DevOpsエンジニアはフルリモート?在宅でできる仕事と出社

DevOpsエンジニアの仕事は、クラウド上の構築や監視ならリモートで進められますが、フルリモートで働けるかどうかは求人ごとに違います*1*2。分かれ目は、機器の設置と障害の現地対応が仕事に含まれるかどうかです。DevOpsという職業名は、公的な資料には見当たりません。
求人票の仕事内容にある作業の語を見ると、出社が要る求人かどうかはおおよそ読めます。面接では、出社が月に何日かと、オンコール(夜間や休日に障害へ対応する当番)の有無を聞きます。リモートの可否を決めるのは、職種名ではなく、その求人に含まれる作業です。
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この記事のポイント
- クラウド上の構築や監視は、リモートで進められる作業です。サーバーを設置する作業や障害の現地対応は、顧客先や現地への出社が要る場合があります。
- テレワークを導入している企業の割合は、フルリモートで働ける割合ではありません。制度の有無ではなく、その求人で担当する作業の範囲を読みます。
- 面接では、月に何日出社するかと、オンコールの当番がどれだけ回ってくるかを聞きます。出社の頻度とオンコールは別の質問として分けます。
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
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1. DevOpsエンジニアは求人ごとにリモートか出社かが分かれる
DevOpsエンジニアにはフルリモートで働ける求人もありますが、出社が前提の求人もあり、決め手は仕事に含まれる作業です。基盤システムのシステムエンジニアは、クラウド上で構築するならリモートで設定や構築の作業を行い、サーバーを設置する大規模な開発では顧客先に出向きます*1。運用・管理(IT)の仕事には、顧客の情報システムを自社からリモートで監視・管理する場合があります*2。ただし、これは作業をする場所の記述であり、雇用条件としての在宅勤務の可否ではありません。

「DevOpsエンジニア」という職業名は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に載っていません。DevOpsは開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせた呼び名で、公的な職業分類にはない、求人市場の表現です。近い仕事として載っているのは、基盤システムのシステムエンジニアと、運用・管理(IT)の2つです*1*2。
経済産業省と情報処理推進機構が定めたデジタルスキル標準は、IT人材の役割ごとにスキルを整理した指針です。ソフトウェアエンジニア類型に「クラウドエンジニア/SRE」の役割(ロール)があり、開発・運用環境の最適化と信頼性の向上に責任を持つと書かれています*4。この呼び名は、求人市場で使われる表現を意識したものです*4。そのため、DevOps、SRE、クラウドエンジニアのどの名前で出た求人でも、名前ではなく仕事内容の欄で作業を読みます。
2. 出社が要るかどうかは作業ごとに分かれる
DevOpsエンジニアの求人で出社が要るかどうかは、職種名ではなく、仕事に含まれる作業で決まります。作業は、画面上で進めるものと、現地に行くものの2つです。求人票の仕事内容の欄にある語を、この分け方に当てて読みます。
求人票の仕事内容に「構築」「設定」「自動化」「監視」の語が並ぶ求人は、画面上で進める作業が中心です。「機器」「設置」「データセンター」「現地」の語が1つでも含まれる求人は、その作業をする日の出社を前提にしておきます。語が1つあっても、頻度までは求人票から読めません。
24時間の監視は、運用・管理(IT)では交代制です*2。交代制とは、担当者が時間帯を分けて順に当番に入る働き方で、夜間や休日の当番が自分に回る可能性があります。この当番をオンコール(障害の通知を受けて対応する待機)という語で求人票に書く求人もあります。
オンコールの当番と自動化のどちらが多いかは、SREの求人票を読み比べた別の記事で扱っています。DevOpsの求人でも、読み方は同じです。仕事内容の欄に自動化の語が多いか、当番の語が多いかを、求人ごとに数えます。
あわせて読みたい | SREの求人票|オンコール当番と自動化のどちらが多いか
3. 求人票の語ごとに出社の要否を読む
求人票の仕事内容にある語を、進められる場所の目安と、面接で聞くことに分けると次の表になります。目安は、公的な資料に書かれた作業の場所の記述と、求人票を読む順序をもとにした筆者の整理です。
求人票の語ごとの、出社の要否の目安と面接の質問
| 求人票の語 | 進められる場所の目安 | 面接で聞くこと |
|---|---|---|
| CI/CDの設定・改善 | 画面上の作業で、リモートで進めやすい | チームとのやり取りをチャットとビデオ通話で行っているか |
| クラウドの構築 | クラウド上ならリモートで設定・構築作業を行う*1 | 構築の依頼者が顧客先にいる場合、打ち合わせは対面か |
| 監視・運用 | 自社からリモートで監視・管理する場合がある*2 | 夜間や休日の当番(オンコール)があるか、交代制か |
| サーバーの設置 | 大規模な開発では顧客先へ出向く*1 | 出社が月に何日か、日程は事前に決まるか |
| 障害の現地対応 | 現地へ行く場合は出社が要る | 現地対応が起きる頻度と、誰が行く決まりか |
表の中で、出社の有無より当番の有無が問題になるのは、監視・運用の行です。リモートで監視する場合があっても、24時間の監視は交代制になるため、夜間や休日の当番が回るかどうかを別に聞く必要があります*2。
サーバーの設置と障害の現地対応の行は、出社する日が作業の発生に左右されます。サーバーの設置は、大規模な開発で顧客先へ行く作業です*1。現地対応は、障害が起きた場所へ行く作業で、起きる頻度は求人票には書かれません。
4. テレワークの導入率はフルリモートで働ける割合とは違う
テレワークを導入している企業は、全体で50.1%、情報通信業で92.8%です*3。調査の対象は令和7年の常用雇用者100人以上の企業で、100人未満の企業は含まれません。DevOpsを募集する企業は情報通信業に限らないため、自分の応募先がどの産業に入るかで、見るべき数字が変わります。
この数字は、制度を導入した企業の割合です。制度があるという情報からは、フルリモートで働けるのか、出社と在宅を組み合わせたハイブリッドなのかまでは分かりません。「テレワーク可」と書かれた求人でも、出社の頻度は求人ごとに決まります。
厚生労働省のガイドラインは、テレワークでは全ての業務を一律に対象外とせず、業務ごとに判断することが望ましいとしています*5。DevOpsの仕事に当てはめると、CI/CDの設定やクラウドの構築は在宅の対象にしやすく、機器の設置や現地対応は対象から外れやすい、という分け方になります。
求人票は、勤務形態の欄と仕事内容の欄を並べて読むものです。勤務形態の欄が「リモートワーク可」でも、仕事内容の欄に機器の設置や現地対応があれば、その作業の日は出社になります。反対に、勤務形態の欄に出社の条件が書かれていても、仕事内容が画面上の作業だけなら、出社の理由を面接で聞けます。
5. 面接では出社の頻度とオンコールの有無を聞く

