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雇用契約書の期限の定めなしとは?正社員の契約期間

雇用契約書の期限の定めなしとは?正社員の契約期間のイメージ写真

内定先から届いた雇用契約書の契約期間の欄に「期間の定めなし」と書かれていて、これが正社員という意味なのか、いつまで働けるのかが気になる人もいます。書類の言葉が硬く、読み飛ばしてよいのかが分かりにくい欄です。

雇用契約書の期限の定めなしとは、契約期間を決めていない無期の労働契約のことです*1。定年がある会社なら、その年齢に達するまで雇用が続きます*1。期限の定めがあっても無くても、本人は辞められ、会社が解雇するには合理的な理由が要ります*2*3。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 無期労働契約とは契約期間に定めのない労働契約のことで、定年がある会社ではその年齢まで続きます*1。
  • 期間の定めがない雇用は、本人がいつでも解約を申し入れることができ、申し入れの日から2週間で雇用が終わります*3。
  • 会社が解雇するには、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要り、それを欠く解雇は無効です*2。

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1. 雇用契約書の期限の定めなしとは契約期間を決めない無期の雇用

契約期間を決めずに雇う無期の労働契約を指します。会社に定年があれば、雇用はその年齢まで続きます*1。

雇用契約書や労働条件通知書の契約期間の欄は、法律の言葉では「期間の定め」と書かれます。厚生労働省のモデル労働条件通知書でも、契約期間の欄は「期間の定めなし」と「期間の定めあり」のどちらかを選ぶ形です*1。検索するときの「期限の定めなし」は、この「期間の定めなし」と同じ意味で使われています。

厚生労働省の資料は、無期労働契約を、契約期間に定めのない労働契約と説明しています*1。一方、有期労働契約は契約期間に定めのある労働契約です*1。1回の契約期間の上限は原則3年で、専門的な知識を持つ人などとの契約は5年までとされています(労働基準法第14条)*1。

正社員として雇われる人の多くは、期間の定めなしの契約です。ただ、雇用契約書の名前や「正社員」という言葉ではなく、契約期間の欄にどちらが書かれているかで無期か有期かが決まります。

あわせて読みたい | 雇用契約書がない場合|労働条件通知書などの書面を会社に求める

2. 期限の定めなしと期限の定めありの違い

雇用契約書の契約期間の欄が「期間の定めなし」の場合と「期間の定めあり」の場合で、何が違うのかを並べました。

契約期間の定めの有無による違い

比べること期間の定めなし(無期)期間の定めあり(有期)
雇用が続く期間定年がある会社は定年まで*1契約期間の満了まで*1
本人が辞めるとき申し入れから2週間で終わる*3期間の途中はやむを得ない事由が要る*4
会社が解雇するとき合理的な理由と相当性が要る*2期間の途中はやむを得ない事由が要る*2
雇用契約書に書かれること契約期間の欄だけ*1更新の有無と判断の基準も書かれる*1

大きな違いは、契約期間の満了という終わり方があるかどうかです。有期の契約は、原則として契約期間の満了で労働契約が終わり、更新するかどうかは当事者の自由とされています*4。無期の契約には、この満了という終わり方がありません。

ただし、有期の契約でも守られる場面があります。何度も更新されていて、期間の定めがない契約と同じように見られる場合などがそうです。このとき会社が更新を断るには、解雇と同じく客観的に合理的な理由が要ります(労働契約法第19条)*4。

モデル労働条件通知書では、契約更新の有無や更新の判断の基準、更新上限の欄は、契約期間を「期間の定めあり」とした場合に書く欄になっています*1。期間の定めなしの人の書面で、これらの欄が空いていても問題はありません。

3. 有期の契約が期限の定めなしに変わる無期転換

今は期間の定めありの契約で働いている人でも、条件を満たせば期間の定めなしの契約に変えられます。労働契約法第18条の無期転換を、起きる順に並べました。

有期の契約を通算5年を超えて更新すると本人の申込みで期間の定めがない契約に変わる 有期で更新 同じ会社と契約を重ねる 通算5年を超える 申込みの権利が生じる 本人が申し込む 会社は承諾したとみなされる 無期の契約へ 期間の定めなしになる 通算の契約期間が5年を超える人が申し込むと、会社は承諾したものとみなされる*2

同じ会社との有期の契約が繰り返し更新されて、通算の契約期間が5年を超えた人は、期間の定めがない契約への転換を申し込めます*2。本人が申し込むと、会社はその申込みを承諾したものとみなされます*2。

無期転換の申込みができる契約に更新するときは、会社は無期転換を申し込めることと、転換した後の労働条件を書面で示す必要があります*1。2024年4月から、この明示が決まりになりました*1。

会社によっては、通算3年などで試験に合格すれば無期にする独自の制度を設けていることもあります。その試験に落ちた人でも、通算5年を超えて更新された場合は、労働契約法に基づく申込みの権利が生じます*1。

あわせて読みたい | 契約社員の無期転換とは|通算5年を超えたら申し込める

4. 期限の定めなしの契約で辞めるときと解雇されるとき

期間の定めがない契約だからといって、辞められないわけではありません。民法第627条は、期間の定めがない雇用について、当事者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間で雇用が終わると定めています*3。

就業規則で退職の申し出を1か月前などと決めている会社もあります。厚生労働省の解説では、2週間を大幅に延ばしたり、会社の許可を退職の条件にしたりする決まりは無効とされます*4。ただ、仕事の引き継ぎを考えて、決まりに沿った手続きをとることがもめごとを防ぐうえで大切だともしています*4。

