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AI時代こそITマネージャーが求められる理由|DX人材不足のデータから転職市場を読む

ITマネージャー転職の年収・スキル・リモート求人を解説する記事のアイキャッチ画像

コードを書く技術は、AIにどんどん肩代わりされています。そのことに気づいていながら、自分のキャリアをどう動かせばよいか、まだ答えが出ていない——そんな状況のITエンジニアの方とお話しする機会が増えています。

転職エージェントとして、はっきりお伝えできることがあります。採用企業がいま求めているのは「コードが書ける人」より、「コードを書く人を束ねて、ビジネスに変換できる人」です。AIが実装を補助する時代だからこそ、企画力・マネジメント力・合意形成力を持つITマネージャー候補への需要が高まっています。この記事では、ITマネージャー転職の市場の実態、年収相場、求められるスキル、そしてリモートワーク対応のポジションを見つける方法まで、転職エージェントとしての現場感覚と公的データを組み合わせてお伝えします。

この記事のポイント

  • AIの台頭でコーディング力だけが評価される時代は変わりつつあり、ITマネージャー職への転職需要が高まっている背景がわかります
  • 厚生労働省の公式データをもとに、ITマネージャー転職の年収相場と必要スキルを具体的に把握できます
  • IT・技術系職種の有効求人倍率は全職業平均(1.18倍/令和7年11月時点)を上回る水準で推移しており、リモートワーク対応の正社員転職でポジションアップを目指せる状況がわかります
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1. ITマネージャーとは|エンジニアを束ねる職種で、平均年収は752.6万円

ITマネージャーの職種分類と年収相場を示すイメージ画像

ITマネージャーとは、IT部門・開発組織の人員・予算・方向性を統括するマネジメント職のことです。厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)によれば、同種の職種であるプロジェクトマネージャー(IT)の全国平均年収は752.6万円(平均年齢41.4歳)で、ITエンジニア全体の平均年収約550万円を約200万円上回ります*1, *6。技術とビジネスをつなぐ橋渡し役として、DX推進時代に需要が拡大している職種です。「ITマネージャー」と一口にいっても、業務内容は役職・組織によって異なります。転職市場でよく登場する主な職種を3つに分けて整理します。

1-1. プロジェクトマネージャー(PM)

特定のシステム開発・導入プロジェクトの計画から完了までを統括します。WBS(作業分解構造)作成・リスク管理・ステークホルダーとの折衝が中心業務です。転職市場での求人数がもっとも多く、5年以上のIT実務経験をベースに30代からチャレンジできるポジションです。エンジニアからキャリアアップする最初の「管理職ステップ」として選ばれることが多いです。

1-2. IT部門マネージャー(課長・部長相当)

社内のIT部門または情報システム部門のチームを管理します。人事評価・採用活動・予算立案までを担当するポジションで、ユーザー側企業(事業会社)への転職でとくに需要が高まっています。DX推進やシステム刷新の旗振り役として、IT投資判断まで関与する場合もあります。

1-3. CTO・VP of Engineering(技術担当役員)

組織全体の技術戦略を担うエグゼクティブポジションです。スタートアップや成長フェーズの企業での求人が増えており、技術・採用・チームカルチャーの形成まで広く責任を持ちます。役員クラスの報酬は企業規模やフェーズで幅が大きく、案件によっては年収1,000万円超のポジションもあります。転職エージェントとしての実感として、ITマネージャーへの転職相談は近年一貫して増えています。特にPM・IT部門マネージャーへのご相談が中心で、DX推進・AI活用を背景に、組織のIT人材全体をリードできるポジションへの採用ニーズが企業側から高まっています。

2. 日本企業の85.1%がDX人材不足|「コードが書けるだけ」では選ばれない時代

転職エージェントとして、ここ1〜2年の採用現場には明確な変化を感じます。以前は「〇〇言語の経験が3年あります」「AWS環境でのインフラ構築が得意です」といった技術スタックが選考の主な基準でした。しかしいまは、採用担当者から「実装はAIで進められるようになった分、それを束ねて成果につなげる人材がほしい」という趣旨の声を、繰り返し聞くようになりました。

この変化を裏付けるデータがあります。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX動向2025」によれば、日本企業の85.1%でDXを推進する人材が不足していると報告されています*2。この割合は米国(23.8%)・ドイツ(44.6%)と比べて高く、日本企業のDX人材確保の遅れを示しています。ここでいう「DX推進人材」は、プログラミングができるエンジニアのことではありません。技術を理解したうえでビジネスへの変換力・組織の推進力・ステークホルダーとの調整力を発揮できる人材のことです。つまり、ITマネージャーのスキルセットそのものです。

