離職票とは|届く時期・もらい方・2025年の改正対応ガイド

退職日の翌週、ポストを開けても何も入っていない。失業手当を申請したいのに、肝心の書類が届かない。離職票を巡って、こうした不安を抱える方は少なくありません。けれど、2025年に2つの大きな改正が入ったことで、受け取りまでの景色は変わりつつあります。
この記事のポイント
- 離職票は、退職後に失業手当(雇用保険の基本手当)を申請するための公的書類です。役割と、混同しがちな離職証明書・退職証明書との違いを整理します
- 2025年1月20日からマイナポータルで離職票を受け取れる仕組みが始まり、2025年4月からは自己都合退職の給付制限が1ヶ月に短縮されました。受給開始までの日数感覚が一段と変わっています
- 離職票-1と離職票-2の中身、受給までの全ステップ、届かない/紛失したときの対処、そして手続きの後に再就職へ進むための選択肢まで、退職した方の時間軸に沿って解説します
1. 離職票とは|失業手当を受け取るための「公的書類」です
離職票とは、退職した事実と退職前の賃金支払状況・離職理由を記録した公的書類で、正式名称は「雇用保険被保険者離職票」です。退職者がハローワークで失業手当(雇用保険の基本手当)の受給手続きをする際に提出を求められます。発行するのはハローワークで、退職した会社を経由して退職者に届く流れが基本となります*1。
| 状況 | 離職票の必要性 | 理由 |
| 退職後すぐに転職せず、失業手当を申請したい | 必要 | ハローワークでの基本手当申請の必須書類 |
| 60歳以降に高年齢雇用継続基本給付金を申請したい | 必要 | 申請時の添付書類 |
| 国民健康保険料・国民年金保険料の軽減手続きをしたい | 必要(場合により) | 離職理由の証明として求められることがある |
| 退職後すぐに次の会社に転職(失業期間なし) | 原則不要 | 雇用保険の被保険者期間は転職先で通算可能 |
| 退職後しばらく無職予定だが、失業手当の受給は希望しない | 不要 | ただし「念のため発行」を選ぶ方もいる |
判断に迷う場合は「念のため発行を依頼しておく」選択も実務上よく見られます。離職証明書は会社が退職日から4年間保管すると定められており、必要になった時点で交付を請求することもできます*2。
2. 離職票-1と離職票-2の中身と見方

| 項目 | 離職票-1 | 離職票-2 |
| 内容 | 資格喪失通知。基本手当の振込先口座を記入する欄がある | 退職前6ヶ月の賃金支払状況、離職理由などが記載 |
| 印字済み項目 | 被保険者番号、資格取得年月日、離職年月日、事業所名 | 被保険者番号、賃金支払対象期間、賃金額、離職理由 |
| 退職者が記入する欄 | 失業手当の振込先金融機関・口座番号、マイナンバー | 内容を確認のうえ署名 |
| 用途 | 失業手当の振込口座の登録 | 失業手当の支給額・給付日数・給付制限の判定 |
とくに離職票-2は失業手当の金額と受け取れる期間を左右する書類で、賃金額や離職理由の記載に誤りがないかを確認する作業が欠かせません*3。署名前に確認したい3つのポイントは、離職理由の記載が事実と一致しているか、賃金額の記載が直近6ヶ月の実額と一致しているか、被保険者期間の算定対象期間に欠落がないかです。記載内容に異議がある場合は、退職者がハローワークで申し立てることもできます。
3. 離職証明書・退職証明書との違い
| 項目 | 離職票 | 離職証明書 | 退職証明書 |
| 性質 | 公的書類 | 公的書類(行政手続き用) | 私的書類 |
| 発行する人 | ハローワーク | 会社(ハローワーク提出用) | 会社 |
| 受け取る人 | 退職者 | ハローワーク | 退職者 |
| 主な用途 | 失業手当の申請 | 離職票発行のための申請書 | 転職先への提出、国民健康保険・国民年金の手続き |
| 法的根拠 | 雇用保険法 | 雇用保険法 | 労働基準法第22条 |
会社がハローワークへ「離職証明書」を提出し、ハローワークが審査して「離職票」を交付する関係になっています。一方の「退職証明書」は労働基準法第22条に基づいて退職者の請求により会社が発行する別系統の書類で、転職先や国民健康保険・国民年金の手続きで使用します*4。
4. 離職票はいつ届く|2025年からマイナポータル受取が始まりました
離職票が手元に届くまでの期間は、退職日から10日〜2週間が目安です。会社がハローワークへ「離職証明書」と「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出し、ハローワークが審査して離職票を発行し、会社経由で退職者へ送付するという順序になります*1。退職翌々日から起算して10日以内に会社がハローワークへ書類を提出することが、雇用保険法上の義務として定められています。
| 項目 | 従来の郵送受取 | マイナポータル受取(2025年1月20日開始) |
| 受け取りまでの目安 | 退職日から10日〜2週間 | 会社の電子申請後、ハローワークの審査完了後すみやかに |
| 必要な準備 | 退職時の住所変更がないこと | マイナンバーがハローワークに登録済み、マイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定 |
| 会社側の要件 | 紙でも電子申請でも可 | 会社が電子申請で雇用保険の離職手続きをすること |
| 手元に残る形式 | 紙の書類 | PDFデータ(印刷も可) |
マイナポータル受取は会社からの郵送を待つ手間が減る一方、利用にはマイナンバーがハローワークに登録済みであること、マイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定済みであること、会社が電子申請で手続きすることの3条件をすべて満たす必要があります*5。退職を決めた段階で、人事担当者に「離職票を発行してほしい」と明確に伝えることが、最初の一手になります。
