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時短勤務はいつから申し出る?3歳までの制度と転職後の扱い

時短勤務を申し出るとき|先に読むことのイメージ写真

時短勤務を使えるかどうかは、多くの会社の就業規則に定められています。迷うのはその先の順番です。1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから、どのくらい続けるかを自分で決めてから、どの書面で条件を読み、誰にいつ伝えるかという順に進めると、話が一度で伝わります。ここでは、決める項目と、読む書面の2つに絞ります。

時短勤務で最初に要るのは、自分が対象に入るかと、条件を決める順番の2つです。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 時短勤務を申し出るときに整えておきたいのは、勤務時間・時刻・開始日・期間という4つの条件です
  • 4つの条件は、就業規則・社内の案内・申請書という書面で扱いを読みます
  • 決める段と読む段を分けたうえで、上長に伝える範囲を3つに絞ります

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1. 時短勤務は、条件を決めてから申し出ます

申し出るときに最初に整えておきたいのは、制度があるかどうかではなく、1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから、どのくらい続けるかという4つの条件です。この4つを自分で決めてから、どの書面を読むかに進めば、申し出る段で迷う範囲が狭くなります。

時短勤務という制度が会社にあるかどうかは、就業規則を見ればすぐに分かります。迷うのは、その先の順番です。1日の勤務時間をどれだけ短くするか、始業と終業の時刻をどう動かすか、いつから始めるか、どのくらいの期間を想定するかという4つは、制度の有無とは別に自分で決める必要があります。

この4つを決めずに人事へ相談すると、会社側から何時間にしたいかを聞き返され、その場で即答できずに話が持ち越されることがあります。先に条件を決めておけば、読む範囲は最初から狭くて済みました。

4つを決める前に、そもそも自分が対象に入るかどうかだけ先に見ておきます。育児・介護休業法にもとづく短時間勤務の対象は、3歳に満たない子を養育する労働者で、1日の所定労働時間が6時間以下でないことが要件です*2。すでに6時間以下で働いている場合は、この制度の対象になりません。会社が講じる措置は1日の所定労働時間を原則6時間とするものです*2。

転職して間もない場合は、もう1つ見るところがあります。会社は労使協定を結ぶことで、継続雇用1年未満の労働者をこの制度の対象から外せます*2。週の所定労働日数が2日以下の労働者と、業務の性質上この制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者も同じです。入社1年未満で申し出るつもりなら、就業規則の育児・介護休業規程にこの除外規定が置かれているかを先に見てください。置かれていれば、入社1年を過ぎるまで会社は申し出を拒めます。

子が3歳になったあとは、別の仕組みに切り替わります。2025年10月1日から、事業主は3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対して、始業時刻等の変更・テレワーク等(月10日以上)・保育施設の設置運営等・養育両立支援休暇(年10日以上)・短時間勤務制度の5つから2つ以上を用意する義務を負い、労働者はそのうち1つを選べます*3。3歳以降も短い時間で働きたいなら、短時間勤務制度が選ばれているかどうかで変わります。

4つの条件は、同じ書面にまとめて書かれているとは限りません。就業規則に書かれている項目もあれば、社内の案内に書かれている項目、申請書を書く段になって初めて分かる項目もあります。

条件を決める順番と、書面を読む順番を分けておけば、上長に伝える段で話がぶれません。何時間にするかを決めていないまま相談すると、話が条件の相談から始まってしまい、一度で伝わりにくくなります。

次の章では、条件を決める前に書面を読みようとすると何が起こるかを整理します。

2. 決める順番を誤ると、確認が振り出しに戻ります

条件を決める前に書面を読みようとすると、就業規則を読んでも何時間からが時短勤務として扱われるかが具体的には書かれておらず、結局は人事に聞くところまで戻ってしまいます。書面は扱える幅を示すもので、自分がその幅のどこを選ぶかまでは書いていません。

先に条件を決めておけば、書面を読む作業は、決めた条件が扱える範囲に収まっているかを見るだけで済みます。この順番を逆にすると、条件の相談と扱いの確認が一度に混ざり、どちらも中途半端なまま話が終わることがあります。

時短勤務を考える場面は、一度きりではありません。一般労働者の賃金は55〜59歳が月396.2千円で全年齢のピークとなり、60〜64歳では329.3千円まで下がります*1。この数字は年代ごとの賃金の水準を示すもので、時短勤務の扱いを決めるものではありません。働く期間は長く、勤務時間の使い方を変える場面はこの先も何度か訪れると考えておくと、一度の申し出に条件を詰め込みすぎずに済みます。

