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  3. PM(プロジェクトマネージャー)になってからキャリアパスが広がらない人の共通点|路線を決めずに経験を積んでも評価されない転職市場の現実

PM(プロジェクトマネージャー)になってからキャリアパスが広がらない人の共通点|路線を決めずに経験を積んでも評価されない転職市場の現実

プロジェクトマネージャー(PM)のキャリアパスと転職市場を解説するイメージ

「SEとして5年。チームリーダーとして2年。次に何をするか、まだ決めていない。」

プロジェクトマネージャー(PM)を目指す多くのエンジニアが、一度はこの問いに直面します。技術を深掘りするスペシャリストの道も魅力的ですが、人・モノ・コストを動かしてプロジェクト全体を成功に導くPMという職種には、エンジニアとしての経験が直結する確かな市場価値があります。

この記事では、PMへの3つのキャリアルート、PMになってからの4つの発展路線、必要なスキルと資格、そしてリモートワーク対応求人の現状まで、PMキャリアの設計に必要な情報を体系的に整理します。

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この記事のポイント

  • PMへのキャリアパスは「技術者ルート(PG→SE→PL→PM)」「PMOルート」「スペシャリストルート」の3つが主流です。転職でのステップアップも有効な手段です
  • PMになってからのキャリアは「スペシャリスト」「マネジメント」「コンサルタント」「経営・CxO」の4路線に分岐します
  • リモートワーク対応のPM正社員求人は増加傾向にあり、居住地を問わずキャリアアップできる環境が整いつつあります

1. プロジェクトマネージャー(PM)のキャリアパスとは

プロジェクトマネージャー(PM)のキャリアパスは、「PMになるまでの道」と「PMになってからの発展」の2段階で設計します。プログラマー(PG)・システムエンジニア(SE)・プロジェクトリーダー(PL)と段階を踏む技術者ルートが王道ですが、PMO経験やスペシャリスト経験を起点にPMへ転身するルートも定着しています。厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(job tag)によると、PM職(IT)の年収は40〜44歳で平均904万円に達し、ITエンジニア職種のなかでも高水準のポジションです*1。PMキャリアの方向性と市場動向を早期に把握することが、着実なキャリアアップの第一歩です。

1-1. PMの仕事内容と需要背景

PMは、プロジェクトの計画立案から完了まで、スケジュール・品質・コスト(QCD)の三管理を一貫して担うポジションです。チームメンバーのアサイン、リスク対応、ステークホルダーへの報告まで幅広く担います。技術経験をベースに「ビジネス視点のマネジメント力」を加えた、IT業界でも特に市場価値が高い職種のひとつです。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)*2では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されています。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX動向2024」*3でも、DXを推進する人材が量・質ともに不足していると指摘されており、人材の量が「大幅に不足している」または「やや不足している」と回答した企業は8〜9割に上ります。企業のDX推進・システム刷新の需要が拡大するなかで、プロジェクトを成功に導くPMの重要性は一段と高まっています。

1-2. PMの年収水準

PM職の年収は、担当するプロジェクトの規模・企業形態・保有スキルによって幅が出ます。次の表は、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(job tag)のデータをもとに、年齢帯別の年収目安を整理したものです。

年齢帯年収相場の目安特徴
20代350万〜550万円程度PG・SEとしての経験を積みながらPLへ向けて成長する時期
30代前半550万〜700万円程度PL経験を経て、PMポジションを視野に入れるタイミング
30代後半650万〜850万円程度PMとしての実績を積み上げ、転職での年収アップが狙える時期
40〜44歳800万〜1,000万円程度(平均904万円)大規模プロジェクトの統括やシニアPMとして活躍するピーク時期
45歳以上800万〜1,200万円程度PMO統括・コンサル・経営職へのキャリア転換が活発な時期

出典:職業情報提供サイト(job tag)「プロジェクトマネージャ(IT)」の職業情報をもとに編集部作成

PM職の年収は、担当プロジェクトの規模・所属企業の形態・保有スキルと資格によって変動します。特に40代以降は経験の蓄積と役割拡大により、高水準の年収が期待できる傾向があります。転職市場では400万円台から1,200万円超まで幅広い求人レンジが存在しており、転職先の選択と保有スキルの組み合わせによって、キャリアと収入の両面で変化を生み出せる職種です。

