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失業手当はいくら?離職前の1日あたりの賃金の5〜8割

失業手当はいくら?離職前の1日あたりの賃金の5〜8割のイメージ写真

失業手当(雇用保険の基本手当)の1日分は、離職前6か月の賃金を180で割った1日あたりの賃金(賃金日額)の、およそ5〜8割です*1。基本手当とは、失業中に1日単位で受け取る給付を指します。手当の上限は年齢で決まり、30歳以上45歳未満なら1日8,270円(令和8年8月1日現在)です*1。

総額は、この1日分に所定給付日数(受け取れる日数)を掛けた額です。自己都合などで辞めた人の日数は、雇用保険の加入年数で90日から150日に分かれます*2。給与明細6か月分と加入年数があれば、総額を見積もれます。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 1日分(基本手当日額)は賃金日額のおよそ50〜80%で、賃金の低い人ほど率が高くなります*1。60〜64歳の人は45〜80%です*1。
  • 基本手当日額の上限は年齢で4つに分かれ、最も高いのは45歳以上60歳未満の9,110円です*1。30歳未満が受給できる1日分の上限は7,450円、60歳以上65歳未満は7,830円です(令和8年8月1日現在)*1。
  • 総額は1日分に所定給付日数を掛けた額で、30歳以上45歳未満・90日の人が上限の額を受け取り続けても74万4,300円です。倒産・解雇などで辞めた人(特定受給資格者)は、日数が多くなる場合があります*1。

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1. 失業手当の1日分は賃金日額の5〜8割

失業手当として1日に受け取る額(基本手当日額)は、賃金日額のおよそ50〜80%です*1。賃金日額のもとになる賃金は、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われたもので、賞与などは含みません*1。率は一律ではなく、賃金の低い人ほど高く決まります*1。60〜64歳の人に限っては、45〜80%です*1。

つまり、賃金日額の8割に近い1日分を受け取るのは賃金の低い人で、賃金の高い人ほど率は5割の側に寄ります*1。離職前の月給が高かった人は、1日分が賃金日額の半分に近い額になると見込んでおいてください。率が最も高い人でも1日分は賃金日額の8割までで、離職前の賃金を上回ることはありません。

実際、賃金日額の計算に使うのは辞める直前の6か月の賃金だけで、それより前の月給はどれだけ高くても入りません*1。年収が同じ人どうしでも、賞与の占める割合が大きい人ほど賃金日額は低く出ます。月給が上がったばかりの人は、上がった後の月が6か月のうち何か月あるかで賃金日額が変わるので、辞める月を決める前に数えてください。

2. 1日分の上限額は年齢で4つに分かれる

基本手当日額の上限は年齢で4つに分かれ、令和8年8月1日現在の額は図のとおりです*1。率を掛けて出した1日分がこの額を超えた人は、上限の額を1日分として受け取ります。上限に当たりやすいのは、賃金日額の高い人です。

1日分の上限は45歳以上60歳未満の9,110円が最も高い 30歳未満 7,450円 30歳以上45歳未満 8,270円 45歳以上60歳未満 9,110円 60歳以上65歳未満 7,830円 上限は45歳以上60歳未満まで上がり、60歳以上で下がる *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

たとえば30歳以上45歳未満の人は、率を掛けた1日分が8,270円を超えても、受給できる1日分は8,270円です*1。賃金日額に5割を掛けてもまだ上限を超える人は、率がどこに決まっても1日分は上限の額で変わりません。逆に、8割を掛けても上限に届かない人は、上限を気にせず率だけで1日分が決まります。

一方、60歳以上65歳未満の基本手当日額の上限は、45歳以上60歳未満より低い額に決められています*1。60〜64歳の人は率の下限も45%まで下がるため、賃金日額の高い人ほど、60歳になる前より1日分が少なく出る場合があります*1。60〜64歳の人が見積もるときは、5割ではなく45%を下の端にして計算してください。

