フルリモートワーク求人が多い職種7選!必須スキルや仕事の探し方も解説

フルリモートワークの求人を探しているけれど、どんな職種があるのか、自分にもできるのか不安に感じていませんか。
この記事では、実際にフルリモートワークで10年働いてきた著者が、IT業界で人気が高まっている職種や働き方、そして長く活躍するための必須スキルを詳しく解説します。
この記事でわかること
- フルリモート求人が多い人気のIT職種
- フルリモートワークの具体的なメリットと注意点
- フルリモートで求められる必須スキル
- 理想のフルリモート求人の探し方
これからフルリモートワークに挑戦したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
フルリモートワーク求人の定義とは?

「フルリモートワーク求人」と聞くと、なんとなく「家で働く仕事かな?」とイメージするかもしれませんね。そのイメージは間違っていませんが、求人を探す上で本当に重要なのは、その「フル」という言葉の度合いです。
求人情報でよく見かけるハイブリッド勤務は、「週2日は出社、週3日は在宅」のように、出社と在宅勤務を組み合わせるスタイルを指します。フルリモートワークの求人は、原則として出社が一切不要(または年に数回の例外的な出社のみ)な働き方を意味します。
実は、このフルリモートワーク(毎日リモートで働く)というニーズは高まっています。国土交通省の「令和5年度テレワーク人口実態調査」によると、テレワークの継続を希望する人の中で、希望頻度として最も多かったのが「週5日(つまり完全フルリモート)」でした。

半数以上が「週3日以上」のリモートワークを望んでいるといことから、たまに在宅ではなく、ほぼ在宅が主流の働き方として求められていることがわかります。
フルリモートワークとは、まさにそうした働き方のことです。
フルリモートワークの主な特徴
- 原則、出社が一切不要
- 会議もコミュニケーションもオンラインで完結
- 日本全国、どこに住んでいても働ける
- 「週5日希望」という、社会的なニーズの高まり
フルリモートワークは物理的にオフィスへ行く必要がなく、パソコンとネット環境さえあれば仕事が進みます。自分のライフスタイルに合わせて住む場所を自由に選べる、今最も求められている働き方と言えるでしょう。
フルリモートワーク求人を選ぶメリット

フルリモートワークの求人を選ぶことには、従来の働き方では得られなかった多くのメリットがあります。
ここでは、以下のメリットについて詳しく解説していきます。
- 通勤ストレスからの解放と自由な時間の確保
- 居住地にとらわれないキャリア選択
- ワークライフバランスの改善
- 集中できる環境による生産性の向上
- 人間関係や服装など余計なストレスの軽減
【メリット1】通勤ストレスからの解放と自由な時間の確保
フルリモートワークのメリットと聞いて、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが通勤からの解放ではないでしょうか。毎朝の満員電車や交通渋滞とは無縁になります。
もし今、往復2時間の通勤時間をかけているなら、その2時間が丸ごと自由な時間に変わるのです。1日2時間でも、1ヶ月(21日勤務として)で42時間、1年間では約500時間にもなります。これだけの時間があれば、新しいことができますよね。
- 副業やスキルアップの勉強
- 家族とゆっくり過ごす朝の時間
- 趣味や運動(ジム通いなど)
このように、これまで諦めていたかもしれないことに時間を使えるようになり、生活の質が格段に向上します。
【メリット2】居住地にとらわれないキャリア選択
これまでの働き方では、「東京の会社で働くなら、東京(またはその近郊)に住む」のが、当たり前でした。
しかし、フルリモートワークなら、その当たり前から自由になれます。スキルやキャリアを、住む場所によって妥協する必要がなくなるのです。
これは実際に国の調査でも裏付けられています。内閣府「新しい働き方と地方移住に関する分析」によると、テレワークを頻繁に行う人ほど「地方移住への関心が高い」という結果が出ています。

フルリモートワークの求人なら、勤務地が「全国どこからでも可」となるため、首都圏の給与水準を維持しながら地方に住むといった、選択も可能です。
- 地元や好きな街に住み続ける選択
- 都市部の高い年収や最先端プロジェクトへの挑戦
- キャリアを中断しない地方移住の実現
「地元で家族と暮らしたいけど、条件を満たすやりたい求人がない…」といった、これまでのキャリアの悩みを、フルリモートワークの求人が解決してくれるかもしれませんね。
