ソフトウェアエンジニアのフルリモート|アプリ開発と組込みの違い

ソフトウェアエンジニアが在宅やリモートで働けるかは、職種で分かれます。パッケージソフトの開発はネット環境が整えばリモートででき、働く場所を選びません*1。スマホアプリの開発も、打合せをオンラインで行って在宅で働く場合があります*2。
組込み・IoTは、製品や装置の実物とネットワーク、サーバーを使うため、在宅は難しい職種です*3。コロナ禍後は、一部の仕事の在宅やリモートでの打合せが増えました*3。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- パッケージソフトは、リモートで開発することもできる職種です*1。スマホアプリは、打合せをオンラインに切り替え、在宅(テレワーク)で仕事をする場合があります*2。
- 組込み・IoTで在宅が難しいのは、開発に実際の製品や装置、ネットワーク、サーバーが必要なためです。機密情報を扱うときは職場で働きますが、コロナ禍以降は仕事の一部を在宅で行い、リモートの打合せも多くなっています*3。
- 情報通信業でテレワークを導入している企業は92.8%で、産業別で最も高い割合です*5。ただしこれは導入している企業の割合であり、社員の何割が在宅で働くかは分かりません。
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ソフトウェアエンジニアの求人は、パッケージソフトかスマホアプリか組込みかで在宅の余地が変わるため、職種と出社の頻度を並べて探すことになります。リラシクが扱う求人は、すべてリモートワークに対応した正社員求人です。
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1. ソフトウェアエンジニアの在宅は職種で分かれる
パッケージソフトとスマホアプリの開発は、在宅やリモートで進める場合があります。組込み・IoTは、在宅が難しい職種です。パッケージソフトは、ネット環境の整備が進み、リモートワークで開発できる仕事です*1。スマホアプリは、職場が都市部に多い一方で、在宅で仕事をする場合もあります*2。組込み・IoTでも、仕事の一部は在宅になっています*3。
職業情報提供サイト(job tag・厚生労働省)では、ソフトウェア開発の仕事が3つのページに分かれて載っています。パッケージソフト、スマホアプリ、組込み・IoTです*1*2*3。組込み・IoTのページ名は「システムエンジニア(組込み、IoT)」です。ソフトウェアエンジニアという1つの呼び名の中に、仕事の流れも働く場所も違う3つの職種が入っています。
パッケージソフトの開発は、利用するユーザーを想定して企画と設計を行い、プログラミング、テスト、バグや不具合の修正が開発の流れです*1。販売後も、アップデートの修正プログラムを作り、既存のソフトのバージョンアップを行います*1。開発会社は大都市に多く、地方都市にもあります*1。
スマホアプリの開発は、企画から要件定義(作るアプリの目的や必要な機能を決めること)を行い、画面や機能を決めて進みます*2。開発ではパソコンが使われ、全体で4〜6人で開発することが多い仕事です*2。受託の開発では、依頼主へのヒアリングや契約の手続きも工程に入ります*2。
組込み・IoTの開発は、大きくハードウェア開発とファームウェア開発(機器を動かすためのソフトウェアの開発)に分かれます*3。働き先は、メーカーやシステム開発会社、開発の一部を委託された会社で、正社員として働くことが多い職種です*3。会社の情報保護とコンプライアンス(法令や社内規則を守ること)が重視されるため、フリーランスはほとんど見られません*3。
2. 在宅の余地は開発作業と打合せで職種ごとに違う

職業情報提供サイト(job tag)の労働条件にある在宅やリモートの記述を、開発作業と打合せ・一部の業務に分けました。パッケージソフト・スマホアプリと組込み・IoTで並べています。
パッケージソフトの開発は、ネット環境が整っていれば、働く場所が会社の席に限られません*1。会社の所在地と自分の住む場所が離れていても、リモートで開発する働き方があります。求人票では、在宅で働ける日数と、出社が必要になる場面を読みます。
スマホアプリの開発は、打合せがオンラインになる場合があります*2。ここで書かれているのは打合せと在宅で、開発作業そのものの在宅の可否は、job tagのスマホアプリのページに書かれていません。チームが開発のどの場面を在宅にしているかは、面接で聞く事柄です。
