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技術で引っ張るか、人を動かすか|テックリードとEMの違いをAI時代の転職市場から完全解説【2026年版】

テックリードとEMの違い・AI時代の役割と年収を示すイメージ

コードを書く力だけで転職が決まる時代が、変わりつつあります。

リモートワーク対応の転職を専門とするエージェントとして実感していることですが、2024年後半からテックリードとEM(エンジニアリングマネージャー)ポジションへの転職相談と内定承諾が増えています。AIがコーディングを補助するようになった今、企業が探しているのは「技術の方向性を決められるエンジニア」と「チームを動かせるエンジニア」です。

技術志向かマネジメント志向か、2026年のキャリア選択に向けて、テックリードとEMの違いを整理します。

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この記事のポイント

  • テックリードは「システムと技術品質への責任」、EMは「人と組織への責任」という焦点の違いがあります
  • AIがコーディングを担う時代、上流工程を担うテックリードとEMの転職市場価値が高まっています
  • テックリード・EMともにリモートワーク対応求人が広がり、居住地を問わない転職が現実の選択肢になっています

1. テックリードとEMの違いを一言で言うと

テックリードとEMの役割の違いを示す概念図

テックリードとEM(エンジニアリングマネージャー)の違いは、責任の置き場所にあります。テックリードは「システムと技術品質に対して責任を持ち、技術的意思決定をリードするエンジニア職」です。EMは「チームメンバーの採用・評価・育成など、人と組織の運営に責任を持つマネジメント職」です。2026年時点の転職市場では、テックリードの年収相場はおおむね中央値1,050万円前後、EMは中央値1,350万円(レンジ1,200万〜1,550万円)とされており、いずれも高い市場価値があります。*1

比較項目テックリードEM(エンジニアリングマネージャー)
主な責任対象システム・コードの品質チームメンバー・組織の運営
意思決定の中心技術選定・アーキテクチャ設計採用・評価・チームビルディング
コーディングへの関与自らも実装に携わる企業によって異なる(不要なケースも多い)
思考軸WHAT(何を作るか)・HOW(どう作るか)WHO(誰がやるか)・WHERE(どこで進めるか)
1on1の目的技術的な相談・課題解決キャリア・モチベーション・成長支援
採用活動への関与一般的には限定的中心的な役割を担う
年収中央値の目安(2026年)約1,050万円*21,350万円(1,200万〜1,550万円)*3

最大の違いは責任対象です。テックリードがシステムの品質と技術判断に軸足を置くのに対し、EMはメンバーの採用・育成・評価という「人」の側面に責任を持ちます。思考軸も、テックリードが「何を、どのように作るか」を問うのに対し、EMは「誰が、どこで取り組むか」を問う傾向があります。年収はいずれも高水準ですが、EMは職種としての歴史が浅く、経験者の供給が限られるため、転職市場では希少性が相対的に高いとされています。

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2. テックリードの役割と仕事内容

テックリードはエンジニアチームの「技術責任者」です。プロジェクトのアーキテクチャ設計から日々のコードレビュー、メンバーへの技術的なサポートまで、チームが高い品質で開発を進められるよう技術面から支えます。AIコーディングツール(GitHub CopilotやCursorなど)が普及した2026年においても、テックリードが担う「何をどう設計するか」という判断は、AIに置き換わりにくい領域です。

2-1. アーキテクチャ設計と技術選定

プロジェクトの技術基盤となるアーキテクチャ設計と、使用する技術スタックの選定はテックリードの中心的な仕事です。フレームワークの選定、データベース設計の方針、マイクロサービス化の判断など、技術的な意思決定をリードします。設計の根拠をチームに伝え、技術的なコンセンサスを形成できる力が求められます。

2-2. コードレビューと品質管理

設計の方向性が正しいか、保守しやすいコードになっているか、テスト戦略が適切かを、コードレビューを通じて継続的に確認します。品質管理全般にわたって、テックリードが技術的な責任を担います。

2-3. チームへの技術的メンタリング

技術的な判断に迷うメンバーへの指導、勉強会の開催、実装支援など、チーム全体の技術力を引き上げる役割も担います。他チームや他部署との技術面の窓口を担うケースも多くあります。

業務カテゴリ具体的な仕事内容
技術設計アーキテクチャ設計、技術スタック選定、設計レビュー
コード品質管理コードレビュー、コーディング規約の策定・維持、技術的負債の解消
実装核心的な機能の実装、技術検証、AIツールを活用した開発効率化
育成・サポート技術メンタリング、勉強会開催、1on1での技術相談対応
外部連携他チーム・他部署・取引先との技術窓口、仕様の技術的検証
品質管理テスト戦略の策定、リリース判断への関与

