賞与と年俸制の違い|求人票の書き方から
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

求人票に書かれた年収は、賞与という項目が別に立つ書き方と、年俸制として一体に示す書き方とに分かれます。同じ支給額であっても、この2つでは受け取る時期の分かれ方が変わります。求人票のどこを見れば、その違いが読み取れるかをたどります。
この違いで迷ったときは、受け取る時期の分かれ方という位置から確かめると、求人票で見る点が具体的になります。
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この記事のポイント
- 求人票の書き方は、賞与という項目が別に立つ形と、年俸制として一体に示す形とで変わります
- 同じ支給額でも、この2つでは受け取る時期の刻み方が異なります。求人票の書き方の違いとして確かめます
- 転職者は2025年平均で330万人、転職を考える人はそれより多い1023万人です*1。求人票の書き方を確かめる場面は、多くの人に共通します
1. 賞与と年俸制の違いは、受け取る時期の分かれ方にあります
賞与と年俸制の違いは、支給額そのものではなく、受け取る時期の分かれ方にあります。求人票の記載を見れば、どちらの形かが読み取れます。
求人票には、年収の内訳がどう案内されているかによって、賞与という項目が別に立つ場合と、年俸制として一体に示される場合とがあります。どちらの形かによって、支給の時期や算定の考え方の書かれ方も変わります。
この違いは、支給額の大小を決めるものではありません。同じ総額であっても、受け取る時期の刻み方が異なるという、記載の仕方の違いです。
求人票を読むときは、その項目が別に立っているかどうかをまず確かめると、そのあとに見るべき記載が絞られます。呼び方は求人票によって多少異なりますが、支給の時期と算定の考え方がどこに書かれているかという見方は変わりません。
求人票の年収欄は、応募を検討する早い段階で目にする記載です。書き方の違いに気づいておくと、選考が進んだあとに労働条件通知書を受け取ったときも、記載を落ち着いて読み合わせやすくなります。
2. 求人票の書き方は、賞与として分けるか年俸制でまとめるかで変わります
同じ支給額でも、求人票の書き方は2つの形に分かれます。左右の書き方の違いを並べます。
左側は、賞与という項目が求人票に別に立つ書き方です。支給の時期や算定の考え方も、その欄にまとめて案内されます。
右側は、年俸制の総額にその分を含めて示す書き方です。その欄自体が求人票に出てこないことがあります。
どちらの書き方が良い・悪いという話ではありません。求人票のどこに何が書かれているかが変わるという、記載の違いです。
自分が見ている求人票がどちらの形に近いかは、その項目の有無から確かめられます。応募を検討する求人票が複数あるときは、この見分け方を共通の手順にしておくと、比較の軸がぶれにくくなります。
求人票の書式は掲載する媒体によって違うことがあります。欄の名称や並び順がいつも見ている求人票と異なる場合も、どちらの形に近いかという視点を先に持っておくと、読み進めやすくなります。
3. 同じ支給額でも、受け取る時期の刻み方をたどります
求人票に書かれた年収の中には、分けて示されている支給と、年俸に含めて分割して示されている支給とがあります。総額が同じであっても、求人票の書き方によって、支給の刻み方の説明が変わります。
分けて示されている場合は、月々の支給とは別に、その項目が求人票に置かれます。支給の時期や算定の考え方は、そこに案内される形になります。求人票に載る欄の並び順は勤務先ごとに違うため、まずどの欄に何が書かれているかを一通り確かめておくと、あとで見返す手間が減ります。
年俸制でまとめて示されている場合は、賞与という項目が求人票に出てこないことがあります。総額を分割した支給として案内され、算定の考え方もまとめて書かれます。
求人票の賞与の欄そのものの読み取り方については、別の記事で扱っています。ここでは、年俸制との受け取り方の違いに絞ってたどります。
受け取る時期の刻み方が分かれば、求人票の他の記載を読むときの見方も変わります。年収の総額だけでなく、その内訳がどう分けられているかまで確かめる習慣をつけておくと、複数の求人票を見比べるときにも役立ちます。
あわせて読みたい | 求人票の賞与の書き方|読み取れることの範囲
4. 求人票の書き方から読み取れることを並べます
書き方のパターンから、読み取れることと、あわせて確かめることが変わります。4つ並べます。
求人票の書き方・読み取れること・確かめること
| 求人票の書き方 | 読み取れること | 確かめること |
|---|---|---|
| 賞与の欄が別に設けられている | 支給が別枠で案内される形である | 支給の時期がどこに書かれているか |
| 年俸の総額に含めて書かれている | 年俸に含めて分割される形である | 分割の単位がどこに書かれているか |
| 算定の基準が別枠で示されている | その算定が総額と別に考えられている | 算定の考え方がどこに書かれているか |
| 年俸の総額のみが示されている | 個別の記載が総額に含まれている場合がある | 労働条件通知書の記載と読み合わせる必要があるか |
表の4つは、求人票の書き方を見分けるときに手がかりになるものです。呼び方は求人票によって多少異なりますが、位置づけは共通しています。
「賞与の欄が別に設けられている」場合は、支給の時期や算定の考え方も、その欄にまとめて案内される形になります。
「年俸の総額に含めて書かれている」場合は、分割の単位がどこに書かれているかを確かめると、受け取る時期の刻み方が見えてきます。
「年俸の総額のみが示されている」場合は、求人票だけではその扱いが読み取れないことがあります。その場合は、労働条件通知書の記載と読み合わせる進め方になります。求人票の見た目が簡潔であることと、記載の有無は同じ話ではありません。