組込み・IoTは、図の左下のとおり、開発に製品や装置の実物が必要です*3。機密情報を扱うときは、自宅ではなく職場で仕事をします*3。同じ組込みの求人でも、実機を動かす工程が多い職場と少ない職場とでは、在宅にできる範囲が変わります。
ただし組込み・IoTも、在宅を完全に除いた職種ではありません。仕事の一部を在宅で行い、リモートでの打合せも多くなっています*3。応募する組込みの求人で、在宅にできる業務の範囲が求人票に書かれているかを読みます。
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3. 職種別に見る勤務先と働き方の違い
職業情報提供サイト(job tag)の労働条件の記述から、3つの職種の勤務先、在宅やリモートの扱い、働き方の特徴を並べました。
パッケージソフト・スマホアプリ・組込み・IoTの勤務先と働き方
| 職種 | 勤務先 | 在宅・リモート | 働き方の特徴 |
|---|---|---|---|
| パッケージソフト | 開発会社(大都市に多い)*1 | リモートワークでの開発も可能*1 | 雇用形態は正社員、契約社員など。フリーランスの参加もある。リリース間近は残業が多い*1 |
| スマホアプリ | アプリを開発する企業(都市部が多い)*2 | 打合せのオンライン化と在宅勤務の例がある*2 | フレックスタイム制やフリータイム制の採用例がある。リリース前は残業が増える*2 |
| 組込み・IoT | メーカー、システム開発会社、開発の一部の委託先*3 | 在宅は難しいが、コロナ禍以降に一部が在宅化*3 | 正社員が多い。情報保護のため、フリーランスはほぼいない*3 |
3つの職種に共通して書かれているのは、勤務先が開発会社やメーカーであることです。在宅の扱いは、パッケージソフトではリモートでの開発、スマホアプリでは打合せと在宅、組込み・IoTでは在宅の難しさと、職種ごとに違います。
雇用形態は、パッケージソフトでは正社員、契約社員などで、フリーランスとして開発に参加する人もいます*1。組込み・IoTは正社員が中心の職種です*3。スマホアプリは、人材の確保が課題となり、未経験者を採用して育てる会社や、テレワークや副業を認める会社も増えています*2。
リリース前に残業が増える点は、パッケージソフトとスマホアプリの両方に書かれています*1*2。在宅で働く場合も、繁忙期の働き方は求人ごとに違うため、面接で残業の時期と量を聞きます。組込み・IoTの在宅の範囲は、別の記事で工程ごとに詳しく扱っています。
あわせて読みたい | 組み込みエンジニアの在宅勤務|工程で分かれる境目
4. 情報通信業のテレワーク導入率は92.8%
総務省の令和7年通信利用動向調査では、テレワークを導入している企業は全体の50.1%で、前年の47.3%から2.8ポイント上がりました*5。産業別では、情報通信業が92.8%と最も高い割合です*5。ソフトウェアの開発会社が含まれる産業で、導入企業の割合が高いことは、この数字から読めます。
ただし92.8%は、導入済みの企業がどれだけあるかを示す数字です。社員の何割が在宅で働くか、週に何日在宅で働くかは、この調査の数字からは分かりません。応募先ごとに、テレワークの対象になる職種と、在宅で働ける日数を聞く必要があります。
令和8年版情報通信白書によると、民間企業のテレワークは、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大後に急速に導入が進み、その後は横ばいで推移しています*6。組込み・IoTの在宅が、コロナ禍以降に増えたとjob tagに書かれているのは*3、この流れと重なります。
情報通信業では、テレワークの普及に必要な要素として「労務管理の適正化」(社員の働く時間などを適切に管理すること)を挙げる割合が72.5%です*5。在宅の日の勤務時間をどう記録するかは、会社側の課題になっています。面接では、その記録の方法を聞けます。
テレワークセキュリティガイドライン第5版(総務省)は、テレワークにはセキュリティ上の脅威があるとしています。オフィス以外で業務を行い、情報の持ち出しが発生するためです*4。VPN方式(社内ネットワークへ安全に接続する方式)の説明では、情報の持ち出しと、端末の紛失や盗難による情報漏えいのリスクを挙げています*4。
