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不採用の理由の問い合わせ方|メールの例文と個人データの開示請求

不採用の理由の問い合わせ方|メールの例文と個人データの開示請求のイメージ写真

選考に落ちた連絡が届くと、どこがいけなかったのかを知りたくなります。書類で落ちたのか、面接の受け答えなのか、ほかの応募者との比較なのかが分からないままでは、次の応募で何を直せばよいのかも決められません。

不採用の理由を会社に問い合わせることはできますが、答えるかどうかは会社しだいです。理由の説明を会社に義務づけた規定は、職業安定法にも個人情報保護法にも見当たりません。個人情報保護法に基づいて、会社が持つ自分の個人データの開示を請求することはできますが、選考の評価は開示されないことが想定されています*1*2。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 不採用の理由を問い合わせるのは自由ですが、答えるかどうかは会社が決めます。理由の説明を義務づけた規定は、職業安定法にも個人情報保護法にも見当たりません。
  • 個人情報保護法第33条で、会社が持っている自分の個人データの開示を請求できます*1。ただし業務の適正な実施に著しい支障があるときは、開示しないことができます*1。
  • 個人情報保護委員会は、人事評価や選考に関する個々人の情報を、非開示とすることが想定される情報として挙げています*2。

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1. 不採用の理由は問い合わせてよいが答えるかは会社しだい

不採用の理由は、会社にメールで問い合わせてかまいません。ただ、会社に答える義務を定めた規定は見当たらず、返事をするかどうか、どこまで話すかは会社の判断です。

採用するかどうかを決めるのは会社の側で、厚生労働省は、その判断を応募者の適性と能力に基づいて行うよう求めています*4。一方で、なぜその判断に至ったかを応募者に説明する手続きまでは定められていません。不採用の連絡が「今回はご希望に沿いかねる結果となりました」のような決まった文面だけで届いても、それ自体は決まりに反するものではありません。

問い合わせても、「選考の詳細はお答えしておりません」と返ってくることもあります。それでも、1通のメールで聞く分には失礼にはなりません。聞き方をていねいにして、答えてもらえなくても引き下がる前提で送れば、会社との関係が悪くなることもありません。

転職支援サービスを通じて応募していた場合は、先にその担当者に聞くほうが早いこともあります。会社から担当者に、選考の感想が伝えられている場合があるためです。

2. 不採用の理由を問い合わせるメールの書き方

問い合わせは、電話ではなくメールにします。採用担当者が手の空いたときに読めて、答える内容を社内で相談する時間もとれるからです。書く中身は次の4つで足ります。

問い合わせのメールは件名・お礼・質問・結びの4つ

  • 件名で用件を伝える:「選考結果についてのお問い合わせ(氏名)」
  • 選考のお礼を述べる:面接の機会をもらったことへのお礼
  • 聞きたいことを1つにしぼる:次の応募に生かしたい点が分かれば、と添える
  • 返事がなくてもよいと書く:「差し支えなければ」「ご回答が難しければ結構です」

本文の例を挙げます。「先日は○○職の面接の機会をいただき、ありがとうございました。今回は残念な結果となりましたが、今後の転職活動の参考にしたく、差し支えのない範囲で、選考の中で足りなかった点を教えていただけないでしょうか。ご回答が難しい場合は、どうぞお気になさらないでください。」

聞くことは1つにしぼってください。「書類のどこが」「面接のどの答えが」と細かく並べると、相手が答えにくくなります。返事がなかったり、答えられないと返ってきたりしたら、それ以上は重ねて聞かず、お礼を述べてやりとりを終えます。

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3. 個人情報保護法で自分の個人データの開示を請求できる

会社に対して、法律に基づいて請求できるものもあります。個人情報保護法第33条では、本人は、会社などの個人情報取扱事業者に対して、自分が識別される保有個人データの開示を請求できます*1。応募書類や面接の記録など、会社が持っている自分のデータが対象になりえます。

個人情報保護法第33条の保有個人データの開示請求の仕組み*1

段階法律の決まり
請求する本人は、自分が識別される保有個人データの開示を請求できる
会社が開示する請求を受けた会社は、本人が求めた方法で、遅滞なく開示しなければならない
開示しないことができる場合本人や第三者の権利利益を害するおそれ/会社の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれ/他の法令に違反する場合
開示しないときの通知全部か一部を開示しないと決めたときや、データが存在しないときは、遅滞なくその旨を本人に通知する

請求のしかたは会社ごとに決められています。会社は、開示の請求に応じる手続きを、本人が知ることのできる状態にしておかなければなりません*1。会社のサイトにある個人情報の取扱いのページなどで、請求先と方法を探してから申し込みます。

開示の請求には、手数料がかかることがあります。会社は開示の請求を受けたとき手数料を取ることができ、その額は実費を勘案して合理的と認められる範囲内で定めることになっています*1。手数料の額を決めている会社は、請求の手続きとあわせてその額も示すことになっています*1。

開示の請求をすれば、会社は開示するか、開示しない旨を通知するかのどちらかをしなければなりません*1。問い合わせのメールと違い、何も返ってこないまま終わることはない、という点が大きな違いです。

ただし、選考が終わったあとに会社が応募書類を返したり、消したりしていれば、そもそも保有個人データが存在しないこともあります。その場合も、データが存在しない旨の通知を受けることになります*1。

4. 選考の評価は開示されないことが想定されている

開示を請求しても、不採用の理由がそのまま分かるとは限りません。個人情報保護法は、開示すると会社の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には、全部か一部を開示しないことができるとしています*1。

