退職日はいつがいい?月末なら退職月も健康保険と厚生年金に加入

退職日は、月末なら退職月も健康保険と厚生年金に加入したままです*1*2。月末に辞めた人がこの2つの資格を失う日(加入者でなくなる日)は、翌月1日だからです*1。月の途中で辞めると退職した日の翌日に資格を失うため、その月の保険料は給与から引かれません*1。
同じ月のうちに次の会社へ入らなければ、国民年金などをその月の分から自分で払います*3。どちらがよいかは、次の会社に入る日で分かれます。翌月1日に入社するなら、月末に辞めれば国民年金を自分で払う月はありません*1。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- 翌月1日に入社する人:月末に辞めれば、退職月までは前の会社、翌月からは次の会社で保険料を払います*1。国民年金などを自分で払う月は出ません。
- 同じ月のうちに入社する人:月の途中で辞めても、その月の保険料は次の会社で払います*1。前の会社はその月の分を給与から引きません*2。
- しばらく入社しない人:月の途中で辞めると、その月から国民年金などを自分で払います*3。月末に辞めた場合は、翌月の分から払います*3。
1. 退職日が月末なら資格を失うのは翌月1日
月の末日に辞めると資格を失うのは翌月1日で、退職した月の分まで会社の健康保険と厚生年金の保険料がかかります*1*2。本人の負担分は会社が給与から引き、会社の負担分と合わせて翌月末までに国に納めるので、自分で納める手続きは要りません*1。月の途中で辞めたときは資格を失う日がその月のうちに来るため、会社でかかる保険料は前の月の分までです*1*2。退職月の分を自分で払うかどうかは、その月の末日までに次の会社へ入るかで分かれます*3。
まず、資格を失う日は辞めた日の翌日で、保険料はその日が属する月の前月分までです*1。末日に辞めたときだけ資格を失う日が翌月に移るので、退職した月も保険料のかかる月に残ります*1。末日より前に辞めると資格を失う日は同じ月の中に入り、その月の分を前の会社で払うことはありません*1。
そのため、次の会社に翌月1日から入るなら、月末に辞めると保険の切れ目ができません*1。前の会社で資格を失う日と次の会社で資格を取る日が、どちらも翌月1日になるからです*1。保険料は、退職した月までの分を前の会社で、翌月からの分を次の会社で払います*1。
2. 月の途中の退職は退職月の保険料が前の会社でかからない
月末に辞めるか月の途中で辞めるかで違うのは、資格を失う日だけではありません*1。会社で払う最後の月、最後の給与から引かれる保険料、退職月の国民年金を自分で払うかどうかも変わります*1*2*3。月の途中で辞めた人は資格を失う日が退職月の中に来るため、退職月の保険料は前の会社の給与から引かれません*1*2。
ただし、月の途中で辞めても、その月のうちに次の会社に入社すれば、退職月の保険料は次の会社で払います*1。次の会社では入社した日に厚生年金の資格を取り、保険料は資格を取った月の分からかかるからです*1。前の会社はその月の分を引かず、次の会社がその月の分から引くので、同じ月の保険料を重ねて払うことはありません*1*2。
逆に、入社が翌月1日と決まっていても、月の途中で辞めると退職月の分は前の会社でも次の会社でもかかりません*1*2。退職月の末日には会社の厚生年金から外れているので、その月の国民年金などは自分で納めます*3。
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3. 月末退職の最後の給与から2か月分が引かれることがある
会社が毎月の給与から引ける保険料は、前の月の分です*2。たとえば3月に支払う給与から引くのは2月分で、3月分は4月に支払う給与から引くというように、給与と保険料の月がずれています*2。月末に辞めた場合は退職月の分も払うので、退職月の給与から前月分と退職月分の2か月分を引くことができます*2。月の途中で辞めた場合に退職月の給与から引くのは、前月分だけです*2。
実際に最後の給与で2か月分が引かれるかどうかは、給与の締め日(給与を計算する期間の最後の日)によって変わります*1。2か月分は前月分と退職月分という別々の月の保険料で、同じ月の分を重ねて払うわけではありません。最後の給与明細で保険料がいつもより多いときは、何月分と何月分が引かれたのかを給与の担当者に聞いてください。
一方、退職月に出る賞与から保険料が引かれるのは、月末に辞める場合だけです*2。たとえば3月に賞与が出る人なら、3月31日に辞めるとその賞与から保険料が引かれ、3月15日に辞めると引かれません*2。賞与の支給日が退職月に入るかどうかは、辞める日を決める前に会社に聞いておいてください。
4. 月の途中で辞めて翌月に入社するときの国民年金
たとえば3月15日に辞めて4月16日に次の会社へ入る場合、資格を失うのは翌日の3月16日で、前の会社で払う保険料は2月分までです*1。3月の末日にはどの会社の厚生年金にも入っていないので、3月分の国民年金は自分で納めます*3。このとき必要になるのが、国民年金の第1号被保険者(保険料を自分で納める加入者)になる手続きです*3。4月16日に入社すれば、その日から次の会社で厚生年金に入り、4月の国民年金は払わずに済みます*1*3。
一方、しばらく次の会社に入らない人や自営業者などになる人は、辞めた日の翌日から第1号被保険者として国民年金の保険料を納めます*3。納め始めるのは、月末に辞めた人なら翌月分から、月の途中で辞めた人ならその月の分からです*3。退職日が3月31日から4月15日にずれた場合でも、保険料を前の会社で払うのは3月分まで、国民年金は4月分からで変わりません*1*3。
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5. 3月31日と3月15日の退職で保険料の最後の月が変わる
