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契約社員の三年ルール|契約1回の上限3年と無期転換の5年

契約社員の三年ルール|契約1回の上限3年と無期転換の5年のイメージ写真

契約社員として働いていると、「3年ルールがあるから3年で契約が終わる」という話を聞くことがあります。正社員への転職を考えるきっかけになる一方で、どの法律の話なのかが分からず、不安になる人もいます。

契約社員の三年ルールとよく呼ばれるのは、労働基準法第14条の「有期の労働契約は1回あたり原則3年まで」という上限です*1。派遣社員を同じ課で受け入れられるのは3年までという、労働者派遣法の期間制限と混ざって伝わることもあります*4。どちらの3年も、契約社員を3年で辞めさせるための年数ではありません。更新を重ねて同じ会社での通算が5年を超えれば、申し込むことで無期の契約に変わります*2。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

契約社員の3年は契約1回の長さの上限で働ける年数の上限ではない この記事の要約 契約社員の契約期間 1 契約1回 原則3年まで 2 更新する 法律に回数の上限なし 3 通算5年超 申込みで無期へ 派遣の3年は労働者派遣法の別の決まり*4 3年で必ず雇止めになるという決まりはない*1 *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • 労働基準法第14条により、有期の労働契約は1回あたり原則3年を超えて結べません。高度な専門知識を持つ人などは5年までです*1。
  • 派遣社員を同じ組織単位(課など)で受け入れられるのは3年までという決まりは、労働者派遣法の期間制限で、契約社員の決まりとは別です*4。
  • 同じ会社との有期の契約が通算5年を超えて更新されると、本人の申込みで無期の労働契約に変わります*2。

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1. 契約社員の三年ルールは契約1回の長さの上限

契約社員の三年ルールは、契約1回の長さを原則3年までとする労働基準法第14条の決まりです。3年たったら必ず契約が終わる、という決まりではありません*1。

労働基準法第14条は、期間の定めのある労働契約は、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える期間で結んではならないと定めています*1。高度な専門的知識や技術、経験を持つ人などとの契約は、上限が5年です*1。つまり、1回の契約で決められるのは原則3年までで、3年を超えて働けないという意味ではありません。

実際の契約は、6か月や1年ごとに更新されることもあります。1回の契約期間が3年を超えなければ、更新を重ねること自体は、この条文では制限されていません*1。更新を何回まで、通算何年までにするかは、会社が契約の中で決めることになります。

「3年で辞めてもらう」と伝える会社があるとすれば、それは法律で決まっているからではありません。会社が自分で設けた更新の上限なので、契約書や労働条件通知書にどう書かれているかを読む必要があります*2。

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2. 3年と5年が出てくる決まりの一覧

「3年ルール」「5年ルール」と呼ばれる決まりは、法律も対象も別々です。どれの話をしているのかを、次の表で切り分けてください。

有期の契約と派遣で年数が出てくる決まり

決まり年数中身
労働基準法第14条原則3年有期の労働契約1回の期間の上限。高度な専門知識を持つ人などは5年*1
労働者派遣法(事業所単位)原則3年派遣先の同じ事業所が派遣を受け入れられる期間の上限*4
労働者派遣法(個人単位)3年同じ派遣労働者を同じ組織単位(課など)に派遣できる期間の上限*4
労働契約法第18条通算5年超同じ会社との有期の契約が通算5年を超えると、申込みで無期の契約に変わる*2
クーリング6か月以上通算1年以上の契約のあとに6か月以上の空白があると、それより前の期間は通算されない*2

派遣の3年は、派遣先が同じ事業所で派遣を受け入れられる期間と、同じ人を同じ課に派遣できる期間の2つです*4。派遣元と雇用契約を結んで働く派遣社員の決まりなので、会社と直接契約している人には当てはまりません。

会社と直接結ぶ有期の契約にかかわる年数は、労働基準法第14条の3年と、労働契約法第18条の5年の2つです。3年は1回の契約の長さ、5年は更新を重ねた合計の長さで、数えているものが違います。

たとえば、1年契約を2回更新して3年目に入った人は、労働基準法第14条の上限にも、派遣の期間制限にも当たっていません。この時点で気にするのは、契約書にある会社の更新上限と、通算5年まであと何年かの2つです。年数を書き出して並べると、自分がどの決まりのどこにいるかが見えます。

3. 契約社員の3年と派遣の3年は別の決まり

同じ「3年」でも、契約社員の3年と派遣の3年は、誰と誰の契約の話かが違います。混ざったまま話を聞くと、自分の契約がいつまで続くのかを取り違えます。

契約社員の3年は契約の長さで派遣の3年は受け入れの期間 契約社員の3年 労働基準法第14条 会社と直接結ぶ契約 1回の契約の長さの上限 更新すれば働き続けられる 派遣の3年 労働者派遣法 派遣元と結ぶ契約 同じ課で受け入れる期間 課が変われば派遣できる 自分の雇い主が会社か派遣元かで当てはまる3年が変わる

派遣の個人単位の期間制限は、同じ派遣労働者を、派遣先の同じ組織単位に3年を超えて派遣することを禁じるものです*4。同じ人でも課が違えば派遣できますし、別の人なら同じ課に派遣できます*4。

直接雇用の有期契約では、働いている会社と期間を決めた労働契約を結んでいます。給与明細や雇用契約書に書かれた会社名が働いている会社と同じなら契約社員、派遣会社の名前なら派遣社員です。まず自分がどちらに当たるかを、手元の書類で見てください。

派遣社員の場合、派遣先には募集情報を伝える決まりもあります。同じ事業所で継続して1年以上受け入れている派遣労働者には、正社員の募集情報を知らせます*4。同じ組織単位で継続して3年間受け入れる見込みがある人には、正社員に限らず、その事業所で働く労働者の募集情報を知らせることになっています*4。

