リモートワーク転職で自分らしく リラシク
  1. リモートワーク 転職で自分らしく「リラシク」
  2. リラシクコラム
  3. エンジニアが正社員を選ぶ安定のメリットとは|フリーランスとの社会保障・年収・働き方を比較

エンジニアが正社員を選ぶ安定のメリットとは|フリーランスとの社会保障・年収・働き方を比較

エンジニアが正社員を選ぶメリットとフリーランスとの比較を解説するイメージ図

フリーランスになれば、自由になれる。そう信じていた。

通勤はなくなった。上司の顔色も、無駄な会議も。ところが気づいてみると、別の何かが頭を占領していた。来月の案件。確定申告。病気で動けなくなったとき、収入が止まる。

フリーランスエンジニアとして働きながら、正社員への転職を検討する方が増えています。しかし「正社員に戻る=自由を手放す」という感覚が、決断を鈍らせている方も少なくないはずです。

本当にそうでしょうか。

この記事では、エンジニアが正社員を選ぶことで何を得られるのかを、フリーランスとの具体的な比較データとともに整理します。社会保障・収入の安定性・働き方・キャリアの4軸で比較し、リモートワーク対応の正社員という選択肢も紹介します。フリーランスか正社員か、どちらにするか迷っている方はぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

  • 正社員エンジニアの「安定」は月収だけでなく、厚生年金・健康保険・雇用保険・有給休暇を含む社会保障全体で構成されています。
  • フリーランスエンジニアは収入の自由度がある一方、社会保険料の全額自己負担・収入の断絶リスク・税務負担を個人で管理する必要があります。
  • リモートワーク対応の正社員求人を活用すれば、「フリーランスの場所の自由」と「正社員の安定」を両立できる可能性があります。
リラシク 会員登録はこちら

1. 正社員エンジニアの「安定」とは何か——社会保障という土台

「安定」という言葉を聞くと、多くの人が「毎月の収入が決まっている」ことを思い浮かべます。しかし正社員エンジニアが本当に手に入れているのは、それだけではありません。

健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険——これらが揃って初めて、働く人の生活は守られます。フリーランスエンジニアにとって、これらはすべて「自分で調達するもの」です。

1-1. 健康保険:傷病手当金と出産手当金の有無

正社員が加入する健康保険(協会けんぽ等)には、病気やけがで働けない期間の収入を補う「傷病手当金」があります。最長1年6か月にわたって、標準報酬日額の3分の2相当が支給されます。

フリーランスが加入する国民健康保険には、傷病手当金がありません(一部自治体が新型コロナ特例として設けた事例を除く)。病気で働けなくなった瞬間から、収入がゼロになります。出産手当金も同様です。産前産後の休業中に支給されるこの給付は、協会けんぽ等では受け取れますが、国民健康保険では原則として支給されません。

1-2. 年金:老後に受け取る金額の違い

正社員は国民年金(基礎年金)に加えて、報酬比例の厚生年金に加入します。フリーランスが受け取るのは国民年金のみです。日本年金機構の公式情報によると、2024年度の老齢基礎年金(国民年金)の満額は月額約6万8,000円です。一方、厚生年金受給者の場合は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金が上乗せされます。在職中の報酬額や加入期間によって変わりますが、その差は老後の生活水準に長期にわたって影響を与えます。

フリーランスが国民年金のみで老後に備えるには、iDeCoや積み立てNISAなどによる自助努力が不可欠です。これも「個人で管理するコスト」として見逃せません。

1-3. 雇用保険:いざというときのセーフティネット

正社員には雇用保険があり、会社都合・自己都合を問わず一定条件を満たすと失業給付(基本手当)を受け取れます。フリーランスは原則として雇用保険に加入できないため、案件終了後に次の仕事が決まるまでの期間、公的な収入補償はありません。

以下の表は、正社員エンジニアとフリーランスエンジニアの社会保障を6項目で整理したものです。フリーランスに転向した際に「個人で手配が必要になるもの」の全体像を把握する参考にしてください。

