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リモートワークの種類を完全網羅|ワークモデルとワーカータイプを徹底解説

リモートワークの種類を体系的に解説する図

「リモートワーク」と一言で表現される働き方には、実は専門的に分けると2つのレイヤーが存在します。1つは企業がどう制度を組むかを示す「ワークモデル」、もう1つは個人がどう働くかを示す「ワーカータイプ」です。フルリモート、リモートファースト、ハイブリッド、ノマドワーカー、ワーケーター、二拠点ワーカー。同じ「リモートワーク」と呼ばれる領域のなかに、これだけ細分化された呼称が並んでいます。問題は、転職を検討するとき、求人票の「リモートワーク可」という一文が、実際にどのワークモデルでどのワーカータイプに該当するのかが見えにくい点です。

この記事では、リモートワークの種類を専門用語ベースで体系的に分類し、国の公式定義との対応関係まで含めて整理します。

この記事のポイント

  • リモートワークの種類を「企業のワークモデル5型」と「個人のワーカータイプ7型」の2レイヤーで体系化し、専門用語ベースで分類します
  • 厚生労働省・総務省・国土交通省・観光庁の公式定義と、実務で使われる呼称(フルリモート、ノマドワーカー等)の対応関係を整理します
  • 求人票の「リモートワーク可」を読み解き、自分に合う種類を選ぶための実践的な判断軸を提示します
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目次

1. リモートワークの種類は3階層で理解する|分類の全体地図

2. 企業のワークモデル5型|フルリモート・リモートファースト・ハイブリッド・オフィスファースト・フル出社

  2-1. フルリモート(リモートオンリー)

  2-2. リモートファースト

  2-3. ハイブリッドワーク(ハイブリッドリモート)

  2-4. オフィスファースト

  2-5. フル出社

3. 個人のワーカータイプ7分類|在宅・モバイル・サテライト・ハイブリッド・ワーケーター・ノマド・二拠点

  3-1. 在宅ワーカー(WFH:Work From Home)

  3-2. モバイルワーカー

  3-3. サテライトワーカー

  3-4. ハイブリッドワーカー

  3-5. ワーケーター

  3-6. ノマドワーカー(デジタルノマド)

  3-7. 二拠点ワーカー(デュアルライフ)

4. ワークモデルとワーカータイプの対応関係|国の公式定義との位置づけ

5. 日本のリモートワーク実態|公式データで見る種類別の普及状況

  5-1. テレワーク導入企業の割合は47.3%

  5-2. 雇用型テレワーカーの割合は24.6%(2024年)

  5-3. ハイブリッドワーカーが主流、首都圏で3割超

  5-4. 業種別の差|情報通信業が突出、運輸・サービス業は低水準

  5-5. デジタルノマド誘致政策の進展

6. 自分に合うリモートワークの種類を選ぶ4つの判断軸

  6-1. 判断軸1|どの「ワークモデル」を求めるか

  6-2. 判断軸2|どの「ワーカータイプ」で働きたいか

  6-3. 判断軸3|居住地の自由度をどこまで求めるか

  6-4. 判断軸4|業務特性は成果物完結型か

7. まとめ|リモートワークの種類を専門用語で読み解き、求人選びの精度を上げる

1. リモートワークの種類は3階層で理解する|分類の全体地図

リモートワークの種類を3階層(就業形態・ワークモデル・ワーカータイプ)で示した分類図

リモートワークの種類を専門的に整理すると、3つの階層に分けられます。

第1階層は「就業形態」です。厚生労働省と総務省は、テレワーカー(リモートワーカー)を、企業に雇用されている労働者による「雇用型テレワーク」と、個人事業主による「自営型テレワーク」の2つに大別しています※1。第2階層は「ワークモデル」です。企業がどのような制度設計でリモートワークを運用しているかを表す呼称で、フルリモート、リモートファースト、ハイブリッド、オフィスファースト、フル出社の5つに整理できます。第3階層は「ワーカータイプ」です。働く個人が実際にどのような場所・スタイルで業務に従事しているかを表す呼称で、在宅ワーカー、モバイルワーカー、サテライトワーカー、ハイブリッドワーカー、ワーケーター、ノマドワーカー、二拠点ワーカーの7つに分類できます。