同じ3月に辞める場合でも、給与から引かれる保険料の最後の月は、末日の31日なら3月分、15日なら2月分です*1*2。資格を失う日と保険料の最後の月は退職日だけで決まり、最後の給与で引かれる分は給与の締め日によっても違います*1*2。給与から引かれるのは、健康保険料と厚生年金保険料のうち本人の負担分です*1。自分の退職月に当てはめるときは、表の3月を退職する月、2月をその前の月、4月をその翌月に読み替えてください。
3月に辞める日と保険料を引かれる月
| 退職日 | 資格を失う日 | 保険料の最後の月 | 最後の給与から引かれる分 |
|---|---|---|---|
| 3月31日(末日) | 4月1日 | 3月分 | 2月分と3月分(締め日による) |
| 3月15日 | 3月16日 | 2月分 | 2月分 |
つまり、3月分の保険料は、3月31日の行なら前の会社で、3月15日の行なら3月中に入る次の会社か自分で払います*1*3。末日の前日に辞めた場合も資格を失う日は3月の中に来るので、保険料は3月15日の行と同じく2月分までです*1。扱いが分かれるのは月末ごろかどうかではなく末日かどうかなので、会社には辞める日を「3月31日」のように日付で伝えてください。
6. 退職日を決める前に入社日と給与の締め日を見る
辞める日を会社に伝える前に、次の4つを見ておいてください。4つとも、最後の給与や賞与から引かれる保険料か、自分で払う保険料にかかわります。入社日は次の会社に、締め日と賞与の支給日は今の会社に、切り替えた健康保険の保険料は市区町村や加入先に聞けば分かります。
退職日を決める前に見ること
- 次の会社の入社日:入社が翌月なら、月末に辞めれば国民年金を自分で納める月は出ません*3。入社が同じ月なら、月の途中で辞めてもその月は次の会社で払います*1。
- 給与の締め日:月末に辞めるなら、最後の給与で2か月分が引かれるかを給与の担当者に聞いておきます*1。引かれる月が分かれば、最後の手取りの額にも見当がつきます。
- 退職月に賞与が出るか:退職月の賞与から保険料が引かれるのは、月末に辞めるときだけです*2。支給日と退職日が同じ月に入るかを見ておきます。
- 健康保険をどれに切り替えるか:国民健康保険、任意継続(辞めた会社の健康保険に続けて入ること)、配偶者の健康保険の扶養などから選びます。保険料は市区町村や加入先で違います。
まず次の会社の入社日を書き出し、退職日をその前の月末にするか月の途中にするかを決めてください。辞める日が決まれば、会社に退職届を出す日もそこからさかのぼって決められます。入社日がまだ決まっていないときは、内定の連絡を受けた時点で入社日の候補を聞いておくと、月末と月の途中のどちらで辞めるかを早めに選べます。
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7. よくある質問
Q1. 健康保険の保険料も厚生年金と同じ月まで引かれますか?
A. 同じです。会社の健康保険の保険料も、資格を取った日が属する月から、資格を失う日(退職日の翌日)が属する月の前月までかかります*2。月末に辞めれば退職月の分まで、月の途中なら前月の分までという数え方は、厚生年金と変わりません*1*2。
Q2. 月の途中に入社してもその月の保険料はかかりますか?
A. かかります。保険料は月単位で計算するので、月の途中に入社しても、資格を取った入社月の分から払うことになっています*1。たとえば4月16日に入社した人は、4月分から次の会社で保険料を払います*1。
Q3. 月末に辞めて翌月の途中に入社するときも国民年金の手続きは要りますか?
A. 要ります。3月31日に辞め、4月16日に入社する場合、4月の末日には次の会社の厚生年金に入っているので、4月分の国民年金は納めなくてかまいません*3。ただし、資格を失った4月1日から入社までの間について、第1号被保険者の手続きは必要です*3。
Q4. 入社した月のうちに辞めたら保険料はどうなりますか?
A. 入社した月のうちに資格を失うと、その月の厚生年金の保険料は納めます*1。ただし、同じ月のうちにさらに次の会社の厚生年金か国民年金に入ったときは、先に辞めた会社の厚生年金の保険料は要りません*1。すでに引かれた分は、会社を通して返ってきます*1。
Q5. 辞めたあと配偶者の扶養に入るときも第1号被保険者の手続きですか?
A. 違います。配偶者の健康保険の被扶養者になる場合、国民年金で行うのは第3号被保険者の手続きです*3。第1号になるのは、次の会社に入るまで間があく人や、自営業者などになった人です*3。
8. まとめ:退職日は次の会社に入る日に合わせる
この記事のまとめ
- 末日に辞めると資格を失うのは翌月1日で、その月の分までが会社の健康保険と厚生年金です*1*2。
- 末日より前に辞めると資格を失うのは翌日で、給与から引かれる保険料は前の月の分までです*1*2。
- 月の途中で辞めても、同じ月に次の会社へ入れば、その月は次の会社で保険料を払います*1。
- しばらく入社しない人が国民年金を納め始めるのは、月末退職なら翌月、月の途中の退職ならその月からです*3。
- 月末退職の最後の給与からは、前月分と退職月分の2か月分が引かれることがあります*1*2。
- 退職月の賞与から保険料を引くのは、月末退職の場合に限られます*2。
退職日を選ぶ前に、次の会社の入社日と給与の締め日、退職月の賞与の有無の3つを並べてください。翌月1日入社で月末に辞める人も、同じ月のうちに入社する人も、保険料を自分で払う月は出ません*1。入社までに間があくなら、国民年金の手続きと健康保険の切り替え先を、辞める前に決めておいてください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」
*2 日本年金機構「退職した従業員の保険料の徴収」
*3 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
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