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転職で貯金はいくら必要?辞めている間の生活費と国民年金

転職で貯金はいくら必要?単身世帯の生活費は月17万3,042円のイメージ写真

転職で貯金がいくら必要かは、退職から入社までに空く月数に、1か月の支出をかけて見積もります。総務省の家計調査では、2025年の単身世帯の生活費(消費支出)は月17万3,042円です*1。会社を辞めている間は、これに国民年金保険料の月17,920円*2と国民健康保険料、住民税が加わります。

この額は働いていない世帯も含む平均で、平均年齢は58.6歳です*1。自己都合で辞めた場合、失業保険(雇用保険の基本手当)はすぐには振り込まれません*3。自分の家計簿の額に置き換えて、空く月数の分を用意します。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 転職の貯金は、辞めてから次の会社に入るまでの月数を先に数え、その月数分の支出で見積もります。何か月分という決まりは無いので、内定先の入社予定日から自分で数えます。
  • 家計調査の単身世帯の消費支出は月17万3,042円ですが、単身世帯全体の平均です*1。家計簿か通帳の記録から、自分の毎月の支出を出し直します。
  • 辞めている間は国民年金に入り、月17,920円の保険料を払います*2。国民健康保険料は前の年の所得と住んでいる市区町村で決まり、全国で同じ額ではありません。

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1. 転職の貯金は空く月数に1か月の支出をかけて見積もる

転職に必要な貯金は、辞めてから入社するまでの月数に、その間の1か月の支出をかけた額です。1か月の支出は、生活費に、会社を辞めている間だけ自分で払う保険料と税を足して出します。生活費は、家計調査にある単身世帯の平均で月17万3,042円(消費支出)です*1。保険料は国民年金保険料と健康保険の保険料、税は住民税で、このうち国民年金保険料は月17,920円です*2。

そのため、最初に空く月数を数えてください。退職日と内定先の入社予定日が決まれば、その間が何か月あるかが分かります。月数が決まらないうちは、貯金がいくらあれば暮らせるかも出せません。

ただし、月17万3,042円は、働いていない人も含む単身世帯全体の平均で、平均年齢は58.6歳です*1。家賃や通信費の払い方は人ごとに違い、平均をそのまま使うと自分の支出とずれます。見積もりには、自分の家計簿や通帳から出した1か月の生活費を使います。

実際に1か月の支出を書き出すときは、毎月かかる支出と、辞めている間だけ増える支出を分けておきます。毎月かかるのは家賃や食費で、辞めている間だけ増えるのは国民年金保険料や国民健康保険料です。辞めている間だけ増える2つは、入社すると給与から引かれる保険料に戻り、貯金から出さなくて済みます。

2. 辞めている間は生活費に国民年金保険料が加わる

会社に勤めている間、年金と健康保険の保険料は給与から引かれています。辞めて次の会社に入るまでの間は、国民年金の保険料を自分で納めます*2。国民年金保険料は、令和8年度で1か月17,920円です*2。

辞めている間の1か月の支出の例(単身世帯) 173,042円 生活費(消費支出) 17,920円 国民年金保険料 これに国民健康保険料と住民税が加わる *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

ただし、国民健康保険料と住民税は、住む場所や前の年の所得で額が人ごとに違うため、図には入れていません。図の2つにこの2つを足した額が、辞めている間の1か月の支出です。家計調査の平均ではなく自分の生活費を使う場合も、足す保険料と税は変わりません。

国民年金保険料は月ごとにかかり、月末に次の会社の厚生年金に入っていれば、その月の分は納めなくて済みます。退職日と入社日が同じ月に収まるなら、その月の国民年金保険料はかかりません。月末の時点でどの会社にも入っていない月は、その月の分として17,920円を納めます*2。