項目正社員エンジニアフリーランスエンジニア
健康保険協会けんぽ等(保険料を会社と折半)傷病手当金・出産手当金あり国民健康保険(全額自己負担)傷病手当金・出産手当金なし
年金厚生年金+国民年金(会社と折半)老後の受給額が上乗せされる国民年金のみ(全額自己負担)老後は自助努力が必要
雇用保険加入(失業給付・育児休業給付等)原則加入不可(収入ゼロのリスクあり)
労災保険加入(業務上の事故・疾病に対応)特別加入制度あり(任意・自己申請)
有給休暇法律で保障(勤続年数に応じ年10〜20日)なし(休んだ日数分だけ収入が減る)
育児・介護休業取得可能(育児休業給付金あり)制度なし(収入保障なし)

出典:日本年金機構「厚生年金保険・国民年金の加入について」、全国健康保険協会(協会けんぽ)公式サイト、厚生労働省「雇用保険制度の概要」をもとに編集部作成*2,*3,*4

この表が示すとおり、正社員とフリーランスで用意すべきリスクヘッジの構造は根本的に異なります。フリーランスは「自由度の代わりに、これらをすべて個人で調達する責任」を引き受けています。

2. フリーランスエンジニアが直面するリスクの実態

フリーランスエンジニアが直面する収入・社会保障リスクのイメージ図

「フリーランスのほうが稼げる」という話があります。条件次第でそうとも言えますが、収入の比較は表面上の単価だけで判断すると実態を見誤ります。

手取りから逆算すると見えてくること

月単価70万円の案件を12か月フル稼働した場合、年間売上は840万円です。ここから以下のコストが発生します。

  • 国民健康保険料:前年所得と居住市区町村によって異なります。所得が700〜800万円規模になると、年間で60〜80万円を超えるケースもあります(居住地域により差が出ます)
  • 国民年金保険料:月額約1万7,000円前後(年度により変動。日本年金機構公式サイト参照)
  • 所得税・住民税:経費控除後の所得に課税(税率は所得に応じた累進課税)
  • 青色申告・会計ソフト費用:年間数万円程度
  • 収入が途切れる期間:案件終了から次の案件開始までの間、収入は発生しません

これらを差し引いた可処分所得は、年間売上840万円から想像するほど高くならないことがわかります。正社員の場合は社会保険料を会社が折半負担し、有給休暇や賞与も加わります。月収・年収の額面だけで比較すると、実態とズレが生じます。

収入が途切れるリスク

フリーランスエンジニアが継続的に直面するのが、案件間の収入断絶です。契約終了から次の案件開始まで、収入はゼロになります。スキルとネットワークが充実しているエンジニアでも、この空白期間を完全にゼロにすることは難しいのが実情です(転職支援の現場でのヒアリング・編集部調べ)。

また、技術トレンドの変化も見逃せません。経済産業省「DXレポート2.2」(2022年9月公表)は、DX推進に必要なスキルセットが急速に変化していることを指摘しています*7。フリーランスは自分でスキル更新への投資を行う必要があり、研修費用も自己負担です。正社員なら、企業の研修制度・資格取得支援・書籍購入補助を活用できます。

フリーランスエンジニアが実感する不安(編集部調べ)

  • 老後の資金不安(年金額が低く、自助努力での資産形成が不可欠)
  • 病気やけがで働けなくなったときの収入保障がない
  • 確定申告の手間と税負担の見通しにくさ
  • 技術が時代遅れになったときのセーフティネットがない
  • 住宅ローンの審査や生命保険の設計がしにくい

これらは「フリーランスの自由を享受するための必然的なコスト」とも言えますが、同時に生活の基盤を個人で守り続ける負担でもあります。

3. 正社員エンジニアの5つのメリット:具体的に何が変わるか

正社員という雇用形態が、フリーランスと比べて具体的にどのようなメリットをもたらすか。5つの観点で整理します。

メリット1:社会保障が整っている

前章で詳述したとおり、健康保険・厚生年金・雇用保険・有給休暇が整備されており、ライフイベントや不測の事態に対する備えが確保されています。「自分で調達していたコスト」が会社との折半になることで、実質的な可処分所得が変わります。