2. PMになるための3つのキャリアパス

PMへの道は一本ではありません。IT業界で代表的な3つのルートを整理します。自身のバックグラウンドに合ったルートを選ぶことが、最短でのPM就任につながります。

2-1. ルート①:技術者からPMへ(王道ルート)

最も一般的なのは、PG(プログラマー)→SE(システムエンジニア)→PL(プロジェクトリーダー)→PMという段階的なキャリアアップです。開発現場での技術経験を積みながら、徐々に管理・調整業務の比重を高めていきます。現場感覚を持つPMとして、チームメンバーや顧客からも信頼を得やすい点が強みです。同一社内でのステップアップだけでなく、転職によるPMポジション獲得も現実的な選択肢です。一般的に、SE経験5〜7年程度でPLを経験し、その後PMへ昇格または転職するというルートが多く見られます。

2-2. ルート②:PMO経験からPMへ

PMO(Project Management Office)は、PMのサポートとしてプロジェクト全体を補佐する役割です。複数プロジェクトの進捗管理・リスク集約・報告フォーマット整備などの実務を通じて、PM視点が自然に育ちます。「まずPMOでマネジメントの基礎を固めてからPMへ」という流れも、IT業界で定着しつつあります。文系・事務系のバックグラウンドを持つ方がIT業界のマネジメント職を目指す場合にも、PMOが有効な入口になります。

2-3. ルート③:スペシャリストからPMへ

特定技術に深い知識を持つスペシャリスト(ITアーキテクト、クラウドエンジニア、セキュリティエンジニアなど)が、上流工程での意思決定者としてPMへ転身するケースです。技術的な難易度の判断力を武器に、大規模・高難度プロジェクトのPMとして活躍できます。特にDXプロジェクトやクラウド移行案件では、技術への深い理解を持つPMの需要が高まっています。

比較項目ルート① 技術者ルートルート② PMOルートルート③ スペシャリストルート
出発点PG・SEPMO・事務系IT職ITアーキテクト・技術スペシャリスト
強み開発現場経験・チームの信頼管理フレームの実務経験高度な技術判断力
補完すべき要素マネジメント視点の習得技術理解の深化ビジネス・人材管理の視点
転職での評価されやすさ高(プロジェクト経験が直接評価される)中(PM実績を別途積む必要がある)中〜高(特定業界・技術領域で需要)
PMへの移行の目安SE経験5〜7年+PL経験2〜3年PMO経験3〜5年+PM補佐実績スペシャリスト経験5年以上+上流参画実績

出典:編集部調べ(各方面の求人データ・業界調査を参考に作成)

PMを目指す3つのキャリアルートと、それぞれの特徴を比較した表です。どのルートを選ぶかは、現在の職種・経験年数・目指すPMの種類によって変わります。技術者ルートは王道ですが、PMO経験やスペシャリスト転身も有効です。いずれのルートにおいても、PMP資格(米国PMI認定)やIPAプロジェクトマネージャ試験(国家試験)の取得が、PMとしての専門性を証明する手段として有効です。転職活動と並行した資格取得も、キャリアアップの後押しになります。

📖 あわせて読みたい通勤ゼロでキャリアアップ!正社員のリモートワーク求人の人気職種と転職成功のポイント

3. PMになってからの4つのキャリアパス

PMはゴールではなく、さらなるキャリアの出発点です。PMとして経験を積んだ後、大きく4つの方向性でキャリアを広げることができます。どの路線を選ぶかによって、目指す年収・働き方・ポジションが変わります。自身の強みと将来像を重ね合わせながら方向性を描くことが重要です。

3-1. ①スペシャリスト路線

特定ドメイン(金融・製造・医療など)、またはアジャイル・DevOpsといった特定の手法・技術を深掘りするルートです。シニアPMや技術系PMとして、専門性の高い大規模プロジェクトを牽引する役割へ進みます。特定業界でのドメイン知識とPM経験を掛け合わせることで、業界内で代替が難しい人材になれます。

3-2. ②マネジメント路線

複数プロジェクトを統括するプログラムマネージャーや、PMO部門の統括マネージャー、さらには事業部長・本部長クラスへのキャリアアップです。組織全体のプロジェクトポートフォリオ管理を担う役割へと進みます。PMとしての実績を重ね、組織を束ねる経験を積んだ後に進む方が多い路線です。

