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フルフレックスの半休|有給の半日単位と清算期間の扱い

数字の無い卓上カレンダーの1マスの左半分を青く塗った印と、閉じたノートパソコン

フルフレックスで半休を取れるかは、会社が半日単位の年次有給休暇(年休)を認めているかで決まります。半日単位の年休は、労働者の希望と使用者の同意があって認められる扱いです*2。年休を1日取った日は、フレックスタイム制でも、標準となる1日の労働時間(以下、標準時間)で計算します*1。

時間単位の年休は、労使協定を結べば年5日以内で取れる制度です*3*5。半日と時間のどちらも、清算期間の総労働時間への入れ方は就業規則と労使協定で読みます。取る前に何を誰に聞くかまで、順に書きます。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 年休を1日取った日の労働時間は、標準時間で数えます*1。標準時間は、清算期間(賃金を清算する単位の期間)の総労働時間を、期間中の所定労働日数で割った時間が基準です*1。
  • 半日単位の年休は、厚生労働省の通達(運用の取扱い)にもとづき、使用者の同意が前提です。0.5日として数えます*2。
  • 時間単位の年休は、労使協定(会社と労働者の代表との書面の約束)を結べば年5日以内で取れます*3*5。会社が取得させる義務のある年5日からは、差し引けません*2*4。

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1. 半休を取れるかは半日単位の年休を認める会社かで決まる

フルフレックスでも半休は年休として取れますが、半日単位は使用者の同意が前提です。半日単位の年休は、厚生労働省の通達(運用の取扱い)にもとづきます*2。年休を1日取る日の計算は、標準時間が基準です*1。半日の年休を取った日に何時間働いたと数えるかは、就業規則と労使協定を読んで会社に聞きます。

ここでのフルフレックスは、コアタイム(全員が必ず働く時間帯)を設けないフレックスタイム制のことです。コアタイムは、必ず設けなければならないものではありません*1。半休という言葉は法律の用語ではなく、午前か午後だけ年休を取る休み方を指して使われます。法律と通達が扱っているのは、1日単位・半日単位・時間単位の3つの取り方です*2*3。

あわせて読みたい | 半休の使い方と申請|在宅勤務での運用と就業規則の確認

2. 半日単位の年休と時間単位の年休は根拠と条件が違う

午後の机で、家の鍵の横でノートパソコンのふたを開け始める手

半日単位の年休は通達が根拠で、時間単位の年休は労働基準法が根拠です*2*5。会社に求める手続きも、取れる日数の上限も違います。

半日単位は使用者の同意があれば取れ、時間単位は労使協定があれば取れる 半日単位の年休(通達) 労働者の希望と時季の指定 使用者の同意が前提 0.5日として数える 年5日に含められる 時間単位の年休(法律) 労使協定の締結が前提 就業規則への定めも要る 年5日以内に限る 年5日からは差し引けない 半日は使用者の同意で取り、時間は労使協定を結んで取る

半日単位の年休は、年休の取得を促す観点から、労働者が希望して時季を指定し、使用者が同意した場合に問題がないとされます*2。本来の取り方による休暇の取得を妨げない範囲で、適切に運用される限りにおいて、という条件も付いています*2。この通達は、平成30年12月28日付けの基発1228第15号です*2。0.5日として数え、使用者が時季を指定して取らせる年5日にも含められます*2。

時間単位の年休は、労働基準法第39条第4項に定めがあり、労使協定を結べば、年5日の範囲内で時間を単位として取れます*3*5。労使協定は、書面で結びます*4*5。

就業規則にも時間単位年休の定めが要ります*4。労使協定は、労働基準監督署への届出が要りません*4。時間単位の年休は、使用者による時季指定の対象にならず、労働者が自ら取った場合も、その時間分を5日から控除できません*2。

3. 年休の取り方ごとの根拠と年5日の扱いを並べる

年休の取り方は1日・半日・時間の3つで、根拠も、就業規則に書く内容もそれぞれ違います。取り方ごとに、根拠と年5日との関係を並べます。

年休の取り方ごとの根拠・年5日との関係・フレックスタイム制での扱い

取り方根拠と条件年5日との関係フレックスタイム制での扱い
1日単位原則の取り方*31日として数える標準時間を働いたものとして扱う*1
半日単位通達。労働者の希望と使用者の同意*20.5日として数え、年5日に含められる*2就業規則で半日の定めとその日の時間の数え方を読む
時間単位労働基準法第39条第4項。労使協定で年5日以内*3*5年5日から差し引けない*2*4就業規則と労使協定で総労働時間への入れ方を読む

表の右端の2つの欄は、どちらも会社ごとの定めを読む必要があります。年休を1日取る場合の扱いは、フレックスタイム制の手引きに書かれています*1。半日と時間の場合に何時間分で数えるかは、会社の人事に聞く事柄です。回答は、メールか書面で残します。

年5日の数え方は、取り方の欄を足し合わせます。たとえば、1日単位を3日、半日単位を4回取ると、3日と0.5日×4回で合計5日です*2。時間単位で取った分は、この合計に入れられません*2*4。

4. 年休を1日取った日は標準時間で計算する

フレックスタイム制の対象労働者が年休を1日取った場合は、その日は標準時間を労働したものとして取り扱う必要があります*1。標準時間とは、年休を取ったときに支払われる賃金の算定基礎となる労働時間の長さです*1。清算期間の総労働時間を、期間中の所定労働日数で割った時間を基準に、協定で定めます*1。

