失業給付の自己都合と会社都合の違い|転職前に見る給付日数
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

転職の準備を進めるなかで、失業給付の申請に関わる「自己都合」と「会社都合」という区分の話を耳にすることがあります。この区分は離職票などの書類に記載される項目で、まずどこに書かれているかを確かめることから始まります。区分の意味を判断する前に、記載の場所をたどります。
離職票を受け取ったら、まず自己都合・会社都合のどちらと記載されているかという書類上の位置を確かめておくと、窓口で聞く点も具体的になり、進め方が見えてきます。
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この記事のポイント
- 失業給付の「自己都合」「会社都合」という区分は、離職票などの書類に記載される項目です。まずは記載されている場所を確かめます
- 区分の記載について会社側と認識が食い違うことがあります。食い違いを感じたときに伝える順番を、本文で確かめます
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で364.3千円、50〜54歳で388.8千円です*1。年齢によって働き方の前提が変わります
1. 自己都合と会社都合の区分は、書類に記載されます
失業給付の申請に関わる「自己都合」と「会社都合」という区分は、離職票などの書類に記載される項目です。区分がどちらになっているかは、書類を受け取った時点で確かめられます。判断に迷う場合は、記載を見てからハローワークの窓口に確かめる進め方があります。
2. 認識が食い違うのは、退職の経緯の受け取り方が違うからです
自己都合と会社都合という区分は、退職に至った経緯を、書類のうえでどちらに当たるかという形で表したものです。本人の受け取り方と、会社側の受け取り方が異なる場合、記載される区分についても認識が食い違うことがあります。
食い違いが起きやすいのは、退職の経緯を本人と会社がそれぞれの立場から見ているためです。同じ退職でも、本人が受け取っている経緯と、会社が書類に記す経緯が、必ずしも同じ言葉で表されるとは限りません。
どちらの受け取り方が正しいかを、ここで決めることはできません。決める場所は、書類の記載とハローワークの窓口です。認識の違いに気づいたら、まず書類の記載を確かめ、それから窓口に伝える順番で進められます。
書類に記載される内容は、退職の時点でその場ですべて決まるわけではありません。前の勤務先が手続きを進め、離職票が発行された段階になって、記載内容を確認できるようになります。受け取るまでの間は、記載がどうなっているかを確かめる手段が限られています。
雇用保険の手続き自体についても、窓口に確かめる場面があります。手続きの順番は、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 雇用保険の手続きと転職活動|窓口と書類の順番
3. 失業給付の区分を確かめる場所を並べます
自己都合と会社都合の区分を確かめられる場所は、離職票だけではありません。代表的な確かめ先を、そこで分かることと合わせて並べます。どの書類を先に見るかで、確かめられる範囲も変わります。
確かめる場所・そこで分かること・分からないときの相手
| 確かめる場所 | そこで分かること | 分からないときの相手 |
|---|---|---|
| 離職票の離職理由欄 | 事業主が記載した区分と、本人が記入した欄の内容 | 前の勤務先の人事・総務 |
| 退職証明書 | 退職の経緯に関する記載 | 前の勤務先の人事・総務 |
| ハローワークの窓口 | 離職票の記載内容についての確認 | ハローワークの窓口 |
| 雇用保険受給資格者証 | 確定した離職理由の記載 | ハローワークの窓口 |
表の4つの確かめ先に共通するのは、区分を判断する場所ではなく、記載を確かめる場所として使う点です。どこに聞けばよいかが分かっていると、書類を受け取った時点で慌てずに動けます。
「離職票の離職理由欄」には、事業主が記載した欄と、本人が記入できる欄の両方があります。区分についての認識が違う場合は、本人記入欄に自分の受け取り方を書き添える進め方があります。
「退職証明書」は、離職票とは別に発行を求められる書類で、退職の経緯に関する記載があります。離職票の記載と合わせて確かめると、書かれている内容の理解が進みます。
「ハローワークの窓口」では、離職票の記載内容について確かめられます。記載の意味が分からない場合や、記載されている区分に疑問がある場合も、窓口に確かめる進め方があります。
「雇用保険受給資格者証」は、申請の手続きを進めたあとに交付される書類です。確定した離職理由の記載があり、離職票の記載と合わせて確かめられます。
複数の書類を見比べておくと、記載の食い違いに気づきやすくなります。1つの書類だけを見て判断するより、離職票と退職証明書、必要に応じて受給資格者証まで並べて確かめるほうが、記載の位置を把握しやすくなります。
退職証明書がどのような場面で使われるかについては、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 退職証明書の使う場面|離職票との違い
4. 記載の読み取りやすさは書類によって差があります
離職票などの書類に記載されている区分は、読み取れる場合とそうでない場合があります。記載の形式は書類によって違うため、読み取りやすさにも差があります。
図の位置は、書類の記載だけで分かる範囲と、窓口に確かめたほうがよい範囲を、目安として示したものです。実際にどちらに当たるかは、受け取った書類を見てから判断します。
記載が読み取りにくいと感じたときは、自分だけで判断せず、窓口に確かめる進め方があります。窓口では、記載の意味について確かめられます。
