Terraformの経験|転職で示すIaCの導入と運用実績
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

Terraformで構成をコードとして管理してきたエンジニアほど、その経験をどう言葉にすればよいか迷う場面があります。書いたコードの行数を数えても、経験の実績としてはあまり伝わりません。伝わるのは、手作業で直していたものを何にどう置き換えたかという判断の経緯です。
構成をコードで管理した経験は、手作業で直していたものを何にどう置き換えたかという判断の記録として言葉にすると、面接でも実績として伝わりやすくなります。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
この記事のポイント
- 構成をコードで管理した経験は、書いた行数ではなく、手作業をどこまで置き換えたかの判断で実績になります
- 面接では、やっていたことをそのまま話すより、置き換えた経緯に言い換えたほうが伝わります
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で364.3千円、50〜54歳で388.8千円です*1。前提として押さえたうえで、判断は経験の記録に置きます
1. Terraformの経験は、置き換えた範囲で伝わります
Terraformで管理した経験は、書いたコードの行数ではなく、手作業で直していたものを何にどう置き換えたかという判断で伝わります。置き換える順番をどう決めたかが、面接では実績として扱われます。棚卸しの仕方を順に見ていきます。
構成をコードで管理する仕組みに関わっていると、書いたコードの量ばかりが目に付き、経験として何を伝えればよいか迷う場面があります。
ただ、転職で評価される経験は、コードを書いた量だけではありません。手作業で直していた設定のうち、何を残し何を仕組みに置き換えるかを判断してきた経緯も、実績として言葉にできます。
何を置き換えるかという判断は、単純な書き直し作業ではありません。どこまで手を離せば業務に影響が出ないかを見極める判断が、そのつど必要になります。
その経験をどう棚卸しし、どう言葉にすれば面接で伝わるかを、経緯の順にたどっていきます。
2. 手作業の置き換えは、始める順番で経緯が変わります
Terraformで構成をコードとして管理する経験を積んでいると、直していた手作業の量は増えていきますが、どこから置き換えたかという順番は、あとから振り返らないと言葉になりません。
最初にTerraformへ置き換える対象は、変更のたびに手で直していた設定のうち、間違えやすかった範囲から選ぶことが多くあります。間違えやすい範囲を後回しにすると、手作業のまま残る期間が長くなり、経緯として説明しづらくなります。
一方で、めったに変更しない設定を先に置き換えると、置き換えた結果を確かめる機会が少なく、判断の材料が積み重なりません。変更の頻度が高い範囲から手を付けたという順番そのものが、実績として話せる材料になります。
置き換えの範囲を決めるときには、どこまでの費用がかかっているかを見た経験も関わってきます。費用を見た経験を実績として話す観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 費用を見た経験|何を根拠に削ったかで伝わる
3. 構成管理でやっていたことを、伝わる言い方に置き換えます
面接で構成管理の経験をそのまま話すと、単なる書き直し作業の説明にしか聞こえないことがあります。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれることを4行に分けて並べます。
やっていたこと・伝わる言い方・面接で聞かれること
| やっていたこと | 伝わる言い方 | 面接で聞かれること |
|---|---|---|
| 変更のたびに、手順書に書かれた設定を毎回同じ手順でそろえていた | そろえる基準を先に決めて、仕組みに置き換えた経緯として話す | そろえる基準をどう決めたか |
| 担当者によって、設定の直し方が少しずつ違っていた | 違いをそろえる範囲を決めて、置き換えた経緯として話す | そろえる範囲をどう区切ったか |
| 置き換える前に、元の設定に戻せるかを確かめていた | 戻せることを確かめてから置き換えた経緯として話す | 戻せることをどう確かめたか |
| 置き換えを見送った設定について、見送った理由を記録に残していた | 見送ったことも判断の一つとして経緯で話す | 見送った理由をどう判断したか |
