UIUXデザイナー転職で問われる経験とは?

UIUXデザイナーとして画面を作ってきた実務経験を、正社員の転職でどう伝えればいいのか迷う場面があります。求人票に書かれた言葉が、これまで担当してきた仕事のどの部分を指しているのか分からないまま応募すると、選考の途中で評価の対象がずれてしまいます。
求人票では、画面を作った経験と、画面の構造や仕様を決めた経験が別のものとして書き分けられています。転職等希望者数は1023万人にのぼり*1、UIUXデザイナーの求人でも、どちらの経験を積んできたかが選考の起点になります。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 転職等希望者数は1023万人です*1。UIUXデザイナーとしての実務経験をどう伝えるかによって、応募できる求人の幅が変わります。
- 転職入職者のうち、賃金が『減少』した割合は29.4%です*2。求人票が求める経験と、説明できる経験がずれると、評価が下がる一因になります。
- 女性の一般労働者の賃金がピークになる年代(45〜49歳・55〜59歳)の水準は、月305.7千円です*3。UIUXデザイナーという職種の賃金を示す数字ではなく、年代による賃金の推移を示す参考値です。
1. UIUXデザイナーの転職では画面を作った経験と設計を決めた経験の両方が問われます
UIUXデザイナーの転職で求人票が確認しているのは、画面を作った経験と、画面の構造や仕様を決めた経験の両方です。転職等希望者数は1023万人にのぼります*1。求人票に『UI実装』『デザインカンプ作成』と書かれていれば画面を作った経験、『UX設計』『情報設計』『要件定義』と書かれていれば構造や仕様を決めた経験が中心に問われます。どちらか一方しか語れないと、選考で聞かれる質問に答えづらくなります。
画面を作った経験とは、デザインをコーディングやツールで具体的な画面に落とし込み、ボタンの配置や配色まで手を動かして仕上げてきた経験です。求人票では『UI実装』『デザインカンプの作成』『画面制作』といった言葉で表されます。
構造や仕様を決めた経験とは、画面を作る前の段階で、何を表示しどの順番で操作させるかという構造や仕様を自分で決めてきた経験です。求人票では『UX設計』『情報設計』『要件定義』という言葉で表されることが多く、決めた理由を説明できるかが問われます。
求人票にどちらの言葉が並んでいるかを確認しないまま応募すると、面接で聞かれる質問と、これまで語れる仕事内容がかみ合わなくなります。積んできた経験のうち、どちらの割合が多いかを先に整理しておく必要があります。
面接では、画面を作った経験を重視する求人ほど『担当した画面数』や『使用したツール』を聞かれます。構造や仕様を決めた経験を重視する求人ほど『なぜその構造にしたのか』を聞かれます。どちらの質問が来ても答えられるように、担当した仕事を棚卸ししておくと選考が進めやすくなります。
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2. 求人票が確認する経験は3段階に積み上がります
求人票が確認する経験を、土台から順に3段階に分けて整理します。
UIUXデザイナーの経験は、画面を作った経験を土台に、検証し直した経験、構造や仕様を決めた経験へと積み上がっていきます。求人票がどの段階を重視しているかによって、語るべき仕事の中身が変わります。
土台の経験しか語れない場合でも、応募自体ができないわけではありません。ただし、求人票が構造や仕様を決めた経験を求めているなら、面接で聞かれる質問に土台の経験だけでは答えきれない場面が出てきます。
自分がどの段階の経験を多く積んできたかは、直近1年で担当した仕事を書き出すと分かります。画面を作る作業が中心なら土台、構造や仕様を決める場面が多ければ頂点に近い位置にいます。
3. 求人票の言葉づかいに違いが表れます
同じUIUXデザイナー職の求人でも、書かれている言葉は会社によって違います。『UI実装』『デザインカンプ作成』『コーディング可』とあれば、画面を作った経験を中心に見ています。
『UX設計』『情報設計』『要件定義から担当』とあれば、構造や仕様を決めた経験を中心に見ています。両方が書かれている求人票は、どちらの比重が大きいかを面談で確認しておく必要があります。
転職入職者のうち、賃金が『減少』した割合は29.4%です*2。求人票が求める経験と、これまで積んできた経験がずれたまま選考が進むと、評価に見合わない条件で決まってしまう場合があります。
言葉の違いに気づかないまま応募書類を送ると、面接で『構造をどう決めたか』と聞かれても、画面を作った具体的な工程しか答えられなくなります。求人票の言葉を先に確認しておくことが、選考でのずれを減らします。
『UX設計』が具体的にどこまでを指すのかは、会社によって幅があります。面談の場で言葉の意味を質問しておくと、入社後に想定していた仕事内容とのずれを防げます。
4. 求人票の言葉と職務経歴書の書き方を照らし合わせます
求人票でよく使われる言葉と、職務経歴書でどう書けば伝わるかを表にまとめます。
【表1】求人票の言葉と職務経歴書での書き方
| 求人票の言葉 | 指す経験 | 職務経歴書での書き方 |
|---|---|---|
| UI実装/デザインカンプ作成 | 画面を作った経験 | 担当した画面数と使用ツールを書く |
| ユーザビリティ検証・改善 | 使い勝手を検証し直した経験 | 見つけた課題と直した結果を書く |
| UX設計/情報設計/要件定義 | 構造や仕様を決めた経験 | 決めた理由と関係者との調整を書く |
表のとおり、求人票の言葉は3種類に分かれます。担当してきた仕事が、画面を作った経験なのか、検証し直した経験なのか、構造や仕様を決めた経験なのかを先に分類しておくと、職務経歴書に書く内容が定まります。
