転居の補助は何で決まるか|確かめる先

転職で住む場所が変わるとき、転居にかかる費用の一部を会社が補助する場合があります。補助があるかないかよりも重要なのは、対象になる範囲、金額の決め方の型、申請の時期、対象外になる場合がどう書かれているかです。ここでは条件の書かれ方を確かめる話に絞って見ていきます。金額や税の扱いは会社の規程と制度の定めによって変わるため、ここでは示しません。
転居の補助は、対象・決め方・時期がどう書かれているかを確かめると分かります。
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この記事のポイント
- 補助は、対象になる範囲・決め方の型・申請の時期・対象外になる場合の4項目がどう書かれているかで見分けられます
- 条件が書面で示されているか、申請の時期が分かるかという2つの軸で見ると、確かめる範囲が絞れます
- 内定から精算までを4段に分けて確かめると、申請の時期を見落としにくくなります
1. 転居の補助は書かれ方で決まります
転居の補助があるかどうかよりも重要なのは、対象になる範囲、金額の決め方の型、申請の時期、対象外になる場合が、就業規則や募集要項にどう書かれているかです。条件が書面で示され、申請の時期まで分かる状態であれば、確かめる範囲はそこで終わります。書かれていない部分があれば、その部分だけを窓口に確かめます。
ここで扱うのは、転職にあわせて住む場所を変える転居です。転職にともなう住み替えは、通勤圏の変更や勤務地の指定によって生じます。会社によっては、その費用の一部を補助する制度を設けており、対象になる範囲は会社ごとに異なります。単身での住み替えだけを対象にする場合もあれば、扶養家族が住み替える場合まで含める場合もあります。
自己都合による住み替えか、会社の指定による住み替えかという区分も、対象になるかどうかを分ける論点です。入社が決まってから住む場所を変える人と、すでに働いている人が異動などで住み替える人とでは、参照する書面自体が異なることもあります。どの立場に当たるかを先に確認しておくと、探す書面を絞りやすくなります。
住む場所を変える必要があるかどうかは、働く場所の前提によっても変わります。情報通信業のテレワーク実施率は56.3%、正社員全体では22.5%です*1。この数字は働く場所の実施率を示すもので、補助の条件を決めるものではありません。
在宅勤務そのものに住む場所の条件がつく場合もありますが、それは転居の補助とは別の書面に書かれていることが多くあります。住む場所の条件については、別記事で扱っています。
条件がどう書かれているかを確かめるには、書面で示されているかどうかと、申請の時期が分かるかどうかの2つの軸で見ると整理しやすくなります。次の図で、この2軸を示します。
あわせて読みたい | 住む場所に条件がつく在宅|4つの書面
2. 条件と時期を2つの軸で見ます
確かめる範囲を絞るために、条件が書面で示されているかと、申請の時期が分かるかという2つの軸で位置を整理します。
位置が右上に当たるかどうかは、就業規則や社内規程、募集要項のどこに書かれているかを実際に確かめてみないと分かりません。書かれている場所は会社によって異なり、条件だけをまとめた書面がある会社もあれば、複数の規程に分かれて書かれている会社もあります。
左側や下側に当たる場合は、書かれていない部分をそのままにせず、次の項目で示す4つの確認項目に沿って窓口に確かめておくと、あとになって思い違いが起きにくくなります。
3. 決め方の型で申請の手間が変わります
転居にかかる費用を会社がどう扱うかは、大きく3つの型に分かれます。定額を支給する型、実費の一部を精算する型、そして上限を設けたうえで実費を精算する型です。どの型を採るかは会社の規程によって決まっており、金額そのものは規程を確かめないと分かりません。
定額を支給する型は、対象になる住み替えであれば一定の額が支給される仕組みです。申請の手間は少なくなりますが、実際にかかった費用との差が生まれることがあります。
実費の一部を精算する型は、使った分を申請し、その都度または一定の期間ごとに受け取る形です。対象になる費用の範囲が論点になり、引っ越し業者への支払いだけを対象にするか、そこに含まれない費用まで対象にするかは規程の書き方によって変わります。
上限を設けたうえで実費を精算する型は、実費の型に近い仕組みですが、上限を超えた分は自己負担になります。上限が書かれているかどうかは、申請する前に確かめておきたい点です。
上限の決め方にも幅があります。上限そのものが定額で決められている場合と、実費のうち一定の割合までを上限にしている場合があり、決め方が違えば、超えた分の扱いも変わります。どちらの決め方かが分かれば、超えた分を自己負担にするか、別の申請で扱えるかも窓口に確かめやすくなります。
3つの型は、どれか1つだけを採用する会社もあれば、費用の種類によって型を分けている会社もあります。引っ越し業者への支払いは実費で精算し、それ以外の細かな費用は定額でまとめる、といった組み合わせ方も見られます。型が複数に分かれている場合は、費用の種類ごとに確かめる必要があります。
どの型に当たるかが分かれば、次に確かめることも絞られます。次の表で、確かめる項目とどこで分かるかを整理します。
4. 確かめる4つの項目と分かる場所
転居の補助の条件は、4つの項目に分けて確かめると迷いません。それぞれの項目で、確かめる場所も変わります。
確かめる項目と、分かる場所
| 確かめる項目 | どこで分かるか |
|---|---|
| 対象になる転居の種類 | 募集要項・就業規則の記載欄 |
| 決め方の型(定額・実費・上限付き) | 就業規則・社内規程 |
| 申請の時期 | 入社時の案内・社内ポータル |
| 対象外になる場合 | 人事・総務への確認 |
