人手が増えない前提|いまの範囲を確かめる

求人票や面接では、増員の話を耳にすることがあります。ただし、増員が実現するかどうかは入社前には見通せない情報です。それよりも先に確かめられるのは、いま自分に任されている範囲がどこまでかという点です。範囲は求人票の記載や面接での説明、入社後は上長や人事への確認から把握できます。
人手が増えるかどうかより先に、任されている範囲がどこまでかを確かめることができます。求人票の記載や面接での説明から、手がかりを得られます。
Relasic(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク対応の転職支援
この記事のポイント
- 人手が増えるかどうかを当てるより、いま任されている範囲を確かめることに絞ります
- 範囲は求人票の記載や面接での説明、入社後は上長や人事への確認から把握できます
- 転職入職者のうち賃金が増加した割合は40.5%です*1。体制の話とは別の数字です
1. 人手が増えるかどうかより、任されている範囲を先に確かめます
人手が増えるかどうかを当てるより先に確かめられるのは、いま自分に任されている範囲がどこまでかです。求人票の記載や面接での説明、入社後は上長や人事への確認から、範囲を書き出して整理できます。
求人票や面接では、増員の話を耳にすることがあります。ただし、増員が実現するかどうかは入社前には見通せない情報であり、当てはめて動き方を決めるには不確かな材料です。
人手が増えるかどうかより先に確かめられるのは、いま自分に任されている範囲がどこまでかという点です。増員の有無にかかわらず、範囲が分かれば、次に手を付ける場所が決まります。
範囲を確かめることは、増員を求める交渉とは別の話です。任されている範囲が分かれば、増員がなくても、今の業務をどう進めるかを自分で判断できます。
範囲を確かめる手がかりは、求人票の業務内容欄や面接での説明にあります。入社後に食い違いが見つかった場合は、勤務先の上長や人事に確認する進め方があります。
この先では、転職後の賃金の変化を示す数字、範囲を確かめる4つの観点、任されている範囲から手を付けられる理由、賃金の変化の3区分、書き出す3つの手順という順に見ていきます。
2. 転職後の賃金の変化を確認します
ここで、転職入職者の賃金が入社後にどう変わるかを確認します*1。
転職入職者のうち、賃金が増加した割合は40.5%です*1。減少は29.4%、変わらないは28.4%です*1。
この数字は、厚生労働省の雇用動向調査による転職後の賃金の変化を示す値であり、体制の人数や人手の増減とは関係がありません。
選考の場で賃金の話に触れることがあっても、範囲を確かめる質問とは別に扱っておくと、話が混ざりにくくなります。
ここで示すのは、選考を考えるうえでの背景です。次の項目からは、範囲を確かめる観点に戻ります。
3. 範囲を確かめる4つの観点を並べます
範囲を確かめる観点を、4つに整理します。
確かめること・どこで分かるか・聞き方の例
| 確かめること | どこで分かるか | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 任されている業務の範囲 | 求人票の業務内容欄 | 担当する業務の範囲を教えてください |
| 分担が決まっている範囲 | 面接での業務説明 | どこまでが自分の担当になりますか |
| 人手が増えない場合の分担の変化 | 面接での業務説明 | 人手が増えない場合、分担はどう変わりますか |
| 入社後に範囲を確認する相手 | 配属後の上長や人事への確認 | 任されている範囲は誰に確認すればよいですか |
4つの項目は、任されている範囲を、求人票の記載と面接での質問から確かめる構成にしています。
任されている業務の範囲は、募集要項の業務内容欄に、担当する業務が具体的に書かれているかどうかで見分けられることがあります。記載がある場合は、まずそこを読むほうが早く進みます。
分担が決まっている範囲は、面接での業務説明のときに聞ける項目です。説明がなかった場合は、面接の後半で確かめる進め方があります。
面接が複数回に分かれている場合、担当者によって答えられる内容が変わることがあります。現場に近い担当者に聞くと、日々の業務に近い回答を得やすくなります。