開示の請求を受けた会社は開示するか開示しない旨を通知する 開示すると業務に著しい支障を及ぼすおそれなどがあるか*1 当たらない 遅滞なく開示する*1 当たる(選考の評価など) 全部か一部を開示せず、その旨を通知する*1*2 会社は開示か、開示しない旨の通知かのどちらかをする*1

個人情報保護委員会はFAQで、雇用管理情報には人事評価や選考に関する個々人の情報など、非開示とすることが想定される情報が含まれると書いています*2。そのうえで会社には、そうした情報の開示に関する事項をあらかじめ定めて周知する措置を講じることが望ましいとしています*2。面接での評価や、ほかの応募者と比べた結果は、この「非開示とすることが想定される情報」に当たりやすい情報です。

開示を請求できるのは、自分についてのデータです。選考の評価が開示されなかったとしても、自分についてどんな情報が残っているかの一部は分かります。気になる点があるときは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤルに相談することもできます*2。

5. 会社が選考で集めてよい個人情報は仕事に必要な範囲だけ

会社が応募者の個人情報を集めるときにも、決まりがあります。職業安定法第5条の5は、求人者や労働者の募集を行う者に、求職者の個人情報を業務の目的の達成に必要な範囲内で集めるよう求めています*3。集めるときは目的を明らかにし、その目的の範囲内で保管・使用しなければなりません*3。

厚生労働省は、公正な採用選考とは、家族や生活環境に関することなど、応募者の適性・能力とは関係のない事項で採否を決めないことだとしています*4。そうした事項は、採用基準にしないつもりでも、把握すれば採否の決定に影響を与えてしまい、就職差別につながるおそれがあるとしています*4。

面接で、仕事と関係のない身の回りのことを聞かれていて、それが不採用につながったのではと感じるときは、その質問の内容を書き留めておいてください。不採用の理由を知ることはできなくても、選考のしかたそのものについて相談する手がかりになります。

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6. 理由が分からないときに次の応募で見直す点

会社から理由を聞けなくても、選考のどの段階で落ちたかは分かります。段階ごとに、自分で見直せることがあります。

落ちた段階ごとに見直すこと

  • 書類選考で落ちた:求人票の必須条件と、職務経歴書に書いた経験が1対1で対応しているか
  • 一次面接で落ちた:志望動機と退職理由を、1分ほどで結論から話せているか
  • 最終面接で落ちた:入社後にやりたい仕事と、会社の事業の方向が合っているか
  • どの段階でも:応募した求人の仕事の内容を、自分の言葉で説明できるか

書類で落ちることが続くなら、求人の選び方と職務経歴書の書き方の両方を見直します。面接で落ちることが続くなら、面接の答えを声に出して録音し、聞き直すと、話が長い、結論が後ろにあるといった癖に気づけます。

不採用の理由は、自分の力が足りなかったからとは限りません。同じ時期に経験の近い応募者がいた、採用の人数が1人だけだったなど、応募者の側からは見えない事情で決まることもあります。1社の結果だけで自分を責めず、見直せる点を1つ決めて次の応募に進んでください。

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7. よくある質問

Q1. 不採用の理由を聞くのは失礼になりませんか?

A. ていねいな文面で1通送る分には失礼になりません。返事をするかは会社の判断なので、答えてもらえなくてもよいと一言添えておくと、相手も気が楽になります。

Q2. 電話で問い合わせてもいいですか?

A. メールのほうが向いています。電話では、担当者がその場で「お答えできません」と言うほかなく、そこで話が終わりやすくなります。

Q3. 開示請求をすれば不採用の理由が分かりますか?

A. 分かるとは限りません。面接での評価のような情報は、会社の業務に差し支えるとして非開示にされることが想定されています*1*2。開示されるのは、応募書類の記載内容など、評価以外の部分にとどまることもあります。

Q4. 開示請求をしたのに会社から返事がありません

A. 開示しないと決めたときや、データが存在しないときも、会社は遅滞なくその旨を本人に通知しなければなりません*1。返事がないときは、個人情報保護委員会の相談ダイヤルに相談できます*2。

Q5. 転職エージェント経由で応募した場合は?

A. まず担当者に聞いてください。担当者が会社から聞いている選考の様子を教えてもらえることがあります。会社に直接問い合わせるかどうかも、担当者と相談して決めます。

8. まとめ:不採用の理由はメールで1通聞き答えがなければ次へ進む

この記事のまとめ

  • 不採用の理由を問い合わせるのは自由だが、説明を会社に義務づけた規定は見当たらない
  • 問い合わせはメールで。お礼を述べ、聞くことを1つにしぼり、答えられなくてもよいと添える
  • 個人情報保護法第33条で、自分の保有個人データの開示を請求できる。会社は開示するか、しない旨を通知する*1
  • 選考に関する個々人の情報は、非開示とすることが想定されている*2
  • 理由が分からなくても、落ちた段階ごとに見直す点を1つ決めて次の応募に進む

不採用の連絡が届いたら、聞きたいことを1つにしぼったお礼のメールを1通だけ送り、返事を待つあいだに、落ちた段階で見直す点を1つ書き出してください。

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出典・参考情報

*1 個人情報の保護に関する法律 第32条・第33条・第38条(e-Gov法令検索)
*2 FAQ Q9-11 雇用管理情報には、人事評価や選考に係る個々人の情報など非開示とすることが想定される情報が含まれますが、どのように対応したらよいですか。(個人情報保護委員会)
*3 職業安定法 第5条の5(e-Gov法令検索)
*4 公正な採用選考の基本(厚生労働省)

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