表1:リモートワークの種類分類の3階層

階層分類軸観点含まれる種類
第1階層就業形態法的な雇用関係雇用型テレワーク/自営型テレワーク
第2階層ワークモデル企業の制度設計フルリモート/リモートファースト/ハイブリッド/オフィスファースト/フル出社
第3階層ワーカータイプ個人の実践スタイル在宅ワーカー/モバイルワーカー/サテライトワーカー/ハイブリッドワーカー/ワーケーター/ノマドワーカー/二拠点ワーカー

転職検討者にとっては、第2階層(ワークモデル)と第3階層(ワーカータイプ)の理解が実務的に最も重要です。求人票の表記がどのワークモデルを指しているかを正確に読み取り、自分が志向するワーカータイプとマッチするかを照合する。これが種類選びの基本フレームになります。ここからは、それぞれの階層を専門用語ベースで詳しく解説します。

2. 企業のワークモデル5型|フルリモート・リモートファースト・ハイブリッド・オフィスファースト・フル出社

ワークモデルとは、企業がどの程度オフィス出社を求めるかという「制度設計の濃度」を示す分類です。米ギャラップ社が労働者を対象に実施した調査では、現在および将来希望する働き方として「完全リモート」「ハイブリッド」「完全オフィス」の3区分が使われており、ハイブリッドを希望する回答が最多となっています※2。日本のリモートワーク市場でも、この3区分にさらに「リモートファースト」「オフィスファースト」を加えた5型分類が、実務上の理解枠組みとして定着しつつあります。

表2:企業のワークモデル5型 比較

ワークモデル出社頻度の目安制度上の原則代表的な運用例
フルリモート(リモートオンリー)原則0日/年数回オフィス出社を求めない物理オフィスを持たない/全社員リモート
リモートファースト月数回〜週1日リモートが第一選択肢必要時のみオフィスで集まる
ハイブリッド週2〜3日リモートと出社を併用アンカーデイ(特定曜日出社)等
オフィスファースト週3〜4日出社が原則、リモートは例外育児・介護等の事情で限定的に許可
フル出社週5日全業務を出社で実施リモート制度なし

2-1. フルリモート(リモートオンリー)

フルリモートとは、原則としてオフィス出社を伴わず、勤務時間のほぼすべてにわたり自宅やオフィス以外の場所で勤務するモデルを指す呼称です。海外では「リモートオンリー(Remote-Only)」とも表現され、物理オフィスを持たないか、最小限の拠点のみを保持する企業がこれに該当します。国の定義ではなく民間の慣用表現であるため、企業ごとに「年数回の合宿あり」「月1回の対面ミーティングあり」など運用ルールが異なります。求人票で「フルリモート」と表記されている場合でも、入社後の出社回数や対面イベントの頻度は、面談時に具体的な数値で確認しておくことが望ましいといえます。

2-2. リモートファースト

リモートファーストとは、リモートワークを第一の選択肢としつつ、必要時にはオフィスや他拠点での対面業務も柔軟に行うモデルです。「定常的にオフィスで勤務する必要のある従業員がほとんどいない」状態を制度上の前提とし、社員は自宅・コワーキングスペース等を主な業務場所として運用します※3。フルリモートとの違いは、オフィスが「必要時に集まる場」として機能している点です。新型コロナウイルス感染症の世界的流行(パンデミック)を契機に、米国を中心に普及が進みました※3

2-3. ハイブリッドワーク(ハイブリッドリモート)

ハイブリッドワークとは、オフィス勤務とリモートワークを組み合わせて行う勤務形態を指します。週何日を出社にあてるかは企業の制度設計により幅があり、「週2日出社・週3日リモート」「コアタイムのみ出社」「特定曜日に全員出社(アンカーデイ制)」など、運用パターンは多様です。国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」(2025年3月公表)では、コロナ禍を経て「週1〜4日テレワーク(出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワーク)」が定着傾向にあり、現在の日本市場ではハイブリッドワークが主流のワークモデルとなっています※4

2-4. オフィスファースト

オフィスファーストとは、出社を原則としつつ、特定の事情(育児・介護・体調不良等)に応じて限定的にリモートワークを許可するモデルです。コロナ禍以前の日本企業で多く見られた運用形態で、リモートワークを「例外的な対応」として位置づけている点が特徴です。求人票で「リモートワーク制度あり」と表記されていても、実際には申請ベースで月数回までの利用にとどまる、というケースがこれに該当します。

