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失業給付の受給額・期間・手続きを完全解説

失業給付の受給額・期間・手続きを2025年改正後の最新ルールで解説するイメージ図

「失業給付って、結局いくらもらえるんですか?」——退職を考え始めた方から、いちばん多く聞かれる質問です。次の会社が決まる前に辞めて大丈夫なのか。もらえる金額で何カ月暮らせるのか。実はその不安、2025年の制度改正で景色が変わりました。受給開始は早くなり、教育訓練を絡めれば「待たずに」受け取れる道も開かれています。失業給付とは何か。最新の数字で、丁寧に整理します。

この記事のポイント

  • 失業給付(雇用保険の基本手当)の正式名称、受給条件、もらえる仕組みを公的データで整理します
  • 2025年4月施行の給付制限短縮、2025年8月1日改定の基本手当日額、月収別シミュレーション、FAQまで最新ルールに完全対応しています
  • 受給期間を「次の働き方を再設計する時間」として活かす方法と、リモートワーク対応の正社員転職という選択肢を示します
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1. 失業給付とは|結論からわかる雇用保険の基本

失業給付とは、雇用保険の被保険者が離職し、働く意思と能力があるのに就職できない状態のときに、生活の安定と再就職活動を支えるために支給される給付の総称です。一般的に「失業手当」「失業保険」と呼ばれるものの正式名称は雇用保険の「基本手当」で、ハローワークで受給手続きをおこないます*1。受給には離職前の被保険者期間や離職理由などの要件があり、支給額と日数は年齢・賃金・退職理由で決まります。

失業給付(基本手当)は、ハローワークに求職の申し込みをした日から7日間の待期期間を経て支給が始まります。会社都合での離職はそのまま支給対象期間に入り、自己都合での離職は2025年4月1日以降、原則1カ月の給付制限期間(従来2カ月から短縮)を経てから支給されます*2。1日あたりの支給額(基本手当日額)の上限は、令和7年8月1日改定で29歳以下7,255円・30〜44歳8,055円・45〜59歳8,870円・60〜64歳7,623円となっています*3。所定給付日数は90日から最長330日です。受給期間中は4週間に1度の失業認定で求職活動の継続が必要です。

1-1. 呼び方の違いと「失業の状態」の定義

検索すると複数の呼び方が出てくるため混乱しやすい用語ですが、いずれも同じ給付を指しています*1

呼び方位置づけ主な使われ方
基本手当雇用保険法上の正式名称厚生労働省、ハローワークの公式書類
失業給付失業等給付の総称的な呼び方制度説明、報道、一般向け解説
失業保険俗称(旧失業保険法の名残)日常会話、ニュース
失業手当俗称日常会話、求職者向け解説記事

厚生労働省・ハローワークの定義では、失業の状態とは「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない状態」を指します*1。退職後すぐに次の会社に就職する予定がある、家業や家事に専念し就職する意思がない、病気・ケガ・妊娠などですぐに就職できない、会社の役員に就任している・自営業を開始した、学業に専念するといった場合は失業の状態とみなされず、基本手当の受給対象から外れます。ただし、病気や妊娠などでただちに就職できない場合でも、受給期間の延長を申請すれば、働ける状態が整ったあとで受給できる仕組みがあります*1

1-2. 受給するための2つの条件

基本手当を受給するには、原則として「失業の状態」であることと、離職前の一定期間に雇用保険の被保険者期間があることの2つを満たす必要があります。具体的には、離職日以前2年間に被保険者期間が通算12カ月以上必要となります。倒産・解雇など会社都合での離職(特定受給資格者)や、雇い止め・正当な理由のある自己都合での離職(特定理由離職者)の場合は、離職日以前1年間に通算6カ月以上で受給資格が得られます*4

2. 失業給付はいくらもらえる?月収別シミュレーション

失業給付の受給額シミュレーションと計算方法を示すイメージ図

基本手当の受給総額は、シンプルな掛け算で求められます。受給総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数。この2つの数字が、年齢・賃金・離職理由でどう変わるのかを順に整理します。

2-1. 基本手当日額の計算式と上限額

1日あたりの支給額は次の手順で算出されます*3。まず、離職直前6カ月間に毎月決まって支払われた賃金(賞与は除く)の合計を180で割って賃金日額を算出します。次に、賃金が低い人ほど給付率が高くなる仕組みで、給付率50〜80%(60〜64歳は45〜80%)を掛けます。最後に、年齢ごとの上限額と全年齢共通の下限額で調整します。