メリット2:毎月の収入が継続する

月給制・年俸制の正社員は、有給休暇や規定内の傷病期間を除き、毎月の収入が保障されています。住宅ローンや家賃・教育費などの固定費を安心して設定でき、生活設計が立てやすくなります。「来月の案件が決まらなかったらどうする」という問いから解放されます。

メリット3:スキルアップの機会が整っている

多くの企業が社内研修・資格取得支援・外部セミナー補助などの制度を設けています。フリーランスが自費で行う学習を、企業コストで実施できます。特にクラウドサービス・AI関連技術・セキュリティなど変化が速い領域では、学習コストが高いため、企業の支援は実質的な報酬の補完とも言えます。

メリット4:チームで開発・成長できる

正社員として企業に所属すると、継続的なチーム開発に関わります。コードレビューを受け、設計議論に参加し、リリースの責任を共に持つ経験は、単発案件では積みにくいものです。特にプロジェクト全体を俯瞰するスキルや、エンジニアリングマネジメントへの理解は、長期の所属があってこそ身につく側面があります(編集部調べ)。

メリット5:キャリアの選択肢が広がる

正社員としてキャリアを積むと、技術職→テックリード→マネジメント→プロダクトオーナーといった進化が選択肢に入ります。フリーランスでも成長はできますが、組織内でのロールチェンジという経験を積む機会は、所属先があってこそ得られます。将来の選択肢の広さという点で、組織に関わり続けることが有利に働く場面があります。

以下の表では、収入・社会保障・働き方・キャリアを含む7軸で正社員とフリーランスを比較しています。「自分が今、何を優先しているか」を確認する際の基準としてお使いください。

比較軸正社員エンジニアフリーランスエンジニア
収入の安定性月給・年俸制で安定。賞与あり案件次第で変動。空白期間は収入ゼロ
社会保障厚生年金・健康保険・雇用保険(会社と折半)国民年金・国民健康保険(全額自己負担)
収入の上限昇給・昇格に依存。業績連動もあり高スキルなら高単価案件も。上限は青天井
働き方の自由度企業の方針に従う。リモートワーク対応企業も多い自由度が高い。自己管理が必須
スキルアップ企業研修・資格取得支援制度あり自費・自己責任。学習コストが発生
税務・確定申告年末調整で完結(副業なしなら手続き最小)青色申告等が必要。税務の知識・時間が必要
キャリアの幅マネジメント・PO等へのシフトが可能技術特化でのキャリアが中心になりやすい

出典:日本年金機構公式サイト、全国健康保険協会公式サイト、国税庁「青色申告制度の概要」、厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」をもとに編集部作成*2,*3,*9,*10

この表が示すとおり、正社員とフリーランスは「どちらが優れているか」ではなく「何を優先するかで選ぶもの」です。ただし、「安定」と「自由」を二者択一で捉える必要は、もはやなくなりつつあります。

4. 「リモートワーク対応の正社員」という第三の選択

かつては、正社員になることと「毎日オフィスに通うこと」はセットでした。だから、場所を選ばず働きたいエンジニアはフリーランスを選ぶしかなかった。しかし今は、違います。

リモートワーク対応の正社員求人は広がっている

総務省「通信利用動向調査(令和5年)」(2024年公表)によると、情報通信業でのテレワーク実施率は他産業と比較して高い水準にあります*8。エンジニア職は職種の性質上、リモートワークとの親和性が高く、フルリモート・ハイブリッド型(自宅と出社の組み合わせ)の正社員求人が増加しています。

リモートワーク対応の正社員転職支援サービスであるRelasic(株式会社LASSIC運営)では、2025年5月時点で公開求人3,790件を掲載しています。うちフルリモート対応求人は1,428件(全体の約37.7%)で、残りの約62%はハイブリッド型です。フルリモートに限らず、週に数日の出社とリモートを組み合わせた働き方で、正社員の安定を確保する求人が多数あります。

「フリーランスの場所の自由」と「正社員の安定」を同時に持てるか

  • 毎月の安定収入(月給・賞与)と社会保険の保障
  • 居住地を問わない勤務(地方在住でも都市部水準の待遇を得られるケースがある)
  • 企業のプロジェクトでチームとして成長できる環境
  • 自宅や好きな場所での勤務(フルリモートの場合)