条件を決める段と、書面を読む段を分けておけば、期間を延ばす、時刻を変えるといった見直しでも、同じ順番をもう一度使えました。最初に整えた順番は、一度きりの申し出のためだけのものではありません。

書面だけでは、実際にどのくらい使われているかまでは分かりません。制度として書かれていることと、実際に使われていることは、同じとは限りません。

次の章では、決めておく4つの条件と、それぞれをどの書面で読むかを表にします。

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3. 決める4つの条件は、書面によって読み方が変わります

申し出る前に決めておきたい4つの条件を、どの書面で読むかと並べます。

4つとも、就業規則だけに書かれているとは限りません。

決める条件/読む書面

決める条件どの書面で読むか
1日の勤務時間就業規則に、選べる時間の幅(下限・上限)が定められています
始業と終業の時刻社内の案内に、選べる時刻の組み合わせが示されている場合があります
いつから始めるか申請書に、申し出から適用までに必要な期間の目安が書かれています
どのくらい続けるか就業規則や社内の案内に、期間の区切りや更新の手続きが定められています

表の4つは、申し出るときに決める、1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから始めるか、どのくらい続けるかという順に並んでいます。この順で決めておくと、確認する順番も同じ順で進められます。

1日の勤務時間は、就業規則に選べる時間の幅が定められています。何時間から選べるかは会社によって異なるため、一般化して示すことはできません。就業規則の該当箇所を確認しておくと、自分が決めたい時間がその幅に収まるかが見えてきます。

始業と終業の時刻は、社内の案内に選べる組み合わせが示されている場合が多いです。示されていない場合の聞き先は、人事の窓口です。

いつから始めるかは、申請書に申し出から適用までに必要な期間の目安が書かれています。適用までに一定の準備期間を置く会社もあるので、始めたい時期の当日に申し出ても間に合いません。

どのくらい続けるかは、就業規則や社内の案内にある期間の区切りと更新の手続きしだいです。区切りごとに更新の手続きが必要な会社もあれば、期間を決めずに運用する会社もあります。

4つとも一度に決めなくてもかまいません。まず自分の希望を仮に置いてから、書面と見比べて調整するという進め方でも、条件は固まっていきます。

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4. 時短勤務を申し出るまでは、4つの段を順に進みます

申し出るまでの流れを、4つの段に分けて整理します。

申し出るまでの4つの段 条件を決める 1日の勤務時間、時刻、 開始日、どのくらい続ける かを自分で決める段 扱いを読む 就業規則や社内の案内で、 決めた条件が扱える範囲に 収まっているかを読む段 上長に伝える 決めた条件と読んだ扱い を、上長に伝える段 手続きを聞く 人事の窓口で、申請書の書 き方や適用までの手続きを 読む段 4段は順に進みます。前の段を終えてから次に進むと、話を一度で伝えられます

最初の段は、自分の条件を決めることです。1日の勤務時間、始業と終業の時刻、いつから、どのくらい続けるかを、書面を見る前に自分の中で決めておきます。

次の段は、決めた条件が就業規則や社内の案内で扱える範囲に収まっているかを読む段です。ここで幅から外れている部分が見つかれば、条件を調整してから次の段に進みます。

3段目は、上長に伝えることです。決めた条件と読んだ扱いをそろえてから伝えると、条件の相談と扱いの確認が一度に混ざらずに済みます。

4段目は、人事の窓口で手続きを聞く段です。申請書の書き方や、適用までに必要な期間は、窓口で確認すると具体的に分かります。

4つの段を順に進めば、前の段で決めたことをもとに次の段へ進めるため、同じ説明を繰り返す場面が減ります。

5. どこまで読めたかを申し出の前に見ておきます

条件を決めたあと、どこまで読めているかを、2つの極の間で見ておきます。

どこまで読めたかを申し出の前に見ておきます 読みかけの位置 条件を決めた段 手続きまで読み終えた段 就業規則を読んだだけでは、社内の案内や申請書までは読み終えていません 帯の位置がどちらに寄っていても、読む書面の種類は変わりません

就業規則を読んで条件が扱える範囲に収まっていると分かった時点では、読みはまだ半分ほどです。就業規則は原則を示すもので、社内の案内や申請書に書かれている実際の手続きまでは示していません。

