企業研究のやり方|調べる順番を決める

企業研究では、事業の内容や体制と規模、働き方の運用、条件の記載など、調べる対象が複数あります。公開されている採用ページや資料だけで全部が分かるわけではないため、読める分から先に読み、そこで読み取れなかった分を面接で確かめる分として残す、という順番の決め方を示します。良し悪しの判定はせず、調べる順番を整理する範囲にとどめます。
企業研究は、公開情報で分かる範囲を先に読み、その先を面接で確かめるという順番の決め方です。
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この記事のポイント
- 企業研究で調べる対象は、事業の内容・体制と規模・働き方の運用・条件の記載の4つに分けられます
- 調べた結果は、公開情報で分かった/記載はあるが読み取れない/どこにも書かれていないの3つに枝分かれします
- 読み取れなかった分は、求人の記載から推測せず、面接で聞く1点として残す進め方があります
1. 企業研究は、調べる順番を先に決めます
企業研究は、公開されている採用ページや資料から読める分をまず読み、そこで読み取れなかった分を面接で確かめる分として残す進め方です。事業の内容から条件の記載まで、調べる対象は複数あるため、全部を同じ深さで調べようとすると時間が先に尽きます。読む順番を決めることが、最初の作業になります。
企業研究と呼ばれる作業には、事業の内容、体制と規模、働き方の運用、条件の記載という、性質の違う対象が混ざっています。対象ごとに公開されている情報の量が違うため、同じ調べ方をすべての対象に当てはめると、時間のかかり方も結果の分かり方もばらつきます。
総務省の労働力調査(詳細集計)では、2025年平均の転職者数は330万人、転職等希望者数は1,023万人です*1。この数字は転職の動きの規模を示すもので、企業研究の順番を決めるものではありません。
順番を決めるという作業は、調べる範囲を狭めることではありません。読める分は先に読み切り、読み取れなかった分は空欄のまま次の場に運ぶという、扱い方の区別をつけることです。
順番を決めずに調べ始めると、目についた対象から手を付けることになり、読みやすい対象ばかりが進み、読み取りにくい対象が後回しになりがちです。先に4つの対象を並べておけば、どの対象から読むかを選び直せます。
ここから、調べる対象の4つの区分、結果が枝分かれする図、求人の記載との重ね方、確かめる範囲の3段の積み上げ、残った疑問への次の一手、よくある質問という順に見ていきます。
2. 調べる対象は4つ、公開情報での届き方が違います
企業研究で調べる対象を先に4つに分けます。対象が変われば、公開情報でどこまで分かるかも変わります。
表を見る前に、自分がどの対象から読み始めるかを決めておくと、読む順番がぶれにくくなります。
調べる対象と、公開情報での分かりやすさ
| 調べる対象 | 公開情報でどこまで分かるか | 主に載っている場所 |
|---|---|---|
| 事業の内容 | 扱う分野や仕事の範囲まで、説明が載っていることがあります | 採用ページ・企業が公開している資料 |
| 体制と規模 | 従業員数や拠点数が載っている場合があり、規模はある程度分かります | 企業が公開している資料・公的な統計 |
| 働き方の運用 | 制度の名称は載っていても、実際の運用まで読み取れないことが多くあります | 採用ページ・求人の記載 |
| 条件の記載 | 求人の記載に書かれていますが、書かれている範囲は求人ごとに違います | 求人の記載 |
4つの対象のうち、事業の内容と体制と規模は、企業が公開している資料に説明が載っている場合が多く、公開情報で読み切れる範囲が広い対象です。
働き方の運用は、制度の名称までは載っていても、実際にどう運用されているかまでは書かれていないことがあります。名称と運用は別の情報として分けて扱う必要があります。
条件の記載は、求人の記載に書かれている内容です。どの順番で記載を確かめるかは対象が広いため、別の記事にまとめています。
4つの対象を並べておくと、どこまで公開情報で読み切れて、どこから先が読み取れない分になるかを、対象ごとに区別できます。
対象ごとに読む時間を決めておくと、1つの対象に時間を使いすぎて、残りの対象が手つかずのまま面接の日を迎える事態を避けやすくなります。読む前に、対象の数だけ時間を分けておく進め方があります。
4つの対象を一覧にして残しておくと、どこまで読み終えたかを、後から見返しても取り違えずに確認できます。読みながらメモを取る先を、対象の数だけ用意しておくとよいでしょう。
表の3列目に挙げた場所は、対象によって重なることがあります。同じ資料の中に、事業の内容と体制と規模の両方が載っている場合もあれば、別々の場所に分かれている場合もあります。
あわせて読みたい | 募集要項を確かめる順番|分かる範囲
3. 調べた結果は、公開情報の届き方で枝分かれします
4つの対象をひとつずつ調べた結果は、3つのどれかに当てはまります。
1つ目の「公開情報で分かった」に当てはまった対象は、そこで確かめる作業を終え、次の対象に進めます。読み直す必要はありません。
2つ目の「記載はあるが読み取れない」は、名称や制度は載っているものの、実際の内容までは書かれていない場合です。求人の記載や、企業が公開している別の資料を重ねて読むと、分かる範囲が広がることがあります。
3つ目の「どこにも書かれていない」は、公開情報を重ねても読み取れなかった場合です。この場合は面接で聞く1点として残すほか、職場を見せてもらえるかを確かめる方法もあります。頼み方は別にまとめています。
3つの結果を対象ごとに書き分けておくと、どの対象がどこまで進んでいるかが、後から見ても分かります。
