年間休日の最低日数は法律で何日?105日の根拠

年間休日の最低日数を定めた条文は、労働基準法にありません*1。法律が決めているのは、毎週1回以上の休日と、1週40時間・1日8時間という労働時間の上限の2つです*1。よく見かける105日は、この上限から逆算すると出てきます。
実際に休める日数は、会社によって違います。厚生労働省の就労条件総合調査では、労働者1人あたりの年間休日の平均は116.6日でした*3。求人票の日数が105日と116.6日のどちらに近いかで、1年の休みは変わります。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 労働基準法が定めているのは、休日の回数と労働時間の上限の2つです*1。年間休日を何日にするかを決めた条文はありません。
- 105日は、1日8時間で働く場合に上限から計算して出る日数です*1*2。1日の勤務がそれより短い会社では、年間休日が105日を下回っても上限の中に収まります。
- 労働者1人平均の年間休日総数は116.6日、1企業平均は112.4日です*3。105日はどちらの平均も下回ります。
1. 年間休日の最低日数を定めた条文はない
労働基準法には、年間休日を何日以上にするという条文がありません*1。決めているのは、休日を毎週1回以上与えることと、労働時間を1週40時間と1日8時間に収めることの2つです*1。この2つを守れるなら、年間休日を何日にするかは会社が決めます。105日という数字は、条文ではなく計算から出てきます。
労働基準法第35条は、使用者が労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えることを定めています*1。4週間を通じて4日以上の休日を与える形でもよいと書かれています*1。ここで決まっているのは休日の回数で、1年の合計には触れていません。求人票に書かれた年間休日は、この条文の外側にある数字です。
一方、労働基準法第32条は、1週40時間を超えて、また1日8時間を超えて労働させてはならないと定めています*1。こちらは休日ではなく、働く時間の上限を決めた条文です。上限が時間で示されているため、休日の日数は残りとして決まります。条文が日数を指定しているわけではありません。
そのため、年間休日の日数は、会社が労働時間をどう組むかで変わります。1日の勤務を8時間とする会社と、それより短くする会社では、同じ上限でも休める日数が違います。労働基準法は、その選び方までは指定していません。決めているのは上限だけです。
2. 求人票の数字は105日と116.6日の間にある
実際に何日休めるかは、条文からは出てきません。同じ調査では、労働者1人平均の年間休日総数が116.6日でした*3。105日との開きは、そのまま出勤する日数の差にあたります。求人票の日数は、この2つの間のどこかに入ります。
そのため、求人票の数字は単独では読めません。105日に近いのか、116.6日に近いのかで、1年に出勤する日数が変わります。同じ職種の求人でも、この差はそのまま働く日数の差になります。まず、日数がどちらに近いかを見てください。
ただし、平均より少ない求人が、そのまま働きにくいとは決まりません。1日の勤務時間が8時間に満たない会社なら、休む日が少なくても1年の労働時間は抑えられます*1。休みの合計は、1日の勤務時間とセットで読む数字です。片方だけでは1年の長さが出ません。
実際、労働基準法は1週と1日の両方に上限を置いているため、休日を増やした分だけ1日の勤務を延ばすことはできません*1。休みの少なさと1日の長さは、別々に決まります。求人票では、休日の欄と勤務時間の欄をそろえて見てください。
あわせて読みたい | 年間休日120日は多い?平均116.6日との差と求人票の読み方
3. 1週40時間から年間105日を逆算する
まず、1年の365日を7日で割ると、1年に何週あるかが出ます。1週40時間を掛けると、1年に働かせてよい時間は約2,085時間です*1*2。これを1日8時間で割ると、働ける日数は約260日になります。365日から260日を引いた残りが、約105日です。
つまり、105日は休日の回数からではなく、働く時間から出た数字です。毎週1回の休日だけを置いた場合、年間の休みは105日に届きません*1。1日8時間で働くなら、その日数では1週40時間の上限を超えてしまいます*1。2つの条文は、同時にかかります。
そのため、105日という日数は条文の中には出てきません。労働基準法が決めているのは時間の上限で、日数は1日8時間という前提を置いたときに初めて出ます*1。前提が変われば、出てくる日数も変わります。計算の出発点は、日数ではなく時間です。
実際、1日の勤務が8時間より短い会社では、同じ40時間の上限でも働ける日数が増えます。その分だけ休みの合計が105日を下回っても、1週40時間の上限には触れません*1。逆に1日8時間をそのまま採用している会社では、105日が下限に近い数字になります。同じ105日でも、1日の勤務時間で中身が変わります。
ただし、この計算で出るのは、上限まで働かせた場合の日数です。上限まで使わない会社では、休みの合計は105日より多くなります。労働者1人平均が116.6日という数字も、105日より上にあります*3。105日は、計算の下の端から出た数字です。
4. 105日は2つの平均のどちらも下回る
ただし、平均には2つの数え方があります。厚生労働省の調査では、会社を1社ずつ数えた1企業平均が112.4日、労働者1人ずつ数えた平均が116.6日でした*3。どちらの平均も、1日8時間の計算から出る105日より多い数字です。求人票の105日は、この2つより下にあります。
実際、休みの合計が120日以上の会社は39.3%でした*3。残りの会社は、それより少ない日数で1年を回しています。105日はその中でも低いほうに入ります。平均だけを見ていると、この位置は見えません。