2-5. フル出社

フル出社とは、リモートワーク制度を設けず、原則として週5日のオフィス勤務を求めるモデルです。総務省「令和6年通信利用動向調査」(2025年5月公表)では、テレワークを導入していない企業の割合が約5割(テレワーク導入企業47.3%の裏側)となっており、業種や企業規模により未導入の比率には差があります※5。製造業の現場、医療・介護、対面接客の業種では、業務特性からフル出社が継続される傾向が見られます。

3. 個人のワーカータイプ7分類|在宅・モバイル・サテライト・ハイブリッド・ワーケーター・ノマド・二拠点

ワーカータイプとは、個人がどのような場所・スタイルで実際に業務に従事しているかを表す分類です。同じ「フルリモート」のワークモデルで働いていても、自宅にこもる人もいれば、世界を移動する人もいます。逆に、同じ「ハイブリッド」のワークモデルでも、平日は自宅とオフィスを往復する人もいれば、週末を地方拠点で過ごす人もいます。ワーカータイプの分類軸は、勤務場所の固定性・流動性、滞在期間、目的の組み合わせで決まります。

表3:個人のワーカータイプ7分類

ワーカータイプ別称・英語表記主な勤務場所勤務場所の固定性該当する国の分類※1
在宅ワーカーWFH(Work From Home)自宅高い(自宅固定)在宅勤務
モバイルワーカーモバイルワーク移動中・外出先・カフェ等低い(業務都度移動)モバイル勤務
サテライトワーカーサテライトオフィス勤務者本拠地以外の専用拠点中程度(特定拠点)サテライトオフィス勤務
ハイブリッドワーカーハイブリッド勤務者自宅とオフィスの併用中程度(週単位で固定)在宅勤務+オフィス勤務
ワーケーターワーケーション実践者観光地・リゾート地・温泉地低い(短期滞在)テレワーク一形態※6
ノマドワーカーデジタルノマド国内外を流動的に移動極めて低い(拠点なし)雇用型または自営型テレワーク
二拠点ワーカーデュアルライフ・二拠点居住都市部と地方の2拠点中程度(2拠点固定)在宅勤務+遠隔地居住

3-1. 在宅ワーカー(WFH:Work From Home)

在宅ワーカーとは、勤務先から離れ、自宅を主な業務場所として勤務する働き手を指します※1。リモートワーカーのなかで最も普及した形態で、総務省の2023年公表データではテレワーク導入企業のうち在宅勤務の導入比率が91.3%となっています※7。海外では「WFH(Work From Home)」と表記され、コロナ禍以降にグローバルな共通語として定着しました。通勤時間の削減と居住地の柔軟性が最大のメリットです。一方で、自宅の通信環境や仕事専用スペースの確保、家族との時間と業務時間の区切り方など、業務環境を自前で整える必要が生じます。

3-2. モバイルワーカー

モバイルワーカーとは、ノートパソコンやタブレット等のモバイル端末を用いて、移動中や外出先で業務に従事する働き手を指します※1。営業職や、取引先訪問の多い職種で活用される形態です。総務省データではテレワーク導入企業のうちモバイル勤務の導入比率は27.0%で、在宅勤務に次ぐ第2位の普及率となっています※7。後述するノマドワーカーとの違いは、移動範囲が「日常的な業務エリア内」に収まる点と、自宅やオフィスという固定拠点を保持する点です。

3-3. サテライトワーカー

サテライトワーカーとは、本社や所属事業所以外に設けられた専用拠点(サテライトオフィス)で勤務する働き手を指します※1。サテライトオフィスは大きく分けて、自社専用に開設する「専用型」と、他社と共用する「共用型」の2種類があり、共用型にはコワーキングスペースやレンタルオフィスが含まれます。地方都市にサテライトオフィスを設ける企業も増えており、本社が首都圏にあっても地方在住のままサテライトワーカーとして勤務できる選択肢が広がりつつあります。総務省データでは、テレワーク導入企業のうちサテライトオフィス勤務の導入比率は12.9%となっています※7