枝分かれの図は、対象を調べ終えるたびに1回ずつ当てはめる形で使います。4つの対象を同時に当てはめる図ではなく、対象ごとに結果を出してから、次の対象に移る使い方になります。
あわせて読みたい | 職場を見せてもらえるか|頼み方と見るところ
4. 求人の記載は、公開資料と重ねて読みます
求人の記載も、企業研究で読む対象の一つです。企業が公開している採用ページや資料と重ねて読むと、書かれている条件の意味が分かりやすくなります。
求人の記載だけを読んで対象を終えたと考えると、公開資料に載っている事業の内容や体制の説明を読み落とすことがあります。片方だけでなく、両方を重ねて読む進め方が要になります。
求人の記載そのものが、どこに載っているかを探す進め方は、対象を広げる話になるため別にまとめています。
重ねて読む対象が増えるほど、公開情報で分かる範囲も広がりますが、読む時間も増えます。次の見出しでは、公開情報で分かる範囲がどこまでかを、3段に分けて整理します。
求人の記載と公開資料を重ねて読んだ結果は、その場で覚えておくのではなく、対象ごとに書き残しておく進め方があります。書き残した内容は、面接に進む前に見返す材料になります。
あわせて読みたい | 求人情報はどこで探すか|探し先の並べ方
5. 確かめる範囲は、事実から面接の1点まで積み上がります
企業研究で確かめる範囲を、下から積み上げる3段で整理します。全部を同じ深さで調べないための線引きになります。
土台は、公開情報で読める事実です。ここは読み切ってしまえば、後から読み直す必要のない段になります。
中段は、求人の記載に書かれていない運用です。ここを思い込みで埋めてしまうと、後で事実と違っていたときに戻る手間が増えます。埋めずに確かめる対象として残しておきます。
頂点は、土台と中段のどちらでも読み取れなかった点です。ここまで絞ってから面接に持ち込むと、聞く点が1つに定まり、限られた時間で確かめやすくなります。1つに絞れなかった場合は、優先度の高い点から順に並べておく進め方もあります。
3段の積み上げは、対象を分ける枝分かれの図とは別の見方です。枝分かれは対象ごとの結果を分け、3段はその結果を優先順位に並べ替える段です。
3段のうち、土台と中段は面接の前に自分だけで進められる段です。頂点だけが、相手に確かめてもらう必要のある段になります。ここまで絞ってから面接に臨むと、聞く点を1つに定めやすくなります。
6. 残った疑問は、種類ごとに次の一手を変えます
企業研究を進める途中で残った疑問を、種類ごとに分けて次の一手を並べます。
疑問の種類と次の一手
- 記載はあるが読み取れない:求人の記載や公開資料を重ねて確かめます
- どこにも書かれていない:面接で聞く1点として残します
- 制度はあるが運用が分からない:面接で運用の実際を確かめます
疑問の種類を分けずに全部を面接で聞こうとすると、限られた時間の中で聞き切れない場合があります。種類ごとに次の一手を決めておくと、面接に残す点をあらかじめ絞れます。
「記載はあるが読み取れない」は、公開情報を重ねて読む段階でまだ埋められる疑問です。面接に進む前に、もう一度重ねて読む対象として戻します。
「どこにも書かれていない」と「制度はあるが運用が分からない」は、公開情報を重ねても埋まらない疑問です。この2つが、面接で聞く1点を絞るときの対象になります。
疑問の種類を分けて残しておくと、企業研究を全部同じ深さで進めようとせず、読める分と面接に残す分の線引きを保ったまま進められます。
次の一手を決めた疑問は、その場で片付けようとせず、決めた一手の順番に沿って進めれば十分です。順番を先に決めておくことが、この記事で扱ってきた線引きの中心になります。
7. よくある質問|企業研究の進め方
Q1. 企業研究は、公開情報だけで終わらせられますか。
A. 対象によって公開情報で分かる範囲が違うため、全部を公開情報だけで終わらせられるとは限りません。読み取れなかった分は、面接で確かめる分として残す進め方があります。
Q2. 求人の記載だけで、調べる対象は足りますか。
A. 求人の記載は調べる対象の一つですが、それだけでは事業の内容や体制まで分かるとは限りません。公開されている採用ページや資料と重ねて読む進め方があります。
Q3. 面接で聞く点は、何を基準に選べますか。
A. 公開情報からも求人の記載からも読み取れなかった点を基準に選ぶ進め方があります。読み取れた点まで質問すると、確かめる時間が足りなくなることがあります。
Q4. 調べる範囲を広げすぎると、どうなりますか。
A. 対象を広げるほど、公開情報で分かる部分と分からない部分の両方が増えます。範囲を先に区切っておくと、読む時間を対象ごとに配分しやすくなり、読み終えた対象と残っている対象の見分けもつきやすくなります。
8. まとめ:調べる順番から面接の1点まで
この記事の要点
- 企業研究で調べる対象は、事業の内容・体制と規模・働き方の運用・条件の記載の4つに分けられます
- 調べた結果は、公開情報で分かった/記載はあるが読み取れない/どこにも書かれていないの3つに枝分かれします
- 求人の記載は、採用ページや公開資料と重ねて読む対象の一つです
- 確かめる範囲は、公開情報で読める事実から、推測せず確かめること、面接で聞く1点まで3段に積み上がります
- 読み取れなかった分は、思い込みで埋めず、面接で確かめる分として残す進め方があります
企業研究は、公開されている資料から読める分を先に読み、そこで読み取れなかった分を面接で確かめる分として残す進め方です。対象を4つに分け、結果を3つに分けて、面接で聞く点を1つに絞ることが、全部を均等に調べようとしないための線引きになります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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