対象になる転居の種類は、単身か扶養家族が住み替える場合まで含めるかによって範囲が変わります。会社が用意する社宅に住み替える場合は、別の仕組みで扱われることが多く、条件も別の書面に書かれています。社宅の条件については、別記事で扱っています。
決め方の型が分かっても、対象になる費用の範囲までは書かれていないことがあります。引っ越し業者への支払いだけを対象にするか、そこに含まれない費用まで対象にするかは、範囲が書かれていない場合、申請の窓口に確かめる必要があります。
申請の時期は、内定から入社までの間に案内される場合と、入社後に社内ポータルで案内される場合があります。時期が書かれていない場合は、申請の期限を過ぎてしまうこともあるため、早い段階で確かめておきたい項目です。
対象外になる場合は、書面に明記されていることもあれば、記載がなく窓口で確かめないと分からないこともあります。書かれていない場合は、確かめる項目を1つに絞ったうえで、人事や総務に確認することが大切です。
対象外になる場合の例として、入社を辞退したときや、一定の期間内に自己都合で退職したときに、支給した分の返還を求める規程を設けている会社もあります。返還の条件があるかどうかも、対象外になる場合の一部として、あらかじめ確かめておきたい点です。
あわせて読みたい | 社宅制度の条件はどこに書かれるか|聞く先
5. 内定から精算までの4段の流れ
4つの項目を確かめたら、内定から精算までの流れを4段に分けておくと、申請の時期を見落としにくくなります。
最初の段では、対象になる範囲と、決め方の型を書面で確かめます。ここが曖昧なままだと、次の段で何を確かめればよいかも絞れません。
2段目では、申請の時期を押さえます。内定から入社までの間に案内される場合と、入社後に社内ポータルで案内される場合があるため、どちらのタイミングで案内されるかを事前に確かめておくと安心です。
3段目では、見積もりや支払いの控えを集めます。引っ越し業者からの見積書や、支払った際の控えは、精算の申請に必要になることが多く、住み替えが決まった時点から保管しておくと後で慌てずに済みます。
4段目では、精算の結果を確かめます。申請した内容どおりに反映されているかを確認し、差異があれば早めに給与担当や人事に確かめておくと、あとになって行き違いが起きにくくなります。
6. 確かめる先を3つの窓口に分けます
転居の補助について分からない点が絞れたら、確かめる先を3つの窓口に分けておくと、確認が重複しません。
確かめるときの3つの窓口
- 人事に確かめる窓口:対象になる範囲と、条件がどの書面に書かれているかを尋ねます
- 給与担当に確かめる窓口:申請の方法と時期、決め方の型を尋ねます
- 上長に確かめる窓口:住み替えのあとの勤務条件が、案内どおりに続くかを尋ねます
人事に確かめる窓口は、条件そのものがどこに書かれているか分からないときに使います。就業規則や社内規程、募集要項のどこに転居の補助に関する記述があるかを尋ねると、次に読む書面が絞れます。
給与担当に確かめる窓口は、申請の方法や時期が分からないときに使います。決め方の型が分かっても、申請の期限までは書かれていないことがあります。
上長に確かめる窓口は、住み替えのあとに勤務条件が変わる可能性があるときに使います。条件自体は変わっていなくても、運用が変わっている場合もあるため、住み替えが決まったタイミングで確かめておくと安心です。
在宅勤務の頻度が増える場合、日々の光熱費のような継続的な費用の扱いは、住み替えの補助とは別の書面に書かれていることが多くあります。継続的な費用の扱いについては、別記事で扱っています。
あわせて読みたい | 在宅の光熱費はどう書かれるか|記載の読み方
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 転居の補助は、転職すれば対象になりますか。
A. 会社の規程によって異なります。対象になる範囲が定められている場合があり、単身での住み替えだけを対象にする会社もあれば、扶養家族が住み替える場合まで含める会社もあるため、就業規則や募集要項の記載を確かめる必要があります。
Q2. 転居の補助が実費で精算される場合、かかった費用の全額が対象になりますか。
A. 会社の規程によって異なります。対象になる費用の範囲は、引っ越し業者への支払いの一部だけを指す場合もあるため、範囲がどこまでかを給与担当や人事に確かめることをおすすめします。
Q3. 転居の補助の条件が就業規則に見当たらない場合、対象外と判断してよいですか。
A. その時点では判断できません。条件が見当たらないことは、対象外と決まっていることと同じではなく、別の書面に書かれている場合や、方針自体が定まっていない場合もあるため、窓口で確かめる必要があります。
Q4. 転居の補助に、税の区分は関係しますか。
A. 税の扱いは会社の規程と制度の定めによって変わるため、ここでは断定できません。給与に関する案内や人事の窓口で確かめることをおすすめします。
8. まとめ:転居の補助は書かれ方で確かめます
この記事の要点
- 補助は、対象になる範囲・決め方の型・申請の時期・対象外になる場合の4項目がどう書かれているかで見分けられます
- 条件が書面で示されているか、申請の時期が分かるかという2つの軸で見ると、確かめる範囲が絞れます
- 内定から精算までを4段に分けて確かめると、申請の時期を見落としにくくなります
- 確かめる先は人事・給与担当・上長の3つの窓口に分けると、確認が重複しません
補助を、対象になる範囲だと思い込んだまま対象外の住み替えで申請してしまったり、時期を過ぎてから気づいたりすると、あとになって困ることになります。条件がどう書かれているかを確かめ、窓口を分けておけば、書かれ方がどうであっても落ち着いて確かめられます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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