離職時の年齢賃金日額の上限額(円)基本手当日額の上限額(円)
29歳以下14,5107,255
30〜44歳16,1108,055
45〜59歳17,7408,870
60〜64歳16,9407,623
基本手当日額の下限額(全年齢共通)2,411
月収(額面)賃金日額(概算)30歳の基本手当日額45歳の基本手当日額90日分の総額目安(30歳)
20万円約6,667円約5,033円約5,033円約45.3万円
25万円約8,333円約5,830円約5,830円約52.5万円
30万円約10,000円約6,191円約6,191円約55.7万円
35万円約11,667円約6,734円約6,734円約60.6万円
40万円約13,333円約7,179円約7,179円約64.6万円
50万円以上上限超過7,255円(上限)8,870円(上限)65.3万円(上限)

2-2. 所定給付日数

受給できる日数は、退職理由・被保険者期間・離職時の年齢の3要素で決まります*5。自己都合退職の場合は被保険者期間に応じて90日・120日・150日のいずれかです。

被保険者期間所定給付日数(自己都合)
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

会社都合・雇い止めなど本人に責任のない離職では、自己都合退職より給付日数が長く設定されています。45歳以上59歳以下で勤続20年以上のケースでは最長330日の支給期間があります*5

被保険者期間30歳未満30〜34歳35〜44歳45〜59歳60〜64歳
1年未満90日90日90日90日90日
1〜5年未満90日120日150日180日150日
5〜10年未満120日180日180日240日180日
10〜20年未満180日210日240日270日210日
20年以上240日270日330日240日

注意したいのは、受給期間は原則として離職日の翌日から1年間という点です。手続きが遅れて受給期間を過ぎてしまうと、給付日数が残っていても支給は打ち切られます*5。退職後、できるだけ早くハローワークに行くことが、結果として総額の最大化につながります。

3. 失業給付はいつからもらえる?2025年改正で変わった支給開始タイミング

給付制限が2カ月から1カ月へ短縮

2025年4月1日以降に離職した自己都合退職者は、7日間の待期期間に続く給付制限期間が原則2カ月から1カ月に短縮されました*2。ただし、過去5年間に自己都合での離職で2回以上失業給付を受給している方や、自身の重大な落ち度で解雇された方(重責解雇)は、引き続き給付制限期間が3カ月となります*2

教育訓練の受講で給付制限が「解除」

2025年4月1日以降、離職日前1年以内に対象の教育訓練を受講・修了している、または離職後に対象の教育訓練を受講している場合、自己都合退職者でも給付制限が適用されず、待期期間の7日が明けたあとすぐに基本手当が支給されます*6。「次のキャリアに向けて学び直したい」という前向きな転職活動を、国が制度面で後押しするかたちに変わりました。

条件改正前(〜2025年3月31日)改正後(2025年4月1日〜)
一般的な自己都合退職待期7日+給付制限2カ月待期7日+給付制限1カ月
過去5年で2回以上の自己都合離職待期7日+給付制限3カ月待期7日+給付制限3カ月(変更なし)
教育訓練を受講した自己都合退職給付制限あり待期7日のみ(給付制限なし)
会社都合・特定理由離職者待期7日のみ待期7日のみ(変更なし)
退職パターン給付制限初回振込までの目安
会社都合退職・特定理由離職者なし約4週間後
自己都合退職(教育訓練受講あり)解除約4週間後
自己都合退職(2025年4月以降の一般)1カ月約2カ月後
過去5年で2回以上の自己都合・重責解雇3カ月約4カ月後

所定給付日数を残して早期に再就職した場合、再就職手当を受給できます。残日数が所定給付日数の3分の2以上であれば残日数分の70%、3分の1以上3分の2未満であれば60%が一時金として支給されます*7。「早く決めることで一時金が増える」という設計です。

4. 失業給付の手続きの流れ|申請から受給までの5ステップ

ステップ1:離職票の受け取り

退職後、勤務先から「雇用保険被保険者離職票-1」「離職票-2」が郵送されます。一般的に退職から10〜14日以内に届きます。届かない場合は、まず勤務先に確認してください。

ステップ2:ハローワークで求職申込み・受給資格決定

住所を管轄するハローワークに出向き、離職票・マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)・本人名義の預金通帳などを持参して求職申込みをおこないます。必要書類が揃った日が受給資格決定日となり、ここから7日間が待期期間に入ります。