表の4行は、構成管理に関わっていると起こりやすい場面を並べたものです。共通しているのは、やっていたことをそのまま話すのではなく、経緯を通して言い換える点です。
「手順書に書かれた設定を毎回同じ手順でそろえていた」だけを話すと、作業の説明にしか聞こえません。そろえる基準まで話すと、判断が加わった場面として伝わります。
「担当者によって設定の直し方が少しずつ違っていた」も同様です。違いをどこまでそろえたかまで話すと、作業者ではなく判断を担った場面として伝わります。
「元の設定に戻せるかを確かめていた」も同じ型です。戻せることをどう確かめたかまで話すと、置き換えを急がず見極めた場面として伝わります。
「置き換えを見送った設定について、見送った理由を記録に残していた」も同様です。見送った理由まで話すと、置き換えないことも判断の一つとして伝わります。
4行に共通する型は、やっていたことの説明を、経緯を通じて言い換えるという型です。型が分かれば、ほかの場面にもそのまま当てはめられます。
手で直していた設定が、開発環境そのものの整い方に関わる場合もあります。開発環境の整い方を求人でどう読むかについては、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 開発環境の整い方を求人で読む|聞き方を変える
4. 置き換えの範囲は、いまの位置として示します
構成管理の経験を振り返るとき、手作業のまま残している範囲と、仕組みに置き換えて手を離せた範囲のどちらが多いかを、まず大まかに位置づけておきます。
多くのエンジニアは、キャリアの中で手作業のまま残している設定を少しずつ減らし、仕組みに置き換えて手を離せる範囲を広げていきます。手作業が残っていることは、経験の物足りなさを示すものではありません。
位置が置き換えた側に近いなら、次の棚卸しで話せる場面が多くあるということです。位置が手作業側に近い場合も、置き換えを判断した場面自体がなかったわけではなく、まだ言葉にしていないだけということもあります。
担当する範囲が広がるほど、仕組みに置き換えて手を離せる範囲も広がっていく傾向があります。位置がどちらに近いかは、関わってきた期間の長さよりも、担当してきた設定の性質によって変わります。
自分の位置を大まかにでも把握しておくと、棚卸しで探す場面の見当がつきやすくなります。
5. 置き換えの流れは4段でたどれます
構成管理の置き換えを、書く瞬間だけで切り出すと、単なる書き直し作業のように見えます。洗い出すところから戻せるか試すところまでを4つに区切ると、判断の経緯として振り返りやすくなります。
洗い出す段階では、手作業で直している設定や、その設定に依存している範囲を把握します。ここで見落とした範囲は、後の段階で影響として現れます。
決める段階では、どこまで置き換えるかという範囲を判断します。同じ設定でも、置き換える範囲によって、あとから戻す難しさは変わります。
書く段階では、決めた範囲を仕組みに落とし込みます。この段階の判断より、前の段階でどこまでの範囲を決めたかのほうが、経緯としては重みを持ちます。
戻せるか試す段階を経ることで、置き換えは一度で終わらない経緯になります。4つの段階をすべて自分一人で担うとは限らず、途中から別の担当者が引き継ぐ場合もあります。そのときは自分が担った範囲を明確にしておくと、経緯として振り返りやすくなります。
6. 棚卸しは、置き換えた範囲で仕分けます
構成管理の経験を実績にする前に、抱えている経験をまず仕分けておくと整理しやすくなります。
棚卸しの3つの観点
- 置き換えた範囲:何を仕組みに置き換えたか、対象を書き出します
- 手で残した範囲:何を手作業のまま残したか、理由を書き出します
- 戻せる仕組み:置き換えた設定を戻せるか、確かめた内容を書き出します
棚卸しは、抱えている経験をすべて並べたうえで、3つの観点に沿って仕分ける作業です。仕分けた結果、経緯まで言葉にできる経験だけが、実績として語れる形になります。
置き換えた範囲を確認する段階では、置き換えた対象そのものよりも、その対象がどの業務を支えていたかを重視します。
手で残した範囲を確認する段階では、残した設定を誰がどのタイミングで使っているかまで把握しているかを見ます。前半で見た置き換えの判断が、ここでの仕分けの基準になります。
戻せる仕組みを確認する段階では、戻す手順を文章として書き出してみます。書き出してみて具体的な文章にならない経験は、記録の内容が十分でないと分かります。
棚卸しを終えたら、経緯がそろっている経験から順に、面接で話す候補として並べておくと準備がしやすくなります。