5. 失業手当を受け取るまでの全ステップ
| ステップ | 内容 | 必要書類・持ち物 | タイミングの目安 |
| 1 | 離職票-1・離職票-2を会社から受け取る | — | 退職後10日〜2週間 |
| 2 | 住居地を管轄するハローワークで「求職の申し込み」と離職票の提出 | 離職票-1/離職票-2/マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)/写真2枚/印鑑/本人名義の預金通帳 | 離職日の翌日以降すみやかに |
| 3 | 受給資格の決定 | — | 提出当日 |
| 4 | 7日間の待期期間 | — | 受給資格決定日から7日 |
| 5 | 雇用保険受給者初回説明会への出席 | 雇用保険受給資格者証/失業認定申告書を受け取る | 受給資格決定から約3週間後 |
| 6 | 給付制限期間(自己都合の場合) | — | 待期後1ヶ月(2025年4月以降の自己都合退職) |
| 7 | 初回の失業認定 | 失業認定申告書/求職活動の実績 | 受給資格決定から約4週間後 |
| 8 | 基本手当の振込 | — | 認定から約1週間後 |
| 9 | 以降4週間ごとに失業認定を繰り返す | 失業認定申告書/求職活動の実績 | 給付日数の上限まで |
会社都合退職の場合は給付制限期間(ステップ6)がないため、初回振込までの所要日数が短くなります(自己都合の約1ヶ月半に対し、会社都合は約1ヶ月が目安です)。求職活動の実績は、4週間ごとに原則2回以上の実績が求められます*1。
6. 2025年改正で給付制限が短縮されました
2025年4月1日以降に離職した方から、自己都合退職の給付制限期間が原則1ヶ月に短縮されました*7。これまで自己都合退職では、7日間の待期期間に加えて2ヶ月の給付制限期間があり、初回の振込までに約2ヶ月半かかっていました。改正後は約1ヶ月半まで短縮されます。ただし、5年以内に3回以上自己都合で離職した場合は給付制限が3ヶ月となります。
離職日前1年以内または離職後に厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講している場合、給付制限がゼロとなる新制度も同時に施行されました*7。リスキリングを進めながら次のキャリアを設計する方には、この仕組みも選択肢に入ります。
7. 自己都合退職と会社都合退職の違い
| 項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職(特定受給資格者) |
| 待期期間 | 7日間 | 7日間 |
| 給付制限期間 | 原則1ヶ月(5年以内3回以上の自己都合離職は3ヶ月) | なし |
| 初回振込までの目安 | 約1ヶ月半 | 約1ヶ月 |
| 給付日数 | 90日〜150日 | 90日〜330日 |
| 受給に必要な被保険者期間 | 離職前2年間に通算12ヶ月以上 | 離職前1年間に通算6ヶ月以上 |
| 国民健康保険料の軽減措置 | 対象外 | 対象(前年所得を30/100とみなして算定) |
給付制限の有無と給付日数の違いに加え、会社都合退職には国民健康保険料の軽減措置という制度上の優遇もあります。離職理由は離職票-2に記載され、内容に不服がある場合は退職者がハローワークで異議申し立てをすることもできます*1。
8. 離職票が届かない・紛失したときの対処法
届かないときに最初に確認すること
退職から2週間以上経っても離職票が届かない場合、考えられる原因は主に3つです。退職時に「発行を希望する」と意思表示していなかったケース、会社の手続きが遅れているケース、住所変更などにより郵送物が届いていないケースです。退職した会社の人事担当者に発行状況を問い合わせ、それでも進展がない場合は住居地を管轄するハローワークに相談します。
退職日の翌日から12日目以降であれば、ハローワークで失業手当の仮手続き(離職票なしの受給資格仮決定)を進められる場合もあります*9。仮手続きで必要な書類は、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)、退職を証明できる書類(退職証明書、源泉徴収票など)、本人名義の預金通帳、写真2枚です。
紛失したときの再発行
離職票を紛失した場合、再発行が可能で回数に上限はありません。退職した会社に依頼する(退職後4年以内が原則)か、自身でハローワークに「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」を提出することで対応できます*6。再発行された離職票が交付された時点で、紛失したほうの離職票は無効になります。
9. 退職前にやることチェックリスト
退職が決まったらすぐ(退職日の1ヶ月前まで)
- 人事担当者に「離職票を発行してほしい」と明確に伝えます
- 雇用保険被保険者証の所在(自分が保管しているか、会社が保管しているか)を確認します
- マイナンバーがハローワークに登録されているかを確認します(マイナポータルで離職票を受け取りたい場合)
- 退職後の住所が変わる予定なら、会社に新住所を伝えます
退職日の直前(退職日の1〜2週間前)
- 離職票-2の記載内容(離職理由・賃金額)を確認させてもらいます
- 退職証明書の発行依頼が必要かを判断します(転職先で求められる場合や保険手続きで使う場合)
- 健康保険・年金の切り替え手続きを調べておきます
- マイナポータルと雇用保険WEBサービスの連携設定をしておきます(マイナポータル受取を希望する場合)
10. よくある質問(FAQ)
Q1. 離職票はパート・アルバイトでも発行されますか?