あわせて読みたい | 退職日はいつがいい?月末なら退職月も健康保険と厚生年金に加入

3. 自己都合で辞めた人の失業保険は待期7日と原則1か月のあとに出る

失業保険とは、雇用保険から離職した人に支払われる基本手当のことです。基本手当には、ハローワークで求職の申込みをして受給資格が決まった日(受給資格決定日)から、7日間の待期期間があります*3。待期期間の7日間は、基本手当は支給されません*3。

待期期間は辞めた日ではなく、受給資格決定日から数えます*3。辞めたあとハローワークへ行くのが遅れると、その分だけ基本手当が出る時期も後ろにずれます。貯金で暮らす期間を短くしたいなら、辞めたら早めに求職の申込みを済ませてください。

ただし、自己都合で辞めた人は、待期期間のあとさらに給付制限の期間を待ちます。給付制限とは、正当な理由のない自己都合退職のあと、基本手当が支給されない期間のことです*3。令和7年4月1日以降の離職では、給付制限は原則1か月です*3。

つまり、自己都合で辞めると、少なくとも待期期間と給付制限の間は基本手当が入りません。この間の生活費と保険料は、貯金から出すことになります。受け取れる額は離職前の賃金で決まるため、額の目安は下のリンク先にあります。

あわせて読みたい | 失業手当はいくら?離職前の1日あたりの賃金の5〜8割

4. 退職日の翌日に入社するなら年金と健康保険の手続きは要らない

退職日の翌日に次の会社に入ると、会社に属していない日が生まれません。その場合、年金と健康保険は次の会社の厚生年金と健康保険に切り替わります。国民年金と国民健康保険の手続きは要りません。

退職から入社までに間が空くか 退職日の翌日に次の会社に入るか はい 保険と年金の手続きは次の会社で済む いいえ 空く月数の支出を貯金で見積もる 入社予定日と退職日から空く月数を数える

一方、退職日と入社日の間が少しでも空くなら、空いた期間の年金と健康保険を自分で切り替える手続きが要ります。どこで何をするかは、下のリンク先に退職から入社までの順で載っています。空く期間の生活費と保険料は、月数に分けて見積もります。

ただし、間が空く場合の健康保険は、国民健康保険に入る方法のほかに、任意継続(辞めた会社の健康保険に続けて入る制度)を選ぶ方法もあります*4。どちらを選ぶかで、1か月の保険料も手続きの窓口も変わります。辞める前に両方の保険料を出しておき、安いほうの額を貯金の見積もりに使ってください。

あわせて読みたい | 健康保険の切り替え|退職から入社までの窓口

5. 辞めている間に自分で払うものは額の決まり方が違う

会社を辞めたあとに自分で負担するのは、生活費のほかに国民年金保険料、健康保険の保険料、住民税です。このうち全国で同じ額なのは国民年金保険料で、ほかは住む市区町村や前の年の所得で変わります。それぞれの額がどう決まるかは、表の右の列にまとめました。

辞めている間に自分で払う保険料と税と生活費

払うもの1か月の額額の決まり方
生活費(消費支出)173,042円単身世帯全体の平均(平均年齢58.6歳)*1
国民年金保険料17,920円令和8年度の額で全国同じ*2
国民健康保険料市区町村の案内で見積もる前の年の所得と市区町村の料率で計算する
住民税前の年の所得で決まる前の年の所得にかかる
任意継続を選んだ場合の健康保険料加入していた健康保険の案内で見積もる在職中の会社負担分も本人が払う*4

国民健康保険の保険料は、前の年の所得をもとに計算します。料率は市区町村ごとに違うため、同じ所得でも住む場所で額が変わります。見積もりは、住んでいる市区町村の案内に前の年の所得を当てはめて出してください。

任意継続を選ぶ場合、申出は退職日の翌日から20日以内で、加入できるのは2年間です*4。保険料は、在職中に会社が半分を負担していた分も自分で払います*4。そのため、在職中の給与明細にある健康保険料をそのまま当てはめると、見積もりが少なく出ます。