個人所有端末(BYOD)を業務で使う場合は、リスクが受容可能かを評価したうえで、利用の可否を決める必要があるとされています*4。そのため、在宅で働く求人では、業務に使うパソコンが会社から貸し出されるのか、個人のパソコンを使うのかを、応募前に聞いておきます。
5. 求人票では職種と出社の頻度を先に読む

ソフトウェアエンジニアの求人は、職種欄にパッケージソフト、スマホアプリ、組込みのどれが書かれているかで、在宅の余地が変わります*1*2*3。組込み・IoTの求人は、実際の製品や装置を扱う業務かどうかで、在宅にできる範囲が決まります*3。
job tagの3つのページには、年収578.5万円など同じ統計の値が出ています*1*2*3。賃金と労働時間は令和7年賃金構造基本統計調査、就業者数は令和2年国勢調査の数字です。3つのページで同じ値のため、職種ごとの年収の差としては読めません。
年収578.5万円は、求人票の年収と並べて見る数字です。応募先の提示額との比較は、職種ごとの水準ではなく、ソフトウェア開発の就業者全体の水準との比較になります。月159時間は、求人票の所定労働時間と、リリース前の残業の書き方を読むときの基準になります。
面接では、次の3つを聞きます。在宅で働ける日数と出社が必要になる場面、打合せがオンラインかどうか、業務に使う端末が会社から貸し出されるかどうかです。この3つは、どの職種でも求人ごとに答えが違います。
地方に住みながら大都市の開発会社に入社する働き方も、パッケージソフトの開発のページに書かれています*1。気になる企業の求人にリモートワークの記載が無いときは、リクエストをかけて、企業の情報を集めてもらう方法もあります。
6. よくある質問
Q1. ソフトウェアエンジニアは完全に在宅で働けますか?
A. 職種によって違います。パッケージソフトはリモートで開発でき*1、スマホアプリは在宅で働く場合もあります*2。出社がまったく無いかどうかは求人ごとに違い、会社へ聞く事柄です。
Q2. 組込みエンジニアは在宅で働けませんか?
A. 製品や装置の実物を扱うため、在宅は難しい職種です*3。一方で、コロナ禍以降に、一部の仕事の在宅が増えました*3。
Q3. 情報通信業のテレワーク導入率が92.8%ならほとんどの社員が在宅ですか?
A. 92.8%が示すのは、導入している企業の割合だけです*5。社員の何割が在宅かは、この数字から分かりません。
Q4. 自宅の個人のパソコンで仕事をしてもよいですか?
A. 個人所有端末(BYOD)は、リスクを評価して可否を決める必要があります*4。会社の決まりに従い、応募前に端末の扱いを聞いておきます。
Q5. スマホアプリの開発は未経験でも入れますか?
A. 人材の確保が課題で、未経験の人を受け入れて育成する会社が増えています*2。求人票で、未経験を受け入れているかを読みます。
Q6. 地方に住んでいてもパッケージソフトの開発会社で働けますか?
A. 開発会社は大都市に多く、地方都市にもあります*1。リモートで開発する場合は、住む場所を問わずに働けます*1。
7. まとめ:在宅の可否はパッケージソフト・スマホアプリと組込みで分かれる
この記事のまとめ
- パッケージソフトは、リモートで開発する働き方がある*1
- スマホアプリは、打合せのオンライン化と在宅勤務の例がある*2
- 組込み・IoTは在宅が難しい職種で、コロナ禍以降に一部が在宅になった*3
- 情報通信業のテレワーク導入率は92.8%だが、社員の何割が在宅かは分からない*5
- 個人所有端末(BYOD)は、リスクを評価して利用の可否を決める*4
応募する求人の職種を見たうえで、在宅で働ける日数と、打合せの方法、業務に使う端末の3つを面接で聞きます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 職業情報提供サイト(job tag)「ソフトウェア開発(パッケージソフト)」(厚生労働省)
*2 職業情報提供サイト(job tag)「ソフトウェア開発(スマホアプリ)」(厚生労働省)
*3 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(組込み、IoT)」(厚生労働省)
*4 テレワークセキュリティガイドライン 第5版(総務省)
*5 令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)(総務省)
*6 令和8年版情報通信白書「テレワーク・オンライン会議」(総務省)
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