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社会保険の扶養、2026年に何が変わる? 「130万円の壁」の新常識と、あなたの働き方への影響を徹底解説

「扶養の範囲で働きたい」と思っている方にとって、2024年から2026年にかけての社会保険制度の変化は、見逃せないニュースです。

実は、扶養に関するルールは静かに、しかし確実に変わり続けています。2024年10月には社会保険の適用範囲が拡大され、2025年10月には一部の扶養要件が緩和、そして2026年4月には収入の判定方法そのものが変わります。これほど短期間に複数の制度が連続して変わるのは、近年でも異例のことです。

「130万円の壁」という言葉を一度は耳にしたことがあるはずです。しかし、その壁は今、新しい形に変わろうとしています。この記事では、社会保険の扶養制度の基本から、直近の制度変更の内容、そしてこれからの働き方への影響まで、公式情報に基づいて丁寧に解説します。

1.社会保険の「扶養」とは何か

社会保険の「扶養」とは、被扶養者(家族)が自分で社会保険料を払わなくても、配偶者や親族(被保険者)の健康保険・厚生年金に加入できる仕組みです。条件は「年間収入130万円未満かつ被保険者の収入の2分の1未満(同居の場合)」。この制度により、扶養に入っている人は保険料の支払いなく医療給付や年金基礎部分の保障が受けられます(出典:日本年金機構)。

社会保険には狭義と広義の2種類があります。広義では「健康保険・厚生年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険」の5つを総称しますが、扶養制度が関わるのは主に健康保険と厚生年金保険(介護保険含む)です。

扶養に入ることで発生するメリットは明確です。保険料の負担なしに健康保険証が使え、医療費の自己負担が原則3割に抑えられます。また、第3号被保険者として年金の基礎部分(国民年金)の保障も継続されます。

一方で注意すべき点もあります。配偶者として扶養に入っている間(第3号被保険者の期間)は、厚生年金には加入していないため、将来受け取れる年金は「国民年金(老齢基礎年金)のみ」となります。自身で厚生年金に加入している場合と比べると、老齢年金の受給額に差が生じます。なお、子・親・兄弟姉妹など配偶者以外の被扶養者は第3号被保険者の対象外のため、扶養に入っていても自身で国民年金に加入・納付する必要があります(出典:日本年金機構「第3号被保険者とは」、政府広報オンライン)。

1-1.「社会保険上の扶養」と「税法上の扶養(扶養控除)」の違い

混同されがちですが、この2つは別々の制度です。判定基準も管轄省庁も異なります。社会保険の扶養は厚生労働省・日本年金機構が管轄し、税法の扶養控除は国税庁が管轄します。特に所得税の扶養は「合計所得48万円以下」(給与のみなら103万円以下)が基準であり、社会保険の130万円とは異なります。

比較項目社会保険上の扶養税法上の扶養(扶養控除)
管轄厚生労働省・日本年金機構国税庁
収入基準年間収入130万円未満(原則)合計所得48万円以下(給与のみなら103万円以下)
対象保険健康保険・厚生年金保険所得税・住民税
主なメリット保険料免除・健康保険証の利用・年金保障配偶者控除・扶養控除による節税
出典日本年金機構 被扶養者の条件国税庁 扶養控除

扶養の判定は「どちらの制度で扶養に入るか」によって基準が異なります。社会保険の扶養から外れても税法上の扶養は維持されることがあり、逆もあります。働き方を検討する際は、この2つを切り分けて考えることが重要です。

2.被扶養者として認定される条件(2025年10月改正対応版)

社会保険の扶養(被扶養者)として認定されるためには、以下の条件を満たす必要があります。日本年金機構が定める要件に基づいて整理します。

2-1.基本要件①:国内居住と生計維持

被扶養者は日本国内に住所(住民票)があり、被保険者によって主として生計を維持されていることが必要です。なお、海外居住でも一定の条件を満たす場合は特例として認定されることがあります(日本年金機構「従業員の家族が海外居住の場合の手続き」参照)。

2-2.基本要件②:収入要件(2025年10月改正あり)

対象者の区分年間収入の上限月額の目安適用開始
原則(60歳未満・一般)130万円未満108,333円以下継続
19歳以上23歳未満 (配偶者除く)150万円未満 ★新設125,000円以下2025年10月〜
60歳以上 または 障害年金受給者180万円未満150,000円以下継続
出典:日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするときの手続き」(令和7年8月改正版)   

重要なのは「収入」の定義です。日本年金機構によると、ここでいう収入は「過去の収入ではなく、認定時点以降の年間見込み収入額」を指します。給与収入がある場合、月額108,333円以下であれば要件を満たします。また、雇用保険の失業給付や傷病手当金、公的年金なども収入に含まれる点に注意が必要です。

2-3.同居・別居による違い

扶養に入れる親族の範囲は、同居・別居によって異なります。配偶者・子・孫・兄弟姉妹・直系尊属(親・祖父母)は別居でも扶養に入ることが可能です。一方、それ以外の3親等内の親族(義父母など)は原則として同居が要件となります(日本年金機構)。