職務経歴書には、担当した画面数やツール名だけでなく、なぜその構造にしたのかという理由まで書くと、構造や仕様を決めた経験として伝わりやすくなります。画面を作った経験だけを並べると、実装担当という評価にとどまる場合があります。
ツール名だけを並べても、画面を作った経験なのか構造や仕様を決めた経験なのかは伝わりません。表にある3つの言葉のうち、自分がどれに当てはまるかを先に確認してから職務経歴書を書き始めます。
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5. 経験年数によって問われる内容が変わります
UIUXデザイナーとしての経験年数によって、求人票が重視する内容がどう変わるかを確認します。
経験年数が増えるとともに、求人票が確認する内容は画面を作った経験から構造や仕様を決めた経験へと移ります。積み上げてきた経験の中身が変わらないまま年数だけが増えると、求人票が求める内容と説明できる内容にずれが生じます。
参考として、女性の一般労働者の賃金がピークになる年代(45〜49歳・55〜59歳)の水準は、月305.7千円です*3。これは年齢による賃金の推移を示す全体の統計であり、UIUXデザイナーという職種の賃金を示す数字ではありません。
年数に応じて説明できる経験の中身を切り替えていくことが、求人票との評価のずれを防ぐことにつながります。
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6. 職務経歴書に書く内容を整理します
UIUXデザイナーとして職務経歴書に書く内容を、確認しながら整理します。
職務経歴書に書く4つの内容
- 担当した画面:画面数と使用したツール名を、期間とあわせて書きます。
- 検証と改善:見つかった使い勝手の課題と、直した結果を書きます。
- 決めた理由:構造や仕様をどう決めたか、関係者とどう調整したかを書きます。
- 成果:数字で示せる変化があれば、期間とあわせて書きます。
4つの内容はどれも、積んできた経験のうち、画面を作った経験と構造や仕様を決めた経験のどちらに当たるかを分けて書くための項目です。
担当した画面と検証した内容だけを並べると、実装担当としての経験しか伝わりません。決めた理由まで書くことで、構造や仕様を決めた経験があることが伝わります。
4つの内容を書く順番に決まりはありません。求人票が画面を作った経験を重視しているなら担当した画面を先に、構造や仕様を決めた経験を重視しているなら決めた理由を先に書く、という並べ方ができます。
職務経歴書を書き終えたら、求人票に書かれた言葉と見比べます。求人票の言葉がそのまま職務経歴書に出てこない場合は、対応する経験を書き足しておくと、選考で結び付けてもらいやすくなります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 画面を作った経験しかない場合UIUXデザイナーの求人に応募できるか
A. 応募できます。求人票に『UI実装』『デザインカンプ作成』と書かれた求人であれば、画面を作った経験が中心に評価されます。構造や仕様を決めた経験は、入社後に積む段階として説明してかまいません。
Q2. 構造や仕様を決めた経験はどう職務経歴書に書けばよいか
A. 何を表示しどの順番で操作させるかを、決めた理由とあわせて書きます。関係者とどう調整したかも書くと、決めた経験であることが伝わりやすくなります。
Q3. 肩書きに『UXデザイナー』と付いていなくても設計を決めた経験として書けるか
A. 書けます。肩書きではなく、実際に構造や仕様を決めた場面があったかどうかで判断されます。担当した仕事のなかで決めた場面があれば、具体的に書き出しておきます。
Q4. 経験年数が浅いうちに構造や仕様を決めた経験を作る方法はあるか
A. 小さな画面単位からでも、なぜその構造にしたのかを自分の言葉で説明できるようにしておくと、決めた経験として職務経歴書に書けます。担当した仕事が小さくても、決めた理由があれば経験として成立します。
Q5. 求人票に『UIUXデザイナー』とまとめて書かれている場合はどう判断すればよいか
A. 業務内容の欄を確認します。『画面制作』『実装』が先に書かれていれば画面を作った経験、『設計』『要件定義』が先に書かれていれば構造や仕様を決めた経験が中心です。迷う場合は面談で質問します。
8. まとめ:UIUXデザイナーの転職は経験の種類を分けて伝えます
この記事のまとめ
- 求人票では、画面を作った経験と、構造や仕様を決めた経験が別のものとして書かれています。転職等希望者数は1023万人にのぼります*1。
- 転職入職者のうち、賃金が『減少』した割合は29.4%です*2。求人票が求める経験と、説明できる経験がずれると、評価が下がる一因になります。
- 経験年数が増えるほど、構造や仕様を決めた経験が評価の中心に移ります。女性の一般労働者の賃金がピークになる年代の水準*3は、性別や職種を限定した数字ではなく、参考として示しています。
- 職務経歴書には、担当した画面だけでなく、決めた理由まで書くことで、積んできた経験の幅が伝わります。
画面を作った経験と、構造や仕様を決めた経験は、どちらも欠けてはいけないものではありません。次の一歩は、これまでの仕事のなかでどちらの経験が多いかを整理し、求人票の言葉と照らし合わせることです。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果」(2026年公表)
*2 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)
*3 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年公表)
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