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4. 通算5年を超えると申込みで無期の契約になる

有期の労働契約が同じ会社との間で通算5年を超えて更新された場合は、本人の申込みによって期間の定めのない労働契約に変わります*2。契約社員やアルバイトなど、呼び方は問いません*2。これを無期転換ルールといい、労働契約法第18条に定められています*1。

申し込む権利が生まれるのは、2回以上の有期の契約を通算した期間が5年を超える場合です*1。たとえば1年ごとの契約なら、5回目の更新をして6年目の契約に入ったときに、その契約の期間中に申し込めます。

申し込む権利が生まれる契約の更新のときには、会社は無期転換を申し込めることを書面で示さなければなりません*2。あわせて無期転換後の労働条件も示し、正社員などとのバランスを考えた事項を説明するよう努めることになっています*2。

通算には空白期間の扱いがあります。通算1年以上の契約のあとに、契約のない期間が6か月以上あると、それより前の契約期間は通算されません*2。これをクーリングといいます*2。無期の契約に変わっても、正社員と同じ待遇になるとは限らないので、転換後の労働条件は会社に聞いてください。

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5. 更新の上限は契約のときに書面で示される

2024年4月から、有期の労働契約を結ぶときと更新するときに、会社は更新上限の有無とその内容を示さなければならなくなりました*2。通算契約期間の上限や更新回数の上限がある場合は、労働条件通知書にその年数や回数が書かれます*3。更新上限を新しく設けたり短くしたりするときは、その前に理由を説明することも求められます*2。

求人の段階でも同じです。2024年4月から、募集広告や職業紹介で示される労働条件に、更新上限の有無と内容が加わりました*3。転職先を探すときは、求人票の契約期間の欄に、更新の有無と更新上限が書かれているかを読みます*3。

今の契約で「通算3年まで」のような上限が書かれていれば、それが会社の決めた三年ルールの正体です。法律の決まりではないので、上限の理由を会社に聞くことができますし、上限の手前で正社員の求人を探し始めるという選び方もあります。

ITエンジニア向けの有期契約の求人では、プロジェクトの期間に合わせて契約期間や更新上限が決められていることもあります。応募の前に、プロジェクトが終わったあとの扱いと、無期転換や正社員登用の実績があるかを面接で聞いておくと、入社してから予定が狂いにくくなります。

6. 3年で雇止めと言われたときに読む決まり

有期の労働契約は、期間が満了すれば終わるのが原則です。ただし、労働契約法第19条は、最高裁判所の判決で確立した雇止め法理を条文にしたもので、一定の場合には雇止めを認めず、契約が更新されたものとみなします*1。反復して更新され、期間の定めのない契約と実質的に変わらない状態になっている場合などが当たります*1。

会社が更新年限や更新回数の上限を一方的に設けても、雇止めが許されないと判断される場合があります*2。更新上限を設けたうえで空白期間を置き、期間が過ぎたら再び雇うと約束して雇止めをすることも、労働契約法の趣旨に照らして望ましくないとされています*2。

雇止めの予告を受けたら、契約書と労働条件通知書、これまでの更新の回数と期間を手元にそろえます。更新を期待させる言葉を上司から聞いていたなら、その日付も書き留めておくと、相談のときに経緯を説明しやすくなります。

7. よくある質問

Q1. 契約社員は3年たったら必ず辞めないといけませんか?

A. そのような法律の決まりはありません。労働基準法第14条の3年は、1回の契約の長さの上限です*1。契約書に会社の決めた更新上限があるかを読んでください。

Q2. 派遣社員の3年ルールと契約社員の3年ルールは同じですか?

A. 別の決まりです。派遣の3年は労働者派遣法の期間制限で、派遣元に雇われている派遣社員にだけ当てはまります*4。

Q3. 1年契約を何回更新すると無期の契約に申し込めますか?

A. 通算の契約期間が5年を超えたときに申し込めます*2。1年ごとの契約なら、6年目の契約の期間中が目安です。

Q4. 契約書に更新上限が書かれていないときはどうなりますか?

A. 2024年4月からは、更新上限がある場合は契約のときに示すことになっています*2。書かれていなければ、上限があるかを会社に聞いてください。

Q5. 契約期間の途中で辞めて正社員に転職できますか?

A. 有期の契約は、期間の途中で辞めるのにやむを得ない事由が要るとされています(民法第628条)。退職の時期は契約の満了日に合わせるか、会社と話し合って決めるのが確実です。

Q6. 無期の契約になれば正社員になったのと同じですか?

A. 同じとは限りません。無期転換は契約の期間がなくなる仕組みで、転換後の労働条件は会社が示します*2。給与や手当、仕事の範囲が正社員とどう違うかを、書面で読んでください。

8. まとめ:契約社員の三年ルールは契約1回の長さの上限

この記事のまとめ

  • 契約社員の三年ルールは、有期の契約1回の期間を原則3年までとする労働基準法第14条の決まり*1
  • 3年で必ず雇止めになる決まりはない。更新の上限は会社が契約で決める
  • 派遣の3年は労働者派遣法の受け入れ期間の制限で、契約社員とは別*4
  • 同じ会社との有期の契約が通算5年を超えると、申込みで無期の契約に変わる*2
  • 2024年4月から、更新上限の有無と内容は契約のときと求人の段階で示される*2*3

契約書と労働条件通知書を出して、1回の契約期間と更新上限の欄を読み、上限の手前で何をするかを決めてください。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 労働契約法のあらまし(厚生労働省・令和6年4月)
*2 無期転換ルールハンドブック(厚生労働省・2025年12月)
*3 企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!(厚生労働省)
*4 派遣社員を受け入れるときに注意するポイント(広島労働局・令和7年9月)

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