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一次請けから作る側へ移る転職で変わる決め方と範囲

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

一次請けから作る側へ移る転職で変わる決め方と範囲のイメージ写真

一次請けの立場でシステム開発に長く関わってきたエンジニアが、自社で開発する現場への転職を考えるとき、これまでの経験がどう評価されるのかが気になります。仕様を受け取り、上がってきたものを確認する仕事を重ねてきた人ほど、移ったときに何が変わるのかを先に知っておく必要があります。

正社員全体のテレワーク実施率は22.5%です*1。自社で開発を行う求人や、リモートワーク対応の求人まで視野を広げれば、これまで積んだ経験を活かしながら、働き方の選択肢も広げられます。

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数字で見る、開発現場が求める人材 この記事の要約 正社員全体のテレワーク実施率* 1 22.5% リモート対応求人の目安 2025年調査 働き方の選択肢を広げる数字 DX推進人材が『大幅に不足』*2 50.1% 回答した企業の割合 2025年度調査 手を動かせる人材が必要 一般労働者の賃金ピーク*3 396.2千円 55〜59歳・月額 2025年調査 経験を重ねた先の水準 受け取って確かめる側から、手を動かす側へ。変わることを先に知っておきます *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 一次請けの立場で長く働くと、決めることと確かめることが仕事の中心になります。自社で開発する現場に移ると、決める速さ・手が届く範囲・困ったときに聞く相手の3つが変わります。
  • DX推進人材が『大幅に不足』と回答した企業は50.1%です*2。自分で手を動かして仕組みを直せる人材の必要性が、この数字にも表れています。
  • 一次請けの立場で積んだ、全体の段取りが頭に入っている感覚と、『これは後で問題になる』と分かる感覚は、自社開発の現場でも強みとして持っていけます。

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1. 一次請けから自社開発へ移ると、変わるのは3つです。

一次請けの立場から自社で開発する現場に移ると、変わることは3つあります。決める速さ、手が届く範囲、そして困ったときに聞く相手です。仕様を受け取り、上がってきたものを確認する仕事を長く続けてきた人ほど、この3つの変化を先に知っておく必要があります。正社員全体のテレワーク実施率は22.5%です*1。自社で開発を行う求人や、リモートワーク対応の求人まで視野を広げれば、積んだ経験を活かしながら、働き方の選択肢も広げられます。

この立場では、作るのは別の会社で、自分は仕様を渡し、上がってきたものを見て判断する仕事が中心になります。決めることと確かめることの積み重ねが、経験の大部分を占めます。

自分で手を動かして開発する現場に移ると、まず変わるのは決める速さです。渡す前にすべてを固める習慣から、動かしながら決める形に変わります。次に変わるのは手が届く範囲です。見て判断するだけでなく、直すところまで自分でやることになります。

3つ目に変わるのは、困ったときに聞く相手です。一次請けの立場では、分からないことを外の会社に確認する場面がありました。自社で開発する現場では、その答えを自分たちの中で見つけることになります。

転職の面談では、これまでの仕事がどう言い換えられるかが評価に直結します。決めることと確かめることを積み重ねてきた実務を、具体的な場面とともに説明できるほど、変化への準備ができている印象につながります。

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2. DX推進人材の不足は、高い水準のまま続いています。

DX推進人材の不足度合い 大幅に不足 50.1%*2 不足していない 大幅に不足 IPAの調査で「大幅に不足」と回答した企業の割合です 自分で手を動かして仕組みを直せる人材が、企業から求められています

IPAの調査では、DX推進人材が『大幅に不足』と回答した企業が50.1%でした*2。仕組みを自分で動かせる人材の必要性を示す数字です。

一次請けの立場で長く働いてきた人は、仕様を確認する力や、全体の段取りを把握する力を持っています。この力は、自社で開発を行う現場でも起点になります。

不足しているのは、仕組みを動かしながら直していける人材です。一次請けの立場で積んだ経験を、そのまま自社開発の現場に持ち込めるかどうかが、転職の分かれ目になります。