ステップ3:雇用保険受給者初回説明会への参加

受給資格決定日から約2〜3週間後に、雇用保険の受給に関する説明会が開催されます。ここで「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」が交付され、初回失業認定日も案内されます。

ステップ4:4週間ごとの失業認定

原則4週間に1度、ハローワークで失業認定を受けます。失業認定申告書に求職活動の実績を記入して提出し、就職活動の意思と能力が確認されると、認定された期間分の基本手当が約1週間後に指定口座へ振り込まれます。

ステップ5:所定給付日数の終了または再就職

所定給付日数まで受給を続けるか、途中で再就職が決まれば再就職手当を申請します。受給期間内(離職翌日から原則1年間)であれば、給付残日数があるかぎり受給を続けられます*5

5. 失業給付がもらえない人・気をつけたいデメリット

失業給付がもらえないケース

離職前2年間の被保険者期間が12カ月未満(会社都合・特定理由離職者の場合は1年間に6カ月未満)、退職後すぐに次の会社に就職する、家業や家事に専念する予定がある、病気・ケガ・妊娠などで当面働けない(受給期間の延長申請は可能)、役員に就任している・個人事業主として開業届を出した、学業に専念する予定がある(夜間部・通信制を除く)などの場合は受給対象から外れます*1

失業給付を受けるデメリット・注意点

  • 被保険者期間がリセットされる:一度基本手当を受給すると、それまでの雇用保険加入期間はリセットされます
  • 失業期間の長期化リスク:求職活動が停滞すると再就職のハードルが高くなる傾向があります。失業期間の長期化は面接で説明を求められるポイントになりやすく、計画的な活動が重要です
  • 手続きの煩雑さ:4週間に1度のハローワーク訪問、求職活動実績の記録、認定申告書の提出など、定期的な事務作業が発生します
  • 不正受給のリスク:アルバイトや内職の収入を申告しない、求職活動実績を虚偽記載するなどは不正受給に該当し、発覚すると受給額の3倍相当の納付命令が出されるケースがあります*8

6. 受給期間を「次の働き方を設計する時間」にする

失業給付の所定給付日数の90日から最長330日という期間は、ただ生活費をしのぐ時間ではありません。次のキャリアの軸を再設計するための貴重な「考える時間」です。

転職時に検討すべき軸は次の3つに集約できます。1つ目は働き方の柔軟性(通勤の有無、リモート対応の度合い、勤務時間の自由度)。2つ目はキャリアの方向性(今のスキルを伸ばすのか、新しい領域に踏み出すのか)。3つ目は生活との調和(家族時間、健康管理、住む場所の自由度)です。

テレリモ総研「テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査 2026年2月版」(有効回答数1,005名)では、リモートワーク経験者が「リモート可能な働き方を維持できるかどうか」を転職の重要な判断軸として挙げる傾向が示されています*9。また、テレリモ総研「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年11月実施、有効回答数1,009名)では、職場の人間関係における不調の種として「必要なコミュニケーションが取りづらく孤立感を感じる」を挙げた人が22.2%でトップとなりました*10。出社が孤立感を解消するわけではないというデータは、転職時に「働き方をどう設計するか」を考えるうえで一つの材料になります。

7. 受給中の転職活動とリモートワーク対応の正社員求人

失業給付を受給しているあいだ、転職活動は当然に進められます。むしろ「求職活動の実績」がなければ、4週間に1度の失業認定で給付を受け続けることができません*1。ハローワークでの職業相談・職業紹介の受講、許可・届出のある民間職業紹介事業者の紹介・相談、求人への応募(書類選考・面接)、ハローワークが実施する各種講習・セミナーへの参加、再就職に役立つ資格試験の受験などが実績として認められます。

状況失業給付の扱い動き方の例
退職前から内定獲得済み受給対象外(失業状態ではない)そのまま入社。再就職活動は不要
退職後、すぐ転職活動を開始受給しながら活動可能給付制限期間中も求職活動を進め、早期決定で再就職手当を狙う
退職後、学び直し(リスキリング)と並行教育訓練受講で給付制限なし受給しながら新スキルを習得し、転職市場での価値を高める
体調・家族都合などで休養が必要受給期間延長の手続きで対応働ける状態になってから受給開始。延長申請は早めに

総務省「令和6年通信利用動向調査」では企業のテレワーク導入率は依然として高水準を維持しており、業種・職種を選べばリモート対応の求人は確保されている市場です*11。ただし、リモート対応の求人は「フルリモート」「ハイブリッド」「リモート可(条件付き)」など定義が企業ごとに異なります。リモートワーク対応に特化した転職支援を利用すれば、リモートの実態(出社頻度、リモート開始のタイミング、適用される職種範囲)を含めて求人情報を把握できる可能性が高まります。

8. 失業給付に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 失業給付の受給中にアルバイトはできますか?