社内の案内まで見て、選べる時刻の組み合わせや期間の区切りを確認できていれば、読み進んだ位置は右側に近づきます。それでも、申請書の書き方や適用までの期間は、人事の窓口で聞くまで分かりません。

帯のどちら寄りにいても、次にすべきことは変わりません。まだ読んでいない書面を、就業規則、社内の案内、人事の窓口という順で見ていくだけです。

読みが半分で止まっている状態のまま上長に伝えると、扱いの確認が終わっていない部分について聞かれ、話が一度で終わらないことがあります。伝える前に、読み進んだ位置を右側に寄せておくと話がまとまりやすくなります。

6. 上長に伝えるときは、伝える範囲を3つに絞ります

決めた条件と読んだ書面がそろったら、上長に伝えるときに整理する範囲を3つに絞っておきます。

伝えるときに整理する3点

  • 決めた条件:1日の勤務時間、時刻、開始日、どのくらい続けるかをまとめて伝えます
  • 読んだ扱い:就業規則や社内の案内で確認した、扱える範囲を伝えます
  • 相談したい点:まだ書面で読めていない部分を、相談したい点として伝えます

3つの項目は、社内の案内に伝え方の示し方がない場合でも、自分で組み立てられる範囲です。決めた条件、読んだ扱い、相談したい点を分けて伝えると、上長も何を判断すればよいかが分かりやすくなります。

決めた条件は、4つをまとめて一度に伝えます。1日の勤務時間だけを先に伝えて、時刻や期間を後から追加すると、上長は判断をやり直すことになりました。

読んだ扱いは、就業規則や社内の案内にあった内容をそのまま伝えてください。ここで自分の解釈を加えず、書面にあった内容と、まだ読めていない内容を分けて伝えれば、上長からの質問が減ります。

相談したい点は、書面だけでは分からなかった部分だけです。選べる時刻の細かい組み合わせなど、就業規則には書かれていない部分がここです。

3つを分けて伝える準備は、人事の窓口に行く前でも終わります。上長に伝える段と、人事の窓口で手続きを聞く段は、内容が重なる部分もあります。ただし相手が違うので、準備は分けたほうが進みます。

伝える範囲を3つに絞っておくと、時短勤務の相談が一度で終わらなくても、次に何を読みればよいかがその場で分かります。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. 時短勤務は、何時間からが対象になりますか。

A. 育児・介護休業法にもとづく制度では、会社が講じる措置は1日の所定労働時間を原則6時間とするものと決まっています*2。対象になるのは、1日の所定労働時間が6時間以下でない労働者です。会社によって変わるのは、この原則に加えて別の勤務時間も選べるようにしているかどうかです。

Q2. 就業規則を確認する前に、条件を決める必要がありますか。

A. 先に決めておくと確認がしやすくなります。条件を決めてから就業規則を確認すると、決めた条件が扱える範囲に収まっているかを見るだけで済みます。

Q3. 上長と人事のどちらに先に伝えればよいですか。

A. 会社によって順番が違います。社内の案内に、最初に伝える相手の順番が示されている場合が多いので、そこを読んでから伝えてください。

Q4. 期間を決めずに時短勤務を始めることはできますか。

A. 会社の制度によって異なります。就業規則や社内の案内に、期間の区切りや更新の手続きが定められているかを確認しておくと、始める前に見通しを持てます。

8. まとめ:対象かどうかを見てから、条件を決めます

この記事の要点

  • 時短勤務を申し出るときに整えておきたいのは、1日の勤務時間・時刻・開始日・期間という4つの条件です
  • 4つの条件は、就業規則・社内の案内・申請書という書面で扱いを読みます
  • 決める段と読む段を分けたうえで、上長に伝える範囲を3つに絞ります
  • 読み進んだ位置が半分で止まっているまま伝えると、話が一度で終わらないことがあります
  • 人事の窓口で手続きを聞く段まで進めると、申し出の準備が整います

時短勤務を申し出るときに要るのは、制度があるかどうかではありません。自分が対象に入るかと、条件を決める順番の2つです。1日の勤務時間、時刻、開始日、どのくらい続けるかを自分で決めたうえで、就業規則や社内の案内、申請書で扱いを読み、上長と人事の窓口に順に伝えます。条件や扱いは制度の定めと社内の規程で決まるため、案内と窓口で読みながら進めます。

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出典・参考情報

*1 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2026年公表)
*2 厚生労働省「短時間勤務等の措置」(育児休業制度特設サイト)
*3 厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(令和6年12月改訂)

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