連結の決算がある求人は待つ時間と頼む仕事が入ります
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

求人票に「グループ会社」「関係会社」という語があるとき、その仕事には会計の知識だけでは測れない特徴があります。会社が複数あると、締めの作業は二段になります。各社が自分の分を締め、そのあとに全体をまとめる流れです。この形がどんな時間の使い方を求めるのかを、先に確認しておく必要があります。
厚生労働省の調査では、全職業の有効求人倍率は1.26倍でした*1。求人の数自体は狭くありませんが、締めが二段になる求人を選ぶかどうかは、待つ時間をどう捉えるかによって変わります。
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この記事のポイント
- 全職業の有効求人倍率は1.26倍です。締めが二段になる求人も、選択肢自体は狭くありません*1。
- 一般労働者の賃金は55〜59歳でピークの396.2千円です。経験を積んだ後に評価が上がりやすい仕事です*2。
- 「グループ会社」「関係会社」という語がある求人には、待つ時間と、社外に形をそろえてもらう仕事が含まれます。
1. 連結決算のある求人では、待つ時間が仕事に含まれます。
グループ会社を含む正社員求人で連結決算に触れる仕事は、締めの作業が二段になります。各社が自分の分を締め、そのあとに全体をまとめる工程が続くため、まとめる側には前工程が終わるまで動けない時間が生まれます。厚生労働省の調査では、全職業の有効求人倍率は1.26倍でした*1。求人の数自体は狭くありませんが、連結決算にかかわる求人を選ぶかどうかは、この待つ時間をどう捉えるかによって変わります。
連結決算のある職場でまとめる側に回ると、自分の手が空いていても次の作業を始められない時間が生まれます。前の段が終わっていない限り、まとめる工程には進めません。
この時間は、予定表に最初から書き込まれていない場合があります。空いているように見える時間帯が、実際には次の提出を待つ時間になっていることがあります。
待つ時間をあらかじめ予定に入れておくと、次の作業が来た瞬間に動き出せます。入れていないと、空いている時間がただ止まっているように見えてしまいます。
求人票だけでは、待つ時間がどのくらいの長さになるかまでは分かりません。面談で、締めの周期と、まとめる工程が始まるまでの間隔を聞いておくと、実際の時間の使い方が見えてきます。
求人票を見るときは、「グループ会社」「関係会社」という語があるかを確認します。この語がある求人では、連結決算にかかわる業務を通じて、待つ時間と、他社に頼む仕事の両方が仕事の中身に含まれます。
同じ職場のなかでも、まとめる側と、各社の締めを担当する側とでは、待つ時間の感じ方が違います。まとめる側だけが、複数の会社の状況をまとめて把握する立場にあります。
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2. 形がそろっているかどうかで、次の動きが分かれます。
連結決算にかかわる求人では、各社から出てくる締めの形がそろっているかどうかで、次にすべきことが変わります。
形がそろっている会社同士なら、まとめる側はそのまま数字を並べる作業に進めます。ここでの待つ時間は、前工程の完了を待つだけです。
会社ごとに呼び方や区分が違う場合は、まとめる前にそちらを直してもらう必要があります。直すのは提出する側の会社であり、まとめる側が代わりに直すことはできません。
この交渉が必要になった時点で、連結決算にかかわる仕事は社内だけで完結しなくなります。遠くにいる相手の会社に、期日と形を合わせて依頼して回ることになります。
形をそろえてもらう依頼は、1回で済まないこともあります。相手の会社の担当者が変わっていたり、前回と違う形で出てきたりすると、依頼をやり直すことになります。
依頼をやり直す間、まとめる側の予定は前に進みません。この時間も、待つ時間の一部として数えておく必要があります。
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3. 前工程の遅れは、まとめる工程の期日をそのまま押します。
各社が締めを終える日がそろわないと、まとめる工程はそのなかで最も遅い会社に合わせて始まります。1社の遅れが、そのまま全体の期日を後ろにずらします。
情報処理推進機構(IPA)の調査では、DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%でした*3。この数字は連結決算の業務そのものを示すものではありませんが、仕組みを整える人手が全体に薄いことを表しています。
遅れが後ろに乗る工程では、まとめる側が動ける時間の窓が狭くなります。前工程がずれた分だけ、確認や修正にかけられる時間も削られます。
求人票や面談では、遅れが起きたときにまとめる側がどう動くかを聞くと、実際の業務量が見えてきます。「前の段が遅れたとき、まとめる側はどうしていますか」という聞き方が使えます。
複数の会社が関係する場合、締めの余裕をどこに置くかは1社だけでは決められません。全体の確定日を動かすには、関係する会社の合意が必要になります。
遅れが起きた後にどう動くかだけでなく、遅れをどこまで前もって想定しているかも、まとめる側の仕事の質を分ける点になります。
4. 各社の締めとまとめの工程を、表で確認します。
連結決算にかかわる業務の流れを、各社の締め・まとめ・確定という3つの工程に分けて表にします。
【表1】各社の締めからまとめ・確定までの工程
| 工程 | 誰が動くか | 止まりやすい点 |
|---|---|---|
| 各社の締め | 各社の担当者 | 会社ごとに区分や呼び方が違うと時間がかかります |
| まとめ | まとめる側 | 最も遅い会社の締めが終わるまで進められません |
| 確定 | まとめる側と各社 | 直す依頼が発生すると、確定の日がさらに後ろに動きます |