3-4. ハイブリッドワーカー

ハイブリッドワーカーとは、自宅とオフィスを組み合わせて週単位で業務場所を切り替える働き手を指します。週何日を出社にあてるかは所属企業の制度により異なり、「週2〜3日出社」「特定の曜日に出社(アンカーデイ)」「コアタイムのみ出社」など、運用パターンは多様です。テレリモ総研の「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)では、ハイブリッド勤務者433名・フルリモート勤務者166名・フル出社406名の3区分で就業者の分布が分析されており、ハイブリッドが構成比43.1%と最大層となっています※8。日本のリモートワーカーの多数派は、現在このハイブリッドワーカーに該当しています。

3-5. ワーケーター

ワーケーターとは、観光地・リゾート地・温泉地などで休暇を兼ねて勤務する働き手を指します。観光庁は、ワーケーションを「Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、リゾート地や温泉地、国立公園等、普段の職場とは異なる場所で余暇を楽しみつつ仕事を行うこと」と定義しています※6。2021年3月改定の厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」でも、ワーケーションをテレワークの一形態として位置づけることが示されました※9。一定期間滞在しながら業務に従事する形態のため、企業が「滞在費の負担」「休暇日と業務日の区別」「労災適用範囲」等の運用ルールを制度として整備しているかが、利用可否を分ける要素となります。

3-6. ノマドワーカー(デジタルノマド)

ノマドワーカーとは、固定的な拠点を持たず、Wi-Fi環境のあるカフェ・コワーキングスペース・国内外の都市等を転々としながら業務に従事する働き手を指します。海外では「デジタルノマド(Digital Nomad)」と呼ばれることが一般的です。日本政府は、訪日外国人旅行者の増加政策の一環として、デジタルノマド向けの査証(ビザ)の発給を2024年に開始しており、観光庁は「地域におけるデジタルノマドの誘客に向けたモデル実証事業」のモデル地域公募を進めています※10。モバイルワーカーとの違いは、移動範囲が国内外に及び、拠点が極めて流動的である点です。ワーケーターとの違いは、「休暇との組み合わせ」ではなく「ライフスタイルとしての移動」が前提となっている点にあります。

3-7. 二拠点ワーカー(デュアルライフ)

二拠点ワーカーとは、都市部と地方など2つの拠点を行き来しながら勤務する働き手を指します。「デュアルライフ」「二地域居住」とも呼ばれる働き方です。平日は都市部の自宅、週末は地方の拠点で過ごすパターンや、月の半分ずつを別々の拠点で過ごすパターンなど、運用は人により異なります。テレリモ総研の「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)では、地方移住への関心と並んで、二拠点居住を視野に入れる層が一定数存在する状況が示されています※8。完全な移住よりも段階的に地方との関わりを増やしたい層に支持されるスタイルです。

4. ワークモデルとワーカータイプの対応関係|国の公式定義との位置づけ

ここまで企業側のワークモデル5型と個人側のワーカータイプ7型を整理してきましたが、両者は独立しているわけではなく、現実には特定の組み合わせで運用されています。以下の表は、ワークモデルとワーカータイプの代表的な組み合わせと、厚生労働省・総務省・観光庁の公式定義との対応を示したものです。

表4:ワークモデル × ワーカータイプ × 国の公式定義 対応関係

ワークモデル典型的なワーカータイプ国の公式分類※1
フルリモート在宅ワーカー/ノマドワーカー/ワーケーター/二拠点ワーカー在宅勤務/モバイル勤務
リモートファースト在宅ワーカー/サテライトワーカー/ハイブリッドワーカー在宅勤務/サテライトオフィス勤務
ハイブリッドハイブリッドワーカー/モバイルワーカー在宅勤務+オフィス勤務/モバイル勤務
オフィスファースト在宅ワーカー(例外的)/モバイルワーカー在宅勤務(限定的)/モバイル勤務
フル出社該当なし該当なし

この対応表から読み取れるのは、「フルリモート」というワークモデルが、ワーカータイプとしては最も多様な実践を生み出す点です。同じ「フルリモート可」の求人でも、自宅にこもる在宅ワーカーとして働くか、国内外を移動するノマドワーカーとして働くかは、本人の選択次第となります。一方、「フル出社」のワークモデルでは、いずれのリモートワーカータイプにも該当しなくなります。