3-3. ③コンサルタント路線

クライアント企業のIT戦略立案やDX推進を支援するITコンサルタントへの転身です。PMとして培った「プロジェクト全体を俯瞰する視点」と「課題解決力」をコンサルティング業務に活かします。複数のクライアントに携わることで、業界横断的な知見を短期間で蓄積できます。

3-4. ④経営・CxO路線

CTO(最高技術責任者)やCDO(最高デジタル責任者)、あるいは自身での起業・独立という選択肢です。PMとして身につけた「事業全体を動かす力」と「組織を束ねる経験」が直接活かせます。スタートアップや中堅企業への転職という形でCxOポジションを目指すルートも増えています。

キャリア路線代表的なポジション年収レンジの目安向いている人の特徴
①スペシャリストシニアPM、技術系PM、ドメインスペシャリスト800万〜1,200万円程度特定領域・業界を深掘りしたい人
②マネジメントプログラムマネージャー、PMO統括、事業部長900万〜1,400万円程度組織・複数プロジェクトを束ねたい人
③コンサルタントITコンサルタント、DXコンサル、戦略コンサル900万〜1,500万円程度課題解決の幅を広げたい人
④経営・CxOCTO、CDO、VP of Engineering、経営者1,000万円〜組織・事業全体を動かしたい人

出典:編集部調べ(各方面の求人データ・業界調査を参考に作成)

PMになってから選べる代表的な4つのキャリア発展路線と、想定される年収レンジの目安を示した表です。年収はあくまで市場参考値であり、企業規模・業界・担当プロジェクトの規模・個人スキルによって変動します。転職によるキャリアアップを組み合わせることで、年収アップにつながるケースもあります。どの路線を選ぶかは早期に意識し、経験・スキル・資格を計画的に積み上げることがポイントです。

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4. PMに必要なスキルと取得推奨資格

PMとして市場価値を高めるためには、「技術スキル」「マネジメントスキル」「ヒューマンスキル」の3領域のバランスが重要です。加えて、資格取得による専門性の証明が、転職市場での競争力を高めます。

4-1. 技術スキル

要件定義・基本設計・上流工程の知識は必須です。すべての技術領域に精通する必要はありませんが、「技術的な難易度を判断できる目線」は欠かせません。クラウド(AWS・Azure・GCP)やアジャイル開発への実務知識を持つPMの需要は、DXが本格化するなかで近年高まっています。

4-2. マネジメントスキル

WBS(作業分解構造)の作成・スコープ管理・リスク管理・コスト管理(EVM等)・品質管理といった、プロジェクトマネジメントの基礎フレームワークを実務で使いこなす能力です。国際標準のPMBOK(Project Management Body of Knowledge)の考え方を軸に、実際のプロジェクトに応用する力が求められます。

4-3. ヒューマンスキル

関係者との調整・合意形成、チームのモチベーション管理、クライアントへの説明責任——PMとして避けて通れない能力です。総務省「令和6年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業は47.3%でした*6。リモート環境での「オンラインコミュニケーション管理力」も、PMの評価ポイントになっています。

4-4. 推奨資格

PMとしての専門性を証明する主な資格として、以下の2つが広く評価されています。

  • PMP(Project Management Professional):PMI(プロジェクトマネジメント協会)*4が認定する国際資格です。世界標準のプロジェクトマネジメント手法の習得を証明するもので、グローバル企業・外資系での転職においても高く評価されます。
  • IPAプロジェクトマネージャ試験:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)*5が実施する国家試験です。合格率は例年13〜15%程度と難易度が高く、取得によって国家レベルの専門性を証明できます。試験は年1回・秋期に実施されており、令和8年度(2026年度)からはCBT方式へ移行する予定です。
スキル領域代表的なスキル・知識取得推奨資格優先度
技術スキル要件定義、上流設計、クラウド知識(AWS等)、アジャイル手法IPAプロジェクトマネージャ試験必須
マネジメントスキルWBS作成、スコープ管理、リスク管理、コスト管理(EVM)、品質管理PMP(米国PMI認定)必須
ヒューマンスキルステークホルダー調整、チームマネジメント、オンラインコミュニケーション管理必須
ビジネス・経営スキル予算管理、契約管理、ROI試算、提案書作成中小企業診断士(任意)推奨