会社の側から辞めさせる解雇には、制限があります。解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効になります(労働契約法第16条)*2。

期間の定めがある契約では、会社は、やむを得ない事由がなければ、契約期間が満了するまでの間に解雇できません(労働契約法第17条)*2。無期と有期では、途中で辞めさせる場合の決まりの厳しさが違います*4。

5. 期限の定めなしと定年の関係

期間の定めなしの契約は、いつまでも続く契約ではありません。会社に定年がある場合は、定年の年齢が雇用の終わる時期になります*1。

定年制とは、決まった年齢に達したことを理由に、自動的に、または解雇の意思表示によって労働者の地位を失わせる制度です*4。就業規則や労働協約に定められたものをいい、慣行として一定の年齢で辞める人が多いだけの場合は含まれません*4。

定年を定める場合、その年齢を60歳より低くすることはできません(高年齢者雇用安定法第8条)*4。65歳を下回る定年の会社は、定年の引き上げ、継続雇用制度、定年の廃止のどれかをとる必要があります(高年齢者雇用安定法第9条)*4。継続雇用制度とは、定年の後も続けて働ける制度のことです*4。

そのため、期間の定めがない労働者は、原則として65歳になるまでは何らかの形で働く場が用意されることになります*4。転職先を選ぶときは、雇用契約書の契約期間の欄に加えて、就業規則の定年の年齢も読んでおくと、何歳まで働けるかの見通しが立ちます。

継続雇用制度を設ける会社は、希望する人全員をその対象にしなければなりません*4。さらに65歳を過ぎてからも、70歳になるまでの就業の機会を確保するよう努めることが、2020年の法改正で会社に求められています*4。

6. 雇用契約書で期限の定めなしと一緒に読む欄

契約期間の欄が期間の定めなしなら、次に読むのは就業の場所と従事する業務の欄です。2024年4月からは、入社した直後の場所と業務に加えて、将来変わりうる範囲も書かれるようになりました*1。

リモートワークで働く人は、就業の場所の欄に自宅などが入っているかを見ておきましょう。入社した直後からテレワークをすることが想定されているなら、自宅やサテライトオフィスなどが就業の場所として書かれます*1。

入社後に在宅勤務へ移る見込みがある場合は、自宅などが就業の場所の変更の範囲として書かれます*1。入社直後は出社でも、後からリモートワークに移れるかどうかは、この変更の範囲の欄から読み取れます。

賃金、労働時間や休日、退職に関する事項も、書面で示さなければならない項目です*1。期間の定めなしの契約では、入社のときに受け取るこの書面がその後の条件の元になるので、控えを手元に残しておいてください。紙で受け取った場合は、写真やスキャンで写しも作っておくと、後で探すときに困りません。

書面に書かれた条件が実際と違っていた場合は、労働基準法第15条により、労働者はすぐに労働契約を解除できます*4。入社前に受け取った書面と、面接で聞いた話が食い違うときは、入社する前に人事の担当者に聞いておきましょう。

7. よくある質問

Q1. 雇用契約書の期限の定めなしは正社員という意味ですか?

A. 無期の労働契約、つまり契約期間の終わりが無い契約という意味です*1。正社員の多くが当たりますが、正社員かどうかは書面の別の欄や会社の制度で決まります。

Q2. 期限の定めなしなら定年まで働けますか?

A. 会社に定年があれば、原則としてその年齢まで働けます*1。ただし、本人の退職や、合理的な理由のある解雇で途中で終わることもあります*2*3。

Q3. 期限の定めなしでもすぐに辞められますか?

A. 申し入れの日から2週間がたてば雇用は終わります*3。会社が承諾すれば、それより早く辞めることもできます*4。

Q4. 有期の契約から期限の定めなしに変えられますか?

A. 有期の契約が通算5年を超えた後に本人が申し込めば、期間の定めがない契約に変わります*2。

Q5. 期限の定めなしの書面に更新の欄が空いていても大丈夫ですか?

A. 更新の欄は期間の定めありのときに書く欄なので*1、無期の契約なら空欄のままで構いません。

Q6. 期限の定めなしの正社員は65歳を過ぎても働けますか?

A. 65歳を過ぎた後の就業の機会については、会社に努力義務が課されています*4。実際に働けるかどうかは、その会社が設けている継続雇用などの制度によります。

Q7. 期限の定めなしの契約でも転勤はありますか?

A. 転勤の可能性は、就業の場所の変更の範囲の欄に書かれます*1。入社前に、この欄に書かれた勤務地の範囲を読んでおき、分からない書き方があれば内定先に問い合わせて、どこまで転勤がありうるのかを先に知っておくと安心です。

8. まとめ:雇用契約書の期限の定めなしは定年まで続く無期の契約

この記事のまとめ

  • 期限の定めなしは、終わりの日を決めない無期の労働契約*1
  • 会社に定年があれば、その年齢で雇用が終わる*1
  • 本人は申し入れから2週間で辞められる*3
  • 会社の解雇には客観的に合理的な理由と相当性が要る*2
  • 有期の契約も通算5年を超えて申し込めば無期になる*2

雇用契約書を受け取ったら、契約期間の欄を読んで無期か有期かを知り、就業の場所と定年の年齢もあわせて読んでおいてください。

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出典・参考情報

*1 2024年4月からの労働条件明示のルール変更 備えは大丈夫ですか?(厚生労働省・2024年9月)
*2 労働契約法 第16条〜第19条(e-Gov法令検索)
*3 民法 第627条(e-Gov法令検索)
*4 しっかり学ぼう!働くときの基礎知識 退職、解雇、雇止めなど(厚生労働省 確かめよう労働条件)

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