上限の額は令和8年8月1日現在のものです*1。30歳・45歳・60歳のいずれかを迎える前後に辞める人は、どちらの年齢の上限に当たるかで1日分の見込みが変わるため、両方の上限で計算しておいてください。辞める日が近づいたら、ハローワークインターネットサービスの「基本手当について」で自分の年齢の上限を見直してください*1。

3. 総額は1日分と所定給付日数の掛け算

たとえば、30歳以上45歳未満で所定給付日数が90日の人が上限の8,270円を90日分すべて受け取ると、8,270円×90日で74万4,300円です。これは上限の額で出した総額なので、1日分が上限に届かない人の総額はこれより少なくなります。74万4,300円を超える総額になりうるのは、所定給付日数が90日より多い人か、上限が8,270円より高い45歳以上60歳未満の人に限られます*1*2。

ただし、ハローワークへ求職を申し込んだあとには、待期(手当が出ない最初の期間)が置かれています。自己都合で辞めた人には、待期のあとにも給付制限(手当が出ない期間)が続く場合があります。手当が入り始めるまでの生活費は、この2つの期間も含めて用意しておいてください。

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4. 給与明細6か月分から自分の1日分と総額を出す

まず、離職前6か月分の給与明細をそろえ、賞与の明細を除いて月ごとの賃金を足してください*1。足した額を180で割ったものが賃金日額で、これに5割と8割をそれぞれ掛けた2つの額のあいだに、1日分はおよそ収まります*1。失業手当がいくらになるかは、退職の前でもこの幅で見積もれます。

給与明細6か月分から失業手当の総額を出せる 6か月の賃金 賞与などは除く 180で割る これが賃金日額 率を掛ける 5〜8割で1日分 日数を掛ける これが総額 給与明細と年齢と日数があれば、退職の前に総額を出せる

次に、5割で出した1日分と8割で出した1日分を、それぞれ年齢の上限と比べてください*1。上限を超えていた側は上限の額に置き換え、2つの1日分に所定給付日数を掛けると総額の幅が出ます。年齢が30歳以上45歳未満で8割の側が8,270円を超える人なら、8割の側の総額は8,270円に所定給付日数を掛けた額です。

日数は、辞めた理由が会社の倒産や解雇かどうかでも変わります*1。どちらに当たるかまだ分からないうちは、自己都合などの日数で総額を出しておいてください。倒産・解雇などの離職では日数が多くなる場合があるので、自己都合などの日数で出した総額は少なめに見積もった額です*1。

5. 自己都合などで辞めた人の所定給付日数

所定給付日数は、離職の日の年齢、雇用保険に入っていた期間(被保険者期間)、離職の理由などで決まります*1。自己都合などの離職では、日数を分けるのは加入していた期間の長さだけで、年齢は関係ありません*2。倒産・解雇などで辞めた人(特定受給資格者)は年齢と加入期間の組み合わせで日数が決まり、表の日数より多くなる場合があります*2。

自己都合などで辞めた人の日数(全年齢)

雇用保険に入っていた期間所定給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

つまり、自己都合などで辞める人の日数が増える境目は、加入10年と加入20年の2か所です*2。加入10年に届く前に辞めた人は90日、10年に達してから辞めた人は120日です*2。辞める時期を動かせる人は、自分の加入年数が10年や20年の手前にないかを数えてください。

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6. 失業手当を受け取るための条件

失業手当は、雇用保険に入っていた人が辞めれば自動で受け取れるものではありません。受け取るには、ハローワークで求職の申込みをし、「失業の状態」にあることが要ります*1。失業の状態とは、就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるのに、職業に就けていない状態を指します*1。

失業手当の支給条件

  • 求職の申込み:ハローワークで、仕事を探す申込みを済ませている*1
  • 就職しようとする意思:働くつもりで仕事を探している*1
  • いつでも就職できる能力:声がかかれば、すぐに働ける状態にある*1
  • 職業に就けていない:意思と能力があっても、まだ仕事が決まっていない*1
  • 雇用保険の加入期間:離職の日以前2年間に通算12か月以上入っていた(倒産・解雇などで辞めた人は1年間に6か月以上でよい)*1

