辞めたい気持ちを分解する|変えたい一つ

「辞めたい」という気持ちは、一つの理由でできているとは限りません。任される範囲や働く時間の形、評価の見え方、関わる相手など、複数の理由が混ざっている場合があります。辞めるかどうかを決める前に、気持ちを要素に分解し、変えたいものを1つに絞って確かめる先を決めるまでの手順を整理します。
「辞めたい」という気持ちをひとまとめにせず、要素に分けて変えたいものを1つに絞り、誰に確かめるかまで決めるところまでを、ここで順にたどっていきます。
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この記事のポイント
- 辞めたい気持ちには、任される範囲や働く時間の形、評価の見え方、関わる相手など、複数の理由が混ざっている場合があります
- 4つの要素に分けて書き出すと、変えられそうなものと変えにくいものを見分けやすくなります
- 一般労働者の賃金は40〜44歳364.3千円・50〜54歳388.8千円です*1。気持ちの話とは別の、前提として示します
1. 気持ちを要素に分解すると、変えたいものが見えてきます
「辞めたい」という気持ちは、一つの理由でできているとは限りません。任される範囲や働く時間の形、評価の見え方、関わる相手など、複数の理由が混ざっている場合があります。ここでは、辞めるかどうかを決める前に、気持ちを要素に分解し、変えたいものを1つに絞る手順を確かめます。
この手順は、辞めるか続けるかを判断するためのものではありません。気持ちを要素に分けて、変えたいものを1つに絞るところまでを扱います。絞った先で何を選ぶかは、書き出した人が自分で決めることです。
要素に分けずに「辞めたい」という言葉のまま抱えていると、何を変えれば気持ちが変わるのかが見えにくくなります。先に要素へ分けておくと、確かめる先も具体的になります。
任される範囲や働く時間の形のように、言葉として書き出せる理由であれば、この手順で扱うことができます。書き出しにくい理由が混ざっている場合は、扱える範囲を先に絞ってから進めても構いません。
手順をたどる順番は、答えを急ぐためのものではありません。要素に分けるところまで進めば、次に何を確かめればよいかが具体的になり、確かめる相手も決めやすくなります。
一度に全部の要素を書き出せなくても、途中で止めて構いません。書き出せた分だけでも、次の段階に進む材料になります。
2. ひとまとまりに見える気持ちには、複数の理由が混ざっています
「辞めたい」という言葉は一つでも、その内側にある理由は一つとは限りません。日々の業務のなかで感じる違和感が積み重なり、まとめて「辞めたい」という一つの気持ちとして意識されることがあります。
まとまって感じられる気持ちも、実際に書き出してみると、任される範囲についての理由、働く時間の形についての理由、評価の見え方についての理由など、別々のことが混ざっている場合があります。混ざったままでは、何を変えれば気持ちが変わるのかが見えにくくなります。
「辞めたい」気持ちの中身が、やりたいことが言葉にならないことに近い場合もあります。その場合の分解の仕方は、別の記事で扱っています。
ここでは、仕事の条件に関わる理由に絞って、書き出し方から一つに絞るまでの手順をたどります。
同じ言葉を使っていても、混ざっている理由の組み合わせは人によって異なります。任される範囲が理由の中心になっている場合もあれば、働く時間の形が中心になっている場合もあります。
理由が複数混ざっているかどうかは、書き出してみるまで分かりません。書き出す前に決めつけず、要素として並べてから確かめる進め方になります。
あわせて読みたい | やりたいことが言葉にならないとき|避けたい方から
3. 仕事の条件を4つの要素に分けて書き出します
「辞めたい」気持ちのうち、仕事の条件に関わる部分は、次の4つの要素に分けて書き出すことができます。
混ざりやすい要素・書き出すときの言い方・確かめる先
| 混ざりやすい要素 | 書き出すときの言い方 | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 任される範囲 | 「任される仕事の範囲について」 | 直属の上司 |
| 働く時間の形 | 「働く時間の形について」 | 勤務先の人事・総務 |
| 評価の見え方 | 「評価の見え方について」 | 評価面談や上司 |
| 関わる相手 | 「関わる相手について」 | 直属の上司や人事・総務 |
4つの要素は、どれか1つだけが当てはまるとは限りません。複数の要素が同時に混ざっている場合は、それぞれを別の文として書き出しておくと、あとで見比べやすくなります。
書き出すときは、思いをそのまま書くのではなく、「〜について」という言い方に置き換えると、理由と気持ちを分けて書きやすくなります。
4つの要素のうち複数が同時に当てはまる場合は、書き出す順番を工夫すると整理しやすくなります。先に確かめやすい要素から書き出し、残りを後から加えていく進め方もあります。
表に挙げた確かめる先は、必ずしも1人に決まっているわけではありません。要素によっては、複数の相手に確かめることになる場合もあります。
書き出した要素が4つの型に当てはまらない場合もあります。そのときは、当てはまる型に近いものを選んで書き出し、必要であれば言葉を補うという進め方でも構いません。
大企業特有の物足りなさが理由に近い場合の分解の仕方は、別の記事で扱っています。
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4. 整理がどこまで進んだかを、位置で確かめます
4つの要素を書き出せても、そこから1つに絞るところまで進んでいるかどうかは、別に確かめる必要があります。
書き出した要素がまだ並んでいるだけの状態は、左側に近い位置です。そこから1つを選べた状態は、右側に近い位置になります。
