貸与品を返すとき|期限と状態と記録

退職や契約終了にあたって、会社から借りていた端末や周辺機器、入館証などをどう返すかは、後回しになりやすい作業です。情報やアカウントの整理とは別に、物として貸与された貸与品を返す進め方だけを取り上げ、返す期限・返す状態・返す方法の3点で確かめる手順を整理します。在宅勤務で受け取ったものは、そのまま送り返す形になることもあります。
貸与品を返すときに先に確かめておきたいのは、返す期限・返す状態・返す方法です。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
この記事のポイント
- 貸与品を返すときは、返す期限・返す状態・返す方法の3点をまず確かめると、進め方の見通しが立ちます
- 在宅勤務で受け取ったものは、そのまま送り返す形になることがあり、送り方と控えの残し方まで確認しておくと安心です
- 扱いは会社の規程や案内によって差があるため、分からない点は担当の窓口に確かめながら進めます
1. 貸与品を返すときは期限・状態・記録で確かめます
貸与品を返すときは、返す期限・返す状態・返す方法・控えの残し方をあらかじめ確かめておくと、進め方に迷いにくくなります。業務のために会社から借りていた端末や周辺機器、入館証、書籍などが対象で、情報やアカウントの整理とは別に扱います。
退職や契約の終了が決まると、引き継ぎや手続きに気を取られ、返却の対応は後回しになりやすい作業です。返す期限が近づいてから確認を始めると、状態の確認や送付の手配に時間が足りなくなることがあります。
対象として扱われるものには、パソコンやスマートフォンといった端末、モニターやキーボードなどの周辺機器、社屋に入るための入館証、業務で借りていた書籍などが含まれます。何が対象にあたるかは会社によって幅があるため、まずは範囲を確認することが出発点になります。
確かめておきたいのは、いつまでに返すかという期限、どのような状態で返すかという条件、どうやって返すかという方法、そして返した記録をどう残すかという4点です。この4点を先に押さえておくと、返却の進め方に迷う場面が少なくなります。
端末や周辺機器は情報システム部門が、入館証は総務など別の部門が管理している場合があり、確認先が対象の種類によって分かれることもあります。窓口が分からないときは、まず上長に尋ねるところから始めます。
在宅勤務やリモートワークで働いていた場合、受け取った場所と返す場所が異なることもあります。次の項目では、返すものの範囲を、もう少し具体的に見ていきます。
2. 返すものの範囲を情報と分けて考えます
対象として返すものは、業務のために会社から借りていた「物」です。端末や周辺機器、入館証、業務で借りていた書籍などが当てはまり、私物とは区別して扱います。
一方で、共有アカウントの権限や、自分だけが把握している業務上の記録、引き継ぎのための資料は、貸与品とは別の整理が必要になります。返す・消す・渡すという情報側の整理は、返却とは確認先も進め方も異なります。
在宅勤務で受け取っていた場合、私物端末に業務のデータが残っていることもあります。そのデータの扱いは情報の整理に含まれるため、返す作業とは別に確認します。
確認を始めるタイミングは、退職や契約終了が決まった直後が目安になります。引き継ぎの準備と並行して進めておくと、返却の期限が近づいてから慌てずに済みます。
最終出社日と退職日が異なる場合、返却の期限がどちらに合わせて設定されているかも確認しておくと、進め方の見通しが立ちやすくなります。
ここで扱うのは、返す物の期限・状態・方法・記録に絞った進め方です。情報の整理を含めた退職時の確認先は、別の記事で扱っています。
次の項目では、返す前に確かめておきたいことを一覧にして整理します。
あわせて読みたい | 退職のときの情報の整え方|返す・消す・渡す
3. 返す前に確かめることを一覧に並べます
返す前に確かめておきたいことを、どこに書かれているかとあわせて一覧にします。
【表1】返す前に確かめることとどこに書かれているか
| 返す前に確かめること | どこに書かれているか |
|---|---|
| 返す期限 | 退職や契約終了の案内、または貸与時の案内 |
| 返す状態(初期化や付属品) | 貸与時の案内、または情報システム部門の案内 |
| 返す方法(手渡しか送付か) | 退職や契約終了の案内、または担当窓口からの連絡 |
| 控えの残し方 | 担当窓口とのやり取り、または貸与時の案内 |
表の4項目は、貸与品を返すときに確認が漏れやすい点です。返す期限や状態は貸与時に案内されている場合もありますが、退職や契約終了が決まった段階であらためて案内が届くこともあります。
返す状態については、初期化が必要かどうかや、充電器・ケースなどの付属品を含めるかどうかが対象になります。求められる状態は物の種類によって異なるため、案内の記載を確認します。
返す方法は、手渡しか送付かのいずれかになるのが一般的です。在宅勤務で受け取っていた場合は、出社の機会がなければ送って返す形になることもあります。
業務で借りていた書籍は、返却の対象になるか、譲渡や処分が認められるかが会社によって分かれます。案内に記載がない場合は、担当窓口に確認します。
何にあたるかがはっきりしない場合は、貸与を受けた時点の案内やリストを見返すと、対象がそろっているかを確認しやすくなります。
受け取った時点でも、貸与に関する書類への記入を求められている場合があります。入社時に何を提出したかを振り返っておくと、返却時に必要な書類も見つけやすくなります。
表の内容は物の種類によって当てはまり方が変わるため、自分が借りているものに沿って確認していきます。契約社員として契約終了にあたる場合も、確認する内容や窓口の基本的な考え方は同じです。次の項目では、この確認と並んで押さえておきたい数字を見ます。
あわせて読みたい | 入社書類は何を出すか|案内の読み方
4. 転職の動きを数字で押さえます