住民税は前の年の所得にかかるため、辞めて収入が無い月にも前の年の分を納めなければなりません。退職した月によって、残りを自分で納めるか、最後の給与からまとめて引かれるかが分かれます。最後の給与から引かれる場合は手取りがその分だけ少ないので、貯金の計算に入れます。

6. 貯金を見積もる前に家計簿と源泉徴収票と入社予定日をそろえる

見積もりに使う数字は、どれも手元の記録から取れます。家計調査の平均や国民健康保険料の見込みを、自分の記録で1つずつ置き換えるためです。手元にそろえるのは、生活費と所得と日付の3つの記録です。

貯金の額を見積もる前に手元にそろえる記録

  • 直近の家計簿か通帳の記録:平均の生活費を自分の額に置き換える
  • 前の年の源泉徴収票:国民健康保険料と住民税の見積もりに使う
  • 内定先の入社予定日:退職日から数えて空く月数を出す

そのため、計算は3つの記録を使って順に進めます。まず家計簿から1か月の生活費を出し、そこに国民年金保険料の17,920円を足します*2。次に源泉徴収票の所得を市区町村の案内に当てはめ、健康保険の保険料と住民税の見込みを加えてください。

最後に、この1か月の支出に空く月数をかけた額が、用意しておく貯金です。自己都合で辞めて失業保険を受け取る予定でも、基本手当が出るまでの期間は貯金で数えます。入社予定日が後ろにずれたときは、ずれた月数の分だけ額を足します。

7. よくある質問

Q1. 失業保険は辞めてすぐもらえますか

A. 自己都合で辞めた場合、すぐにはもらえません。受給資格決定日から7日間の待期期間が過ぎたあと、原則1か月の給付制限がかかります*3。これは令和7年4月1日以降に辞めた人の場合です*3。

Q2. 国民健康保険と任意継続はどちらが安いですか

A. どちらが安いかは、前の年の所得と住んでいる市区町村で変わるので、一概には言えません。国民健康保険は市区町村の案内で、任意継続は加入していた健康保険の案内で、それぞれの額を出して見比べてください。任意継続は辞めた翌日から数えて20日以内の申出が要るため*4、それまでに両方の額をそろえておきます。

Q3. 入社日を退職日の翌日にすれば貯金は要りませんか

A. 年金と健康保険の切り替えは次の会社で済みますが、貯金が要らなくなるわけではありません。次の会社で初めて給与を受け取る日までは、今の貯金で暮らすことになります。入社前に、内定先へ最初の給与の支払日を聞いておいてください。

Q4. 家計調査の月17万3,042円はそのまま使えますか

A. 転職で貯金を見積もるなら、そのままは使わず自分の生活費に置き換えてください。この額は2025年の単身世帯をすべて平均したもので、仕事をしている世帯だけの平均ではありません*1。家計簿をつけていないなら、通帳から1か月に引き落とされた額と引き出した額を足して出せます。

Q5. 辞めている間の国民年金保険料は何か月分払いますか

A. 払うのは、月末の時点でどの会社の厚生年金にも入っていない月の分です*2。たとえば月の途中で辞め、その月の末日までに次の会社へ入っていなければ、その月から払います。1か月分は令和8年度の額で17,920円なので、払う月の数をかけた額を貯金に入れます*2。

8. まとめ:転職の貯金は空く月数と1か月の支出で出す

転職の貯金を見積もる手順

  • 退職日と内定先の入社予定日から、空く月数を数える
  • 家計簿の生活費に、国民年金保険料の月17,920円を足す*2
  • 国民健康保険料と住民税を、前の年の所得から見積もる
  • 自己都合なら、基本手当が出るまでの期間も貯金で数える

転職で貯金をいくら用意するかは、月数と支出の2つがそろえば出せます。入社予定日を内定先と話す前に、この計算を一度済ませておいてください。

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出典・参考情報

*1 総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」
*2 日本年金機構「国民年金保険料」
*3 群馬労働局・ハローワーク「『給付制限期間』が短縮又は解除されます~令和7年4月1日から適用~」
*4 全国健康保険協会「任意継続」

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