【メリット3】ワークライフバランスの改善
仕事と私生活のバランスは、働く上で永遠のテーマかもしれません。フルリモートワークは、そのバランスを改善してくれる可能性があります。
例えば、育児中の方であれば、仕事の合間に子供のお迎えに行ったり、通院に付き添ったりといった柔軟な対応がしやすくなります。介護と仕事を両立しなければならない方にとっても同様です。
仕事も家庭も、どちらも大切にしたい。フルリモートワークは、そんな現代人にとって力強い味方になるはずです。
- 育児や介護との柔軟な両立
- 中抜けによる通院や役所の手続き
- 家族と過ごす時間の増加
- 業務開始前後の家事の効率化
【メリット4】集中できる環境による生産性の向上
オフィスで働いている時、周囲の雑談や電話の音、予期せぬ声かけで「あ、集中が途切れた…」と感じたことはありませんか。とくにクリエイティブな仕事は、深い集中力を必要とします。
フルリモートワークなら、自分が最も集中できる環境を、自分でデザインすることが可能です。
誰にも邪魔されない静かな自室で、あるいは気分転換に近所のコワーキングスペースで。自分のペースで作業に没頭できるため、結果として生産性が上がり、より質の高い成果を出せることにも繋がります。
- 周囲の雑音からの解放
- 自分のペースでの作業リズムの構築
- 深い思考が必要な業務(コーディングや設計)への没入
【メリット5】人間関係や服装など余計なストレスの軽減
これは少し見落とされがちなメリットかもしれませんが、働く上で意外と大きな負担になっているのが、仕事の本質とは関係ないストレスです。
例えば、オフィス内での人間関係への過度な配慮や、毎朝の服装選び、身だしなみなどです。
フルリモートワークでは、コミュニケーションがオンライン中心になるため、良くも悪くも業務上必要なやり取りがメインになります。また、オンライン会議の時以外は、リラックスできる服装でOKです。
こうした余計なストレスから解放され、純粋に「仕事の成果」に集中できる環境は、精神衛生上、大きなメリットと言えるでしょう。
- 業務に無関係な人間関係のストレス軽減
- 毎日の服装選びからの解放
- 自分の体調や気分に合わせた服装での作業
フルリモートワーク求人を選ぶデメリット

メリットの多いフルリモートワークですが、デメリットもあります。しかし、フルリモートワークのデメリットは、「知っておくこと」と「対策すること」で乗り越えられます。転職後に後悔しないよう、懸念点をしっかり確認しましょう。
【デメリット1】コミュニケーション不足と孤独感
オフィスで働いていると、隣の席の同僚とのちょっとした雑談や気軽な声かけから、自然と情報が入ってきたり、連帯感が生まれたりしますよね。
フルリモートワークになると、その空気感がなくなるため、ふと孤独を感じたり、「今、チームのAさんは何に困っているんだろう?」と、情報が足りない感覚に陥ったりすることがあります。
国土交通省の調査「令和5年度テレワーク人口実態調査」でも、テレワークを実施しない理由の一つとして「職場にいないと、疎外感・孤独感を感じる」という点が挙げられています。

チャットとオンライン会議だけで業務が進む環境では、どうしても雑談や何気ない相談の機会が減り、「ずっと一人で働いている感覚」が強まりやすいのです。
だからこそ、フルリモートで働く上では、意図的なコミュニケーションが大切です。待っているだけでは、誰も状況を察してはくれません。
リモートで上手に連携するためのコツ
- チャットでのこまめなつぶやき発信(例:「今から○○の設計に入ります」「ちょっと煮詰まってます」)
- テキストで伝わりにくい時の、5分だけの「ちょっと話しませんか?」というオンライン通話
- 雑談専用チャットルームの活用
- 定期的なミーティングでのちょっとした困り」の共有
「こんな初歩的なことを聞いていいかな…」とためらうことはありません。むしろ、リモートでは早めの一言が、チーム全体を助けることに繋がるのです。
【デメリット2】自己管理の難しさと評価への不安
フルリモートワークの自由さは、メリットであると同時にデメリットにもなり得ます。
オフィスと違って、始業や終業のチャイムも、人の目もありません。オンとオフの切り替えがあいまいになり、ついダラダラと夜遅くまで仕事をしてしまう…。なんて危険性もはらんでいます。
また、「見えない場所で、ちゃんと働いていると認めてもらえるだろうか」「サボっていると思われないか」といった評価への不安も、多くの人が感じるところです。
こうした不安は、自分なりのルール作りと成果の可視化で解消できます。