原則として可能ですが、条件があります。週20時間未満かつ31日未満の雇用契約であれば、失業状態とみなされる範囲内です。ただし、勤務した日は失業認定申告書に必ず申告する必要があり、収入額に応じて基本手当が減額または不支給となる場合があります。週20時間以上の勤務や1カ月を超える雇用契約は「就職」とみなされ、失業給付の対象から外れます*1

Q2. 自己都合退職でも、すぐに失業給付を受け取る方法はありますか?

2025年4月1日以降は、離職前1年以内に対象の教育訓練を受講・修了している、または離職後に対象の教育訓練を受講している場合、給付制限が解除され待期7日のみで受給開始できます*6。また、雇い止め・病気・家族の介護・結婚に伴う転居などの正当な理由がある自己都合退職は「特定理由離職者」と認定される可能性があり、その場合も給付制限がありません*4

Q3. 失業給付は何カ月もらえますか?

所定給付日数は最短90日(約3カ月)から最長330日(約11カ月)です。自己都合退職の場合は被保険者期間に応じて90日・120日・150日のいずれか。会社都合・雇い止めの場合は年齢と被保険者期間の組み合わせで90〜330日となります*5

Q4. 失業給付に税金はかかりますか?

かかりません。雇用保険の基本手当は非課税です*1。所得税・住民税の対象にならず、確定申告での申告も不要です。ただし、健康保険の扶養や国民年金の第3号被保険者の判定では、収入として扱われる場合があるため確認が必要です。

Q5. 退職後すぐに転職先が決まっている場合は受給できますか?

できません。失業給付は「働く意思と能力があるが、就職できない状態」に対する給付です。退職後すぐに次の会社に入社する場合は失業状態に該当せず、受給対象から外れます*1

Q6. 離職票が会社から届かないときはどうすればいいですか?

まず勤務先に発行を依頼してください。一般的に退職から10〜14日程度で交付されます。それでも発行されない場合は、住所を管轄するハローワークに相談すると、ハローワークから会社に確認や指導が入ります*1

Q7. 失業給付の受給中に引っ越したらどうなりますか?

住所変更後の管轄ハローワークで手続きを継続できます。引っ越し後、速やかに新住所を管轄するハローワークに出向き、住所変更の手続きをおこなってください。受給資格は引き継がれるため、給付が打ち切られることはありません*1

9. まとめ|給付制限は1カ月へ短縮、最長330日まで受給できる

この記事のまとめ

  • 失業給付(基本手当)は、雇用保険の被保険者が離職した際に、再就職までの生活と求職活動を支える公的制度です
  • 受給額は「基本手当日額 × 所定給付日数」で決まり、年齢・賃金・離職理由で大きく変わります。令和7年8月1日改定で上限額が改定されました
  • 2025年4月1日改正により、自己都合退職の給付制限が2カ月から1カ月に短縮されました。教育訓練を受講すれば給付制限が解除され、待期7日のみで受給開始できます
  • 所定給付日数は90日から最長330日。受給期間は離職翌日から原則1年間という上限があるため、早めの手続きが重要です
  • 受給期間は「働き方を再設計する時間」でもあります。リモートワーク対応など、次の職場選びの軸を整理しながら求職活動を進めるのが有効です

制度を正しく理解したら、次は具体的な求人を見る段階です。失業給付の受給期間を、ただの「待ち時間」ではなく「次の働き方を選び直す時間」として使っていただければと思います。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省「基本手当について」・ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
*2 厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」
*3 厚生労働省「令和7年8月1日からの基本手当日額等の適用について」
*4 厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
*5 ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
*6 厚生労働省「教育訓練等を受けた場合、給付制限が解除されます(令和7年4月1日施行)」
*7 ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」
*8 大阪労働局「雇用保険の不正受給について」
*9 テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)「テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の実態調査 2026年2月版」(2026年2月公表)
*10 テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)「職場での不調要因と価値観の変化に関する調査」(2025年11月実施)
*11 総務省「令和6年通信利用動向調査」

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