世界経済フォーラム(WEF)の「仕事の未来レポート2025」では、2025〜2030年にAI・データ関連職種が世界で新規雇用を牽引する一方、リーダーシップや合意形成といったヒューマンスキルも引き続き高い重要度を持つと指摘されています*3。コーディング力とマネジメント力はトレードオフではありません。ただし、いまの転職市場で不足しているのは後者であり、その点が採用競争の核心になっています。経済産業省の試算では、2030年には最大約79万人のIT人材が不足するとされています(2019年試算時点)*4。この不足のなかでも特に深刻なのが、技術とビジネスをつなぐマネジメント層です。技術を持ちながら企画・マネジメントまでできる人材は、需要に対して供給が追いついていません。その希少性が、転職時の評価につながっています。

3. ITマネージャーの年収はエンジニア比+約200万円|PMで752.6万円が相場

ITマネージャーへの転職を考えるうえで、年収の変化は重要な判断基準です。厚生労働省の公式データをもとに、ITエンジニア全体とITマネージャークラスの年収を比較しました。

表1:ITエンジニア・ITマネージャー 職種別年収比較

職種・ポジション区分職種の説明全国平均年収データ出典
ITエンジニア全体ソフトウェア作成者、情報処理・通信技術者約550万円厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」*6
プロジェクトマネージャー(IT)システム開発プロジェクトを統括するPMポジション752.6万円厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)*1
ITマネージャー上位層IT部門長・技術担当役員クラス案件により1,000万円超役員クラスは公開統計が限定的

※「ITエンジニア全体(約550万円)」は賃金構造基本統計調査、「プロジェクトマネージャー(IT)(752.6万円)」はjobtagに基づく値で、調査方法・集計対象が異なります。年収差は概算としてご参照ください。

ITエンジニア全体の平均年収は約550万円ですが、プロジェクトマネージャー(IT)になるとjobtagのデータで752.6万円となり、約200万円の開きがあります。さらにIT部門長や技術役員クラスでは、案件により年収1,000万円超のポジションも現実的な選択肢になります。この年収差は、担当する業務の責任範囲と影響範囲の違いを反映したものです。技術者としての実務経験を積んだあとにマネジメント職へシフトすることは、収入面でも大きなインパクトをもたらす可能性があります。

年収水準を左右する主な要因として、転職市場では以下が評価されます。

3-1. プロジェクトの規模と定量的な実績

予算規模・チーム人数・納期達成率などを数字で示せる候補者は、面接での評価が大きく変わります。「50名規模のチームで3億円規模のプロジェクトを予定どおり完遂した」という実績は、技術スタックの羅列よりはるかに強い説得力を持ちます。

3-2. 業種・ドメイン知識との掛け合わせ

金融・製造・医療・小売など特定の業種でのドメイン知識とITマネジメントを組み合わせた人材は、業界特化型のニーズから高い評価を受ける傾向にあります。DX推進が急務の業界では、即戦力として採用されるケースが増えています。

3-3. AI・クラウド領域の知見

生成AI・クラウド(AWSやAzure)・セキュリティ領域への理解があるITマネージャーは、採用企業からの評価が高まっています。技術の最前線を理解したうえでチームを導ける点が、他候補との差別化要因として機能します。

4. ITマネージャー転職で必須の3スキル|2025年以降はAIリテラシーも

ITマネージャー転職で評価されるスキル区分と重要度を示すイメージ画像

ITマネージャー転職を目指す際は、「自分に何が足りないか」を把握することが出発点です。転職エージェントとして数多くの転職事例を見てきたなかで、採用が決まる候補者に共通するスキル要件を整理しました。

表2:ITマネージャー転職で評価されるスキル区分と重要度

スキル区分具体的な内容転職市場での重要度
プロジェクト管理スキルWBS作成・リスク管理・スケジュール管理・PMBOK/PMP知識★★★(必須)
ステークホルダー調整力経営層・ユーザー部門・ベンダーとの折衝・合意形成★★★(必須)
ビジネス企画力要件定義・IT投資判断・IT戦略立案・費用対効果の説明★★★(必須)
チームマネジメントメンバー育成・採用・評価・目標管理・組織形成★★☆(重要)
技術的素養クラウド・セキュリティ・アーキテクチャの理解(実装力ではなく概念理解)★★☆(重要)
AIリテラシー生成AI活用・AI導入企画・AI活用ガバナンスの知識★★☆(2025年以降に重視)

採用企業が求めるITマネージャー像において、もっとも重視されるのは「技術×ビジネスの橋渡し力」です。技術者として現場を深く理解しながら、経営層の言語で成果を説明できる能力——この両輪が揃った候補者が優先的に採用される傾向にあります。とりわけ2025年以降は、AIリテラシーの重要度が高まっています。自社プロジェクトへのAI活用を企画・推進できる力は、ITマネージャーに求められる要素として定着しつつあります。

転職時に評価される資格

  • PMP(Project Management Professional):世界的に認知されるPM資格です。大規模プロジェクト実績と組み合わせると説得力が増します。外資系企業や大規模SI案件に強みを持つ企業への転職でとくに評価されます。
  • 情報処理技術者試験 プロジェクトマネージャ試験(PM試験):IPA認定の国家資格です。国内の事業会社・SIerへの転職で、技術力とマネジメント力を一体的にアピールできます。
  • 情報処理技術者試験 システムアーキテクト試験(SA試験):上流設計を担うITマネージャーにはとくに有効です。要件定義から設計まで担える証明として機能します。