自分を守るためのルール作り
- 始業・終業時間の明確な宣言(例:チャットでの「おはようございます」「お先に失礼します」)
- ポモドーロテクニック(25分集中+5分休憩)など、時間区切りでの作業
- 日報や週報、タスク管理ツールでの進捗の可視化
特に可視化は、サボっていない証明という守りのためだけではありません。「自分がこれだけ進めた」という事実をチームに共有する、攻めの習慣です。このひと手間が、正当な評価と、何より「ちゃんとやっている」という安心感に繋がります。
フルリモートワーク求人が多い職種7選

フルリモートワークは、IT業界の多くの職種で導入が進んでいます。ここでは特にフルリモートワークの求人が多い以下の職種を紹介します。
- システムエンジニア
- Webエンジニア
- クラウドエンジニア/SRE
- データサイエンティスト/データアナリスト
- セキュリティエンジニア
- Webディレクター/プロジェクトマネージャー
- テクニカルサポート/カスタマーサクセス
【職種1】システムエンジニア
システムエンジニア(SE)の仕事は、ITシステムの企画から開発、運用までを担当する技術職です。
主要な業務
クライアントの課題をヒアリングし、最適なシステムを提案する要件定義から始まります。その後、システムの全体設計を行い、どんな技術やアーキテクチャを使うか決定します。プログラマーと協力しながら実際のシステム開発を進め、完成後はテストを実施して品質を確認します。そして、システムが稼働した後も、保守や改善を継続的に行っていくというお仕事です。
求められるスキル
プログラミング知識やデータベース、ネットワークなどの技術的な理解が必要です。同時に、クライアントの要望を正確に理解するコミュニケーション能力や、プロジェクト全体を管理する能力も重要になります。
働き方の特徴
企業の情報システム部門や、IT企業でシステム開発に従事することが多いです。プロジェクトの進捗状況によっては残業が発生することもありますが、近年はリモートワークを導入する企業も増えています。
キャリアパスとしては、プロジェクトマネージャーやITコンサルタント、特定技術の専門家などへの道があります。技術の進化が早い分野なので、継続的な学習が必要な仕事です。
- システムの設計図を作る上流工程も含まれる
- PCスキルやドキュメント作成も必要
- JavaやAWSなど、モダンなスキルを持つSEへの高い需要
- 正社員転職だけでなく、高単価なフリーランス案件も豊富
特に主流となっているプログラミング言語やクラウド技術(例:モダンなWebフレームワークや主要クラウドプラットフォーム)の経験があると、転職市場での評価が高まります。
【職種2】Webエンジニア
Webエンジニアの仕事は、WebサイトやWebアプリケーションの開発を専門とする技術職です。システムエンジニアよりも開発実装に特化した役割と言えます。
「ITエンジニアのリモートワーク」と聞いて、多くの方がイメージするのがWebエンジニアかもしれません。Webサービスやアプリ開発を行うWebエンジニアは、リモートワークの代表格と言えます。
なぜなら、バックエンド(サーバー側)もフロントエンド(見た目側)も、成果物が「コード」という形で明確だからです。
GitHubを使えば、チームメンバーが世界中にいても、まるで隣にいるかのように共同作業が進められます。企業側もフルリモート前提で求人を出すことが当たり前になってきており、スタートしやすい領域でもあります。
主な業務領域
Webエンジニアは大きく分けて3つの領域があります。
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接触れる画面部分を開発します。HTML、CSS、JavaScriptを使って、見た目の美しさと使いやすさを両立させます。ReactやVue.jsなどのフレームワークを使うことも多いです。
バックエンドエンジニアは、サーバー側のシステムを構築します。データベース設計やAPI開発、サーバー管理などを担当し、PythonやJava、PHP、Ruby、Node.jsなどの言語を扱います。
フルスタックエンジニアは、フロントエンドとバックエンドの両方を開発できる人材です。
システムエンジニアとの違い
システムエンジニアが要件定義や設計など上流工程を中心に担当するのに対し、Webエンジニアは実際のコーディングや実装に多くの時間を費やします。より技術的な深さが求められる一方、クライアントとの折衝は比較的少ない傾向にあります。
働き方
