退職に必要な手続き|14日以内に健康保険と年金を切り替え

退職に必要な手続きのうち期限が短いのは健康保険と年金で、次の会社に入るまで間が空くなら、退職後は14日以内に国民健康保険と国民年金に切り替えます*1*2。職場の健康保険を任意継続で続けるなら、退職日の翌日から20日以内に申し出ます*3。任意継続とは、辞めた会社の健康保険に、自分で保険料を払って入り続けることです。
どちらの14日も、健康保険の資格を失う日にあたる退職日の翌日から数えます*1*2。退職日の翌日に次の会社へ入る人は、健康保険も年金も入社先で手続きするので、この切り替えは要りません。住民税の納め方と源泉徴収票の受け取りは、すぐに入社する人にも関わる手続きです。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 次の会社に入るまで間が空く人は、国民健康保険と国民年金へ14日以内に切り替えます*1*2。退職日の翌日に入社する人は、どちらも入社先で加入するため、市区町村の窓口へ行く手続きはありません。
- 任意継続は、20日以内に申し出れば職場の健康保険を最長2年間続けられます*1*3。国民健康保険とどちらにするかは、保険料の額を聞いて比べ、退職前に決めておきます。
- 住民税は退職した月で納め方が変わり、1〜4月に辞めると残りを最後の給与などからまとめて引かれます*4。源泉徴収票は退職後1か月以内に会社が交付する決まりで、受け取ったら次の会社へ出します*5。
1. 退職後14日以内に切り替える健康保険と年金
入社まで間が空く人が国民健康保険と国民年金へ切り替える期限は退職日の翌日から14日以内、任意継続を申し出る期限は20日以内です*1*2*3。国民健康保険の届出は、健康保険の資格を失った日から数えて14日以内と決まっています*1。国民年金では、第1号被保険者(自営業や無職の人など、国民年金を自分で納める人)になる手続きを、住んでいる市区町村で済ませる決まりです*2。任意継続を選ぶ人は、加入していた健康保険へ資格取得申出書を出せば、職場の健康保険に最長2年間入り続けられます*1*3。
ただし、退職の次の日から新しい会社で働く人には、この14日以内の手続きがありません。健康保険も厚生年金も、入社した会社で加入の手続きをするからです。間が空くかどうかは退職日と入社日を並べれば分かるので、内定が出たら入社日を先に書き出しておいてください。
雇用保険や健康保険・厚生年金の資格を失ったという届出は、辞める会社が出します。本人が窓口へ出すものは、国民健康保険と国民年金の届出、任意継続の申し出、それに必要なときの退職証明書の請求です*6。住民税は退職した月で納め方が変わり、源泉徴収票は会社から受け取って次の会社へ出します*4*5。
2. 次の会社にすぐ入るか間が空くかで分かれる加入先
健康保険と年金の手続きは、次の会社に退職日の翌日から入るかどうかで、加入する先が変わります。すぐに入る人は入社した会社でまとめて加入するため、自分で窓口へ行く手続きはありません。間が空く人は、そのあいだ国民健康保険か任意継続のどちらかに入り、年金は国民年金へ移ります*1*2。
図の右上のとおり、選べるのは健康保険だけで、年金に選ぶ先はありません。国民健康保険は住んでいる市区町村の窓口へ届け出て入り、任意継続は加入していた健康保険へ申出書を出して続けます*1*3。国民健康保険の保険料は前の年の所得と市区町村によって額が違うため、両方の額を比べてから選んでください。
そのため、両方の保険料は退職日より前に、国民健康保険なら住んでいる市区町村、任意継続なら加入していた健康保険へ問い合わせます。このほか、家族が入っている健康保険の扶養に入る道もあり、入れるかどうかは、家族が入っている健康保険が決めます。
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3. 退職前に決めておく退職日と入る健康保険
まず決めるのは退職日です。退職に必要な手続きの期限はどれも退職日の翌日から数えるので、退職日が決まった時点で、14日目と20日目の日付をカレンダーに書き込めます*1*2*3。退職届には、会社と話し合って決めた日付を書きます。
続いて、入社日との間が空くかどうかを決めます。内定先の入社日が退職日の翌日なら間は空かず、健康保険と年金の切り替えは入社先の手続きに任せられます。入社日がまだ決まっていない人や、少し休んでから働く人は、間が空く側として準備を進めてください。
間が空く人が退職前に済ませておくことは、健康保険をどちらにするかを決めることです。国民健康保険なら、退職後に住んでいる市区町村へ届け出ます*1。任意継続なら、辞める会社の担当者か加入していた健康保険に、資格取得申出書の用紙と出し方を退職前に聞いておくと、20日以内の申し出に間に合います*3。
ただし、国民健康保険の14日と任意継続の20日は数え始める日がどちらも退職日の翌日なので、先に来るのは国民健康保険の期限です*1*3。任意継続にするか迷ったまま14日目を過ぎると、国民健康保険を選んだときには届出の期限が過ぎています。迷っている人は、14日目より前に両方の保険料を比べ終えて、どちらにするかを決めます。
4. 退職日に会社へ返すものと受け取る書類
退職に必要な手続きを退職の前・当日・後に分けると、前は決めること、当日は会社との書類のやり取り、後は窓口への届出が中心です。当日に動くのは会社との間だけで、市区町村の窓口へ行くのは退職日の翌日からです。図の右端の退職後の段に、期限のある届出が集まっています。
当日に会社へ返すものは、会社から届く案内に書かれたとおりにそろえてください。健康保険の保険証や資格確認書の扱いも、案内に返す時期と方法が書かれていれば、そのとおりに進めます。案内が届いていないときは、退職日の前に総務や人事の担当者へ、返すものの一覧をもらっておきます。
一方、会社から受け取る書類は、退職日の当日にそろうとは限りません。給与所得の源泉徴収票は、中途で退職した人に退職後1か月以内に交付する決まりが会社にあります*5。離職票は、会社がハローワークへ離職証明書を届けたあとに作られる書類です。
