在宅勤務できるエンジニア職種は?実施率・求人の探し方まで最新データで解説

「在宅勤務で働けるエンジニアの仕事は、実際どのくらいあるのだろう」。
そう思って検索した方に、まずお伝えしたいことがあります。国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、情報通信業の雇用型テレワーカー割合は72.8%。これは全業種の中で最も高い数字です。
つまり、エンジニアは「在宅勤務に最も近い職種」といえます。しかし、その一方で、出社回帰やハイブリッド化といった変化も進行しています。
本記事では、総務省や国土交通省など公的機関のデータと、テレリモ総研の実態調査をもとに、在宅勤務エンジニアの「今」を多角的に解説します。転職や働き方を見直す判断材料として、お役立てください。
■ この記事のポイント
① 情報通信業のテレワーク実施率は72.8%――エンジニアが在宅勤務に最も適した職種である背景をデータで確認します
② 出社回帰とハイブリッド化の流れの中で、エンジニアが「最適な働き方」を選ぶための判断基準を整理します
③ 在宅勤務を前提とした求人の探し方と、転職活動で確認すべきポイントを具体的に解説します
1.在宅勤務エンジニアの「現在地」――データで見る実態
まず、エンジニアの在宅勤務がどの程度普及しているのか、公的データで確認しましょう。
1-1.情報通信業のテレワーク率は全業種トップ
国土交通省が2025年3月に公表した「令和6年度テレワーク人口実態調査」(有効サンプル数4万人)によると、雇用型テレワーカーの割合は全国平坧24.6%です。
その中で、業種別に見ると情報通信業は72.8%と突出して高く、次いで学術研究・専門・技術サービス業の54.5%が続きます。
▼ 業種別テレワーカー割合(主要業種抜粋)
| 業種 | テレワーカー割合 | 全国平均との差 |
| 情報通信業 | 72.8% | +48.2pt |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 54.5% | +29.9pt |
| 金融・保険業 | 42.3% | +17.7pt |
| 全業種平均 | 24.6% | ― |
| 医療・福祉 | 5.8% | -18.8pt |
出典:国土交通省「令和5年度テレワーク人口実態調査」(2024年3月公表)より編集部作成
この数字が示すのは、エンジニア職は「在宅勤務ができるかどうか」ではなく、「どのような在宅勤務の形を選ぶか」が論点になる段階にあるという事実です。
1-2.テレワーク導入企業は47.3%――制度はあるが、活用は進行中
総務省「令和7年版情報通信白書」によれば、令和6年通信利用動向調査でのテレワーク導入企業は47.3%です。前年の約50%から微減しており、「制度はあるが実際には使われていない」企業も含まれる点に注意が必要です。
パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」(2025年7月時点、正社員n=約20,000)では、正社員のテレワーク実施率22.5%とほぼ横ばいで推移しています。つまり、全体としては「安定・定着フェーズ」に入っているといえます。
では、この「安定期」において、エンジニアの働き方はどう変わっているのでしょうか。
2.出社回帰とハイブリッド化――エンジニアの働き方は今、どうなっているのか
出社回帰の流れが報じられる一方で、実際のデータはもう少し複雑な様相を示しています。
2-1.IT系技術職のテレワーク頻度は週約1.8回
パーソル総合研究所の同調査では、職種別のテレワーク頻度を見ると、「IT系技術職」は週約1.8回と、コンサルタントと並び最も高い水準です。一方で、全体のテレワーク頻度は減少傾向にあり、週に1日以下のテレワーカーが49.4%に上昇しています。
2-2.ハイブリッド型が主流に
編集部が複数の調査データを総合したところ、ITエンジニアの働き方で最も多いのは「ハイブリッド型勤務」で、その中でも週に2〜3日出社するパターンが中心です*4。国土交通省の実態調査でも、雇用型テレワーカーの平均テレワーク日数は週約2.1日となっており、「週の半分は自宅、残りは出社」というスタイルが一つの基準として定着しつつあります。
▼ エンジニアの働き方パターン比較
| 比較項目 | フルリモート | ハイブリッド型 | フル出社 |
| 出社頻度 | 原則なし | 週に2〜3日 | 毎日 |
| コミュニケーション | チャット・ビデオ中心 | 対面とオンラインの併用 | 対面中心 |
| 居住地の自由度 | 高い(地方在住も可) | 通勤圏内が前提 | 通勤圏内 |