Web系企業やスタートアップ、事業会社の開発部門などで働くことが多く、リモートワークを導入している企業が多いのも特徴です。自社サービスの開発に携わることも多く、サービスの成長を直接体感できるやりがいがあります。
- リモートワークの代表格といえる職種
- コードというデジタルで明確な成果物
- GitHubなど、オンラインでのチーム開発ツールの成熟
- 副業(業務委託)としても始めやすい案件の多さ
【職種3】クラウドエンジニア/SRE
昔のインフラエンジニアは、データセンターにこもって物理的なサーバーを触る、というイメージがあったかもしれません。しかし、今はAWS、Azure、GCPといったクラウドサービスが主流です。
クラウドエンジニアやSRE(サイト信頼性エンジニア)は、物理的なモノではなく、オンライン上のシステムを構築・運用します。職場そのものがクラウド上にあるようなものなので、フルリモートワークと相性が良いのです。
- 物理サーバーを触らない、クラウド環境が主戦場
- AWSやGCPなど、環境自体がオンラインで完結
ただし、求人を探す際には、一つだけ注意点があります。
それが「オンコール(緊急時対応)の体制」です。オンコールの担当になると、たとえフルリモートであっても、深夜や休日にアラート(障害通知)が鳴れば、即座に対応しなくてはなりません。
これが「日中は自由に働けるけれど、夜や週末は気が休まらない…」という、「思っていた自由な働き方」とのミスマッチに繋がりやすいのです。応募時には「オンコールの頻度」や「担当のローテーション」をしっかり確認することをおすすめします。
【職種4】データサイエンティスト/データアナリスト
データサイエンティストやデータアナリストは、膨大なデータの中からビジネスの意思決定に役立つ「宝(=知見)」を掘り出す専門職です。この仕事は、「深い集中力」を必要とします。
オフィスで頻繁に話しかけられるよりも、静かな自宅や集中できる環境で、じっくりとデータと向き合う方が成果を出せる、と考える人も少なくありません。PCとデータ環境さえあれば場所を選ばないため、フルリモートの求人も増えています。
データサイエンティストとデータアナリストは、データを活用してビジネス課題を解決する専門職です。似ている部分もありますが、役割には違いがあります。
データアナリストの仕事
収集されたデータを分析し、ビジネス上の意思決定をサポートします。売上データや顧客行動データを可視化してレポートを作成したり、「なぜ売上が下がったのか」といった原因を探ったりします。SQLでデータを抽出し、ExcelやTableau、Power BIなどのツールでダッシュボードを作成することが多いです。統計の基礎知識とビジネス理解が重要になります。
データサイエンティストの仕事
より高度な分析や機械学習モデルの構築を行います。例えばPythonやRを使ってプログラミングし、統計学や機械学習の専門知識を活用し、「来月の売上予測」「顧客の離脱予測」「レコメンドシステムの開発」など、予測モデルやAIシステムを作ることもあります。データの収集・整形から、モデル構築、実装まで幅広く担当することもあります。
両者の違い
データアナリストは「過去や現在のデータから何が起きているか理解する」ことが中心で、データサイエンティストは「未来を予測する」「自動化する」といったより高度な技術を使います。ただし、企業によって役割の定義は異なり、重複する部分も多いです。
働き方と活躍の場
事業会社のデータ分析部門、コンサルティングファーム、IT企業など様々な場所で活躍しています。リモートワークも比較的導入されやすい職種です。
- 深い集中力が求められる専門職
- PCとデータ環境さえあれば場所を選ばない
- 分析レポートなど、成果物が明確
- 高い専門性と、それに伴う年収の高さ
専門性が高いため、転職市場でもフリーランス市場でも年収が高い傾向にあるのが、この職種の大きな魅力です。
【職種5】セキュリティエンジニア
どんなビジネスでもセキュリティは無視できない、最重要課題の一つです。
これは経済産業省の「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会 最終取りまとめ」からも明らかです。民間調査(ISC2)によると、日本国内のサイバーセキュリティ人材は約11万人不足していると推計されています。

出典:サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会 最終取りまとめ
ランサムウェアやサプライチェーン攻撃といった脅威が日々巧妙化する中で、システムの守りの専門家であるセキュリティエンジニアの需要は高まっています。