どちらの位置にいても、遅い・早いという判断はありません。要素を書き出せた時点で、次の段階に進む材料はすでに揃っています。
位置は一度決まったら固定されるものではありません。要素を書き出すたびに、左右どちらかへ動くことがあります。
整理が進んでいないと感じても、位置そのものを気にする必要はありません。書き出した要素の数が増えるほど、次の段階に進みやすくなります。
同じ図を、複数の要素について別々に使うこともできます。要素ごとに位置が異なっていても、どちらが正しいということはありません。
5. 分解から一つに絞るまでを4段階でたどります
ここからは、書き出した要素を1つに絞るまでの4段階をたどります。
4段階は、一度で最後までたどりきる必要はありません。書き出す段階だけを済ませて、時間を置いてから次の段階に進む進め方もあります。
分ける段階では、変えられそうな要素と変えにくい要素を、書き出した表の中で見比べます。評価の見え方のように、勤務先の人事・総務に確かめることで変わる可能性がある要素もあります。
一つ選ぶ段階では、複数の要素が変えたいものとして残ることもあります。その場合は、最初に確かめられそうな要素から1つを選ぶという決め方もあります。
先を決める段階まで進めば、次に何をすればよいかが、辞めたい気持ちの言葉ではなく、確かめる相手の言葉で見えるようになります。
4段階を一通り終えたあとに、別の要素についてもう一度たどり直す進め方もあります。要素ごとに段階を分けて進めると、混ざったまま考えるより整理しやすくなります。
6. 書き出すときの言い方をそろえます
要素を書き出すときは、次の3つの言い方をそろえておくと、あとで見比べやすくなります。
書き出すときの3つの型
- 要素で書く:「辞めたい」ではなく、任される範囲や働く時間の形など要素で書きます
- 「について」で書く:理由を「〜について」という言い方に置き換えて書きます
- 確かめる先を添える:要素ごとに、誰に確かめるかを合わせて書いておきます
3つの型をそろえておくと、複数の要素を書き出したときにも、あとから見比べやすくなります。
言い方をそろえずに書くと、「辞めたい」という気持ちの言葉に戻ってしまい、要素として扱いにくくなります。
書き出した内容は、その場で結論を出すためのものではありません。時間を置いてから読み直すと、最初に選んだ1つが変わることもあります。
3つの型で書いたメモは、勤務先の人事・総務に確かめる際にも、そのまま使うことができます。話す内容を要素ごとに整理しておくと、聞き漏らしが減ります。
書き出したメモは、1回で仕上げる必要はありません。数日にわたって書き足していくと、最初は気づかなかった要素が後から見つかることもあります。
休職を経て仕事に戻るときの相談先の順番については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 休職から戻るときに整えるもの|相談先の順番
7. よくある質問|相談先の選び方
Q1. 辞めたい気持ちが強いときは、まず何をすればよいですか。
A. まず、辞めたい気持ちの中にある理由を、任される範囲や働く時間の形などの要素に分けて書き出します。書き出す際は、思いついた順に並べるだけで構いません。書き出した要素の中から、変えたいものを1つに絞ることが、次に確かめる先を決める手がかりになります。
Q2. 要素に分けても、辞めたい気持ちが変わらない場合はどうすればよいですか。
A. 分けたうえで気持ちが変わらない場合でも、この手順は辞めるかどうかを決めるためのものではありません。変えたいと思う要素について、勤務先の人事・総務に確かめてみるという進め方があります。
Q3. 1つに絞った要素を、誰に確かめればよいですか。
A. 要素の内容によって確かめる先は変わります。任される範囲や評価の見え方であれば直属の上司、働く時間の形であれば勤務先の人事・総務に確かめる進め方があります。確かめる相手が複数になる場合は、要素ごとに分けて確かめても構いません。
Q4. 勤務先に確かめにくい場合は、どうすればよいですか。
A. 勤務先に直接確かめにくい場合は、公的な相談窓口に相談する進め方もあります。労働条件に関する相談窓口が、都道府県ごとに設けられています。
8. まとめ:辞めたい気持ちを分解して、変えたいものを一つに絞ります
この記事の要点
- 辞めたい気持ちには、任される範囲や働く時間の形など、複数の理由が混ざっている場合があります
- 4つの要素に分けて書き出すと、混ざっている理由を見分けやすくなります
- 書き出した要素を、変えられそうなものと変えにくいものに分け、変えたいものを1つに絞ります
- 絞った1つについては、直属の上司や勤務先の人事・総務に確かめる先を決めます
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で364.3千円、50〜54歳で388.8千円です*1。分解の話とは別の、前提として示します
「辞めたい」という気持ちは、一つの理由でできているとは限りません。任される範囲や働く時間の形、評価の見え方、関わる相手など、複数の理由が混ざっている場合は、要素に分けて書き出し、変えたいものを1つに絞ることが、次に確かめる先を決める手がかりになります。1つに絞れたら、直属の上司や勤務先の人事・総務に確かめる、あるいは公的な相談窓口に相談するという進め方があります。書き出す・分ける・一つ選ぶ・先を決めるという4段階は、時間を置いてから何度でも繰り返すことができます。辞めたい気持ちを、要素に分けて眺めてみることが、最初の一歩になります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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