 同居の場合別居の場合
収入条件被保険者の収入の1/2未満被保険者からの仕送り額未満
扶養可能な親族3親等内の親族すべて配偶者・子・孫・兄弟姉妹・直系尊属のみ

3.「年収の壁」とは何か?106万円・130万円・150万円・160万円の整理

「年収の壁」という言葉は、複数の制度が重なっているため混乱しやすい概念です。2026年時点では、大きく4つのラインが存在します。

ライン内容対象制度種別
103万円所得税の課税ライン。令和7年度税制改正により2025年12月の年末調整から160万円に引き上げ(法改正確定)給与収入者全般税制
106万円短時間労働者の社会保険加入ライン(週20h・月8.8万円以上)。2026年10月に賃金要件撤廃が法律で確定従業員51人以上の企業で働くパート等社会保険
130万円扶養から外れる収入ライン(年間見込み収入の基準)60歳未満の被扶養者(原則)社会保険
150万円 ★新19歳以上23歳未満(配偶者除く)の扶養ライン(2025年10月〜)19〜22歳の子・兄弟姉妹等社会保険
160万円 ★確定基礎控除(95万円)+給与所得控除(65万円)の合計。2025年12月の年末調整から適用(令和7年度税制改正)給与収入者全般税制
出典:厚生労働省「年収の壁への対応」、日本年金機構、厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」(2025年)   

3-1.2024年10月の社会保険適用拡大:「106万円の壁」が広がった

2024年10月から、社会保険の適用対象企業の規模要件が「従業員数101人以上」から「51人以上」へ拡大されました。これにより、51〜100人規模の企業で働くパート・アルバイトも、次の条件をすべて満たす場合は社会保険に加入することが義務となります(出典:厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」)。

条件内容
週の所定労働時間が20時間以上
所定内賃金が月額8.8万円以上(賞与・残業代・通勤手当を除く)
2か月を超える雇用の見込みがある
学生ではない(休学中・夜間学生は対象に含む)

厚生労働省の推計によると、2022年〜2024年の段階的拡大で新たに社会保険の適用を受ける方は65万人にのぼるとされています(厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」)。

3-2.2026年10月:106万円の賃金要件が撤廃(法律として成立)

さらに注目すべき動きがあります。2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」が成立しました。この改正法により、2026年10月から、月額8.8万円以上という賃金要件が撤廃されることが確定しています(出典:厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」)。

改正後は「週の所定労働時間が20時間以上・学生ではない」という2つの要件を満たす方は、年収に関わらず社会保険に加入することになります。厚生労働省は、この見直し全体で新たに約200万人が社会保険の加入対象になると見込んでいます。

要件〜2026年9月まで2026年10月以降
労働時間週20時間以上週20時間以上(継続)
賃金要件月額8.8万円以上(年換算約106万円)撤廃★
雇用期間2か月超の見込み継続
学生除外学生を除く学生を除く(継続)
新規加入見込み〜2024年まで累計65万人新たに約200万人(厚労省推計)

なお、2027年10月以降は企業規模要件(現在の従業員51人以上)も段階的に撤廃される予定です。将来的には、週20時間以上働く学生以外のすべての労働者が社会保険の適用対象となる方向で制度が整備されています(出典:厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」)。

4.2026年4月から変わる:「労働契約ベース」の収入判定とは

2025年10月に厚生労働省が発出した通知により、2026年4月1日から、被扶養者の収入判定に「労働契約の内容」を使う新ルールが導入されます(出典:厚生労働省通知「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取り扱いについて」)。

4-1.これまでと何が変わるのか

これまでの収入判定は、過去の収入実績や現在の収入状況を総合的に勘案して「今後1年間の見込み収入」を推定していました。このため、実際の収入が130万円を超えてしまった場合に遡って扶養を外される懸念がありました。

2026年4月以降は、「労働条件通知書等の労働契約内容に記載された賃金から見込まれる年間収入」を基準とします。つまり、時間外労働(残業代)など、労働契約上に明確な規定がなく、あらかじめ金額を見込み難い賃金は、年間収入の見込み額に含めなくてよくなります(日本年金機構)。

 〜2026年3月まで(現行)2026年4月以降(新ルール)
収入判定の基準過去の収入実績や現在の収入から「今後1年間の見込み収入」を推定労働条件通知書等の「労働契約上の賃金」から見込む年間収入
残業代の扱い実績として収入に含まれる可能性あり労働契約に明記がなければ収入に含めなくてよい
メリット繁忙期の残業増加で扶養を外れる不安が軽減される
出典厚生労働省通知 2025年10月、日本年金機構

4-2.臨時収入が130万円を超えてしまった場合の対応

2026年4月以降も、臨時的な収入増加により結果として130万円以上となった場合、その臨時収入が社会通念上妥当な範囲に留まるときは扶養の取り消しは不要です。ただし、収入が大幅に超えた場合や、労働契約の賃金を意図的に低く記載していたことが判明した場合は、扶養から外れることがあります(厚生労働省通知、2025年10月)。