数字が示しているのは、仕組みを止めずに直せる人が十分ではないという状況です。仕様を確認する力に、動かしながら直す力を加えられるかどうかが、評価される場面を分けます。

『大幅に不足』という最も強い回答を選んだ企業が、それでも半数近くにのぼるという事実は重く受け止める必要があります*2。仕組みを動かせる人材の必要性は、今後も続くと見込まれます。

3. 決める速さと手が届く範囲は、大きく変わります。

この立場での仕事は、仕様を固めてから渡す流れが基本になります。抜け漏れがあると、開発を担当する会社とのやり取りに時間がかかるため、渡す前に固める習慣が身につきます。

自社で開発する現場では、動かしながら決める場面が増えます。実際に動くものを見てから直す判断をするため、決める速さそのものが変わります。

手が届く範囲も変わります。この立場では、上がってきたものを見て判断するところまでが仕事でした。自社開発の現場では、直すところまで自分の手で行います。

困ったときに聞く相手も変わります。一次請けの立場では、分からないことを開発を担当する会社に確認していました。自社開発の現場では、同じチームの中で答えを見つけることになります。

変わることは3つありますが、一次請けの立場で積んだ、全体の段取りが頭に入っている感覚は、自社開発の現場でも強みとして持っていけます。

決める速さと手が届く範囲は、どちらも一度で切り替わるものではありません。動かしながら決める場面を重ねるうちに、判断の基準そのものが変わっていきます。

自分で直すところまで踏み込む機会が増えると、直した結果がどう動くかを次の判断に反映できるようになります。見て判断するだけの立場では得にくかった手がかりです。

4. 変わる3つを、表で比べて確認します。

一次請けの立場で担当していた仕事と、自社で開発を行う現場の仕事を、決める速さ・手が届く範囲・相手の3つの観点で並べて確認します。長く働くほど、経験を重ねた先の賃金水準も気になるところです。

【表1】一次請けの立場と自社開発の現場で変わる3つの観点

観点受け取って確かめる側自社開発の現場備考
決める速さ渡す前に固める習慣動かしながら決める形
手が届く範囲見て判断するところまで直すところまで自分で行う
相手外の会社に確認するチームの中で答えを見つける

表のとおり、決める速さも手が届く範囲も、対象そのものが変わります。仕様を確認する力を積んだ人ほど、動かしながら決める判断にも早く慣れやすくなります。

経験を重ねた先の賃金水準として、一般労働者の賃金は55〜59歳で月396.2千円となり、全年齢のなかで最も高くなります*3。自社開発の現場に移ったあとも、経験を積み重ねる時間の長さが、この水準に関わってきます。

3つの観点は、どれも切り離して考えるものではありません。決める速さが上がれば、手が届く範囲も自然と広がり、相手を自分たちの中で見つける機会も増えていきます。

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5. 自分の仕事を分解すると、伸ばす部分が見えます。

経験の棚卸しの進め方 分解する いまの仕事を要素に分ける 数える 自分で手を動かした部分を数え 決める 伸ばす部分を決める 埋める 動きながら身につける 分解して数えると、伸ばす部分だけが具体的に見えてきます

いまの仕事を要素に分けると、自分がどこまで手を動かしていたかが具体的に見えてきます。仕様の確認だけで終わっていた部分と、実際に手を動かしていた部分を分けて数えます。

一次請けの立場では、確認の比重が大きくなりやすいため、手を動かした部分の少なさに気づくことがあります。気づいた分だけを、動きながら身につけていく計画に落とし込みます。

伸ばす部分を先に決めてから埋めることで、自社開発の現場に移ったあとの学び方にも見通しが立ちます。手を動かした量が少ない部分ほど、最初に着手する順番を決めやすくなります。