聞き方を事前に決めておくと、面接の時間が限られている場合でも、要点を落とさずに確かめられます。4つの観点のうち、優先して聞きたい項目を1つか2つに絞っておく進め方もあります。
増員の見込みが分かりにくい場合の分担の変化は、増員そのものを聞くのではなく、増えなかった場合にどう分担が変わるかを尋ねる観点です。答えにくい質問に見えても、範囲を確かめる目的であれば聞きやすくなります。
回答が曖昧に感じられた場合は、その場で深掘りするか、後の面接で改めて聞く進め方があります。曖昧なまま進めると、入社後に食い違いに気づく場面が増えます。
入社後に範囲を確認する相手は、配属後の上長や人事です。求人票や面接で分かった内容と、入社後の運用が異なる場合は、勤務先の上長や人事に確かめ直す進め方があります。
配属直後は、求人票や面接で聞いた内容と、実際の業務内容を照らし合わせる時期でもあります。差が見つかった時点で確認しておくと、後から確かめ直す手間が減ります。
4つを一度に確かめる必要はありません。求人票で分かる項目は先に読み、残りは面接で確かめる進め方でも十分です。
あわせて読みたい | 見る人数で仕事の中身が変わる|体制の読み方
4. 増員を待つ間も、任されている範囲から手を付けられます
増員がいつ実現するかは、入社前には見通せない情報です。増員を待つ間も、任されている範囲がどこまでかが分かっていれば、手の付け方は決まります。
人手が増える見込みが立たない状況でも、範囲が明確であれば、優先して進める業務と、後回しにできる業務の見分けがつきます。範囲が曖昧なままだと、優先順位も判断しにくくなります。
範囲を確かめることは、成果を振り返る評価の面談とも別の話です。評価は成果を振り返る場であり、範囲を確かめる目的とは異なります。両方を面接や面談で聞くとしても、聞く目的を分けておくと、答えを整理しやすくなります。
範囲が明確であれば、対応が難しい業務が出てきた場合にも、どこまでが自分の担当かを示しながら相談しやすくなります。担当の外側にある業務かどうかが分かることで、相談する内容も具体的になります。
範囲を確かめる作業は、増員の有無を予測する作業とは別のものです。増員がある場合もない場合も、任されている範囲を書き出しておくことは、どちらの状況でも役立ちます。
次の項目では、転職入職者の賃金の変化を3区分で見ます。この数字も、体制の人数や増員の有無を示すものではありません。
あわせて読みたい | 内製化の求人で見るところ|任される範囲を確かめる
5. 転職入職者の賃金の変化を3区分で見ます
ここで、転職入職者の賃金の変化を3区分で見ます*1。
転職入職者のうち、賃金が増加した割合は40.5%、減少は29.4%、変わらないは28.4%です*1。
3つを合計しても100%にはなりません。この3区分に含まれない分があるためで、帯はその3つだけを並べたものです。
この数字は、転職後の賃金の変化を示す分布であり、体制の人数や人手の増減とは関係がありません。範囲を確かめる作業とは別に、選考の材料として触れる程度に留めておくと、話が混ざりにくくなります。
次の項目からは、任されている範囲を書き出す手順に戻ります。
6. 人手が増えなくても、任されている範囲を書き出す3つの手順を示します
任されている範囲を書き出す手順を、3つ並べます。
範囲を書き出す3つの手順
- 業務を書き出す:日々担当している業務を一つずつ挙げます
- 範囲の境目を書く:どこまでが自分の担当かを書き添えます
- 確認先を決める:境目が曖昧な業務の確認先を決めます
3つの手順は、業務を書き出す・範囲の境目を書く・確認先を決めるという順に並べています。人手が増えない前提であっても、この順で進めれば、任されている範囲が見えてきます。
業務を書き出す手順では、日々担当している業務を一つずつ挙げます。細かい業務も含めて書き出すと、後で境目を判断しやすくなります。
範囲の境目を書く手順では、どこまでが自分の担当で、どこから他の担当者や外部に委ねているかを書き添えます。境目が曖昧な業務は、後で確認先を決める対象になります。
確認先を決める手順では、境目が曖昧な業務について、誰に確認すればよいかを決めます。確認先として想定しやすいのは、勤務先の上長や人事です。
3つの手順は、人手が増えるかどうかに関係なく進められます。増員があった場合は、書き出した範囲を基準に、新しく増えた人員との分担を整理する材料にもなります。
