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内定承諾の催促が企業側から来たら|返す期限と言い方

内定承諾の催促が企業側から来たら|返す期限と言い方のイメージ写真

内定を出した会社から内定承諾の返事を催促されたとき、いつまでに返すかを決めているのは会社です。返事までの日数を定めた法律はありません。催促が来た時点で、返す日を決め直せます。

そのため、黙って待つのではなく、いつまでなら返せるかを自分から先に伝えてください。採用内定には、入社の日を始期とする労働契約が成立したと認められることが多いという扱いがあります*1。催促されているのは、その契約についての返事です。日付を先に出せば、相手も返事を待つ期間が読めます。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

労働条件の書面を読んだかどうかで返事の日が変わる この記事の要約 労働条件の書面をもう受け取っているか 受け取っている 読み終える日を数えて返事の日を出す まだ受け取っていない 届いていないと書き添えて返事の日を出す 書面を読む前でも返す日だけは先に伝えられる *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 内定承諾の返事をいつまでに出すかは会社が決めており、法令に日数の定めはありません。催促が来たら、いつまでに返せるかを日付で伝えてください。
  • 承諾を伝えたあとでも、辞退の道が閉じるわけではありません。期間の定めのない労働契約では、働く側が解約を申し入れてから2週間で契約が終わると民法第627条第1項に置かれています*3。
  • 返事を延ばすなら、その間に読むものを決めておきます。労働条件を記した書面では、2024年4月から就業場所・業務の変更の範囲(入社後に勤務地や仕事の中身が変わり得る幅)の明示が必要になりました*2。

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1. 返す期限は会社が決めるもので法律の定めはない

内定承諾の返事をいつまでに出すかは、会社が決めています。日数の線を引いた法令はどこにもありません。だから催促を受けた日に、返す日そのものを相談し直せます。相談といっても、こちらから日付を1つ出して相手の返事を待つだけです。

そのため、催促のメールに返すときは、まず日付を1つ書いてください。「◯月◯日までにお返事いたします」と添えれば、相手はその日まで待てるかどうかを答えられます。返せる日そのものが読めないなら、いつなら読めるかを書きます。日付を書かずに返すと、相手には待つ期間が分かりません。

ただし、こちらが出した日付がそのまま通るとはかぎりません。採用の予定は募集の締め切りと重なるため、会社の側にも動かせない日があります。別の日を示されたら、その日で折り合えるかをその場で答えてください。その場で答えられないなら、いつ答えるかだけを先に返します。

実際、催促で聞かれているのは、承諾するかどうかと、いつ返事が出るかの2点です。前者に答えられなくても、後者には今日のうちに答えられます。返事の日を先に置けば、そこまでの時間は自分の側で使えます。置く日は今日から数えてください。

2. 催促を受けたら返せる日を伝えて書面を読む

催促が来てから返事を出すまでには、4つの地点があります。催促を受けた日、返せる日を決めた日、その日を相手へ伝えた日、労働条件の書面を読んで返事をする日です。この並びを入れ替えると、書面を読む前に承諾を出す形になります。先に置くのは日付です。

催促への返事に日付を入れると書面を読む時間が残る 催促が来る 返事を求められる 日を決める いつ返せるか出す 日を伝える 返信に日付を書く 書面を読む 読んでから返事する 返す日を先に伝えれば書面を読む時間が取れる

ただし、返せる日を決めるのは相手ではなく自分です。手元にある選考の予定を並べて、どの日までに結論が出せるかを数えてください。数えた日が相手の希望より先なら、その差をそのまま伝えます。伝えたあとは相手の返事を待ちます。

一方、こちらが出した日を過ぎそうなときは、過ぎる前に連絡を入れてください。過ぎてから事情を説明するより、前日までに新しい日を出すほうが早く済みます。出すのは、もう一度動かさずに済む日です。二度目の延長を頼むと、相手は予定を二度組み直すことになります。

3. 労働条件の書面が届く日から返事の日を数える

返事の日をどこに置くかは、労働条件の書面を読み終えた日で決まります。書面をもう受け取っているなら、見るのは読む時間だけです。まだ受け取っていないなら、届くまでの日数がそこに乗ります。先に数えるのは、書面が届く日です。