特に、クラウド環境やゼロトラスト(何も信用しないという考え方)を前提としたセキュリティ設計ができる人材は、企業規模を問わず強く求められています。
セキュリティエンジニアの主な業務(ログ解析、脆弱性診断、インシデント対応など)は、そのほとんどがPCとネットワーク越しに完結します。
この「深刻すぎる人材不足」と「業務の特性」が組み合わさった結果、企業側も優秀な人材なら、場所を問わず採用したいと考える傾向が高いのです。
- クラウドセキュリティの設計や脆弱性対応
- 約11万人という深刻な人材不足(経済産業省資料より)
- ログ解析やポリシー策定など、PCで完結する業務
- 「場所を問わず確保したい」という企業側の強いニーズ
【職種6】Webディレクター/プロジェクトマネージャー
Webサイトやアプリ開発の進行管理や、プロジェクトのリーダーとして、企画を立て、戦略を練り、チーム全体をゴールに導く仕事です。
「ディレクターやプロジェクトマネージャー(PM)って、人をまとめるのが仕事だから、オフィスにいなきゃ無理じゃない?」
そう思う方もいるかもしれません。確かに以前はそうでした。
しかし、近年はAsana、Jira、Slackといったプロジェクト管理・チャットツールが進化し、プロジェクトの進捗がオンライン上で見える化されるのが当たり前になりました。
大事なのは、物理的に隣にいることではなく、「今、誰が何に困っているか」をオンラインで素早く察知し、解決に導くことです。そのため、管理職クラスや、フリーランスがフルリモートで活躍する求人も珍しくありません。
- 「管理職=出社」という常識の変化
- JiraやAsanaなど、進捗管理ツールの進化
- プロジェクトの進捗や課題の「見える化」がオンラインで完結
- フリーランスでのPM求人も増加
【職種7】テクニカルサポート/カスタマーサクセス
顧客からの技術的な問い合わせに対応したり、サービスの活用を支援したりする仕事です。
この職種も、「お客様対応=電話番」といった古いイメージとは大きく変わっています。特にSaaS(サブスクリプション型のWebサービス)企業などでは、顧客とのやり取りはチャット、メール、そしてオンライン会議が主流です。
顧客がサービスをうまく使いこなせるように支援する「カスタマーサクセス」も同様で、顧客との関係性そのものがオンライン上で完結しています。オフィスに出社する物理的な必要性が低く、最初からフルリモート前提で募集される求人も多く存在します。
- SaaS企業での顧客対応が中心
- チャット、メール、オンライン会議が主なコミュニケーション手段
- 顧客との関係性がオンライン上で完結
フルリモートワークで求められるスキル5選

フルリモートワークの求人では、オフィス勤務とは異なるスキルセットが求められます。ここでは、特に重要な以下のスキルを解説します。
- 自律・自己管理能力
- 非同期コミュニケーション力
- 技術的リテラシー・ツール活用能力
- 協働・チームワーク意識
- 適応力・変化対応力
【スキル1】自律・自己管理能力
フルリモートワークは自由な働き方を実現しやすいメリットがありますが、裏を返せば「誰も見ていない」ということです。オフィスにいれば上司や同僚が「あの件、どうなった?」と声をかけてくれますが、家では誰も言ってくれません。
だからこそ、自分で自分をマネジメントする力(自律性)が、重要視されます。スケジュール管理やタスクの優先順位付けはもちろん、「ちょっとまずいかも」と思った時に、放置せず自分から「報告・連絡・相談」できるか。その自律性が、リモートワークでの信頼に直結します。
リモートで信頼される人の特徴
- タスクの優先順位付けと、その実行
- 守るべき納期への高い意識
- 問題発生時の、放置しない即報告・相談
- 見られていない前提でのセルフマネジメント
【スキル2】非同期コミュニケーション力
オフィスなら「あ、すみません、ちょっといいですか?」で済む雑談や、表情で伝わる「ちょっと困ったな」という空気感。リモートワーク、特に「非同期(相手がいつ読むかわからない状態)」が前提になると、こうした暗黙の理解は一切通用しません。
あなたのチャットやドキュメントが、あなたの顔であり声になります。相手がいつ読むか分からない状況で、「明確に」「分かりやすく」「誤解なく」伝えるスキルが必要です。
非同期で活躍するためのテキスト術
- 相手が「いつ読むかわからない」前提の丁寧な文章作成
- 「なぜ?」を先回りして書く、5W1Hの明確化
- チャットとドキュメント(Miro, Confluence等)の適切な使い分け