清算期間の総労働時間とは、労働契約で、労働者が清算期間に働くべき時間として定められた時間のことです*1。いわゆる所定労働時間にあたります*1。賃金清算では、実労働時間に「年休を取った日数×標準時間」を足して計算します*1。

年休を2日取ると、実労働時間に2日分が加わります。働いていない日でも、年休の日の分が実労働時間に足されるためです*1。自分の会社の標準時間が何時間かは、協定で定められているので、年休を取る前に会社へ聞いて控えておきます。

5. 半休を取る前に就業規則と労使協定で読む3つの項目

夕方のテーブルで、ファイルに綴じた冊子のページをめくる手

1つ目は、就業規則に半日単位の年休の定めがあるかです。使用者の同意が前提なので*2、定めが無い会社では、半休を取りたい日ごとに上司へ相談して同意を得る必要があります。定めがあれば、申請の方法も同じ箇所に書かれているはずです。

2つ目は、半日の年休を取った日の時間の数え方です。年休を1日取るときは標準時間で数えます*1。半日の場合に何時間分として扱うかを人事に聞き、文書で残します。賃金清算は実労働時間に年休の分を足して計算するので*1、この時間数は、清算期間の総労働時間に入る時間を左右する点です。

3つ目は、時間単位の年休を使いたい場合の労使協定です。協定には、4つの項目を定めます*4。時間単位年休の対象者の範囲、日数(1年5日以内)、1日分の時間数、1時間以外の時間を単位として与える場合の時間数です*4。この4つが協定に書かれているかを、会社に頼んで見せてもらいます。

時間単位の年休は、年5日の取得義務の分に数えられません*2*4。半日単位は0.5日として数え、年5日に含められるので*2、半日を10回取れば5日分です。時間単位は、1日分の時間数が協定に定められるため*4、年5日以内の範囲は、その時間数の5日分になります。年5日の取得義務を満たすには、1日か半日の単位で取る日が欠かせません。

面接では、「半日単位の年休を就業規則に定めていますか」「半日の日の労働時間は、どう数えますか」「時間単位年休の労使協定はありますか」の3つを聞けます。内定後の条件の確認でも、同じ3つを同じ順で聞けます。

転職先を選ぶ段階では、求人票にフレックスタイム制や半休の記載があるかを見ます。面接や内定後の条件の確認で、就業規則の閲覧を頼み、半日単位の年休と時間単位の年休の定めを読みます。フレックスタイム制そのものの仕組みは、別の記事に書いています。

あわせて読みたい | フレックスタイム制度とは?コアタイムと清算期間をわかりやすく

6. よくある質問

Q1. フルフレックスで年休を1日取るとその日は何時間働いたことになりますか

A. 協定で定めた標準時間を、労働したものとして扱います*1。賃金清算では、実労働時間に「年休を取った日数×標準時間」を足します*1。

Q2. 会社が認めなくても半日単位の年休を請求できますか

A. 使用者の同意が前提です*2。会社が同意しない場合は、1日単位で取るか、労使協定があれば時間単位で取ります*3。

Q3. 半日の年休は何日として数えますか

A. 0.5日として数えます*2。年5日の取得義務の分にも、0.5日として含められます*2。

Q4. 時間単位の年休は年に何日まで取れますか

A. 労使協定を結んだ場合に、年5日の範囲内で取れます*3*5。協定には、対象者の範囲、日数、1日分の時間数などを定めます*4。

Q5. 時間単位の年休を取れるのはどの労働者ですか

A. 労使協定で定めた対象者の範囲に属する労働者です*4*5。

Q6. 時間単位年休の労使協定は誰と結びますか

A. 事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があれば、その組合と結びます。組合が無ければ、労働者の過半数を代表する者と結びます*5。

Q7. 時間単位の年休を取れば年5日の取得義務を満たせますか

A. 満たせません。時間単位年休の取得分は、年5日の取得義務の分から差し引けません*2*4。

Q8. 時間単位年休の労使協定は労働基準監督署に届け出ますか

A. 労働基準監督署への届出は要りません*4。就業規則には時間単位年休の定めが要ります*4。

Q9. 時間単位の年休は会社が時季を指定して取らせられますか

A. 取らせられません。時間単位の年休は、使用者が時季を指定する対象になりません*2。

Q10. 半日の年休を取った日の労働時間はどう数えますか

A. 1日取る場合の数え方は、協定で定めた標準時間です*1。半日の場合は、会社の就業規則と労使協定を読み、人事に何時間分として数えるかを聞きます。

Q11. 半日単位の年休を10回取ると何日分になりますか

A. 5日分です。半日単位の年休は0.5日として数えるため*2、年5日の取得義務の分に含められます*2。

7. まとめ:フルフレックスの半休は同意と就業規則で取り方が決まる

この記事のまとめ

  • 年休を1日取った日は、標準時間で数え、賃金清算では実労働時間にその分を足します*1。
  • 半日単位の年休は、労働者の希望と使用者の同意が前提で、0.5日として数えます*2。
  • 時間単位の年休は、労使協定を結べば年5日以内で取れ、年5日の取得義務には数えられません*2*3*4。
  • 半日と時間の場合の時間の数え方は、就業規則と労使協定を読み、人事に聞いて文書で残します。

半休を取る前に、就業規則の半日単位の定め、半日の日の時間の数え方、時間単位年休の労使協定の3項目を、この順で会社に聞きます。

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出典・参考情報

*1 フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
*2 働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
*3 時間単位の年次有給休暇制度とは(働き方・休み方改善ポータルサイト・厚生労働省)
*4 時間単位年休パンフレット(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署/岡山労働局掲載)
*5 労働基準法(e-Gov法令検索)

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