| キャリア形成 | 自律性が必須 | バランス型 | 社内人脈が強み |
| 向いている人 | 自己管理が得意な人 | 柔軟性を求める人 | チーム協働を重視する人 |
重要なのは、「フルリモートでなければ意味がない」と考えるのではなく、自分にとって最適なバランスを見極めることです。では、エンジニアが在宅勤務で得られる具体的なメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
3.在宅勤務エンジニアのメリットとデメリット――データが示す「本当のところ」

3-1.生産性に関する認識:「上がった」が過半数
テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)が実施した「テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査」(2025年5月版、全国のテレワーク経験者男女約1,005名)によれば、リモートワーク経験者の中で「仕事の生産性が向上した」と感じている人が過半数を超えています。
日本生産性本部の「働く人の意識調査」(2024年7月時点)でも、自宅での勤務で効率が「上がった」と回答した割合は78.9%に達しています。これは、テレワーク環境への慣れやツールの成熟が進んだ結果と考えられます。
3-2.通勤時間の消失が最大のメリット
国土交通省の実態調査では、通勤時間が1時閐30分以上の層ではテレワーカー割合が50.6%に達しています。つまり、通勤時間が長い人ほど在宅勤務を活用しており、「通勤時間の消失」が在宅勤務最大のメリットとして認識されていることが読み取れます。
3-3.デメリットは「コミュニケーション」に集中
一方で、課題の中心はコミュニケーションです。パーソル総合研究所の調査では、テレワーク普及後5年が経過しても、上司が部下の仕事の様子が見えないというマネジメント上の課題が残存していると報告されています。
ただし、この課題はテクノロジーへの投資やコミュニケーション施策で改善できる領域です。「在宅勤務だからコミュニケーションが取れない」のではなく、「コミュニケーション設計ができているか」が問われています。
では具体的に、在宅勤務が可能なエンジニア職種にはどのようなものがあるのでしょうか。
4.在宅勤務が可能なエンジニア職種と必要スキル
在宅勤務との親和性は、エンジニアの職種によって異なります。編集部が複数の調査データと求人市場の動向を総合して整理しました。
▼ 職種別・在宅勤務適性一覧
| エンジニア職種 | 在宅勤務適性 | 特徴・注意点 |
| Webエンジニア(フロント・バック) | ◎ 高い | クラウド開発環境が普及し、フルリモート求人が比較的多い |
| インフラ・クラウドエンジニア | ◎ 高い | クラウド移行によりリモート対応が加速。自動化スキルが高需要 |
| システムエンジニア(SE) | ○ やや高い | 要件定義・設計は出社、開発・テストは在宅のハイブリッド型が増加 |
| データエンジニア・AIエンジニア | ◎ 高い | 分析業務は個人作業が中心。クラウドGPU環境で場所を問わない |
| 組み込み・ハードウェアエンジニア | △ 低い | 実機へのアクセスが必要で、現場作業の比率が高い |
| 社内SE(情報システム部門) | ○ やや高い | 社内システムの運用監視はリモート対応可。ヘルプデスクは出社の場合も |
編集部調べ(求人市場動向と複数調査を総合して作成)
4-1.在宅勤務エンジニアに求められるスキル
在宅勤務で成果を出すためには、技術力に加えて以下のスキルが重要です。
まず、テキストベースのコミュニケーション力が挙げられます。SlackやTeamsなどのチャットツールで、意図を正確に伝える文章力は、在宅勤務では対面での会話以上に重要です。次に、タスク管理と自己完結力です。オフィスであれば上司や同僚の目が自然と仕事のリズムを作ってくれますが、在宅では自分でタスクを細分化し、進捗を可視化する必要があります。
そして、セキュリティ意識も欠かせません。総務省「テレワークセキュリティガイドライン」でも示されているように、VPNの利用やデータの取り扱いに関するリテラシーは、在宅勤務エンジニアの必須要件です。
ここまで見てきたデータとスキル要件を踏まえた上で、実際に在宅勤務の求人を探す際のポイントを整理しましょう。
5.在宅勤務エンジニアの求人を探す際に確認すべき5つのポイント

在宅勤務を前提とした求人を探す際には、以下の5つのポイントを確認することをお勧めします。
ポイント1:「フルリモート」と「ハイブリッド」の区分