このうち加入期間の条件は、会社の倒産や解雇で離職した人のほうが短く定められています*1。入社して間もなく辞める人は、自分の加入期間が条件に届いているかを、辞める前にハローワークで聞いてください。加入期間は通算して数えるので、前の会社で雇用保険に入っていた時期があれば、それも一緒に伝えてください*1。

たとえば、辞めたあとしばらく休むと決めている人は、その間は就職しようとする意思がないので、失業の状態に当たりません*1。働くつもりがあっても、すぐには働けない事情がある間は、いつでも就職できる能力の条件を満たしません*1。次の職場に入社した人は職業に就いたことになり、その日から失業の状態ではなくなります。

7. よくある質問

Q1. 賞与(ボーナス)は失業手当の額に入りますか

A. 入りません。6か月分の賃金を足すときは、賞与などを除いた毎月の賃金だけを数えます*1。年収をもとに計算すると賞与の分まで入り、1日分を実際より多く見積もってしまいます。

Q2. 月給が高かった人ほど失業手当は多くなりますか

A. 上限に届くまでは多くなりますが、月給の差ほどは開きません。賃金の高い人ほど率が5割に近づくうえ、率を掛けた額が年齢ごとの上限を超えた分は受け取れないからです*1。上限に届いた人どうしでは、月給が違っても1日分は同じ額です。

Q3. 自己都合で辞めても失業手当は受け取れますか

A. 受け取れます。自己都合で辞めた場合も所定給付日数があり、雇用保険に入っていた年数で90日・120日・150日に分かれます*2。日数は会社の倒産や解雇で辞めた人より少ない場合がありますが、1日分の出し方はどちらも同じです*1。

Q4. 退職した翌日から失業手当を受け取れますか

A. 受け取れません。辞めたあと、まずハローワークへ行って求職を申し込むことが条件です*1。申し込んだあとにも手当の出ない待期があり、自己都合で離職した人には、さらに給付制限が加わる場合もあります。

Q5. 賃金日額と基本手当日額はどう違いますか

A. 賃金日額は、離職前の賃金を1日あたりに直した額です*1。基本手当日額は、その賃金日額に率を掛けて出す、実際に受け取る1日分を指します*1。求人票や給与明細から分かるのは賃金のほうで、手当の額までは書かれていません。

Q6. 失業手当の上限は総額にも決まっていますか

A. 示されている上限は1日分(基本手当日額)の額で、総額そのものに別の上限は書かれていません*1。総額は1日分と所定給付日数で決まるため、自分の年齢の上限に日数を掛けた額が、受け取れる総額の上限です。上限より低い1日分の人は、その額に日数を掛けて総額を出してください。

8. まとめ:失業手当の額は賃金日額と年齢と日数で決まる

この記事のまとめ

  • 1日分(基本手当日額)は賃金日額のおよそ50〜80%で、60〜64歳の人は45〜80%です*1
  • 賃金日額は、離職前6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割った額です。賞与などは入りません*1
  • 基本手当日額の上限は年齢で4つに分かれ、30歳以上45歳未満は8,270円です(令和8年8月1日現在)*1
  • 自己都合などで辞めた人の所定給付日数は、加入期間で90日・120日・150日に分かれます*2
  • 30歳以上45歳未満で所定給付日数が90日の人の総額は、上限の額で計算しても74万4,300円までです
  • 受け取るには、ハローワークで求職の申込みをし、失業の状態にあることが要ります*1

まず、給与明細6か月分から賃金日額を出し、5割と8割を掛けた2つの額を自分の年齢の上限と並べてください。その1日分に、加入年数から分かる所定給付日数を掛ければ、受け取れる総額の幅が出ます。倒産・解雇などに当たるかが分からないうちは表の日数で計算し、辞める前に貯蓄と並べて暮らしの見通しを立ててください。

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出典・参考情報

*1 ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
*2 ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」

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