6. 一次請けの経験だからこそ持てる強みを整理します。

自社開発の現場に移るときに、これまで積んだ経験のなかで、そのまま強みになるものを整理します。

自社開発の現場でも活かせる強み

  • 段取りの感覚:仕様から完成までの全体の流れが頭に入っているため、開発の順序を組み立てやすくなります。
  • 先を読む感覚:『これは後で問題になる』と気づく力は、確認の仕事を重ねてきた人ほど持ちやすくなります。
  • 相手の立場を読む力:仕様を渡す側にいた経験から、開発を担当する側が困る点を先に想定できます。
  • 確認の丁寧さ:上がってきたものを見て判断してきた経験は、自分の書いたものを見直す場面でも役立ちます。

全体の段取りが頭に入っている感覚と、『これは後で問題になる』と分かる感覚は、作る側に長くいた人ほど持ちにくいものです。一次請けの立場で確認の仕事を積んできた人ほど、この2つを自然に持っています。

4つの強みはどれも、自社で開発を行う現場に移ったその日から使えるものです。決める速さや手が届く範囲が変わっても、これらの強みは変わらず持っていけます。

面談では、強みをそのまま並べるだけでなく、どの場面で使ったかを添えると伝わりやすくなります。仕様の確認で気づいた問題を、実際に前もって伝えて防げた経験があれば、具体的な例として使えます。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 決める速さは、具体的にどう変わるか。

A. 渡す前にすべてを固めてから動く習慣が、動かしながら決める形に変わります。実際に動くものを見て判断する場面が増えるため、判断のスピードそのものが変わります。

Q2. 手が届く範囲は、どこまで広がるか。

A. 見て判断するところまでだった範囲が、直すところまで広がります。自分で直した経験がそのまま、次の判断材料になります。

Q3. 困ったときに聞く相手が変わると、何が変わるか。

A. 外の会社に確認していたことを、自分たちのチームの中で解くことになります。答えを持っている人を社内で見つける力が新たに必要になります。

Q4. 一次請けの立場で積んだ経験は、転職でどう伝えればよいか。

A. 決めることと確かめることを積み重ねてきた実務として伝えると伝わりやすくなります。全体の段取りを把握していた点や、問題に気づく力を具体的に添えると評価されやすくなります。

Q5. 経験を伝えるとき、何を避けたほうがよいか。

A. 抽象的な言葉だけで終わらせないことです。決める速さや手が届く範囲がどう変わったかを、自分の言葉で具体的に説明できるようにしておきます。

Q6. 自社開発の現場に移ってから、最初に慣れておくとよいことは何か。

A. 動かしながら決める判断のリズムです。すべてを固めてから進める習慣が強いほど、最初の数か月は判断の速さにとまどう場面が出やすくなります。焦らず、小さく動かして確かめる進め方から始めると馴染みやすくなります。

8. まとめ:自社開発へ移るとき、変わることと変わらないことがあります。

この記事の要点

  • 一次請けの立場から自社で開発する現場に移ると、決める速さ・手が届く範囲・困ったときに聞く相手の3つが変わります。
  • DX推進人材が『大幅に不足』と回答した企業は50.1%です*2。自分で手を動かせる人材が求められています。
  • 全体の段取りが頭に入っている感覚と、『これは後で問題になる』と分かる感覚は、自社開発の現場でも強みとして持っていけます。
  • 経験を重ねた先の賃金水準として、一般労働者の賃金は55〜59歳で月396.2千円です*3。

変わることを先に知っておけば、自社開発の現場への転職も具体的に考えやすくなります。次の一歩は、これまで積んできた経験が、開発の現場でどう評価されるかを知ることです。決める速さ・手が届く範囲・相手の3つを自分の言葉で説明できるように整理しておくと、面談でも伝わりやすくなります。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 パーソル総合研究所「第十回テレワークに関する調査」
*2 IPA「DX動向2026」
*3 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」

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