「リモート可」と書かれていても、それがフルリモートなのか、週に何日かの出社を伴うハイブリッドなのかを必ず確認しましょう。先述のとおり、現在の主流はハイブリッド型です。
ポイント2:テレワーク制度の有無と運用実態
国土交通省の調査では、勤務先にテレワーク制度等が導入されている就業者の割合は33.1%で、前年より約2ポイント減少しています*1。制度があるかどうかだけでなく、実際に活用されているかを面接時に確認することが大切です。
ポイント3:出社頻度の変更可能性
出社回帰の流れの中で、入社時はリモート可でも、その後に方針が変わる可能性があります。「現時点」の制度だけでなく、企業のテレワークに対する基本方針を確認しましょう。
ポイント4:コミュニケーションツールと評価制度
在宅勤務では、プロジェクト管理ツールやコミュニケーションツールの整備状況が働きやすさに直結します。また、成果で評価される制度があるかどうかも、在宅勤務エンジニアにとって重要な確認ポイントです。
ポイント5:在宅勤務手当・環境整備支援
在宅勤務に伴う通信費や光熱費、デスクやモニターなどの設備費用を企業が補助してくれるかどうかも、長期的な働きやすさに影響します。

6.地方在住エンジニアの可能性――「場所の制約」からの解放
在宅勤務の普及は、エンジニアの働き方にもう一つの変化をもたらしています。それは、「居住地の自由度」です。
国土交通省の調査では、首都圏の雇用型テレワーカー割合は約4割を維持している一方、地方都市圏では約1.5割程度にとどまっています*1。この差は、「地方にはリモート可能な求人が少ない」ということではなく、「地方企業のテレワーク導入が進んでいない」ことを意味します。
つまり、地方在住のエンジニアが首都圏企業のフルリモート求人に応募するという選択肢があります。これにより、居住地に関係なく、自分のスキルに合った求人にアクセスできる可能性が広がります。
テレリモ総研の調査でも、リモートワークにより「住環境が変わった」と回答した人が一定数存在し、働く場所と住む場所の分離が少しずつ進んでいることがうかがえます。
7.まとめ:在宅勤務エンジニアは「選ぶ時代」へ
本記事では、公的データをもとに在宅勤務エンジニアの現状を多角的に整理しました。
改めてポイントをまとめます。
- 情報通信業のテレワーカー割合は72.8%と全業種最高で、エンジニアは在宅勤務との親和性が高い職種です。
- フルリモートだけでなく、週に2〜3日出社するハイブリッド型が現在の主流です。
- 在宅勤務の生産性については、過半数のワーカーが「向上した」と認識しています。
- 求人を探す際は、制度の有無だけでなく、運用実態や企業の基本方針まで確認することが大切です。
- 地方在住でも、首都圏企業のフルリモート求人にアクセスできる可能性が広がっています。
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在宅勤務の選択肢は、「あるかないか」ではなく、「どう選ぶか」の時代に入っています。自分に合った働き方を見つける第一歩として、具体的な求人情報を確認してみてはいかがでしょうか。
■ この記事のサマリー
在宅勤務エンジニアとは、ICTを活用して自宅を主な就業場所とするエンジニアの働き方です。国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」によれば、情報通信業のテレワーカー割合は72.8%と全業種最高で、エンジニアは在宅勤務との親和性が最も高い職種です。
ただし、フルリモートだけでなく、週数日の出社と組み合わせるハイブリッド型が主流となりつつあります。在宅勤務のエンジニア求人を探す際には、フルリモートかハイブリッドかの区分、テレワーク制度の有無、出社頻度の規定を確認することが重要です。
出典一覧
出典:国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」(2025年3月公表)
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」(2025年公表)
出典:パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」(2025年8月公表)
出典:テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)「テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査 2025年5月版」(n=1,005)
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