【スキル3】技術的リテラシー・ツール活用能力
リモートワーク環境ではITツールがオフィスそのものです。オフィス勤務なら、わからないことは隣の人にすぐ聞けますが、リモートではそうはいきません。
SlackやZoomは会議室、JiraやAsanaは進捗管理ボード、GitHubはコード置き場、AWSはサーバー室です。これらのツールをスムーズに使いこなせるスキルは基本と言えます。
リモートワークの新しいオフィス
- Slack, Zoomなどの会議室
- Jira, Asanaなどの進捗ボード
- GitHubなどの設計図(コード)置き場
- AWS, GCPなどのサーバー室
リモートでも各種ツールを活用し、出社と変わらないパフォーマンスを発揮できることをアピールできれば、企業側も安心して採用できます。
【スキル4】 協働・チームワーク意識
「リモートワーク=ひとりで黙々とやる個人プレー」と誤解されがちですが、実際はまったくの逆です。物理的に離れているからこそチームを意識する姿勢が求められます。
「自分の作業が終わったからOK」ではなく、オンライン上で気を配れるかどうかが、成果を左右します。
リモートで求められるチームへの貢献
- 見えない前提での、積極的な成果の見える化
- オンライン会議での「聞き役」ではなく「発言者」になる意識
- 他のメンバーの進捗や状況への関心
- テキストでのポジティブな反応(絵文字やリアクション)
オンライン会議で積極的に意見を出す、自分の成果をこまめにチャットで見える化するなど、「ちゃんとチームの一員として動いていますよ」という貢献意識が大切です。
【スキル5】適応力・変化対応力
リモート環境で働いていると、「あ、ネットが繋がらない」「急に新しいツールが導入された」「相手が海外で時差がある」といった、予期せぬ小さな変化がよく起こります。
オフィスにいれば誰かが助けてくれるかもしれませんが、リモートではそうはいきません。
リモート特有の変化とは
- 予期せぬネットワークトラブル
- 新しいツール導入へのまず触ってみる姿勢
- 時差や文化の違いを受け入れる柔軟性
こうした変化を面倒なことと捉えず、「そういうものだ」と柔軟に対応し、自分で解決策を探せる適応力が重要です。
フルリモートワーク求人の探し方
フルリモートワークの求人は増えていますが、やみくもに探しても理想の求人には出会えません。
ここでは、自分の希望に合う求人を見つけるための方法を紹介します。
リモートワーク専門の転職エージェントを活用する
「フルリモート」と言っても、その働きやすさは会社によって千差万別です。膨大な求人の中から本当に自分に合う一社を見つけるのは、なかなか骨が折れる作業ですよね。
そんな時に最も頼りになるのが、リモートワーク専門の転職エージェントです。求人を右から左に流すのではなく、「リモートワークのプロ」として伴走者になってくれます。
専門エージェントを活用するメリット
- 一般には出回らない「非公開求人」や「優良な業務委託案件」の存在
- 求人票では絶対に読み取れない「リアルな社内の雰囲気」や「リモートワークの運用実態」
何より、「リモートワークOK」と書いてあっても、それが単なるお題目になっていないか、環境は本当に整備されているかなど、求人票だけでは分からない「企業のリアルな内情」を把握しているのが最大の強みです。
求人サイトで探す
転職サイトや専門の求人サイトを活用するのは、最もスタンダードな探し方の一つです。最大のメリットは、求人数の多さです。大手総合転職サイトから、IT専門、フリーランス(業務委託)専門サイトまで含めれば、膨大な数の求人にアクセスできます。
- 圧倒的な求人(母数)との出会い
- 検索アラート機能による、新着求人の自動チェック
- 自分のペースで、いつでも比較検討が可能
「フルリモート」「業務委託」「週3日」といった条件を自分で細かく設定し、検索できる手軽さも魅力です。
ただし、求人サイトの注意点は、「自分ですべて探さなければならない」という手間です。エージェントサービスのように提案してくれるわけではありません。膨大な求人の中から、どれが本当に自分の希望に合うのかを見極める必要があります。
- 「リモート可」の定義があいまいで、求人の質が玉石混交
- 検索スキル(キーワードの組み合わせなど)が求められる
- ノイズが多く、「求人探し疲れ」しやすい
- 応募から面接日程の調整まで、すべて自分で行う手間
特に「リモート可」の定義は企業によってバラバラです。「フルリモート」のつもりで応募したら「実際は週2出社」だった、というミスマッチも起こりやすいため、応募前の確認が必須です。