書類の発行形式によっても、記載の並び方は変わります。手書きで発行された書類と、システムを通じて発行された書類とでは、欄の位置や表記の仕方が異なることがあります。見慣れない形式で受け取った場合ほど、窓口に確かめておくと安心です。同じ「区分」という言葉であっても、書類の版によって表記の位置が動くことがあるため、一度で読み取れなくても慌てる必要はありません。
目安の位置は書類の種類によって変わるため、この図はあくまで一般的な傾向を示すものです。
5. 確かめる4つの段階をたどります
4つの段階のうち、多くの場合で最初に来るのは、離職票などの書類を受け取る段階です。受け取った時点で、記載されている区分をすぐに確認できます。
記載を確認する段階では、事業主が記載した欄と、本人が記入できる欄の両方に目を通します。区分について自分の受け取り方と違う記載があれば、次の段階に進みます。
認識が違うと感じた場合は、本人記入欄に自分の受け取り方を書き添える方法があります。会社に直接伝える前に、まず書類のどこに書き添えられるかを確かめておくと進めやすくなります。
最後の段階は、ハローワークの窓口に確かめる段階です。記載されている区分について疑問がある場合も、窓口で確かめられます。
4つの段階を順に踏んでおくと、窓口に相談する時点で、何を確かめたいかが自分のなかで整理できています。順番を飛ばして先に窓口へ相談する進め方でも構いませんが、記載を確認したうえで相談すると、伝える内容が具体的になります。段階を踏む速さは人によって異なるため、無理に急ぐ必要はありません。
6. 窓口で伝える3つの項目を決めておきます
ハローワークの窓口に確かめる際は、次の3つを順に伝えておくと、記載されている区分について確認が進みます。何から話すか決めておくと、限られた時間でも要点を伝えられます。
窓口で伝える3つの項目
- 受け取った書類:離職票など、いま手元にある書類を伝えます
- 記載されている区分:離職票にどちらの区分が記載されているかを伝えます
- 感じている認識:記載と自分の受け取り方が違う場合は、その点を伝えます
3つの項目を順に伝えると、窓口での確認がスムーズに進みます。順番を守らなくても内容は変わりませんが、伝え忘れを防ぎやすくなります。
「受け取った書類」を伝えるときは、離職票のほかに退職証明書などを受け取っている場合は、それも合わせて伝えます。手元にある書類をひとつずつ確かめておくと伝えやすくなります。
「記載されている区分」は、離職票の離職理由欄に書かれている内容をそのまま伝えます。書かれている言葉が分かりにくい場合は、分からない旨を伝えても構いません。
「感じている認識」を伝える段階では、会社の記載を否定する必要はありません。記載と自分の受け取り方が違うと感じている点を、そのまま伝えれば足ります。
3つの項目を伝えたあとの対応は、窓口の案内に沿って進みます。追加の書類が必要になる場合や、確認に時間がかかる場合もあるため、案内された内容はその場で控えておくと、あとから見返しやすくなります。控える際は、担当者の説明をそのまま書き留めておくと、あとで前の勤務先に伝えるときにも役立ちます。
退職の経緯を社内の誰にどこまで話すかについては、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 社内の誰にどこまで話すか|伝える順番を決める
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 自己都合と会社都合は、どこで確認できますか。
A. 離職票などの書類の記載で確認できます。記載の意味が分からない場合は、前の勤務先の人事・総務やハローワークの窓口に確かめる方法があります。書類を受け取る前は、記載内容そのものを確認する手段がありません。
Q2. 離職票の記載と、自分の認識が違う場合はどうすればよいですか。
A. 離職票には本人が記入できる欄があり、そこに自分の受け取り方を書き添える方法があります。書き添えた内容については、ハローワークの窓口に確かめられます。窓口へ行く前に、どの部分がどう違って見えるかを整理しておくと、伝えやすくなります。
Q3. 離職票を受け取っていない場合はどうすればよいですか。
A. 前の勤務先に発行の状況を確かめる方法があります。発行までの時間は勤務先によって異なるため、あわせて確かめておくと見通しが立ちます。
Q4. 区分についての記載が正しいかどうかは、誰が判断しますか。
A. 記載内容についての確認は、ハローワークの窓口が対応する範囲です。ここでは記載の場所と確かめ方までを扱い、記載内容そのものの判断には立ち入りません。判断に関わる相談は、窓口に直接尋ねる形で進められます。
8. まとめ:失業給付の区分は書類の記載で確かめます
この記事の要点
- 自己都合と会社都合の区分は、離職票などの書類に記載される項目です
- 区分についての認識が食い違うのは、退職の経緯の受け取り方が本人と会社で異なるためです
- 確かめる場所は複数あり、離職票の記載欄・退職証明書・雇用保険受給資格者証・ハローワークの窓口などがあります
- 認識が違うと感じたら、本人記入欄に書き添えたうえで、窓口に確かめる進め方があります
- 一般労働者の賃金は40〜44歳で364.3千円、50〜54歳で388.8千円です*1。年齢によって働き方の前提が変わります
自己都合と会社都合の区分は、書類の記載を確かめてから対応するものです。記載の意味や、区分についての判断は、前の勤務先の人事・総務やハローワークの窓口に確かめながら進められます。認識が違うと感じたときも、まずは記載を確認し、それから窓口に伝える順番で進められます。書類を受け取ったら、記載されている区分の位置を確かめる習慣をつけておくと、次の場面でも迷いません。転職の準備を進める際に、こうした書類の確認と並行して求人を探しておく方法もあります。確認と準備を同時に進めておくと、区分についての結果が分かった段階でも落ち着いて動けます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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