棚卸しに使う記録は、専用の書式である必要はありません。置き換えに関わった日付と、判断した内容を短く書き残しておくだけでも、あとから経緯として話しやすくなります。
棚卸しは一度で終わらせず、新しい経験が増えるたびに見直すと、実績として言葉にできる経験の数を少しずつ増やしていけます。
置き換えを社内で進めるには、承認を通した経験も関わってきます。社内の承認を通した経験を実績として話す観点については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 社内の承認を通した経験|説明の順番で伝わる
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 置き換えた設定の数が少ない場合、実績として見劣りしますか。
A. 置き換えた数の多さが、実績の評価をそのまま決めるわけではありません。何をどう置き換えたかという判断が、実績として言葉にする際の材料になります。
Q2. 手作業をすべて置き換えていない場合でも、経験として話せますか。
A. すべてを置き換えていない場合でも、どこまで置き換えたかという範囲を判断した経緯として話せます。残した範囲を分けて説明することがポイントになります。
Q3. 置き換えを見送った判断は、面接でどう伝えればよいですか。
A. 見送るという判断も、置き換える範囲を決めた経緯の一つです。見送った理由と、そのときの基準を言葉にすれば、実績として伝えられます。
Q4. 置き換えの途中で担当を離れた場合はどう伝えればよいですか。
A. 関わった期間の長さそのものより、その間にどのような判断を重ねてきたかを、経緯として順に伝えるほうが実績として伝わりやすくなります。
8. まとめ:構成を書いた経験は、置き換えの経緯として言葉にできます
この記事の要点
- 構成をコードで管理した経験は、書いた行数ではなく、何をどう置き換えたかの判断で実績になります
- 面接では、やっていたことをそのまま話すより、置き換えた経緯に言い換えたほうが伝わります
- 置き換えの流れは4段でたどると、判断の経緯として振り返りやすくなります
- 棚卸しでは、置き換えた範囲・手で残した範囲・戻せる仕組みの3つで仕分けます
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で364.3千円、50〜54歳で388.8千円です*1。前提として押さえたうえで、判断は経験の記録に置きます
Terraformで構成をコードとして管理した経験は、置き換えた量だけでなく、何をどう置き換えたかという判断からも実績として言葉にできます。棚卸しで仕分け、経緯まで言葉にできる経験から、面接での言い方を整えていくことができます。関わってきた置き換えが多いほど、積み重なった判断の経緯も多くなります。経験の残し方について気になる点は、専任エージェントに相談しながら整理することもできます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
転職ノウハウ その他の記事
もっと読む 〉-
点検の周期がずれた求人|次をいつにするかを決める
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) 点検の周期は最初に決めた数字がそのまま残ります。3か月ごと、6か月ごとという間隔は求人票にも書かれますが、その間隔が実際にずれたあと、次の予定をどう数え直す […] -
色の使い分けだけに頼る求人|伝わらない場面が残る
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) 求人票や社内の資料では、重要な部分を目立たせるために色を使う場面がよくあります。ですが目立たせ方が一種類しかないと、同じ画面を見ても同じ意味が伝わっていると […] -
新人に教える時間がある求人|工数に入っているか
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) 転職を考えるとき、新人に教える時間が仕事の一部として数えられているかどうかは、求人票だけでは見えにくい点です。教わる側になる場面と、経験を積んだ人が教える側 […] -
月次のやり直しがある求人|誰に知らせるかで決まる
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員) 月次の処理を一度締めた後で、新しく分かった情報をもとにもう一度回すことになる場面があります。締めた時点の数字は、その時点で複数の相手に渡っており、直す作業が […]