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エラーの文言は誰が決める?求人で見る業務側との距離

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

エラーの文言は誰が決める?求人で見る業務側との距離のイメージ写真

システムが期待どおりに動かなかったときに出す文は、作る側から見ると「何が起きたか」を記録する場所です。ところが読む人が知りたいのは、次に何をすればよいかです。「入力に誤りがあります」という一文だけでは、どこを直せばよいのか分かりません。エラーの文言に次の一手を書けるかどうかは、書き手ひとりで決められないことがあります。理由をどこまで出せるか、言い方が社内でそろっているか、直し方が業務によって変わるか。3つの条件がそろわないまま公開されることがあります。

IPAの調査では、DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%です*1。人手に余裕がない現場では、画面に出す文言の見直しが後回しにされやすく、次に何をすればよいかが書かれないまま公開されることがあります。

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数字で見る、判断を支える背景 この記事の要約 DX推進人材の不足*1 50.1% 大幅に不足と回答した企業 2025年度調査 判断を担う人手そのものに余裕がな 賃金の水準(25〜29歳)*2 279.4千円 月額・全国計 2025年調査 判断を担う経験は交渉材料になる 転職者数*3 330万人 2025年平均 総務省調査 働き方を選び直す人の規模を示す 人手と経験、その両方を数字で確認してから読み解きます *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • IPAの調査では、DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%、そのうち「大幅に不足」と回答した企業は50.1%です*1。人手の余裕がない現場ほど、エラーの文言を見直す作業は後回しになります。
  • 厚生労働省の調査では、一般労働者の賃金は25〜29歳で279.4千円です*2。次の一手を書ける仕事に関わった経験は、この年代の条件を交渉する材料にもなります。
  • 総務省の調査では、2025年の転職者数は330万人です*3。働き方を選び直す人の規模のなかで、文言を決める判断に関われるかどうかは、求人票の言葉から見当がつきます。

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エラーの文言を決めた経験は、求人票の言葉から確かめられます。

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1. エラーの文言は、次の一手を書けるかで分かれます。

エラーの文言に次の一手を書けるかどうかは、書き手だけでは決まりません。IPAの調査では、DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%です*1。人手に余裕がない現場では、画面に出す文の見直しが後回しになり、状態の説明だけが残ったまま公開されることがあります。「入力に誤りがあります」という文は、何が起きたかを伝えていても、どこを直すのかを示していません。次の一手を書けるかどうかは、理由をどこまで出せるか、言い方がそろっているか、直し方が決まっているかという3つの条件に左右されます。

エラーの文言を書く担当者は、起きた出来事を正確に記録しようとします。ログの内容やシステム内部の状態を思い浮かべながら書くため、文はどうしても「何が起きたか」に寄っていきます。読む人がその場でシステムの内部を知っているとは限らないという前提を、書く段階で持ちにくいことが背景にあります。

読む人が本当に知りたいのは、次に何をすればよいかです。同じ状態を示す文であっても、次の行動が書かれているかどうかで、読んだあとの動きが変わります。行動が書かれていない文は、問い合わせという形で書き手のところへ戻ってきます。

この差を埋める判断は、書き手ひとりの裁量だけでは決まりません。理由をどこまで書けるか、言い方が社内でそろっているか、直し方が業務によって変わるかという3つの条件が、次の一手を書けるかどうかを左右します。求人票からこの判断に関われる仕事かどうかを見分ける方法は、後半で整理します。

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2. 文言を決める判断は、人手不足のなかで後回しになります。

画面に出す文をどこまで練るかは、現場に残る人手の余裕と関係します。DX推進人材の不足を尋ねた調査を確認します。

DX推進人材の不足度合い 不足と回答した企業 85.5% 大幅に不足と回答した企業 50.1% 「不足」全体と「大幅に不足」の差にも、判断にかける余裕の差が表れます *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

IPAの調査では、DX推進人材が不足していると回答した企業は85.5%、そのうち「大幅に不足」と回答した企業は50.1%です*1。人手の余裕がない現場ほど、画面の外に出る細部の見直しは順番が後ろに回ります。

