カジュアル面談と選考の境目|合否の連絡と労働条件の提示

「カジュアル面談です」と案内されたのに、最後は給与と勤務地の話まで進むことがあります。呼び名だけを見て選考ではないと決めると、聞くべきことを後回しにしてしまいました。分かれ目は呼び名ではなく、選考として扱われたかどうかです。
合否の連絡が来た、労働条件が示された、次の段の案内があった。このどれかに当てはまれば、選考はすでに動いていました。見分ける手がかりを、面談のあとに振り返れる形で並べます。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 面談か面接かは呼び名で決まりません。合否の連絡・労働条件の提示・次の段の案内のどれかがあれば、選考として進んでいます。
- 選考であれば、会社は募集の段階で給与や勤務地などの労働条件を示す決まりです*2。示す項目は2024年4月に3つ増えました*2*3。
- 適性・能力に関係しない事柄は、公正な採用選考の2項目に照らして答える範囲を決められます*1。
1. 呼び名ではなく選考かどうかで区別する
面談か面接かは、呼び方ではなく選考として扱われたかで決まります。合否の連絡、労働条件の提示、次の段の案内のどれかがあれば、選考はもう動いています。会社は募集の段階で、給与や勤務地といった労働条件を示すことが決められています*2。この決まりを明示すべき事項と呼び、示されたかどうかが手がかりになりました*2。
まず、「カジュアル」という言葉に意味を求めすぎないようにします。この呼び方には緊張を減らす意図がありますが、その場で何が行われたかまでは決めません。見るのは、面談の最中と終わったあとに実際に起きたことだけです。
そのため、給与や勤務地の具体的な話が出てきたら段階を疑います*2。選考として扱われている場合は、募集の段階で示すべき事項が定められているためです*2。雑談のつもりで聞いた条件が、あとから提示条件として扱われることもありました。
なお、公正な採用選考の基本的な考え方は2項目です*1。応募者の基本的人権を尊重することと、適性・能力に基づいて選ぶことの2つです*1。この2つは、面談でも面接でも同じように当てはまります*1。
そのため、面談の案内メールは消さずに残しておきます。どの言葉で呼ばれたか、誰が同席すると書かれていたかが、あとで段を数える手がかりになります。現場の担当者だけの面談と、人事が入る面談では、扱いが変わることもありました。
2. 選考だったと分かる手がかり
面談のあとに振り返れる手がかりを3つ挙げます。
1つ目は、結果や次の予定の連絡です。「次は部長との面談です」と案内が来た時点で、相手は段階を進めています。呼び方がどうであれ、結果を伝える行為そのものが選考の性質を示しました。
2つ目は、労働条件が示されたことです*2。給与や勤務地が具体的に出てくれば、明示のルールに触れる段階へ入っています*2。このルールは2024年4月に改正され、示す範囲が広がりました*3。古い解説のまま読み替えると、見落としが出ます。
3つ目は、書類の提出を求められたことです。履歴書や職務経歴書を出した時点で、情報収集だけの面談からは一段進んでいます。3つのどれも起きなければ、面談で終わった可能性が高いでしょう。
一方、どれにも当てはまらないまま連絡が途切れることもあります。その場合は、次に何があるのかを紹介元へ聞けば状況がはっきりしました。待つ前に聞くほうが、在職中の予定は組みやすくなります。
カジュアル面談という案内でも、相手が採用の担当者なら記録は残ります。話した内容が社内の共有メモに残り、次の面談の材料として使われるためです。雑談の体裁でも、答えた内容は選考の場と同じ重みで扱われました。
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3. 面談で答える必要のない事柄がある
面談では、仕事と関係のない事柄まで聞かれることがあります。公正な採用選考の2項目に照らすと、適性や能力に関わらない私的な事柄は選考の判断に使うものではありません*1。答えたくないなら、業務に関わる範囲だけ答える進め方があります。
ただし、これは指針として示された考え方です*1。罰則のある規定と同じ強さで決まっているわけではありません*1。それでも、聞かれた内容が仕事に関係するかどうかを自分の中で区別しておく意味はあります。
実際、エージェントを介した面談では、話した内容がそのまま書類へ転記される場合もあります。答える範囲を面談の前に決めておけば、その場で迷いません。迷ったときは「その質問は、どの業務に関わりますか」と聞き返す手もありました。
聞かれた内容をあとで整理するなら、面談の直後に3行だけ書きます。誰が何を聞いたか、どこまで答えたか、次に何を言われたかの3行です。この3行があると、紹介元への相談も具体的に進みました。
ただし、聞かれた内容を全部ため込む必要はありません。仕事に関わる質問なら、答えた中身より次に何を聞かれたかのほうが役に立ちます。残すのは、条件と次の予定に関わるやり取りだけで足りました。
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4. 見る点とどこを見るか
面談のあとに振り返る4点を、見る場所と並べます。
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 合否や次の段の連絡があったか | メールや電話で結果や次の案内が来たかどうか |
| 労働条件が示されたか(明示すべき事項が定められている) | 給与や勤務地など、募集時に明示すべき事項が伝えられたかどうか*2 |
| 履歴書や職務経歴書の提出を求められたか | 面談の前後に書類の提出を依頼されたかどうか |
| 適性・能力に関係しない事柄を聞かれなかったか | 家族や住まいなど、業務に関わらない質問が無かったかどうか*1 |
