日の昼間に電話するか、窓口に行きます*4。

会社の中にハラスメントの相談窓口があれば、そこに相談することもできます。事業主には、パワハラの相談に応じて適切に対応するための体制を整えることが、労働施策総合推進法で求められています。社内の窓口に話しにくい場合は、外の総合労働相談コーナーを先に使って構いません。

7. よくある質問

Q1. 何度も引き止められるのはパワハラですか?

A. 回数だけでは決まりません。言い方や内容を含めて、3つの要素がそろうかどうかで判断されます*1。

Q2. 会社が退職を認めないと言ったら辞められませんか?

A. 期間の定めのない雇用なら、申し入れから2週間で終わります*2。会社の承諾は条件ではありません*2。

Q3. 辞めるなら損害賠償を払えと言われました

A. 違約金や損害賠償額をあらかじめ決める契約は、労働基準法第16条で禁止されています*5。総合労働相談コーナーに相談してください*4。

Q4. 転職先を言わないと退職を認めないと言われました

A. 答えたくなければ、控えたいと伝えます。何度も聞かれ続けるなら、その日時と言われた言葉を記録しておきます。

Q5. 相談するときは何を持っていけばいいですか?

A. 言われた日時と内容の記録、届いたメッセージ、退職の意思を伝えたメールや退職届の控えです。相談は予約なしで、無料です*4。

Q6. 引き止めがつらくて出社できなくなったらどうすればいいですか?

A. 体調が悪ければ病院を受診し、受診した日を控えておきます。そのうえで、退職の意思はメールで伝え、総合労働相談コーナーに電話で相談できます*4。

8. まとめ:退職の引き止めは必要な範囲を超えればハラスメントに当たりうる

この記事のまとめ

  • パワハラは、優越的な関係・業務上必要な範囲を超える・働く環境が害される、の3要素をすべて満たすもの*1
  • 慰留そのものや適正な話し合いは、パワハラに当たらない*1
  • 期間の定めのない雇用は、申し入れから2週間で終わる*2
  • 損害賠償額をあらかじめ決める契約は禁止されている*5
  • 記録をそろえて、総合労働相談コーナーに無料で相談できる*4

引き止めで嫌な思いをしたら、今日のうちに言われた日時と言葉をメモに残し、退職の意思をメールで送ったうえで、総合労働相談コーナーに電話してください。平日の日中なら予約なしでつながります。

退職と転職の進め方を相談するなら

Relasic(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。

会員登録は無料です。リモートワーク求人の情報を受け取れます

※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 職場におけるパワーハラスメントの定義(あかるい職場応援団・厚生労働省)
*2 民法 第627条(e-Gov法令検索)
*3 退職の申出があった際には(茨城労働局 よくあるご質問)
*4 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
*5 労働基準法 第16条(e-Gov法令検索)

転職ノウハウ その他の記事

もっと読む 〉
上部に戻る