面接で聞くことは、出社の頻度とオンコールの有無の2つです。どちらも、求人票だけでは頻度や回数まで分かりません。聞く相手は、現場のエンジニアか、チームを率いる人です。
出社の頻度は、月に何日かを数字で聞きます。聞き方の例は「出社が必要になるのは、どの作業のときですか」です。機器の設置や障害の現地対応が理由なら、その作業が自分の担当に入るかをあわせて聞きます。
出社する日を誰が決めるかも聞きます。チームの定例に合わせて曜日が決まっているのか、作業が発生した日に呼ばれるのかで、予定の立て方が変わります。予定が事前に決まる出社と、前日に決まる出社とでは、生活への影響が別物です。
オンコールは、当番の回数、1回の当番の長さ、通知が来てから画面の前に戻るまでの時間の3つを聞きます。運用・管理(IT)では24時間の監視が交代制で行われるため*2、当番に入る人数とスケジュールの組み方が働き方を左右します。当番の翌日に休みや遅い出勤が認められるかも、聞いておく項目です。
ここで聞く内容は、DevOpsの入社後の流れとも関わります。入社後に権限が渡る順番は、別の記事にまとめています。出社の頻度は、その順番のどの段階で変わるかとあわせて聞きます。
答えが具体的な数字で返ってくれば、出社と当番の運用が決まっていると読めます。返ってこない場合は、その場で決まっていない可能性があります。入社後に出社日が増えるという食い違いは、入社前に聞いておくことで避けられるものです。
あわせて読みたい | DevOpsエンジニアの入社後|権限が渡る順番と確認事項
6. よくある質問
Q1. 求人票にリモートワーク可とあれば出社は一切ありませんか
A. 一切ないとは言えません。リモートワーク可の求人でも、機器の設置や現地対応が仕事に入っていれば、その日は出社です。出社が要る作業が含まれるかは、面接で聞きます。
Q2. オンコールがある求人は避けたほうがよいですか
A. 避けるかどうかは、当番の回数と当番明けの扱いが決め手です。運用・管理(IT)の24時間監視は交代制のため*2、運用を含む求人では当番がある場合があります。当番がある求人かどうかより、頻度を面接で聞くほうが判断に役立ちます。
Q3. クラウドを使う会社でも機器の設置は仕事に入りますか
A. クラウド上の構築なら、リモートで進みます*1。機器を設置する規模の大きい開発では、顧客先へ行きます*1。クラウドを使う会社かどうかではなく、求人票の仕事内容に機器の設置が書かれているかどうかが分かれ目です。
Q4. SREと書かれた求人でもDevOpsと同じ見方でよいですか
A. 同じ見方でかまいません。デジタルスキル標準の「クラウドエンジニア/SRE」は、信頼性の向上を担う役割です*4。名前が違っても、出社の有無は仕事内容の作業で決まります。
Q5. 面接で出社の頻度を聞いても問題ありませんか
A. 問題ありません。勤務する場所は働き方の前提なので、応募前に聞いておく項目です。聞き方は「どの作業のときに出社しますか」のように作業の名前を入れると、答えが具体的になります。
7. まとめ:出社の有無は職種名ではなく作業で決まる
DevOpsエンジニアのフルリモートと出社の要点
- DevOpsという職業名は公的な資料に無く、近い仕事は基盤システムのシステムエンジニアと運用・管理(IT)です*1*2。
- クラウド上の構築は、リモートで設定と構築を行う作業です*1。
- サーバーを設置する大規模な開発では顧客先に出向き、24時間の監視は交代制です*1*2。
- テレワークの導入率は、企業全体で50.1%、情報通信業で92.8%ですが、フルリモートで働ける割合ではありません*3。
- 面接では、月に何日出社するかと、オンコールの当番の回数を聞きます。
求人票の仕事内容の作業と、面接で聞いた出社の頻度を照らし合わせると、フルリモートかどうかが求人ごとに分かります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 システムエンジニア(基盤システム)(厚生労働省 job tag)
*2 運用・管理(IT)(厚生労働省 job tag)
*3 令和7年 通信利用動向調査報告書(企業編)(総務省)
*4 デジタルスキル標準 ver.2.0(経済産業省・情報処理推進機構・2026年4月)
*5 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)
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