テックリードの業務は「設計・判断」「品質維持」「育成・サポート」「外部連携」の4軸に集約できます。特徴的なのは、上位の意思決定者でありながら自らも実装に携わる点です。純粋な管理職とは異なり、コードの品質に対して現場レベルで責任を持ちます。2026年時点では、AIツールの活用能力もテックリードのスキルセットに加わっており、GitHub CopilotやCursorを使った開発プロセス改善の実績が、転職時の差別化ポイントになっています。

3. EM(エンジニアリングマネージャー)の役割と仕事内容

EMはエンジニアチームの「組織責任者」です。メンバーの評価・育成・採用から、チームがパフォーマンスを発揮できる環境づくりまでを担います。エンジニア組織の規模拡大が進む中、プロジェクト全体を管理するPMや製品開発を担うPdMとは別に、エンジニア組織の運営・調整に特化したEMのニーズが高まっています。*4

3-1. ピープルマネジメント

定期的な1on1を通じてメンバーの状況を把握し、課題があれば解決を支援します。半期・年次の評価もEMが担当し、メンバーのキャリアパスを一緒に設計します。チームのエンゲージメントを高め、優秀な人材が長く活躍できる環境をつくることが、EMの本質的な役割です。

3-2. 採用・組織づくり

採用要件の定義、面接参加、オンボーディング設計など、採用の一連のプロセスをリードします。心理的安全性の確保やチームカルチャーの形成など、組織そのものの質を高める取り組みもEMの役割です。

3-3. ビジネスとエンジニアリングの橋渡し

経営層やPMから来るビジネス要件を技術的な観点でレビューし、「実現可能か」「どう優先順位をつけるか」を判断します。チームの技術的な制約をビジネス側に適切に伝え、双方が納得できる合意形成を進める調整役でもあります。

業務カテゴリ具体的な仕事内容
ピープルマネジメント1on1の実施、目標設定・評価、キャリアパス支援
採用採用要件の定義、面接参加、オンボーディング設計
組織開発チームビルディング、心理的安全性の確保、カルチャー形成
技術マネジメント技術方針への関与、技術的負債の優先度判断(テックリードと連携)
ビジネス連携経営層・PM・デザイナーとの連携、ビジネス要件の調整
チーム運営スプリント計画、リソース調整、チームの障害除去

EMの業務の中心は「人」です。1on1や評価、採用といったピープルマネジメントに最も多くの時間を使い、チームが高いパフォーマンスを発揮できる環境整備を最優先に考えます。技術的な判断にも関与しますが、テックリードほど実装の深部には入らないことが多く、テックリードと連携して技術とマネジメントの両輪を回すのが理想的な体制です。「人との関わりにやりがいを感じる」エンジニアに向いているポジションです。

4. テックリードとEMに求められるスキルの違い

テックリードとEMに求められるスキルセットは、役割の焦点を反映して大きく異なります。共通するのは「エンジニアとしての技術的な素養」と「チームを動かすコミュニケーション力」ですが、それぞれが深めるべき方向が異なります。2026年においては、両ポジションともAIツール活用の素養が「共通の基礎スキル」として位置づけられるようになっています。

スキル領域テックリードEM(エンジニアリングマネージャー)
専門技術力・実装力★★★★★ 中核スキル。深い専門性が不可欠★★★☆☆ 現場を理解できる水準は必要
アーキテクチャ設計★★★★★ 技術的意思決定の最上位★★★☆☆ 大局的判断に関与できる水準
AIツール活用・導入★★★★☆ 開発効率化を主導できる水準★★★☆☆ 活用状況を把握・評価できる水準
コードレビュー★★★★★ 日常業務の中心★★☆☆☆ 必須ではないが技術理解は必要
ピープルマネジメント★★☆☆☆ 技術面での指導は行う★★★★★ 最も重要なスキル領域
採用・組織設計★☆☆☆☆ 一般的には関与しない★★★★★ 重要な役割の一つ
ビジネス理解★★★☆☆ 開発要件の技術的理解として必要★★★★☆ 経営・事業目標との連携が必要
多方向コミュニケーション★★★☆☆ 技術的な説明・交渉が中心★★★★★ 経営層〜メンバーまで多層の調整が必要