書面を読み終えた日より前に返事の日を置かない 書面を読み終える日 すぐ返せる まだ返せない 書面が手元に無いうちは右寄りのまま。受け取って読み終えた日が、返事を置ける最初の日です 読み終える日が決まれば返す日も決まる

そのため、催促を受けた時点で書面が手元に無いなら、そのことを先に伝えてください。労働条件を書いた書面がまだ届いていないと書き添えれば、何を待っているかが1文で伝わります。そのうえで、読み終えてから返事をすると書けば、日付の根拠もそろいます。伝える順は、書面が先で日付が後です。

実際、書面を読む時間は形式だけのものではありません。2024年4月から、労働契約を結ぶときの明示事項に、就業場所・業務の変更の範囲が加わりました*2。変更の範囲とは、将来の配置転換などによって変わり得る就業場所と業務を指します*2。入社したあとに勤務地や仕事がどこまで動くのかは、ここを読めば分かります。

ただし、提示された契約に期間の定めがあるなら、読む項目がもう1つ増えます。有期労働契約では、更新上限の有無と内容を明示することも必要です*2。更新上限とは、通算して契約できる期間の上限か、更新できる回数の上限を指します。何年まで働けるのかが、ここで分かります。

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4. 承諾したあとでも辞退の道は閉じない

採用内定の通知のほかに労働契約を結ぶための特段の意思表示が予定されていない場合、それだけで労働契約が成立したと考えられています*1。成立するのは、入社の日を始期とした労働契約です。働き始める日が先にあり、その日が来たら働くという約束が通知の時点で結ばれています*1。返事を求められているのは、その約束についてです。

そのため、承諾を伝えたあとで辞退することが、できなくなるわけではありません。辞退は、成立した労働契約を解く申し入れにあたります。期間の定めのない労働契約では、働く側が解約を申し入れてから2週間で契約が終わると民法第627条第1項に置かれています*3。申し入れた日と、契約が終わる日は別々に動きます。

ただし、辞退の道が残っていることと、返事を急いで出してよいこととは別です。承諾を伝えたあとに辞退すれば、入社の手配を進めていた相手にその分の手間が生じます。採用の予定を組み直すところから、やり直してもらうことになるからです。書面を読んでから出した結論なら、あとの連絡は短く済みます。

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5. 催促のされ方ごとに返す言葉と足さないこと

催促の来方は1つではありません。メール、電話、面接のあとの口頭、承諾書に添えられた期日の4つに分かれます。どれで来たかによって、返す経路と出す言葉が変わります。返す先は、催促が来た経路に合わせてください。

ただし、どの経路でも足さないほうがよい中身は同じです。ほかの会社の社名や、そこで示された金額を並べると、答えにくい問いが返ってきます。会社がなぜ急いでいるのかを推し量って書く必要もありません。出すのは日付と、いま手元に無いものの名前だけです。

催促の経路ごとに返す言葉と足さない中身

催促のされ方返す言葉足さないこと
メールで返事を求められた受け取った礼と、返事を出す日付を1文で書く承諾か辞退かの結論と、迷っている事情
電話で口頭に聞かれたその場で日付を答え、同じ内容をメールでも送ると伝える電話口で出す結論と、その場での即答
面接の直後に聞かれた検討する期間をもらいたいと伝え、返す日を挙げる面接の場での承諾と、条件への注文
承諾書に期日が書かれていたその期日で返せるかを答え、無理なら別の日を出す期日を過ぎてからの連絡と、無言の放置
出した日付を過ぎそうになった過ぎる前に連絡し、新しい日を1つだけ出す遅れた事情の長い説明と、二度目の延長

そのため、電話で聞かれたときも、その場で結論を出す必要はありません。答えるのは、いつ返事を出すかという日付のほうです。電話を切ったあとに同じ内容をメールで送っておけば、双方の手元に日付が残ります。残す形は短い1文で足ります。

一方、承諾書に期日が書かれていたら、その日で返せるかを先に見てください。返せるなら、その日までに書面を読む時間を取るだけです。返せないなら、期日の前に連絡を入れて別の日を出します。期日を過ぎてからの連絡では、話が遅れの説明から始まるだけです。