国の公式定義との関係でいえば、厚生労働省と総務省が示す「在宅勤務」「モバイル勤務」「サテライトオフィス勤務」の3形態は、いずれもワーカータイプの分類軸とおおむね対応しています※1。観光庁が定義する「ワーケーション」は、これに第4の形態として加わる位置づけです※6。ノマドワーカーと二拠点ワーカーは、複数の国の公式分類にまたがる存在として捉えるのが実態に近い整理です。

5. 日本のリモートワーク実態|公式データで見る種類別の普及状況

リモートワークの種類を専門用語で整理したうえで、次に把握しておきたいのが日本における普及の現状です。総務省・国土交通省・観光庁の公式データから見ていきます。

5-1. テレワーク導入企業の割合は47.3%

総務省「令和6年通信利用動向調査」(2025年5月公表)によれば、テレワークを導入している企業の割合は47.3%でした※5。2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大以降に普及が進み、2021年には51.9%まで上昇しましたが、2022年以降は減少傾向が続いています※11。導入目的としては、「新型コロナウイルス感染症への対応」が前年より減少した一方で、「勤務者のワークライフバランスの向上」「業務の効率性(生産性)の向上」が増加しているという質的な変化も示されています※5

5-2. 雇用型テレワーカーの割合は24.6%(2024年)

働く個人側のデータでは、国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」(2025年3月公表)で、雇用型就業者のうち、勤務先に「テレワーク制度等が導入されている」就業者の割合は33.1%と報告されています※4。同調査では、雇用型就業者のテレワーカーの割合(雇用型就業者のうち直近1年間にテレワークを実施した人の割合)が、2024年に約24.6%となっています※4。コロナ禍の最大値(2021年27.0%)からは緩やかな減少傾向にあるものの、コロナ前の水準より高い位置で定着しつつある状況が読み取れます※4

5-3. ハイブリッドワーカーが主流、首都圏で3割超

国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」では、コロナ禍を経て「週1〜4日テレワーク(出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワーク)」が定着傾向にあるとされ、勤務地域別では首都圏で雇用型テレワーカーの割合が3割を超える水準で推移しています※4。テレリモ総研の「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)でも、就業者の3区分のなかでハイブリッド勤務者が433名(構成比43.1%)と最多層となっており、ハイブリッドワーカーが現在の日本市場の主流であることがデータからも裏付けられています※8

5-4. 業種別の差|情報通信業が突出、運輸・サービス業は低水準

業種別では、総務省「通信利用動向調査」の集計で、情報通信業のテレワーク導入率が他業種と比べて最も高く、金融・保険業、不動産業、製造業がこれに続くことが示されています※7。一方、運輸・郵便業、宿泊業・飲食サービス業、サービス業全般は導入率が相対的に低い水準にとどまっています※7。同じ「リモートワーク可」の求人でも、業種や企業規模、地域によって実態が異なる点が、国の調査データから読み取れます。

5-5. デジタルノマド誘致政策の進展

日本政府は2024年から、デジタルノマド向けの査証(特定活動ビザ)の発給を開始しました※10。観光庁は「地域におけるデジタルノマドの誘客に向けたモデル実証事業」を進めており、東京一極集中を避けて地方部にも分散誘致する方針を打ち出しています※10。インバウンド観光と地域振興を結びつける施策として、ノマドワーカーの存在感は政策的にも高まっています。

6. 自分に合うリモートワークの種類を選ぶ4つの判断軸

ここまで、リモートワークの種類を専門用語で体系化し、日本の実態を確認してきました。最後に、転職検討時にどの種類を志向するかを決めるための判断軸を4つ提示します。

6-1. 判断軸1|どの「ワークモデル」を求めるか(企業側の制度)

最初に決めたいのは、企業のワークモデルです。フルリモート、リモートファースト、ハイブリッド、オフィスファースト、フル出社のうち、どの濃度まで許容できるかを明確にしておくと、求人票の絞り込みが効率化されます。「リモートワーク可」とだけ書かれた求人でも、実態がオフィスファースト寄りであれば、希望と乖離する可能性があるため、面接時に「現状の出社頻度の中央値」「制度上の上限」「運用ルール変更の可能性」を確認することが有効です。

6-2. 判断軸2|どの「ワーカータイプ」で働きたいか(個人側のスタイル)