書き出した内容は、一度作ったままにせず、業務が変わったときに見直す対象になります。見直すたびに境目が曖昧な業務があれば、確認先に聞き直す進め方があります。
書き出した内容は、メモやドキュメントとして残しておくと、次の面接や配属後の面談でそのまま使えます。求人票や面接で説明された範囲と、書き出した実際の業務範囲に差があれば、勤務先の上長や人事に確認する進め方があります。
あわせて読みたい | 技術選定は誰が決めるか|裁量の見方
7. よくある質問|任されている範囲の確かめ方
Q1. 人手が増える予定がないと聞いた場合、どう考えればよいですか。
A. 増員の予定は、入社前に確定している情報ではありません。増える場合も増えない場合も、まずは任されている範囲を書き出しておくと、どちらの状況でも手の付け方を判断しやすくなります。
Q2. 任されている範囲は、求人票だけで分かりますか。
A. 記載がある場合とない場合があります。記載がない場合は、面接で業務の範囲を聞く、勤務先の上長や人事に相談するという進め方があります。記載がある場合も、面接で内容を深掘りして聞く進め方があります。
Q3. 入社した後に、任されている範囲が求人票や面接の説明と違うと感じた場合は、どう進めればよいですか。
A. 任されている範囲を改めて書き出し、求人票や面接での説明と比べる進め方があります。差があると感じる場合は、勤務先の上長や人事に確認する方法があります。
Q4. 増員の予定を、面接で直接聞いてもよいですか。
A. 聞くこと自体は可能です。増員の見込みだけでなく、増えなかった場合に分担がどう変わるかも合わせて聞くと、任されている範囲を確かめる材料になります。
8. まとめ:任されている範囲は、増員を待たずに書き出せます
この記事の要点
- 人手が増えるかどうかを当てるより、いま任されている範囲を確かめることに絞ります
- 範囲は求人票の記載や面接での説明、入社後は上長や人事への確認から把握できます
- 転職入職者のうち賃金が増加した割合は40.5%、減少は29.4%、変わらないは28.4%です*1。体制の話とは別の数字です
- 範囲を書き出す手順は、業務を書き出す、範囲の境目を書く、確認先を決めるという順に整理できます
- 増員の有無にかかわらず、書き出した範囲を基準に、次に手を付ける場所を判断できます
増員の予定は、入社前に確定している情報ではありません。増える場合も増えない場合も、任されている範囲を書き出し、求人票の記載や面接での説明から確かめる進め方があります。分からない点が残るときは、面接で聞き直すか、勤務先の上長や人事に相談する進め方があります。書き出した範囲と実際の業務に差があると感じた場合も、勤務先の上長や人事に確認し直す進め方があります。任されている範囲が見えてくると、増員を待つかどうかという見方も変わってきます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 雇用動向調査
転職ノウハウ その他の記事
もっと読む 〉-
後任がいないと感じるとき|渡せる形に
後任が決まっていないと、辞められないのではないかと感じる場面があります。ただし、退職できるかどうかを決める前に、確かめられることがあります。渡せる形をいまから整えておくという進め方です。決まる前の段階でも、取り組める作業 […] -
役割が増えるとき|引き受ける前に確かめる
役割が増えるという打診は、面談や日々のやり取りのなかで、ふいに持ちかけられることがあります。引き受けるかどうかを決める前に確かめられるのは、目的や期間、今の役割から減る分があるかという点です。書き出しておくと、勤務先の上 […] -
見る範囲の広さ|求人票の書き方から読む
求人票に書かれた「幅広い業務」や「マルチタスク対応」という言葉だけでは、見る範囲がどこまで及ぶかは分かりません。広さは仕事の量ではなく、どこまでを自分の判断で決められるかに表れます。求人票の書き方から手がかりを拾い、書か […] -
打ち合わせの目的を聞く|決める場かどうか
同じ回数の打ち合わせでも、その場が何を決める場なのか分からないままだと、対応の見え方は変わりません。回数の多さよりも、目的を求人票の記載や面接での説明から確かめる観点が、判断の助けになります。 打ち合わせの目的は、回数で […]