転職活動で「刺さる」職務経歴書の書き方

資格よりも、採用面接でもっとも重視されるのは「定量的な実績」です。担当プロジェクトのチーム規模・予算・期間・達成した成果(コスト削減額・納期遵守率など)を具体的な数字で記載できた候補者は、書類選考・面接の通過率が変わってきます。転職活動の準備として、まずご自身のプロジェクト実績を数字で整理することを、エージェントとしておすすめしています。

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5. リモート対応のITマネージャー求人は増加中|居住地を変えずにポジションアップ

「転職してポジションアップしたい。でも、いま住んでいる場所は変えたくない」「地方在住でも東京の企業に応募できるか不安」——こうした声は、ITマネージャーを目指す方からよく聞こえてきます。いまの転職市場は、その不安を解消できる環境が整いつつあります。

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和7年11月分)」によれば、全職業の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍で、求人が求職者を上回る状況が続いています*5。情報処理・通信技術者をはじめとするIT・技術系の職種は、この全体水準を上回る求人倍率で推移しており、採用競争が激しい「売り手市場」が続いています。この環境のなかで、採用企業がリモートワーク対応の求人を提示するケースが増えているのは自然な流れです。

特にITマネージャークラスのポジションは、職務の性質上リモートワークとの相性が良い傾向にあります。プロジェクト進捗のオンライン管理、経営層・ユーザー部門とのWeb会議、ドキュメント管理のクラウド化——DX化が進んでいる企業では、マネージャー業務の多くをリモートで実施できます。現場での物理的な作業が少ないマネジメント職だからこそ、リモートワークへの移行が進みやすいといえます。

Relasic(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。フルリモート求人(全体の約40%)からハイブリッド勤務求人まで、リモートワーク対応の正社員求人を幅広く取り扱っています。「場所を変えずにマネジメント職へポジションアップしたい」「年収を維持・向上させながらリモート正社員に転職したい」——そうした条件に合う求人を、専任のキャリアアドバイザーが紹介しています。

リモートワーク対応でITマネージャーに転職する際の注意点

リモートワーク前提のマネージャーポジションは魅力的ですが、採用企業側も候補者を慎重に選定する傾向があります。特にオンラインコミュニケーション力——テキストで明確に指示を出し、オンラインでチームの信頼関係を築く力——が、採用基準として重視されるケースが増えています。転職活動の面接では、リモート環境での具体的なマネジメント実績や、非対面でのチームビルディング事例を伝えられると評価が高まります。また、リモートワーク対応求人のなかでも「完全リモート(フルリモート)」と「週2〜3日出社のハイブリッド」では採用条件が異なります。求人票の勤務形態を確認したうえで、ご自身の希望と照らし合わせて応募先を選ぶことが重要です。

6. まとめ:ITマネージャー転職で「選ばれる人材」になるために

この記事のまとめ

  • AIの進化でコーディング力単体の希少性は変化しており、企画力・マネジメント力・ステークホルダー調整力を持つITエンジニアが転職市場で強く求められています
  • プロジェクトマネージャー(IT)の全国平均年収は752.6万円(jobtag)で、ITエンジニア全体平均の約550万円に対して約200万円の差があります
  • ITマネージャーに必要なのは「技術×ビジネスの橋渡し力」であり、ステークホルダー調整・IT企画力・AIリテラシーが採用市場で重視されています
  • 情報処理・通信技術者などIT・技術系職種の有効求人倍率は全職業平均(1.18倍/令和7年11月時点)を上回る水準で、キャリアアップを目指すエンジニアにとって有利な市場環境が続いています
  • リモートワーク対応の正社員ITマネージャー求人も増えており、居住地を変えずにポジションアップを目指せる時代になっています

転職を検討するタイミングは、気持ちが動いたときが一番です。まずどんな選択肢があるかを知るだけでも、ご自身のキャリアの見え方が変わります。ぜひ一度、求人情報を確認することから始めてみてください。

Relasic(リラシク)について

Relasic(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク対応の正社員求人に特化した転職支援サービスです。ITマネージャーをはじめ、DX推進・プロジェクトマネジメント・IT企画領域の求人を多数取り扱っています。「まず求人だけ見てみたい」という方から、「自分のスキルで何ができるか相談したい」という方まで、どちらにも対応しています。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「プロジェクトマネージャー(IT)」
*2 IPA「DX動向2025 AI時代のデジタル人材育成」(2025年10月公表)
*3 世界経済フォーラム(WEF)「The Future of Jobs Report 2025(仕事の未来レポート2025)」(2025年)
*4 経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」(2019年4月公表)
*5 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年11月分)について」(2025年12月公表)
*6 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

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