次に、自分が実際にどのワーカータイプとして働きたいかを決めます。在宅ワーカーとして自宅環境を整えるのか、ハイブリッドワーカーとして週の半分はオフィスで仲間と過ごすのか、ノマドワーカーとして国内外を移動するのか。ワーカータイプの選択は、ライフスタイル全体に影響を及ぼすため、家族構成・住環境・趣味・将来のキャリア設計とも照らし合わせて検討する必要があります。

6-3. 判断軸3|居住地の自由度をどこまで求めるか

居住地の自由度は、リモートワークを選ぶ大きな動機の1つです。地方移住や家族との同居を実現したい場合は、フルリモートまたはリモートファーストのワークモデルが候補となります。テレリモ総研の「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年)では、フルリモート勤務166名・ハイブリッド勤務433名・フル出社406名の比較から、地方移住への不安要素として「収入減」「キャリアアップの停滞」「孤独感」といった項目が出社形態別で異なる現れ方をすることが示されています※8。居住地の自由度を重視する場合は、ワークモデルとワーカータイプを「フルリモート × 二拠点ワーカー」「リモートファースト × 在宅ワーカー」のように組み合わせて検討するのが現実的です。

6-4. 判断軸4|業務特性は成果物完結型か

職種特性も、リモートワークの種類選びに影響します。エンジニア、デザイナー、ライター、データアナリストなど、成果物がオンラインで完結する職種はフルリモート・リモートファーストのワークモデルと相性が良く、ノマドワーカー・ワーケーターとしての実践も成立しやすい領域です。一方、顧客との対面が必須の営業、現場での操作が必要な技術職、対人サポート業務などは、ハイブリッドまたはオフィスファーストのワークモデルと、ハイブリッドワーカーまたはモバイルワーカーのワーカータイプが現実的な組み合わせとなります。

7. まとめ|リモートワークの種類を専門用語で読み解き、求人選びの精度を上げる

この記事のまとめ

リモートワークの種類は、企業側の「ワークモデル」と個人側の「ワーカータイプ」の2レイヤーで体系的に理解できます。本稿で整理した分類軸は次のとおりです。

  • 第1階層(就業形態):雇用型テレワーク/自営型テレワーク
  • 第2階層(ワークモデル):フルリモート/リモートファースト/ハイブリッド/オフィスファースト/フル出社
  • 第3階層(ワーカータイプ):在宅ワーカー/モバイルワーカー/サテライトワーカー/ハイブリッドワーカー/ワーケーター/ノマドワーカー/二拠点ワーカー

転職検討時には、求人票の「リモートワーク可」「フルリモート」「在宅OK」といった表記が、どのワークモデルを意図しているのかを面談時の具体的な質問で確認することが重要です。さらに、自分が志向するワーカータイプが、その企業の制度・文化のなかで実際に成立するかを照らし合わせると、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。重要なのは、「どのワークモデルでどのワーカータイプとして働きたいか」を専門用語レベルで言語化し、求人選びと面談での質問に落とし込むことです。

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Relasic(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。100%リモート対応の求人として、フルリモート1,428件を含む公開求人3,790件を取り扱っています。本記事で整理した「フルリモート」「リモートファースト」「ハイブリッド」など、希望するワークモデルから求人を絞り込むことが可能です。求人票の表記だけでは見えにくい、出社頻度や対面イベントの運用実態、ワーカータイプとの相性についても、転職支援の過程で確認しながら検討を進められます。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省「テレワーク総合ポータルサイト」テレワークの定義および雇用型テレワークの3形態(在宅勤務・モバイル勤務・サテライトオフィス勤務)
*2 米ギャラップ社「労働者調査」完全リモート・ハイブリッド・完全オフィスの3区分(編集部による業界資料の整理に基づく)
*3 「リモートファースト」の定義(業界標準的な解説に基づく整理)
*4 国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」(2025年3月公表)
*5 総務省「令和6年通信利用動向調査」テレワーク導入企業の割合47.3%(2025年5月30日公表)
*6 観光庁「『新たな旅のスタイル』ワーケーション&ブレジャー」ワーケーションの定義
*7 総務省「令和4年通信利用動向調査」テレワーク導入企業における形態別導入率(2023年5月公表)
*8 テレリモ総研「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」(2026年4月公表)
*9 厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(2021年3月改定)
*10 観光庁「地域におけるデジタルノマドの誘客に向けたモデル実証事業」
*11 総務省「令和7年版 情報通信白書」テレワーク導入率の推移

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