出典:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)、PMI(プロジェクトマネジメント協会)の公表情報をもとに編集部作成

PMに求められるスキル領域と代表的な資格をまとめた表です。すべてのスキルを同時に身につける必要はありません。現在の強みがどの領域かを把握し、不足している部分を段階的に補強することが重要です。IPAプロジェクトマネージャ試験は年1回・秋期の実施で、合格率は例年13〜15%程度と難易度が高い一方、取得による市場価値の向上は大きく、転職時のアピール力に直結します。まずは自身の現状スキルを棚卸しし、最も効果的な強化ポイントを特定することから始めることをお勧めします。

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5. PMとリモートワーク転職市場の現状

5-1. PMとリモートワークの親和性

「PMはリモートでは難しい」という声もかつてはありましたが、現在は状況が変わりつつあります。総務省「令和6年通信利用動向調査」*6によると、テレワークを導入している企業は47.3%でした。なかでも情報通信業は導入率が9割を超えており、IT領域ではリモートワークが広く根づいています。

Slack・Jira・Confluenceなどのプロジェクト管理ツールの普及により、リモート環境でのスケジュール管理・進捗報告・チーム間調整が実務レベルで機能するようになりました。「リモートでもPMが成立する」という実績が各社に積み上がっており、フルリモートからハイブリッドまで、働き方を選べる求人が増えています。

5-2. リモートPM求人の現状

Relasic(株式会社LASSIC運営)*7が公開するリモートワーク対応の正社員求人では、プロジェクトマネージャー職を多数掲載しています(2026年6月時点)。大規模システム開発・SaaS事業・DX推進など多様な業界・業種でPMのリモート求人が出ており、フルリモートとハイブリッドを含む選択肢から、希望に合った働き方を選ぶことができます。

地方在住のエンジニアや、ライフイベント(育児・介護等)に合わせて柔軟な働き方を求めるPMにとっても、リモート転職は現実的な選択肢として定着しつつあります。

5-3. リモートPM転職での評価ポイント

リモートPMの求人では、上流工程から関わるポジションも多く見られます。転職活動において、次の3点を具体的に示すことが、書類通過率と内定率の向上につながります。

  • リモート環境でのプロジェクト進行実績:具体的なプロジェクト規模・期間・成果を数字で示す
  • プロジェクト管理ツールの習熟度:Jira・Confluence・GitHub Projects等の実務活用経験
  • 非同期コミュニケーションでのチームマネジメント経験:Slackやドキュメント管理での進捗共有・合意形成の実績

上流工程に関わるポジションでは、プロジェクトの全工程を俯瞰する経験を積みやすく、PMとしての市場価値を高める観点でも有効です。自身の経験やライフプランに合わせて、無理なく挑戦できる環境を選ぶことが、長期的なキャリア形成につながります。

📖 あわせて読みたいフルリモートの正社員求人の探し方とリモートワーク可能なおすすめの職種まで解説

6. まとめ:プロジェクトマネージャーのキャリアを次のステップへ

この記事のまとめ

  • PMへのキャリアパスは「技術者ルート(PG→SE→PL→PM)」「PMOルート」「スペシャリストルート」の3つが主流です
  • PMになってからの発展路線は「スペシャリスト」「マネジメント」「コンサルタント」「経営・CxO」の4つに分岐します
  • PM職(IT)の年収は40〜44歳で平均904万円(職業情報提供サイト job tag参照)と高水準で、転職でさらに引き上げられるケースもあります
  • PMP・IPAプロジェクトマネージャ試験の取得でPMとしての専門性を証明することで、転職市場での競争力が高まります
  • リモートワーク対応のPM正社員求人は増加傾向にあり、居住地を問わないキャリアアップが現実の選択肢です

PMキャリアの次のステップが見えてきたとき、「今の市場にどんな求人があるか」を確認することが最初の一手です。求人情報と自身のスキルを照らし合わせることで、キャリア設計の解像度が一段上がります。


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出典・参考情報

*1 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「プロジェクトマネージャ(IT)」
*2 経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)
*3 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「DX動向2024」
*4 PMI(Project Management Institute)PMP資格情報
*5 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)情報処理技術者試験
*6 総務省「令和6年通信利用動向調査」
*7 Relasic(株式会社LASSIC運営)プロジェクトマネージャーのリモートワーク求人

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