表のとおり、各社の締めが終わらない限りまとめる工程は始まりません。会社ごとに区分や呼び方が違う場合、まとめる前に直してもらう時間も加わります。
確定の工程では、直す依頼が入るとその分だけ日程が後ろにずれます。まとめる側の期日は、各社の締めの遅れと、直す依頼の両方を受け止める位置にあります。
まとめる側は、締めを待つ役割と、形をそろえてもらう依頼を出す役割の両方を担います。表の「まとめ」と「確定」は、この2つの役割が重なる工程です。
この3つの工程を求人票だけで判断するのは難しいため、面談でどの工程を主に担当するかを聞いておくと、入社後の役割が具体的になります。
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5. 締めからまとめ・確定までの流れをたどります。
連結決算にかかわる業務の流れを、各社の締めから確定まで順番に見ていきます。
各社の締めが終わった時点で、担当者の手は一度空きます。ただし次の提出を待つ間は、新しい作業を始められません。
提出された数字の形がそろっていない場合、まとめる側は先に区分や呼び方を直してもらう依頼を出します。この依頼は社外に向けたものになるため、返答を待つ時間が生じます。
確定の直前になるほど、待つ時間の影響は大きくなります。前の段の遅れがそのまま確定の日程に乗るためです。
流れ図のとおり、4つの工程は順番が固定されています。まとめる側の都合で「確定」を先に進めることはできません。
この4つの工程のうち、まとめる側が自分の裁量で進められるのは「まとめ」だけです。ほかの工程は、他社の状況や前工程の結果に左右されます。
6. 求人票で確認しておきたい点を整理します。
連結決算にかかわる求人に応募する前に、確認しておきたい点を整理します。
確認しておきたい点
- グループ会社の語:求人票に「グループ会社」「関係会社」という語があるかを確認します。
- 待つ時間の扱い:前工程の完了を待つ時間が、業務の予定にどう組み込まれているかを確認します。
- 交渉の相手:形をそろえてもらう依頼を、誰にどのくらいの頻度で出しているかを確認します。
- 経験の水準:この業務にどの程度の実務経験を求めているかを確認します。
- 働き方の確認:連絡や依頼のやり取りが中心か、出社が必要な場面があるかを確認します。
求人票に「グループ会社」「関係会社」という語がある場合、その仕事には連結決算にかかわる業務が含まれます。待つ時間と、社外に頼む仕事の両方が含まれる場合があると、先に想定しておきます。
この業務は経験を積んだ後に評価が上がりやすい仕事です。一般労働者の賃金は55〜59歳でピークの396.2千円でした*2。実務経験の年数が、任される範囲に影響する場面があります。
関係する会社の数が多いほど、待つ相手も増えます。面談では、まとめる対象がいくつの会社にわたるかも確認しておくと、業務量の見立てがしやすくなります。
待つ時間のあいだに他の業務を並行して進められるかどうかも、求人によって異なります。何をしてよいかを求人票や面談で確認しておくと、実際の忙しさが見えてきます。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 「連結」という語が求人票にあれば、会計処理の詳しい知識が必須か。
A. 求人ごとに異なります。求人票や面談で、どこまでの知識を求めているかを確認する必要があります。ここでは会計処理の中身ではなく、複数の会社をまとめる業務の進み方を取り上げています。
Q2. 待つ時間がある仕事は、忙しさが少ないということか。
A. そうとは限りません。手が空く時間帯があっても、次の提出が来た瞬間にまとめる作業が集中します。待つ時間と作業が薄い時間は、同じではありません。
Q3. 形をそろえてもらう依頼は、どのくらいの頻度で発生するか。
A. 求人によって異なります。関係する会社の数や、締めのタイミングが年に何度あるかによって変わるため、面談で具体的な回数を聞いておくと判断しやすくなります。
Q4. 遠くの会社との調整が多い仕事は、出社を前提にしているか。
A. 出社を前提としない求人もあります。連絡や依頼のやり取りが中心になる業務では、リモートワーク対応の求人のなかにも該当する求人があります。
Q5. 待つ時間が長い求人は、リモートワークに向いていないか。
A. そうとは言えません。次の提出を待つ間の連絡や依頼のやり取りは、場所を問わずに進められる場合があります。出社の頻度は、求人ごとに確認する必要があります。待つ時間の長さそのものより、その時間に何をするかが働き方の決め手になります。
8. まとめ:待つ時間と頼む仕事が、この仕事の中身になります。
この記事の要点
- 各社が締めてから全体をまとめる、二段の工程があります。前の段が終わらないと次が始まりません。
- 1社の遅れが、まとめる工程の期日にそのまま乗ります。
- 会社ごとに形が違う場合、そろえてもらう依頼を出します。直すのは相手側なので、頼んで待つことになります。
- 求人票では「グループ会社」「関係会社」という語の有無を確認します。面談では、遅れが起きたときの対応を聞きます。
連結決算にかかわる求人を選ぶかどうかは、待つ時間をどう捉えるかで変わります。求人票と面談で、待つ時間の扱いと、形をそろえてもらう相手の範囲を先に確認しておくと、入社後の業務量の見立てがしやすくなります。関係する会社が増えるほど、頼む相手も増えるという前提を、応募の前に持っておくことが役に立ちます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和7年12月分)
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026 広がるAI導入、DXは変われるか」(2026年7月公表)
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