雇用保険に加入していた方であれば、雇用形態を問わず発行されます。雇用保険の加入要件は、週の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがあることです。要件を満たして加入していれば、退職時に交付請求できます。
Q2. 離職票はいつまでに使わないと無効になりますか?
失業手当(基本手当)の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です*1。この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても基本手当を受け取れなくなります。妊娠・出産・育児・病気・介護などの理由で30日以上働けない場合は、最大3年間の受給期間の延長申請が可能です。
Q3. 離職理由を「自己都合」から「会社都合」に変えたい場合はどうすればよいですか?
離職票-2に記載された離職理由に異議がある場合、ハローワークの窓口で異議申し立てができます。客観的な証拠(雇用契約書、業務指示書、退職勧奨を示すメールや録音など)を提示できると判定の参考になります。最終的な判定はハローワークが事実関係を調査して行います*4。
Q4. 離職票はコピーでも申請に使えますか?
失業手当の申請にはオリジナル(原本)の提出が必要です。コピーや写しでは受理されません。2025年1月20日から始まったマイナポータル受取の場合は、PDFデータをスマートフォン画面で提示すれば手続きが進む取り扱いです*5。
Q5. 失業手当の受給中にアルバイトをしてもよいですか?
失業認定申告書に正直に申告すれば原則として両立可能です。1日4時間以上または週20時間以上の就労は「就職」とみなされて受給が打ち切られる場合があるため、ハローワークに事前確認します。
Q6. 離職票なしで国民健康保険・国民年金の手続きはできますか?
退職証明書、健康保険資格喪失証明書などで代替できる場合があります。市区町村窓口や年金事務所で求められる書類が異なるため、事前確認が確実です。離職理由による保険料軽減を受けたい場合は、離職票(または雇用保険受給資格者証)の提示が求められることが多くあります。
11. まとめ|離職票の手続きは「受給」と「再設計」の出発点
この記事のまとめ
- 離職票は、退職した方が失業手当の申請をするために必要な公的書類で、ハローワークが発行し会社を経由して退職者に届きます
- 2025年1月20日からはマイナポータルでの直接受取が選択肢に加わり、2025年4月からは自己都合退職の給付制限が1ヶ月に短縮されるなど、受給までの日数感覚は以前と変わっています
- 届くまでの期間は10日〜2週間が目安で、届かない場合・紛失した場合の再発行ルートも整備されています
- 離職票-1と離職票-2の役割、そして離職証明書・退職証明書との違いを退職前に押さえておくと、手続きを止めずに進められます
- 失業手当を受給しながら次の働き方を選び直すこともできれば、リモートワーク対応の求人を探して勤務地以外の軸でキャリアを再設計することもできます
離職票を受け取った日を、単なる「区切り」ではなく「選び直しのスタート」として活用する視点もあります。
Relasic(リラシク)について
Relasic(株式会社LASSIC運営)はリモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。フルリモート・ハイブリッドの求人を中心に、勤務地に縛られないキャリア設計のサポートを行っています。退職後の手続きと並行して、次の働き方を考え始めるタイミングなら、リモートワーク対応の求人を眺めてみることから始められます。
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出典・参考情報
*1 ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
*2 厚生労働省「労働基準法に基づく書類の保存」関連通達/雇用保険法施行規則
*3 ハローワーク「記入例:雇用保険被保険者離職票-2」
*4 厚生労働省「雇用保険関係の手続き案内」/労働基準法第22条(e-Gov法令検索)
*5 厚生労働省「2025年1月から、『離職票』をマイナポータルで受け取れるようになります!」(2024年公表)
*6 ハローワーク「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」
*7 厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」
*8 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更について」(2025年8月)
*9 ハローワーク窓口運用(雇用保険受給手続きのご案内)/編集部による厚労省・各ハローワーク資料の整理
*10 デジタル庁「マイナポータルで離職票が受け取れます」
転職ノウハウ その他の記事
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