そのため、105日の求人が平均を下回ることは、数字の上でははっきりしています。ただし、少ないこと自体が問題とは限りません。1日の勤務が短ければ、働く時間の合計は増えません。分かれ目になるのは、1日8時間の勤務で休みが105日という組み合わせです。
この組み合わせでは、1年に働く時間が労働基準法の上限のすぐ手前まで届きます*1*2。応募の前に、休みの合計と1日の勤務時間を並べて数えてください。2つがそろえば、1年の出勤日数はその場で出ます。出勤日数まで出せば、求人どうしを同じ物差しで比べられました。
5. 労働基準法が決めているのは回数と時間だけ
休みに関する決まりは、労働基準法の中と外に分かれています。法律の側にあるのは、週に何回休ませるかと、働かせてよい時間の長さだけです*1。土日に休むか、祝日を休みにするかは、会社が決めます。求人票の書き方に差が出るのは、そのためです。
一方、決まっていない部分があるからこそ、同じ105日でも中身が変わります。どの日を休みにするかは、条文には書かれていません*1。土日が休みの会社と、シフトで休みが回る会社では、休める曜日が違います。休みの姿は、日数だけでは分かりません。
条文にあるのは休日の回数と働く時間の上限だけ
| 労働基準法が決めていること | 労働基準法が決めていないこと |
|---|---|
| 毎週1回以上の休日を与えること*1 | 年間で何日を休みにするか |
| 4週間を通じて4日以上の休日でもよいこと*1 | 休みをどの曜日に置くか |
| 1週間の労働時間を40時間以内にすること*1 | 年間休日105日という下限 |
| 1日の労働時間を8時間以内にすること*1 | 祝日や年末年始を休みにするか |
そのため、求人票を読むときは、条文で決まっている部分と会社が決める部分を分けて読みます。条文の側は週の休みの回数と労働時間の上限だけで、それ以外は会社ごとに違います*1。休みの内訳や連休の入り方は、求人票の日数からは出てきません。ここは面接で聞くしかありません。
あわせて読みたい | 年間休日125日とは?内訳(土日・祝日・年末年始)と休みの実態
6. 1日の勤務時間と休みの入り方を合わせて読む
求人票の日数だけでは、1年の働き方は決まりません。次の3つを合わせて読むと、同じ105日でも会社ごとの差が出ます。
同じ105日でも違いが出る3点
- 1日の所定労働時間:所定労働時間(会社が決めた1日あたりの働く時間)が8時間かどうかで、1年の労働時間の合計が変わります*1。8時間と書かれていて休みが105日なら、上限に近い働き方です。
- 休日の与え方:毎週1回の休日か、4週間で4日以上にまとめる形かで、続けて出勤する日数が変わります*1。求人票に書かれていなければ、面接で聞きます。
- 休みの内訳:合計が同じでも、年末年始や夏季の休みを含めているかどうかで連休の入り方が変わります。求人票の日数からは出ないので、面接で聞いておきます。
ただし、3つとも求人票に書かれているとは限りません。書かれていない項目は、面接の前半で聞いてください。休日について数字で答えが返らない会社では、社内でも休みの扱いが整理されていない可能性があります。日数の確認は、入社の前にしかできません。
7. 年間休日の最低日数についてよくある質問
Q1. 年間休日105日は労働基準法に違反しますか?
A. 違反しません。105日は、1日8時間で働く場合に労働時間の上限から計算して出る日数で、条文が定めた下限ではありません*1*2。休日が毎週1回あるか、4週間で4日以上あるかは、日数とは別に見ます*1。
Q2. 年間休日が105日より少ない求人は労働基準法に反しますか?
A. 日数だけでは決められません。1日の勤務が8時間に届かない会社では、出勤する日が増えても1週40時間には収まります*1。休日の回数が条文どおりに入っているかどうかも、合わせて見ます*1。
Q3. 4週間で4日の休日でも問題ありませんか?
A. 労働基準法は、毎週1回の休日に代えて、4週間で4日以上の休みを置く形も認めています*1。ただし、1週間と1日それぞれの上限は、その場合も変わりません*1。どの週にどれだけ休みが入るかは条文では決まらないため、求人票に4週4日と書かれていたら、実際の割り振りを面接で聞いてください。
Q4. 祝日は休みにしなければいけませんか?
A. 労働基準法に、祝日を休みにするという定めはありません*1。条文が求めているのは毎週1回または4週間で4日以上の休日で、どの日に休むかは会社が決めます*1。祝日に出勤する会社でも、休日の回数と時間の上限を満たしていれば、条文には反しません。
8. まとめ:条文の定めと105日の計算を分ける
年間休日105日の読み方
- 労働基準法の条文は、休日の回数と労働時間の上限までしか決めていません*1。何日休めるかは、会社が決めます。
- 105日は、1日8時間で働くと置いたときに、上限から計算して出る日数です*1*2。条文に書かれた下限ではありません。
- 労働者1人平均は116.6日、1企業平均は112.4日で、105日はどちらも下回ります*3。休みの合計が120日以上の会社は39.3%でした*3。
- 求人票では、休みの合計と1日の勤務時間を合わせて読みます。休みの内訳と与え方は、面接で聞いてください。
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休みの合計は、法律の下限ではなく、会社が上限の中でどう組んだかの結果です。105日に近い求人ほど、1年に出勤する日は多くなります。日数だけを見ず、1日の勤務時間と一緒に読んでください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 e-Gov法令検索「労働基準法」第32条・第35条(2026年確認)
*2 厚生労働省「労働時間・休日」(2026年確認)
*3 厚生労働省「令和7年 就労条件総合調査 結果の概況」(2026年確認)
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