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フルリモートの研修ありとは?研修中の労働時間と賃金

自宅の机で、オンライン研修の画面を映したノートパソコンとヘッドセット、ノート

フルリモートの求人に研修ありと書かれていても、会社の指示で受ける研修の時間は労働時間です*2。テレワークの手引きでは、社内教育をオンラインで行うことも有効とされています*1。研修を受ける時間が働いた時間に数えられるかどうかは、受講が義務かどうかで分かれます*3。

試用期間と研修期間は同じものではありません。試用期間中の人に最低賃金の減額特例が認められるのは、都道府県労働局長の許可を受けた場合に限られます*5。入社後の研修の進み方と、労働時間・賃金の扱いを、厚生労働省の資料から整理します。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 会社の指示で受ける研修の時間は、フルリモートでも労働時間です*2。テレワークでも労働基準法が適用されます*1。
  • 自由参加の研修は労働時間にあたりませんが、不参加で減給になるなど事実上の強制があれば労働時間です*3。所定時間内の研修は基本的に労働時間にあたります*4。
  • 試用期間と研修期間は別の言葉です。賃金を最低賃金より低くする特例(減額特例)は、試用期間中の人に許可があるときだけ認められます*5。

リラシクの強み

入社後の研修が義務なのか自由参加なのか、研修のあいだの賃金がどう扱われるのかは、求人票だけでは読み取れません。リラシクでは、エージェントとの面談も企業との面談もすべてオンラインで行え、転職するか迷っている段階でも面談を受けられます。内定後の条件交渉では、リモートワークに入る時期の交渉もエージェントが手伝います。

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1. フルリモートの研修は労働時間として扱われる

フルリモートの求人でも、会社の指示で受ける研修の時間は労働時間です*2。労働時間とは、会社の指揮命令下、つまり会社の指示を受けて働いている時間のことです*2。参加が業務上義務づけられた研修や教育訓練を受ける時間は、労働時間として扱わなければなりません*2。テレワークを行う場合でも、労働基準法をはじめとする労働基準関係の法令が適用されます*1。

労働時間か否かは、労働契約や就業規則の定めによらず、会社の指揮命令下に置かれたと評価できるかどうかで客観的に決まります*2。求人票や契約書に別の書き方があっても、この線引きは変わりません。

そのため、フルリモートの研修ありの求人を見るときは、研修が義務づけられているか、勤務時間内に行われるかを先に見ます。日数や形式よりも先に、この2点が賃金の扱いを左右するからです。

2. 入社時から日々の業務までの教育と手続き

床の上で、会社から届いた無地の箱のふたを開けてノートパソコンを取り出す手

テレワークの手引きには、入社時から日々の業務までの教育と手続きが挙がっています*1。図は、その項目を入社後の時系列に置いたものです。

入社直後からテレワークを行うことが通常想定される場合、会社は契約を結ぶ際に、働く場所を示す必要があります。自宅や、本社とは別に用意されたサテライトオフィスなど、テレワークを行う場所がそれにあたります*1。

入社時から日々の業務までの教育と手続き 契約時 働く場所を明示 入社直後 安全衛生教育 導入初期 ツールの研修 日常 オンライン面談 契約時の働く場所の明示から日常のオンライン面談まで、4段階で会社が対応する

雇い入れた後にテレワークが予定されているときは、テレワーク作業時の安全衛生に関する事項を含む教育を行うことが重要とされています*1。テレワークでは周囲に上司や同僚がいないため、上司が心身の変調に気づきにくい場合が多いからです*1。

新しい機器やオンライン会議ツールを使うときは、一定のスキルの習得が必要になることがあります。手引きは、テレワークを導入した初期や機材を新しく入れたときに、必要な研修を行うことも有用としています*1。社内教育そのものも、オンラインで実施することが有効とされています*1。

オンラインならではの利点として、手引きは2つの例を挙げています。大人数の後輩社員が、他の社員の営業の姿をオンラインで見て学ぶ形と、動画にしていつでも学べるようにする形です*1。

新入社員や中途採用の社員は、業務について上司や同僚に聞きたいことが多く、不安が大きい場合があります。そのため、テレワークの実施にあたっては、コミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましいとされています*1。具体的な取組として、職場と同様にコミュニケーションを取れるソフトウェアの導入や、定期的・日常的なオンラインミーティングの実施が挙がっています*1。

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3. 研修が労働時間になるかは義務かどうかで分かれる

研修を受ける時間が労働時間になるかどうかは、受講が業務上義務づけられているかで分かれます*3。図は、その線引きを3段に分けたものです。

研修が労働時間になるかは義務かどうかで分かれる 義務づけ 業務上参加が必須 事実上の強制 不参加で減給など 自由参加 受講は本人の自由 義務づけられた研修と事実上強制された研修は労働時間にあたり、自由参加の研修はあたらない

業務上義務づけられていない自由参加の研修であれば、その時間は労働時間に該当しません*3。一方で、研修への不参加が就業規則で減給処分の対象になっていたり、不参加によって業務を行うことができなかったりする場合は、事実上参加を強制されています。この場合は、研修や教育訓練であっても労働時間に該当します*3。

フルリモートの研修ありの求人でも、判断は同じです。研修の動画を自宅で見る時間であっても、会社が受講を指示し、受けないと仕事を進められないなら、労働時間として数えます。