表の並びは、上から下に向かうほど、求人票だけでは判断がつかず、次の確認先が必要になる場面が増える順にもなっています。自分が見ている求人票がどの行に近いかを確かめると、次に何を見ればよいかが分かります。
給与そのものの等級や上がり方の読み方については、別の記事で扱っています。ここでは、書き方の違いに絞って並べました。
あわせて読みたい | 給与テーブルの見方|等級と上がり方を確かめる
5. 求人票と労働条件通知書を読み合わせる3つをそろえます
求人票の書き方から読み取れることには限りがあります。次の3つをそろえておくと、確かめる進め方が整います。
読み合わせの型・3つ
- 求人票の記載:賞与か年俸制か、支給の時期と算定の考え方がどう書かれているかを確かめます
- 労働条件通知書の記載:求人票の記載と同じ内容になっているかを読み合わせます
- 人事・採用担当への確認:記載だけで分からない点は、勤務先の人事・採用担当に確かめます
3つをそろえておくと、求人票だけでは読み取れない点にも、順を追って気づけます。
「求人票の記載」は、応募の前に確かめられる範囲です。まず、その項目があるかどうかを見ます。
「労働条件通知書の記載」は、選考が進んだ段階で示されるものです。求人票の記載と異なる点がないかを、そのときに読み合わせます。渡される時期は選考の進み方によって前後するため、届いていない段階で急いで判断する必要はありません。
「人事・採用担当への確認」は、記載だけで判断がつかないときの進め方です。支給の時期や算定の考え方がどちらの形になっているかは、勤務先に直接確かめられます。
3つは、この順番どおりに進めなくても構いません。求人票の記載を見た時点で疑問が浮かんだ場合は、労働条件通知書を待たずに、その段階で人事・採用担当に確かめても差し支えありません。
6. 支給の時期と算定の考え方、2つの軸で整理します
求人票の書き方は、支給の時期が書かれているかどうかと、算定の考え方が書かれているかどうかという、2つの軸で整理できます。自分が見ている求人票がどの位置にあるかを確かめます。
「読み取りやすい型」は、支給の時期と算定の考え方の両方が求人票に書かれている位置です。賞与と年俸制のどちらに近いかも、記載から読み取りやすくなります。
「算定重視型」や「時期重視型」は、片方の軸だけが書かれている位置です。書かれていない側は、労働条件通知書の記載と読み合わせる進め方になります。
「記載が薄い型」は、どちらの軸も求人票からは読み取りにくい位置です。この位置に当たる場合は、選考の過程で人事・採用担当に確かめる進め方が中心になります。
自分が見ている求人票がどの位置にあるかを確かめてから、労働条件通知書の記載や、人事・採用担当への確認という次の一歩を選ぶと、進め方に迷いにくくなります。
位置を確かめる作業は、応募する求人票が増えるほど役に立ちます。1件だけを読むときよりも、複数の求人票を横に並べて記載の書かれ方を比べるときに、この整理が生きてきます。
あわせて読みたい | 労働条件通知書|求人票との差を見る
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 賞与と年俸制は、求人票のどこを見れば違いが分かりますか。
A. その項目が別に設けられているか、年俸の総額に含めて案内されているかで見分けられます。支給の時期や算定の考え方も、あわせて確かめられる点です。気になる場合は、求人票の記載を確かめておくと判断の材料になります。
Q2. 年俸制の求人票に賞与という記載がない場合、どう考えればよいですか。
A. 年俸制では、総額に賞与分を含めて案内される場合があります。求人票にその項目が見当たらないときは、年俸の記載の中に含まれているかどうかを確かめます。求人票だけで分からない場合は、労働条件通知書の記載と読み合わせる方法があります。
Q3. 求人票と労働条件通知書の記載が異なる場合はどうすればよいですか。
A. 求人票と労働条件通知書は、示される時期も役割も異なります。記載に違いがあると感じた場合は、両方の記載を読み合わせたうえで、勤務先の人事・採用担当に確かめる進め方があります。
Q4. 支給の時期や算定の考え方が求人票に書かれていない場合はどうすればよいですか。
A. 求人票に記載がない場合は、選考の過程で勤務先の人事・採用担当に確かめる方法があります。労働条件通知書が示される段階で、記載を読み合わせて確認することもできます。
8. まとめ:受け取り方の違いは、求人票の記載で確かめます
この記事の要点
- 賞与と年俸制の違いは、求人票の書き方に表れます。どちらの形に近いかを、まず記載から確かめます
- 支給の時期と算定の考え方がどう書かれているかで、求人票から読み取れる範囲が変わります
- 求人票だけで分からない点は、労働条件通知書の記載と読み合わせて確かめられます
- 記載に迷う点は、勤務先の人事・採用担当に確かめる進め方があります
- 転職者は2025年平均で330万人、転職を考える人はそれより多い1023万人です*1。求人票の書き方を確かめる場面は、多くの人に共通します
この違いは、求人票の記載をたどることで確かめられます。支給の時期と算定の考え方がどう書かれているかを見て、分からない点は労働条件通知書の記載と読み合わせます。それでも判断がつかない場合は、勤務先の人事・採用担当に確かめる方法があります。求人票と労働条件通知書のどちらか一方だけで判断を急ぐより、両方の記載をそろえてから確かめるほうが、あとで見え方が変わる心配を減らせます。この確かめ方についても、専任エージェントに相談しながら転職を進める方法があります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
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