「フリーランスに転向したのは自由が欲しかったから。でも不安の方が大きくなってきた」と感じているエンジニアにとって、リモートワーク対応の正社員は、自由と安定を同時に確保する現実的な選択肢です。

「フリーランス新法」も踏まえておきたい

2024年11月に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(通称:フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、フリーランスの取引上の権利保護を目的とした法律です*6。書面での取引条件明示・不当な報酬減額の禁止・育児・介護等に対する配慮義務などが定められました。

フリーランスを取り巻く環境は法的に整備されつつあります。ただし、この法律が解決するのは取引の公正性に関する部分です。社会保険の空白・収入の断絶・老後の年金格差といった個人負担の課題は、フリーランス自身が引き続き対処する必要があります。

5. 正社員エンジニアへの転職で確認すべき4つのポイント

1. リモートワーク制度の実態を確かめる

求人票に「リモートワーク可」とあっても、実際には週1〜2日の出社が求められる企業もあります。「フルリモート」「週○日出社」「フレックスタイム制」など、具体的な条件を面接や内定後のオファー段階で確認することが重要です。

2. 年収の比較は「実質総報酬」で行う

フリーランス時代の年収と正社員の年収を比べる際は、社会保険料の会社負担分・有給休暇の日数・賞与・研修補助などを含めた実質的な報酬総額で比較します。月収ベースで数万円の差があっても、これらを加味すると正社員の方が有利になるケースがあります。

3. 技術スタックとプロジェクト内容を見る

正社員になると、アサインされるプロジェクトや技術スタックは企業側の方針に影響されます。自分の得意分野やキャリア目標と合致した企業を選ぶことが、入社後の満足度に直結します。面接でプロジェクトの具体的な内容を確認することを勧めます。

4. 企業の業績・安定性も確認する

「安定のために正社員になった」にもかかわらず、転職先の企業が不安定であれば本末転倒です。上場企業であれば財務情報が公開されており確認できます。非上場企業であれば業歴・従業員数・取引先などを面接時に確認することを検討してください。

6. まとめ:自由か安定か、という問いは、もう古い。

この記事のまとめ

  • 正社員エンジニアの「安定」は、月収の安定だけでなく、健康保険・厚生年金・雇用保険・有給休暇を含む社会保障全体が土台になっています。
  • フリーランスには収入の自由度という魅力がある一方、社会保険の全額自己負担・収入断絶のリスク・税務の自己管理を個人で担う必要があります。
  • 月収・年収の額面だけの比較では実態を見誤ります。社会保険料の会社負担分・賞与・有給・研修費用を含めた「実質総報酬」で比較することが重要です。
  • フリーランス新法(2024年11月施行)により取引の公正性は整備されつつありますが、社会保険・老後の備えに関する個人負担の課題は残ります。
  • リモートワーク対応の正社員求人は増加しており、「場所の自由」と「雇用の安定」を両立する選択肢として現実的に検討できます。

フリーランスから正社員への転職は、後退ではありません。今の自分に何が必要かを見つめ直し、自分の意志で選ぶ。それが、本当の意味での自由です。

Relasic(リラシク)について

Relasic(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。フルリモート・ハイブリッド合わせて3,790件(うちフルリモート1,428件)の求人を掲載しており、エンジニアをはじめとするITプロフェッショナルの転職をサポートしています。居住地を問わず応募できる求人も多数あります。

▼ リモートワーク対応の求人を見る

キャリア相談・求人紹介は無料でご利用いただけます

リラシク 会員登録はこちら

出典・参考情報

*1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2024年公表)
*2 日本年金機構「老齢年金ガイド(令和6年度版)」
*3 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」「出産手当金」制度案内
*4 厚生労働省「雇用保険制度の概要」
*5 内閣官房「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(2022年5月)
*6 経済産業省「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」(2024年11月施行)
*7 経済産業省「DXレポート2.2」(2022年9月公表)
*8 総務省「通信利用動向調査(令和5年)」(2024年公表)
*9 国税庁「青色申告制度」
*10 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」

転職ノウハウ その他の記事

もっと読む 〉
上部に戻る