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契約書の電子化がある求人で先に決め直すことを解説

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

契約書の電子化がある求人で先に決め直すことを解説のイメージ写真

紙の書類をやめる話が動き出すと、システムを選ぶ前に決めておくことがあります。誰が承認するかという範囲と、いつから有効になるかという発効の時点です。この2つを決めずに契約書の電子化を進めると、押印の代わりに何を残すかが現場ごとに違ったままになります。求人票やIT系の求人情報にも、電子化やワークフロー整備という語で募集がかかることがあります。応募する側にとっては、その語の裏にどんな決め直しが隠れているかを知っておくことが、面談で聞く質問を組み立てる助けになります。

一般労働者の賃金は、60〜64歳で月329.3千円です*1。承認と発効の運用ルールを決め直す仕事は、この年代まで経験を積んだエンジニアが応募先として検討する対象にもなります。

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数字で見る、決め直しの重み この記事の要約 60〜64歳の賃金の目安 *1 329.3千円 月額・一般労働者 厚生労働省調査(2025年) 経験を積んだ層の応募の目安になる 水準 DX人材が不足と回答した企業 *2 85.5% やや不足+大幅に不足 IPA調査(2025年度) 人手を必要とする領域が広い 転職で賃金が減少した割合 *3 29.4% 転職入職者のうち 厚生労働省調査(2024年) 待遇は面談で確かめる必要がある 経験の水準も、人手の広さも、待遇の確かめ方も、数字で見ておけます。 *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 一般労働者の60〜64歳の賃金は月329.3千円です*1。契約書の電子化に伴う承認ルールの設計は、この年代まで経験を積んだエンジニアが応募先として検討する対象にもなります。
  • DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%でした*2。人手を必要とする領域が広いため、承認と発効を決め直す仕事も、外の人手に開かれています。
  • 転職入職者のうち賃金が減少した割合は29.4%でした*3。転職で待遇が必ず上がるとは限らないため、応募先の給与条件は面談で確かめる必要があります。

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契約書の電子化に関わる求人は、リモートワーク対応の求人にも含まれます。

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1. 紙の契約書をやめる話は、承認と発効の決め直しです。

紙の書類をやめる話は、システムの入れ替えではなく、承認と発効という2つの決め直しです。一般労働者の60〜64歳の賃金は月329.3千円でした*1。契約書の電子化に伴う運用ルールを決め直す仕事は、この年代まで経験を積んだエンジニアが応募先として検討する対象にもなります。求人票に載る語だけでは仕事の中身が見えにくいため、内容を確かめておく必要があります。

紙の書類をシステムに移す話が出たときに想像されやすいのは、押印を電子署名に置き換える作業です。仕組みの側で実際に発生する仕事は、そこだけでは終わりません。誰が承認するのかという範囲と、いつから有効になるのかという発効の時点を、先に決め直す作業が控えています。

紙の契約書では、押印した日をそのまま発効日として扱う運用があります。電子化した後は、送信した日、相手が同意した日、システムに記録された日という複数の候補が生まれます。どの日を発効日とするかを決めないまま仕組みを作ると、契約の有効期間を後から数え直す事態になります。

承認の範囲も同じです。紙の書類では、押印できる立場の人がそのまま承認者でした。電子化した後は、システム上でボタンを押せる人の範囲を、別に決め直す必要があります。押印できた人が、そのままシステムの承認権限を持つとは限りません。

求人票に契約書の電子化やワークフロー整備という語があっても、承認の範囲と発効の時点をどちらまで決め直す仕事かは書かれていない場合があります。面談で対象の範囲を確認すると、任される仕事の大きさをつかみやすくなります。

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2. 人手不足は広いが、転職で賃金は下がることもあります。

電子化に関わる仕事の求人環境を確認する前に、人手の状況と転職後の賃金の変化を数字で見ます。

DX人材の不足感と転職後の賃金変化(%) DX人材が不足と回答した企業 85.5% 転職で賃金が減少した割合 29.4% 人手を必要とする領域は広い一方、転職で賃金が下がる場合もあります。両方を数字で確認しておく必要があります。 *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%でした*2。人手を必要とする領域が広いため、承認と発効を決め直す仕事も、外の人手に開かれています。

一方で、転職入職者のうち賃金が減少した割合は29.4%でした*3。転職をすれば必ず待遇が上がるとは限らないため、契約書の電子化に関わる求人であっても、給与の条件は個別に確かめる必要があります。