テックリードは専門技術力・アーキテクチャ・AIツール活用・コードレビューに高い比重がある一方、EMはピープルマネジメント・採用・ビジネス理解・多方向コミュニケーションに強みが求められます。★の少ない領域が「不要」という意味ではなく、相対的な優先度を示したものです。2026年版では両ポジションともAIツール活用スキルが加わっており、特にテックリードはAIを使った開発プロセスの改善・主導が、新たな評価軸になっています。

5. AI時代の転職市場で、テックリードとEMが選ばれる理由

転職エージェントとして現場で感じていることをお伝えします。2024年後半からテックリードとEMポジションへの転職相談が増え、内定承諾率も高い状況が続いています。企業の採用担当者と話していると、技術の方向性を決められるエンジニアや、チームを動かせるエンジニアを求める声が増えていると感じます。その背景にあるのが、AIによるエンジニアリングの仕事の変化です。

5-1. コードを書くことの「役割」が広がった

GitHub CopilotやCursorなどのAIコーディングツールが開発現場で標準化し始めた2025年以降、実装そのもののスピード差は縮まりつつあります。IT技術専門メディアでも2026年1月に、コードを書く行為だけがエンジニアの価値を決めるわけではなくなりつつある、という趣旨の指摘が報じられています。*5

もちろん、確かな実装力は今後も価値の土台であり続けます。そのうえで、「何を作るか」を設計するテックリードの仕事と、「誰が作るか」を整えるEMの仕事は、AIには代替しにくい領域です。アーキテクチャの判断、技術的なトレードオフの意思決定、チームの心理的安全性の確保といった役割は、依然として人間の専門性が必要とされます。

5-2. 転職市場の構造変化:上流スキルへの需要シフト

複数の人材市場レポートによると、AIスキルや上流スキル(設計・判断・マネジメント)を持つエンジニアの年収が上昇する傾向が、2025〜2026年にかけて続いています。*6 コーディングを軸とするスキルセットにも引き続き堅調な需要がありますが、上流の設計・判断・マネジメントを併せ持つ人材ほど、年収レンジの上限が高くなりやすい状況です。

テックリードとEMは、まさにこの「上流スキル」を代表するポジションです。転職活動では、テックリードは「アーキテクチャ設計の経験」「技術選定への関与実績」、EMは「チームビルディングの経験」「採用・評価への関与実績」が具体的に問われます。どちらも「コードが書けること」を前提にしつつ、それに加える付加価値が評価されるポジションです。

5-3. リモートワーク対応のテックリード・EMポジション

かつては「マネジメントはオフィスで」というイメージが強かった両ポジションですが、ビデオ会議ツールや非同期コミュニケーション文化の浸透により、リモートワーク対応の求人が一定数を占めるようになっています。リラシク(株式会社LASSIC運営)が取り扱うリモートワーク対応の正社員求人の中にも、テックリードやEMポジションが含まれています。居住地を理由にポジションの選択を狭める必要はない状況になっています。

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6. キャリアパスと転職市場の実態(2026年版)

6-1. テックリードのキャリアパス

テックリードとして実績を積んだ後は、技術の方向性に応じて2つのルートが開かれます。技術を極める路線では、スタッフエンジニア → プリンシパルエンジニア → VP of Engineering(VPoE)という専門職パスがあります。マネジメント方向への転向では、テックリード → EM → VPoE → CTOへつながるルートも一般的です。*7

テックリードは独立した職種統計が標準化されていないため、年収は関連職に準じて捉えるのが実務的です。Robert Half『2026年版 年収ガイド』では、バックエンドエンジニアやクラウドアーキテクトの年収中央値はおおむね1,050万円、75パーセンタイルは約1,500万円です。*2 外資系テック企業やAI・LLM関連の開発リード、CTO・VPoE級のポジションでは、1,500万円を超える水準も見られます。

6-2. EMのキャリアパス

EMはVPoE(VP of Engineering)やCTO(最高技術責任者)へのキャリアに直結しやすいポジションです。事業拡大フェーズのスタートアップやメガベンチャーではEM経験者の需要が高く、転職市場での希少性が高い職種として扱われています。

EMの年収について、Robert Half『2026年版 年収ガイド』では、25パーセンタイル1,200万円、中央値1,350万円、75パーセンタイル1,550万円とされています。*3 同ガイドではEMの中央値(1,350万円)が、バックエンドエンジニアやクラウドアーキテクトの中央値(約1,050万円)を上回っており、上流マネジメント職の市場評価の高さがうかがえます。