4. 所定時間内の研修と自主研修の扱い

所定時間内、つまり契約で決めた勤務時間のうちに行われる教育や訓練は、基本的に労働時間に該当します*4。入社後の研修が平日の始業から終業までの間に組まれていれば、勤務時間の一部です。

研修を自主的な学習として扱う会社もあります。ところが、実際には会社の指示で業務に従事していたと認められる時間は、自主的な研修や学習だと報告されていても、労働時間として扱わなければなりません*2。

名目が自由参加でも、事実上の強制にあたる場合があります。事例として、受講が正社員になる要件とされ、会社がシフトを調整していた研修があります。この研修は事実上強制されていたとして、労働時間にあたると考えられています*4。先輩社員の業務を見学しなければ実際の業務に就けないとされている場合も、その見学は労働時間に該当します*3。

厚生労働省と都道府県労働局のリーフレットは、研修の時間の取扱いを、あらかじめ会社と従業員で話し合って確認しておくよう勧めています*3。内定後の面談や入社前の条件確認で、研修を勤務時間に含めるかを聞いておけば、入社後に食い違いが出にくくなります。

5. 研修の事例と労働時間の扱い

厚生労働省のリーフレット2点に載っている事例を、労働時間にあたるかどうかで並べた表です*3*4。

研修の状況ごとの労働時間の扱い

研修の状況労働時間かどうか出典
休日に社外研修への参加を指示され、後日レポートの提出も課される労働時間にあたる*3
先輩社員の業務を見学しなければ、実際の業務に就けない労働時間にあたる*3
形式上は自由参加だが、受講が正社員になる要件で、会社がシフトを調整していた労働時間にあたる(事実上の強制)*4
所定時間内など、業務中に行われる教育・訓練基本的に労働時間にあたる*4
web学習ツールを提供しているだけで、受講の指示も習熟度の試験も人事評価への反映もない労働時間にあたらない*4

表の上4行は労働時間にあたり、最後の1行だけがあたりません。最後の事例は、会社が受講を指示しておらず、習熟度を測る試験もなく、受講状況を人事評価に反映させていないという3点がそろっています*4。

反対に、この3点のどれかが入ると、自主的な学習とは言い切れなくなります。入社後に会社から「この講座を受けておいてください」と言われたら、それは受講の指示にあたるので、その時間を勤務時間として申告できるかを上司に聞いておきます。

6. 試用期間と研修期間は別のものとして読む

夕方のリビングで、研修資料のバインダーに指を置き付箋に書き込もうとする手

最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼び名を問わず、すべての労働者に適用されます*5。テレワークを行う場合も、最低賃金法を含む労働基準関係の法令が適用されます*1。

最低賃金には、個別に認められる減額の特例があります。その対象に含まれるのが、試用期間中の人です。ただし条件があり、使用者が許可を受けていなければ、減額することはできません*5。

試用期間と研修期間を、同じものとして読まないでください。求人票に研修期間と書かれていても、それが試用期間なのか、入社後に行う教育の期間なのかは、書き方だけでは分かりません。面接や内定後の条件確認で、研修期間と試用期間のそれぞれについて、期間の長さと賃金の扱いを分けて聞いておきます。

社内教育や研修制度について定めをする場合は、就業規則に規定しなければならないとされています(労働基準法第89条第7号)*1。就業規則とは、賃金や勤務時間など会社の働き方のルールを書いた規程のことです。研修制度を設けている会社なら、その内容が就業規則に書かれています。

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7. よくある質問

Q1. 研修ありの求人で研修中の時間は労働時間ですか

A. 会社が受講を義務づけた研修なら、労働時間です*2。所定時間内に行われる研修も、基本的に労働時間にあたります*4。

Q2. 自由参加の研修は労働時間になりますか

A. 義務づけのない自由参加の研修は、労働時間に該当しません*3。ただし、不参加が減給の対象になるなど、事実上の強制がある場合は労働時間にあたります*3。

Q3. 研修期間は試用期間と同じですか

A. 同じものとして扱えません。最低賃金より低くする特例の対象に含まれるのは試用期間中の人で、許可が条件です*5。研修期間の賃金の扱いは、入社前の条件確認で試用期間と分けて聞きます。

Q4. 入社後の研修はオンラインで行えますか

A. 行えます。テレワークの手引きは、オンラインでの人材育成を有効としています*1。どの形で行うかは、面接や入社前の面談で会社に聞いてください。

Q5. 入社直後からフルリモートの場合働く場所は契約で示されますか

A. 入社後すぐに在宅で働く契約なら、会社は自宅などの働く場所を、契約の際に示す必要があります*1。

8. まとめ:フルリモートの研修は会社の指示なら労働時間

研修ありの求人で押さえる4点

  • 会社の指示で受ける研修の時間は、フルリモートでも労働時間です*2
  • 自由参加の研修は労働時間にあたらないが、事実上の強制なら労働時間にあたる*3
  • 所定時間内の研修は、基本的に労働時間にあたる*4
  • 試用期間と研修期間は別の言葉で、最低賃金の減額特例は許可が条件*5

研修ありの求人を見たときは、研修が義務かどうか、勤務時間内か、試用期間とは別の期間かを面接で聞いてください。入社後の研修の形は、テレワークの手引きにも、オンラインの社内教育やオンラインミーティングが例として挙がっています*1。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)
*2 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚生労働省)
*3 労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
*4 「研修・教育訓練」に関する労働時間の考え方(厚生労働省)
*5 最低賃金の適用される労働者の範囲(厚生労働省)

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