求人票に書かれた金額だけで判断せず、面談で現在の給与からの変動を具体的に聞いておくと、入社後に条件のずれに気づく事態を避けやすくなります。

3. 承認者と発効日は、別々に決める問いです。

承認者を決める問いと、発効日を決める問いは、別の問いです。紙の契約書では、この2つが押印という1つの行為に重なっていました。押印した人が承認者であり、押印した日が発効日でもありました。

電子化すると、この重なりが外れます。誰が承認の意思を示したボタンを押せるかという範囲と、いつから契約の効力が生じるかという時点は、別々に設計する対象になります。

承認者の範囲を決めるときは、これまで押印していた立場の人数と、システム上で権限を持たせる人数が一致するとは限らないという点が論点になります。決裁の階層をそのまま承認フローに写すと、1人が休むだけで契約が止まります。代理の承認者をどこまで認めるかも決める事柄です。

発効日を決めるときは、送信した日、相手が同意した日、システムに記録された日という複数の候補のうち、どれを契約の効力の起点にするかを選びます。相手側と自社のシステムで記録される時刻がずれる場合もあるため、どちらを正とするかも決めておく点です。

この2つの問いは、技術だけでは答えが出ません。承認の範囲は組織の決裁ルールを知る人が決め、発効日の扱いは契約の実務を知る人が決めます。仕組みを作る側の仕事は、決まった内容をシステムの設計に落とし込むところから始まります。

4. 紙と電子化後で、承認と発効の扱いを比べます。

転職入職者のうち賃金が減少した割合は29.4%でした*3。待遇を確かめる材料として、紙の書類と電子化した後で、承認と発効の扱いがどう変わるかを表で確認します。

【表1】紙の書類と電子化後の扱いの比較(承認・発効・控え)

確認する点紙の書類電子化した後
承認の行為押印できる立場の人が承認者になりますシステム上で承認権限を持つ人を別に決めます
発効の起点押印した日をそのまま発効日として扱います送信日・同意日・記録日のどれを起点にするか決めます
控えの持ち方双方が紙の控えを1通ずつ保管しますシステム上の記録を双方が参照する形になります

表の1行目にあるとおり、紙の書類では押印できる立場の人がそのまま承認者でした。電子化した後は、システム上で承認権限を持つ人を、押印の立場とは別に決め直す必要があります。

発効の起点も同じです。紙では押印した日をそのまま発効日として扱いますが、電子化した後は送信日・同意日・記録日のどれを起点にするかを選ぶ作業が入ります。

控えの持ち方も変わります。紙では双方が1通ずつ保管しますが、電子化した後はシステム上の記録を双方が参照する形に変わります。参照する記録が消えたときの扱いまで、決めておく点になります。

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5. 承認者と発効日の決め方で、残る仕事が変わります。

承認者の範囲と発効日の扱いを、どちらから決めるかによって、後に残る仕事の形が変わります。

決め方の組み合わせで変わる、後に残る仕事 発効だけ先行 発効日は決まっていても、承認者の範囲が定まらない まま運用が始まります。承認が止まる場面で、 誰が代わりに判断するかが決まっていません。 決め直しが完了 承認者の範囲も発効日の起点も決まった状態です。 仕組みの設計にそのまま進められます。 両方が未定 承認者も発効日も決まっていません。運用が始まった 後に、契約ごとに扱いが割れる事態が起こります。 承認だけ先行 承認者の範囲は決まっていても、発効日の起点が定ま らないまま運用が始まります。契約の有効期間を数え る基準が、契約ごとに違ってしまいます。 承認者が未定 承認者が確定 承認者と発効日は、どちらか一方だけを先に決めても仕事は終わりません。両方を決めてから仕組みを作る順番が、後戻りを減らします。

図の右上のように、承認者の範囲と発効日の起点をどちらも決めた状態であれば、仕組みの設計にそのまま進められます。

左上のように発効日だけを先に決めた場合、承認者の範囲が定まらないまま運用が始まります。承認の途中で担当者が不在になったときに、誰が代わりに判断するかが決まっていない状態です。

右下のように承認者だけを先に決めた場合は、発効日の起点が定まらないまま運用が始まります。契約ごとに送信日と同意日のどちらを基準にするかが割れ、有効期間を数える基準が契約ごとに違ってしまいます。