ただし、源泉徴収票が期限を過ぎても届かないときは、税務署に源泉徴収票不交付の届出書を出せます*5。届出の前に、まず会社の担当者へ、送り先の住所と送る予定の日を尋ねてください。次の会社に入る人は、受け取った源泉徴収票を入社先へ出すので、届いたら入社の書類と一緒にしまっておきます。
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5. 退職後の届出の期限と窓口
退職後の手続きを期限と窓口で並べると、いちばん早いのは国民健康保険と国民年金で、どちらも住んでいる市区町村が窓口です*1*2。任意継続だけは、申し出る先が市区町村ではなく加入していた健康保険に変わります*3。住民税と源泉徴収票は届出ではなく、届いた納付書や書類を受けて動く手続きです。
退職後の手続きの期限と窓口
| 手続き | 期限 | 窓口 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 退職日の翌日から14日以内(*1) | 住んでいる市区町村 |
| 国民年金 | 退職日の翌日から14日以内(*2) | 住んでいる市区町村 |
| 任意継続 | 退職日の翌日から20日以内(*3) | 加入していた健康保険 |
| 住民税 | 退職した月で納め方が変わる(*4) | 普通徴収なら市区町村から届く納付書 |
| 源泉徴収票 | 退職後1か月以内に会社から交付(*5) | 次の会社に出す |
表の住民税は、退職した月によって納め方が変わります*4。1〜4月に辞めた人は、残りの住民税を最後の給与などからまとめて引く一括徴収になり、本人から申し出る必要はありません*4。6〜12月に辞めた人は、自分で納付書を使って納める普通徴収か、申し出て最後の給与から引いてもらう一括徴収のどちらかです*4。
そのため、6〜12月に辞める予定なら、どちらで納めるかを退職前に決めて、会社の担当者に伝えます。普通徴収にした人には市区町村から納付書が届くので、書かれた期限までに納めてください。1〜4月に辞める人は、最後の給与明細で住民税の引かれた額を見ておくと、残りがまとめて引かれたかが分かります。
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6. 窓口で使う書類と控えは退職日までに用意
市区町村の窓口や加入していた健康保険へ出す前に、次の書類を退職日までに手元へ置いておいてください。
退職日までに手元にそろえる書類と控え
- 退職届の控え:会社に出した退職日を、あとから自分で見返すために手元に残す
- 会社が出す資格喪失の証明:健康保険の資格を失った日が分かる書類で、国民健康保険の届出に使う。いつ受け取れるかを退職日までに会社に聞いておく
- 年金手帳か基礎年金番号が分かるもの:国民年金の第1号被保険者になる手続きに使う
このほか、退職証明書は、退職した人が必要なときに辞めた会社へ請求できる書類です*6。労働基準法で、請求を受けた会社は遅れずに(遅滞なく)交付しなければなりません*6。証明を求められる事項は、使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由の5つです*6。
そのため、退職証明書が要るときは、5つのうちどの事項を書いてほしいかを先に書き出し、辞めた会社の担当者へ書面かメールで請求してください。請求した日と送った相手を控えておけば、交付が遅れたときに、いつ誰へ頼んだかを示せます。
7. よくある質問(退職に必要な手続き)
Q1. 次の会社にすぐ入るなら何もしなくていいですか
A. 退職日の翌日に入社するなら、健康保険と年金は入社先で加入するので国民健康保険と国民年金は届け出なくて構いません。源泉徴収票は受け取って入社先へ出し、住民税の納め方も退職した月に合わせて会社と話しておきます*4*5。
Q2. 国民健康保険と任意継続はどちらを選べばいいですか
A. 保険料の額を両方聞いてから選びます。国民健康保険は、前年の所得と住む市区町村で保険料の額が変わります。任意継続の保険料は、辞めた会社で入っていた健康保険に尋ねてください*3。
Q3. 住民税はいつ払いますか
A. 1〜4月の退職なら、残る分を退職時の給与などから一度に差し引かれます*4。6〜12月の退職なら、届く納付書で自分で払うか、会社に申し出て給与から一度に引いてもらうかを選べます*4。
Q4. 任意継続の申出書の期限が土日にあたるときはどうなりますか
A. 20日目が土日祝日なら、翌営業日が期限です*3。退職日が決まったら、20日目の曜日をカレンダーで見ておきます。
8. まとめ:退職に必要な手続きと期限
この記事のまとめ
- 間が空くなら、国民健康保険と国民年金へ14日以内に切り替える(*1*2)
- 任意継続は20日以内に申し出て、最長2年間続けられる(*1*3)
- 退職日の翌日に入社するなら、健康保険と年金は次の会社で加入する
- 住民税は退職した月で納め方が変わり、源泉徴収票は1か月以内に交付される(*4*5)
まず退職日と入社日を並べて、間が空く日数を数えてください。間が空くなら、国民健康保険と任意継続それぞれの保険料を退職前に聞いて比べておきます。退職後は窓口で使う書類をそろえ、14日目より前に市区町村へ届け出てください。
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出典・参考情報
*1 横浜市「会社を退職して国民健康保険に加入したいのですが。」
*2 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
*3 全国健康保険協会「会社を退職するとき」
*4 横浜市「個人住民税の特別徴収に関するよくあるご質問」
*5 国税庁「F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続」
*6 厚生労働省 栃木労働局「退職時の証明(第22条)」
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