エラーの文言はその細部の代表例です。動作の実装が終われば画面は表示できるため、文言の練り直しは後工程として扱われやすく、そのまま公開に至ることがあります。

人手が足りているかどうかは、求人票を読むだけでは分かりません。ただ、DX推進の人材不足がこれだけの割合で続いているという事実は、細部を練る作業の優先順位が会社によって同じにはならないことを示しています。

3. 理由と言い方、直し方の3条件を確認します。

エラーの文言に次の一手を書けない理由は、書き手の技量ではなく、書き手が持っている情報の範囲にあります。理由を詳しく書くほど、外から見えるはずのない仕組みの中が見えてしまう場面があり、どこまで書くかを書き手だけで決められません。

どこまで書けるかを決める権限は、業務側やセキュリティを担当する部署が持っています。書き手はその範囲を確認したうえで、決まった範囲のなかで次の一手を書くことになります。

言い方が社内でそろっていないも、次の一手を書く難しさになります。画面ごとに書き手が違うと、同じ状態に対して違う言葉が使われることになります。読む側は画面をまたいで同じ意味の文を探すことになり、言葉が変わるたびに戸惑いが増えます。

直し方は、業務によって変わります。窓口に電話をかけるのか、書類を出し直すのか、画面の中で自分で直せるのかは、システムの外にある業務の設計によって決まります。書き手が直し方まで決められる場面は限られています。

3つの条件のうち、直し方が決まっていないまま文言だけを整えると、「お問い合わせください」という一文で終わることになります。次の一手を示しているように見えて、実際には読む人に行き先を委ねているだけです。

3つの条件がそろわない理由は、システムを作る技術の話ではなく、業務側と決める話が済んでいないことにあります。書き手がどれだけ言葉を練っても、決まっていない範囲までは書けません。

4. 3つの条件を、判断の持ち主で表にまとめます。

次の一手を書くための3つの条件について、書き手だけで決まるかどうかと、主な判断の持ち主を表で確認します。

【表1】次の一手を書くための3条件と判断の持ち主

条件書き手だけで決まるか主な判断の持ち主そろわない場合に起きること
理由をどこまで書けるか決まらない業務側またはセキュリティ担当仕組みの中が外から見えてしまう場合がある
言い方がそろっているか決まらない文言を管理する担当同じ状態に違う文が出る
直し方が決まっているか決まらない業務を設計する部署「お問い合わせください」で終わる

表のとおり、エラーの文言に関わる3つの条件は、いずれも書き手だけでは決まりません。理由の範囲は業務側やセキュリティ担当が、言い方は文言を管理する担当が、直し方は業務を設計する部署が判断の持ち主になります。

3条件のうち1つでもそろわないと、文は「何が起きたか」を書いたところで止まります。とくに直し方が決まっていない場合、次の一手を書こうとしても行き先がないまま「お問い合わせください」に落ち着きます。

判断の持ち主が分かれているということは、エラーの文言を書く仕事が、書く技術だけの仕事ではないことを示しています。業務側と話し合いながら決める場面があるかどうかは、この仕事の中身を見分ける手がかりになります。

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5. 次の一手を書くまでの流れを、4段で示します。

3つの条件を確認したら、次の一手を書くまでの流れを4段に分けて整理します。

文言を決めるまでの4段階 整理する 起きたことを整理する 決める 出せる範囲を決める 書く 次の一手を書く そろえる 言い方をそろえる 4段のうち、次の一手を書く段階がもっとも読む人の行動に影響します