6. そのまま送れる催促への返事の例文5つ

実際、返す言葉は場面ごとに決めておけます。催促のメールへの返信、日付を自分から出すとき、書面を求めるとき、電話で聞かれたとき、返事が期日に間に合わないときの5つです。どれも2文から3文で終わり、長い前置きは要りません。書き写してそのまま送れます。

場面ごとの言い回し

  • 催促のメールに返す:「ご連絡をいただきありがとうございます。◯月◯日までに、承諾についてのお返事を差し上げます。それまでお待ちいただけますでしょうか」
  • 返事の日を自分から出す:「内定のご連絡をありがとうございます。ほかの選考の結果が◯月◯日に出そろいますので、その日のうちにお返事いたします。日付が動く場合は前日までにご連絡いたします」
  • 労働条件の書面を求める:「お返事の前に、労働条件を記した書面を拝見できますでしょうか。就業場所と業務の変更の範囲を読んだうえで、◯月◯日までにお返事いたします」
  • 電話で催促されたとき:「お電話ありがとうございます。この場でお答えできず恐れ入りますが、◯月◯日までにお返事いたします。同じ内容をメールでもお送りいたします」
  • 出した日を過ぎそうなとき:「◯月◯日にお返事すると申し上げておりましたが、◯月◯日まで延ばしていただけますでしょうか。その日にお返事を差し上げます」

そのため、例文はそのまま書き写してかまいません。相手が知りたいのは、いつ返事が出るかという1点だけです。言い回しを整えるより、日付が入っているかを見てください。敬語が少し崩れても話は進みます。

ただし、5つのどれにも、迷っている事情は入っていません。事情を書けば、そこから問いが返ってきて往復が増えるだけです。書くのは日付と、待っている書類の名前で足ります。短いほうが、相手も読んですぐ返せます。

7. よくある質問(Q&A)

Q1. 内定承諾の返事に法律で決まった期限はありますか

A. 内定承諾の返事に、法令で決まった期限はありません。期限を置いているのは会社なので、催促を受けた段階で別の日を相談できます。相談するときは、返せる日を自分から1つ挙げてください。

Q2. 催促されたその場で結論を出さないといけませんか

A. 即答しなくてかまいません。今日のうちに答えられるのは、返事が出せる日のほうです。電話で聞かれたら日付だけを口頭で伝え、あとから同じ中身をメールにしておけば手元に残ります。

Q3. 承諾を伝えたあとに辞退できますか

A. 承諾を伝えたあとでも、辞退の道が閉じるわけではありません。期間の定めのない契約なら、解約を申し入れた日から2週間で終わると民法に置かれています*3。ただし入社の準備が進んだあとの連絡になるので、書面を読んでから結論を出すほうが手数は少なく済みます。

Q4. ほかの選考を待っていることは伝えてよいですか

A. 結果を待っていると書くだけなら伝えられます。会社の名前や、提示されている金額や勤務地まで書く必要はありません。書く中身が増えるほど、問いと答えの往復も長くなります。

Q5. 労働条件の書面はいつ受け取れますか

A. 受け取る日は会社ごとに違うので、届いていないなら催促への返事に書き添えてください。2024年4月からは、勤務地や仕事の中身が入社後に変わり得る幅まで明示することが必要です*2。届いた書面を読めば、どこまで動くのかが分かります。

8. まとめ:催促が来たら返せる日を先に出す

催促を受けたときにやること

  • 催促が来たら、承諾するかどうかより先に、いつ返事を出せるかの日付を伝えます
  • 返事までの日数に法令の定めはないため、日付は会社と相談して決め直せます
  • 労働条件の書面が届いていないなら、そのことを書き添えて読んでから返すと伝えます
  • 出した日を過ぎそうなときは、過ぎる前に連絡して新しい日を1つだけ出します

返す日が決まれば、その日までに読む書面と、相手に聞いておく中身も決まります。書面を読んだうえで出した結論なら、あとから説明を足す必要もありません。まず日付、そのあとに結論という並びで進めてください。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省 確かめよう労働条件(採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点)(2026年確認)
*2 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」(リーフレット・2026年確認)
*3 e-Gov法令検索「民法」第627条(2026年確認)

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