マネジメントの機会が限られていた段階からでも「EM候補」として採用するSaaS系スタートアップやメガベンチャーが増えており、入社後にEM業務を段階的に担うルートが広がっています。*4

6-3. テックリードとEMは補完的な関係

テックリードとEMは「どちらが上か」ではなく、「それぞれが担う領域が異なる対等な専門職」として設計されている企業が増えています。テックリードが製品の技術的側面を担当し、EMはチーム全体の人的側面に責任を持ちます。この二つの役割がかみ合ったとき、エンジニア組織の生産性は高まります。*8 実際の転職相談でも、テックリードからEMへ転向した事例と、EMからテックリードに相当するポジションへ移った事例の両方が見られます。

7. テックリードとEM、どちらを目指すべきか

「どちらが向いているか」は、スキルよりも「自分が何に価値を感じるか」で決まることが多いです。転職相談の現場でも、スキルセットが両方に対応できる水準にありながら、「技術で課題を解きたいか、人の成長を見たいか」という問いで方向性が定まるケースが多く見られます。

テックリード向きの傾向EM向きの傾向
技術的な問題を解くときに最もやりがいを感じるメンバーの成長を見ることに喜びを感じる
コードレビューや設計議論が楽しい1on1でメンバーの悩みを聞くことが苦にならない
AIを活用して技術の方向性を導きたいAI時代のチーム体制・組織設計に関心がある
技術の深い専門性でキャリアを積みたい組織のレバレッジを使って成果を出したい
コードを書くキャリアを続けたい将来的にVPoEやCTOを視野に入れている
新しい技術のキャッチアップが習慣になっている経営層や事業部門との調整役に違和感がない

上表は参考的な傾向の整理であり、どちらかに完全に当てはまる必要はありません。重要なのは「どちらが上か」ではなく、「自分がどちらの仕事で充実感を持ち続けられるか」を問うことです。企業によっては、テックリードとEMを一人が兼任するケースや、役職の定義が大きく異なるケースもあります。求人票のジョブディスクリプションを必ず確認しましょう。

テックリードを目指す場合は、アーキテクチャ設計の経験・コードレビューの実績・技術選定への関与経験、そして2026年においてはAIツールを活用した開発プロセス改善の実績が評価されます。EMを目指す場合は、マネジメントの機会が限られていた段階からでも「EM候補」として採用する企業が増えており、キャリアアドバイザーへの相談を通じて具体的な選択肢を確認するのが有効です。

8. まとめ:テックリードかEMか、2026年の転職市場で軸を持って選ぶ

  • テックリードは「システム・技術品質への責任」、EMは「人・組織への責任」という構造的な焦点の違いがあります
  • テックリードの仕事の中心はアーキテクチャ設計・コードレビュー・技術育成、EMの仕事の中心はピープルマネジメント・採用・ビジネス連携です
  • AIがコーディングを補助する時代になり、技術の方向性を決めるテックリードと、チームを動かすEMの転職市場価値が高まっています
  • 年収中央値の目安はテックリード約1,050万円(関連職準拠)、EM1,350万円で、いずれも高水準です(Robert Half 2026年版年収ガイド)
  • 「技術で課題を解くことに充実感を感じるか、人の成長を見ることに充実感を感じるか」が、最初の判断軸になります

テックリードとEMのどちらが自分に合うか——リモートワーク対応の求人を実際に見ながら、具体的な選択肢を確かめてみてください。

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出典・参考情報

*1 Robert Half『2026年版 年収ガイド|エンジニアリングマネージャー/関連エンジニア職』
*2 Robert Half『2026年版 年収ガイド』(テックリードは独立統計がないため、バックエンドエンジニア・クラウドアーキテクト等の関連職の中央値に準拠)
*3 Robert Half『2026年版 年収ガイド|エンジニアリングマネージャー』:25パーセンタイル1,200万円/中央値1,350万円/75パーセンタイル1,550万円
*4 JAC Recruitment「エンジニアリングマネージャー(EM)の転職市場動向」(2026年2月更新)
*5 ITmedia Deep Insider「AIがコードを書く時代、IT/AIエンジニアはどうなる? 2026年に求められる4つの役割とは」(2026年1月公開)
*6 Morgan McKinley『2026年版 IT・テクノロジー職(正社員)の年収相場』
*7 CodeZine「キャリアの選択肢は一つじゃない EMとテックリード、それぞれの歩き方」(2026年1月公開)
*8 ログミーBusiness「EMはテックリードがやらないすべてのことを」(2023年1月公開)

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