左下のように両方が未定のまま運用を始めると、承認と発効の扱いを契約ごとに個別に判断する仕事が、稼働後もずっと残ります。仕組みを作る側から、承認者の範囲と発効日の起点を先に聞いておくことが、この後戻りを避ける手段になります。

6. 求人票と面談で確認しておきたい点を整理します。

電子化に関わる求人かどうかは、求人票に載っている語と、面談で聞く内容から見分けられます。

承認と発効の決め直しに関わる仕事を見分ける確認点

  • 求人票の語:「契約書」「ワークフロー」「電子化」という語があるかを確認します。
  • 承認者の範囲:システム上で承認権限を持つ人の範囲が決まっているかを面談で確認します。
  • 発効日の扱い:送信日・同意日・記録日のどれを発効の起点にしているかを確認します。
  • 賃金の水準:一般労働者の賃金は60〜64歳で月329.3千円です*1。経験を積んだ層の待遇を、応募先を比べる基準に加えられます。

求人票に「契約書」「ワークフロー」「電子化」という語があれば、承認と発効の決め直しに関わる仕事だと想像できます。語がないまま「システム開発」とだけ書かれている求人は、実際の業務を求人票だけでは判断できません。

面談で「承認者の範囲は、システム上でどこまで決まっていますか」と聞くと、決め直しの進み方が分かります。即答できない場合は、決め事がまだ固まっていない可能性があります。

発効日についても、「送信日・同意日・記録日のどれを起点にしていますか」と聞いておくと、契約の有効期間を数える基準がどこにあるかを把握できます。

一般労働者の賃金は60〜64歳で月329.3千円です*1。経験を積んだ層がこの水準にあることを踏まえ、応募先を比べる基準の1つに加えられます。

求人票に書かれた業務名だけでは、承認と発効の決め直しがどこまで固まっているかは分かりません。面談で聞く質問と合わせて確認することが、実際の運用を知る手がかりになります。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 契約書の電子化に関わる仕事は、どの職種が担うか。

A. システムの設計や運用に関わる職種が担います。ただし承認者の範囲や発効日の扱いは、契約の実務を知る人と一緒に決める仕事です。

Q2. 承認者の範囲を決めるとき、最初に何を確認するか。

A. これまで押印していた立場の人数と、システム上で権限を持たせたい人数を、まず書き出すことから始めます。代理の承認者を認めるかどうかも、あわせて確認する点です。

Q3. 発効日の起点は、送信日・同意日・記録日のどれを選べばよいか。

A. 決まった正解はありません。契約の実務を知る人が、送信日・同意日・記録日のどれを起点にするかを選び、双方のシステムで記録される時刻がずれないかまで確認します。

Q4. 電子化に関わる経験は、他の求人でも評価されるか。

A. 評価されます。承認者の範囲と発効日の起点という異なる基準を決め直した経験は、契約書の電子化に限らず、業務の決め事を仕組みに落とし込む求人でも共通して求められる観点です。

Q5. 電子化した後、紙の書類と同じ効力を持つか。

A. 契約の種類や関係する法令によって扱いが異なります。効力の扱いは法務の判断が必要な事柄のため、仕組みを作る側だけで決めず、契約の実務を知る人に確認したうえで設計します。

8. まとめ:契約書の電子化は、承認と発効を決め直す仕事です。

この記事の要点

  • 紙の書類では、押印という1つの行為が承認と発効の両方を兼ねていました。電子化すると、この2つを別々に決め直す必要があります。
  • 承認者の範囲は、押印できた立場の人数とシステム上の権限を持つ人数が一致するとは限りません。代理の承認者をどこまで認めるかも決める点です。
  • 発効日は、送信日・同意日・記録日のどれを起点にするかを選ぶ作業です。双方のシステムで記録される時刻のずれも確認しておく点になります。
  • 求人票では「契約書」「ワークフロー」「電子化」という語と、面談での「承認者の範囲は、システム上でどこまで決まっていますか」という質問が、仕事の中身を見分ける手がかりになります。

電子化に関わる仕事は、システムを切り替えた時点で終わるとは限りません。承認者の範囲や発効日の扱いは、契約の類型が増えるたびに見直しが入ります。次の一歩は、こうした仕事がどんな求人票の言葉で募集されているかを確かめることです。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*2 IPA「DX動向2026」(2026年公表)
*3 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)

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