4点のうち1つでも当てはまれば、選考は動いていると考えます。複数当てはまるなら、次の連絡を待つ前提で予定を空けておくほうが安全です。1つも無いときは、紹介元へ次の予定を聞きます。
とくに分かりやすいのは、労働条件が示されたかどうかです*2。2024年4月に追加されたのは、業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約の更新の基準の3つです*2。どこまで話が出たかを、面談の直後に書き留めておきます。
仕事と関係のない質問を受けた場合も、内容をそのまま控えておきます*1。エージェントへ伝えるときに、言い換えずに渡せるためです。書き留めるのは面談の当日が確実でした。
振り返りをためると、あとから並べ替えるのが難しくなります。カジュアル面談が2社、3社と重なると、どこで何を聞いたか混ざるためです。面談ごとに1枚ずつ残しておけば、比較のときにそのまま使えました。
5. 事情ごとに見る順番が変わる
置かれている状況によって、最初に見るところが分かれます。
在職中に情報収集をしている場合は、選考かどうかの判定が先です。条件の提示があったかどうかで、自分がどの段にいるかが分かります*2。段が分かれば、有休をいつ取るかも決められました。
一方、答えにくい質問を受けたときは、採用選考の基本へ戻ります*1。仕事に関わらない事柄なら、答えなくても不利にならない前提で受け答えを決めます*1。その場で言い返す必要はありません。
エージェント経由なら、応募の意思表示がどこで発生するかを先に聞きます*4。画面上の操作がそのまま応募になる仕組みもあるためです。面談の前に扱いを聞いておけば、知らないうちに応募が成立する事態は避けられます。
3つの事情に共通するのは、相手に確認すれば片づく点です。選考かどうか、答える範囲、応募の扱いは、いずれも聞けば答えが返ります。聞かずに推測で進めると、段を1つ取り違えたまま条件の話へ入ってしまいます。
6. 事情ごとの選ぶ基準
よくある4つの事情に当てはめます。
制約条件ごとに変わる確認点
- 在職中の情報収集:選考として扱われるかを先に見る。選考なら労働条件の明示の対象になるため、示されたかどうかで段が分かる
- 適性に関係しない質問を受けた:公正な採用選考の2項目に照らす。仕事に関わらない事柄は、答えなくても不利にならない前提で受け答えを決める
- 労働条件の提示がない:募集時等に明示すべき事項を見る。追加された3事項まで示されているかを面談の直後に振り返る
- エージェント経由の面談:応募の意思表示がどこで発生するかを聞く。操作がそのまま応募になる仕組みもあるため、面談の前に扱いを聞く
4つは重なることもありました。在職中にエージェント経由で面談へ行くなら、判定と応募の扱いの両方を先に押さえます。面談が始まる前のわずかな時間でも、どちらも聞けます。
共通しているのは、選考かどうかを先に決めるという順番です。ここが決まらないまま条件の話だけ進むと、あとから段を数え直すことになります。順番さえ守れば、事情が重なっても迷いません。
どれにも当てはまらない場合は、面談で出た話をそのまま書き出します。合否、条件、次の予定の3つのどれに触れたかで、段はだいたい分かりました。書き出す手間は数分で済みます。
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7. よくある質問(Q&A)
Q1. カジュアル面談は選考に含まれますか
A. 呼び名では決まりません。合否の連絡や次の段の案内があった時点で、段は進んでいます。
Q2. 面談で聞かれたことが評価に使われますか
A. 選考として扱われていれば、話した内容が判断に影響します。仕事に関わらない事柄については、公正な採用選考の考え方が示されています*1。
Q3. 面談のあと連絡が来ないときはどうしますか
A. 紹介元へ次の予定を聞くのが早い方法です。選考なら結果の連絡がある前提で待てます。
Q4. 面談だけのつもりだったのに応募になっていました
A. 応募が成立する場所は仕組みによって違います*4。次からは面談の前に扱いを聞いてください。
Q5. 答えたくない質問にはどう対応すればよいですか
A. 業務と関係のない質問であれば、答えを控えても構いません*1。質問の意図を聞き返す方法もあります。
Q6. 相談に料金はかかりますか
A. 求職者の登録と利用は無料です*4。
8. まとめ:合否と労働条件の提示で選考かが決まる
この記事のまとめ
- 分かれ目は呼び名ではありません。合否の連絡、労働条件の提示、次の段の案内のどれかがあれば選考です。
- 公正な採用選考の基本的な考え方は2項目です*1。仕事に関わらない事柄は、答える範囲を自分で決められます。
- 募集時等に明示すべき事項は2024年4月に3つ追加されました*2*3。選考なら、そこまで示されているかを見ます。
- エージェント経由では、応募が成立する場所を面談の前に聞いておきます*4。
段が分かれば、次に聞くことも決まります。カジュアル面談で出た条件を手元に置いて、正社員求人と突き合わせてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 公正な採用選考の基本(2026年)
*2 厚生労働省 令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます(2024年)
*3 厚生労働省 令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます(2024年)
*4 リラシク よくあるご質問(迷っている段階での面談・応募の扱い・登録料金)(2026年)
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