起きたことを整理する段階では、エラーの原因をすべて書き出す必要はありません。次の判断に使う分だけを整理すれば足ります。

出せる範囲を決める段階は、書き手ひとりでは決まりません。業務側やセキュリティ担当と確認したうえで、どこまで理由を書けるかを決めます。

次の一手を書く段階になってはじめて、読む人にとって意味のある文が仕上がります。書き手が使える範囲を分かっていれば、あとは短い文にまとめるだけです。

言い方をそろえる段階は、1回で終わりません。新しい画面が増えるたびに、同じ状態に同じ言葉が使われているかを確認する作業が続きます。

6. 求人票で確認できる4つの点を整理します。

この判断に関われる仕事かどうかは、求人票の言葉と面談の質問からある程度見当がつきます。

求人票で確認したい4点

  • 語のヒント:「顧客向け」「サポート」という語が求人票にあるかを確認します。
  • 距離の近さ:問い合わせを受ける部署と近い位置にあるかを確認します。
  • 決める場面の有無:文言を業務側と一緒に決める場面があるかを確認します。
  • 面談での質問:「この文言は誰が決めていますか」と聞きます。

求人票に「顧客向け」「サポート」という語があれば、問い合わせを受ける側と近い位置にある仕事だと見当がつきます。近いほど、エラーの文言を決める話に関われる可能性が高くなります。

「この文言は誰が決めていますか」という質問は、答えの具体さで判断できます。担当者名や部署名がすぐに出てくる会社ほど、決める仕組みが整っています。

面談でこの判断に関わった経験を話すときは、決めた文言そのものよりも、理由をどこまで出せるかを誰と確認したか、直し方をどの部署と決めたかを話すと伝わりやすくなります。

文言を決める話に関わった経験は、実装の技術とは別に評価されることがあります。厚生労働省の調査では、一般労働者の賃金は25〜29歳で279.4千円です*2。経験の中身を、条件と合わせて確認する価値があります。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. エラーの文言に理由を詳しく書けば、問い合わせは減るか。

A. 減るとは言えません。理由を詳しく書くほど、仕組みの中が外から見えてしまう場合があり、書ける範囲には限りがあります。次の一手が書かれているかどうかのほうが、読む人の行動に影響します。

Q2. 言い方をそろえる作業は、誰が担うことになるか。

A. 文言を管理する担当が中心になりますが、画面を作る側が最初に気づいて持ち出す場面もあります。決まった言い方の一覧を持っているかどうかで、そろえやすさが変わります。

Q3. 直し方が決まっていない場合、文言はどう書けばよいか。

A. 「お問い合わせください」で止めるのではなく、まず業務側に直し方を確認するところから始めます。決まっていないことを書き手だけで埋めようとすると、行き先のない文になります。

Q4. この判断に関わる仕事かどうかは、経験の有無にかかわらず見分けられるか。

A. 求人票の語と面談での質問で見当をつけられます。「顧客向け」「サポート」という語があるか、「この文言は誰が決めていますか」と聞いて答えが具体的かどうかを確認します。

Q5. エラーの文言を決める仕事は、実装の仕事とどう違うか。

A. 実装は動作を作る仕事です。文言を決める仕事は、業務側やセキュリティ担当と確認しながら、次の一手をどこまで書けるかを決める仕事で、範囲が異なります。

8. まとめ:次の一手を書けるかが、この仕事の分かれ目です。

この記事の要点

  • エラーの文言は、何が起きたかではなく、次に何をすればよいかを書けるかどうかで差が付きます。
  • 理由をどこまで出せるか、言い方がそろっているか、直し方が決まっているかという3条件は、書き手だけでは決まりません。
  • IPAの調査では、DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%、大幅に不足と回答した企業は50.1%です*1。人手の余裕がない現場ほど、文言の見直しは後回しになります。
  • 求人票の「顧客向け」「サポート」という語と、面談での「この文言は誰が決めていますか」という質問が、この判断に関われる仕事かどうかを見分ける手がかりになります。

エラーの文言に正解の型はありません。次の一歩は、理由をどこまで出せるか、言い方がそろっているか、直し方が決まっているかという3条件を、業務側と一緒に確認することです。総務省の調査では、2025年の転職者数は330万人でした*3。働き方を選び直す人の規模のなかで、この判断に関われる経験は、面談で伝えられる材料になります。厚生労働省の調査では、一般労働者の賃金は25〜29歳で279.4千円です*2。経験の中身を伝えられれば、条件の交渉にもつなげやすくなります。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 IPA「DX動向2026」(2026年公表)
*2 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 総務省「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均」(2026年公表)

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