返却を進めている背景には、転職や契約終了といった動きがあります。厚生労働省の雇用動向調査によると、令和6年の転職入職率は9.7%です*1。
同じ調査で一般労働者に限ると8.3%となり、全体の数字よりも低くなっています*1。前年と比べると0.7ポイント低下しました*1。
この数字は、転職という動きの規模を示すものであり、貸与品を返す期限や方法、記録の残し方を決めるものではありません。返却の進め方は、勤務先の規程や案内に沿って確認します。
転職入職率が示すのは、転職を経験する人が一定数いるという事実であって、返却の手続きがどのように進むかとは別の話です。数字の大小に関わらず、確認する内容は変わりません。
次の項目では、返す方法として多い、手渡しと送付の2つを対比して見ていきます。
5. 手渡しで返す場合と送って返す場合を対比します
返す方法は、手渡しで返す場合と送って返す場合に大きく分かれます。どちらが適しているかは、出社の機会があるかどうかや、貸与品の種類によって変わります。
手渡しで返す場合は、担当窓口や出社日にあわせて直接渡せます。その場で状態を確認してもらえたり、受け取った側からの控えをその場で受け取れたりする点が特徴です。
送って返す場合は、出社の機会がなくても返却を進められます。在宅勤務が中心だった場合、この形になることが少なくありません。配送中に破損しないよう、送る側で梱包の状態を確認しておく必要があります。
送って返す場合は、控えを送付後に別途受け取る形になることがあります。控えが届くまでの期間や方法は、案内や担当窓口の指示に沿って確認します。届くまでの目安の日数が案内にない場合は、担当窓口に確認しておくと安心です。
複数ある場合、端末は手渡しで返し、入館証は送付で返すなど、物によって方法が分かれることもあります。案内にまとめて記載されていない場合は、一つずつ確認します。
送って返す場合の送料をどちらが負担するかは、案内に記載がない場合、担当窓口に確認してから発送します。
どちらの方法が適しているかは、物の種類や勤務の形によって異なります。優劣で決めるものではなく、自分の状況に合う方法を案内に沿って選びます。
次の項目では、返却が完了した記録として残しておきたいことをそろえます。
6. 控えの残し方をそろえます
貸与品を返した記録として、あとから見返せる形でそろえておきたいことを3つ挙げます。
残しておきたい記録
- 返した日付:いつ、何を返したかを残しておきます
- 返した方法:手渡しか送付かと、対応した相手や窓口を残しておきます
- 受け取りの控え:受領を示す連絡やメールなど、あとから見返せる形で残しておきます
3つの記録は、いずれも「あとから見返せるかどうか」を基準にしています。手渡しで返した場合も、口頭で終わらせず、返した旨を記録に残しておくと安心です。
送って返す場合は、発送した日と、届いたことを示す連絡の両方を残しておくと、途中で行方が分からなくなった場合にも確認しやすくなります。
受け取りの控えは、担当窓口からのメールや受領の連絡がそのまま記録になります。特別な書式を新しく作る必要はありません。
返す前の状態を写真などで残しておく方法もあります。手渡しでも送付でも、返す時点の状態を自分の記録として持っておくと、あとから状態について確認された場合に振り返りやすくなります。
返却にあわせて、引き継ぎ資料の提出を求められる場合もあります。返却とは別の作業になるため、進め方は別の記事で扱っています。
記録をどこに残すかは、日頃使っている連絡手段の中で完結させてかまいません。返した貸与品ごとに、日付と方法、控えの3点をそろえておけば十分です。
あわせて読みたい | 引き継ぎ資料に何を残すか|後任が困らない順
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 貸与品の初期化は自分で行う必要がありますか。
A. 求められる対応は会社によって異なります。初期化が必要かどうかは、貸与時の案内や返却時の連絡で確認します。
Q2. 受け取ったものが壊れていた場合はどうなりますか。
A. 扱いは会社の規程によって異なるため、断定できません。分からない点は担当の窓口に確かめながら進めます。
Q3. 送って返す場合、配送方法に指定はありますか。
A. 指定の有無は会社ごとに異なります。案内に記載がない場合は、担当窓口に確認してから発送します。
Q4. 控えが届かない場合は、どうすればよいですか。
A. 一定期間を過ぎても届かない場合は、担当窓口に確認します。発送した日と方法を伝えられるよう、記録を残しておくと確認がスムーズです。
8. まとめ:貸与品は期限・状態・記録で返します
この記事の要点
- 貸与品を返すときは、返す期限・返す状態・返す方法・控えの残し方の4点を確かめます
- 返すのは物であり、共有アカウントや業務の記録といった情報の整理とは別に扱います
- 返す方法は手渡しと送付に分かれ、在宅勤務が中心だった場合は送って返す形になることもあります
- 返した記録は、日付・方法・受け取りの控えの3点をそろえて残しておきます
- 転職入職率9.7%という数字は転職の動きを示す目安であり、返却の進め方を決めるものではありません*1
返すときに確かめておきたいのは、返す期限・返す状態・返す方法、そして返した記録の4点です。扱うのは物であり、共有アカウントやデータの整理といった情報側の対応とは別に進めます。手渡しか送付かは物の種類や勤務の形によって選び方が変わり、優劣で決めるものではありません。返した記録を日付・方法・控えの3点でそろえておけば、あとから確認を求められた場合にも落ち着いて対応できます。扱いは会社の規程や案内によって異なるため、分からない点は担当の窓口に確かめながら進めてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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