また、2025年10月の厚生労働省通知により、人手不足による一時的な収入増(残業・繁忙手当等)についての事業主証明による扶養継続の仕組みが恒久化されました。事業主が一時的な収入増であることを証明することで、扶養を継続できる可能性があります(原則として連続2回まで)。

5.テレワーク時代の扶養と働き方:データで見る現状

テレワークの普及は、扶養内で働く方々の就業機会にも影響を与えています。国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」(令和7年3月)によると、テレワーク制度等が導入されている雇用型テレワーカーの割合は20.9%(令和6年)に達しており、コロナ禍前と比べて高い水準が維持されています。

同調査では、通勤時間が1時間30分以上の労働者でテレワーカーの割合が50.6%に達しており、長距離通勤者ほどテレワークを活用している傾向があります(国土交通省、2025年)。

また、厚生労働省委託事業(日本能率協会総合研究所、2023年)の調査では、育児や介護を理由に離職した人のうち約3割が「テレワーク制度があれば仕事を続けられた」と回答しています。リモートワーク環境の整備が、扶養の壁を越えて正社員として働き続けることへの後押しになっていることが示唆されます。

5-1.テレワークと就労継続に関する主なデータ(編集部調べ)

項目数値出典・時点
テレワーク制度等が導入されている雇用型テレワーカーの割合20.9%国土交通省 令和6年
通勤時間1時間30分以上の労働者のテレワーカー割合50.6%国土交通省 令和6年
「テレワーク制度があれば仕事を続けられた」と回答した離職者約3割厚生労働省委託 2023年
2022〜2024年の段階的適用拡大で新たに加入対象となった推計人数65万人厚生労働省
2026年10月の賃金要件撤廃による新規加入見込み(厚生省推計)約200万人厚生労働省 2025年

政府は「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和5年6月9日閣議決定)において、2025年のテレワーカー割合の目標を25.0%に設定しています。現状の20.9%はまだ目標未達ですが、リモートワーク対応の正社員求人は今後も増加することが予測されます。

6.扶養の手続き:入るとき・外れるとき

扶養に入る(または外れる)事実が発生した日から5日以内に、「健康保険被扶養者(異動)届 国民年金第3号被保険者関係届」を事業主(会社)経由で日本年金機構または健康保険組合に提出する必要があります(日本年金機構)。

6-1.扶養に入るとき(主なケース)

  • 配偶者・子が収入のない状態になったとき(退職・離職など)
  • 配偶者・子の収入が130万円の基準を下回る見込みになったとき
  • 子が生まれたとき(出生日から5日以内)

6-2.扶養から外れるとき(主なケース)

  • 被扶養者の年間収入が130万円以上(または150万円・180万円の各基準以上)見込まれるとき
  • 被扶養者が就職し、自分で社会保険に加入したとき
  • 同居が要件の者が別居したとき
  • 婚姻・離婚等により別の被保険者の扶養となったとき

提出先は、「窓口持参・郵送・電子申請・CDまたはDVD等の電子媒体」のいずれかです(出典:日本年金機構)。手続きの詳細は日本年金機構「被扶養者の手続き」でご確認ください。

7.まとめ:制度変化を「機会」に変えるために

本記事のまとめ

社会保険の扶養(被扶養者)は、健康保険・厚生年金の給付を保険料負担なしに受けられる仕組み。2025年10月から19歳以上23歳未満(配偶者除く)の扶養収入上限が130万円→150万円に拡大。2026年4月から、労働契約ベースの収入判定が導入。残業代等の臨時収入は収入見込みに含めなくてよくなる。2024年10月に社会保険適用が51人以上企業まで拡大。「106万円の壁」の対象が広がっている。106万円の壁(賃金要件)は2025年6月の法改正で撤廃が確定。2026年10月から週20時間以上働く方は年収を問わず社会保険に加入。税制上のラインも令和7年度税制改正で2025年12月から160万円に引き上げ(103万円→160万円)が確定済み。扶養にとどまる選択も、扶養を外れて正社員として働く選択も、どちらにもメリット・デメリットがある。

社会保険の扶養制度は、2024年から2026年にかけて複数の変化が重なっています。制度を正確に理解した上で、自分にとって最適な働き方を選ぶことが、手取りを最大化し、将来の年金額を守ることにもつながります。

「今の働き方を変えたい」「正社員として腰を据えて働きたい」と感じているなら、扶養の壁を越えることが新しい選択肢になり得ます。リモートワーク対応の正社員求人は以前より探しやすくなっており、場所を選ばない働き方と社会保険の手厚い保障を両立することが現実的になってきています。

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出典・参考情報

*1 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
*2 日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」(令和7年8月)
*3 日本年金機構「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取り扱いについて」
*4 厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま」
*5 厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト 従業員のみなさま」
*6 国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査 調査結果」(令和7年3月)
*7 全国健康保険協会「令和7年度被扶養者資格再確認について」
*8 厚生労働省「「年収の壁」・支援強化パッケージ」
*9 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」(年金制度改正法 2025年6月成立)
*10 厚生労働省「年収の壁への対応」
*11 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者とは」
*12 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ」

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