リモートファースト企業を直接リストアップする
日頃から「うちはリモートが基本です(リモートファースト)」と公言している企業や、制度が整っていそうな企業を、自分でリストアップし、その企業の採用ページを直接チェックして応募する方法です。
メリットは、企業文化やリモート体制への安心感です。制度としてリモートワークが文化に根付いているため、もし採用された場合、入社後のミスマッチが少ないのが特徴です。
- 企業文化(リモート体制)への圧倒的な「安心感」
- 入社後の「こんなはずじゃなかった」が少ない
- 自分のスキルと企業理念を照らし合わせ、「狙い撃ち」での応募が可能
ただし、この方法は手間と時間がかかること、そしてタイミングが合うかどうかが運次第である点です。地道に企業をリサーチし、良い会社を見つけたとしても、「今、自分のスキルに合う求人」が募集されているとは限りません。
今すぐ転職したい人には向きませんが、中長期的に理想の働き方を探したい人にとっては、有効な戦略です。
SNSや技術コミュニティで情報を得る
SNSや技術コミュニティは、新しい仕事と出会うための最前線とも言えます。特にTwitter(X)やLinkedInでは、「今、うちのチームで○○できる人探してます!」とリアルタイムで発信していることも珍しくありません。
- 採用担当者や現場マネージャーからの「生」の情報
- 求人サイトに載る前の「最速」の募集
- リファラル(紹介)に繋がる人脈形成の可能性
公募に出る前の最速の情報をキャッチできたり、コミュニティでの繋がりからリファラル(紹介)に繋がったりするのが、最大のメリットです。
ただし、この方法は情報が玉石混交であることを覚悟しなくてはなりません。手軽な反面、正式な求人票ではないため、労働条件があいまいだったり、発信者の熱量だけで、実際のリモート体制が整っていなかったりするケースもあります。
- 情報の「鮮度」は高いが、「不確かさ」もある
- 条件があいまいな募集や、スカウト詐欺(特にDM)への警戒
- 自身のSNSアカウント(プロフィール)の整備が前提
また、自分自身が何ができるかをプロフィールなどで発信していないと、そもそも有益な情報やスカウトは集まってきません。
フルリモートワーク求人に関するよくある疑問
最後に、フルリモートワークの求人を探す方が、よく疑問に思う点をまとめました。
【Q1】フルリモートワークだと、年収は下がってしまいますか?
A.年収が下がるとは限りません。高い専門スキルがあれば、場所に関わらず年収を維持できるケースも多いでしょう。働き方だけでなく、ご自身のスキルを基準に交渉してみるのが良いでしょう。
【Q2】求人票に「フルリモート可」とあれば、本当に出社ゼロですか?
A.詳細な確認が必要です。求人によっては「週1〜2日出社」のハイブリッド勤務を「リモート可」と表現している場合もあります。面接の際に「出社必須の会議はありますか?」「入社後の研修期間は出社ですか?」など、条件を確かめてみてください。
【Q3】仕事で使うPCや、ネット代は自己負担ですか?
A.会社によって全く異なります。多くのIT企業は、セキュリティが確保された業務PCを貸与します。ただ、自宅のネット代は自己負担とみなされる場合が多いです。備品の貸与範囲や経費精算のルールは、入社前に明確にしておくと安心です。
【Q4】フルリモートだと、昇進やキャリアアップに不利になりませんか?
A.会社の評価制度によります。リモートファーストが根付いた企業なら、場所に関係なく成果で平等に評価されます。自分の成果や貢献を、見られるのを待たずに積極的に発信していく姿勢が評価につながります。
【Q5】本当にどこでも働けますか?例えば地方や、海外でも大丈夫?
A.地方移住など、国内であれば問題ない企業がほとんどです。国内での業務が前提となります。一方で、海外からの勤務は、税務上のルールや時差、セキュリティ規則の問題で、認めていない場合が一般的です。会社の規定を確認し、国内リモート限定なのかどうかを知っておく必要があります。
まとめ
この記事では、フルリモートワーク求人について、その定義から詳しく掘り下げてきました。
フルリモートワークの求人は、働き方の自由とキャリアの可能性を大きく広げる選択肢です。人気の職種や求められるスキルを理解し、正しい探し方を実践すれば、理想の働き方は決して難しくありません。
この記事を参考に、スキルを最大限に活かせるフルリモートワークの仕事を見つけ、新しい一歩を踏み出しましょう。
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