昇給の決まり方|どこで分かるか

昇給がどのように決まるのかは、会社ごとに仕組みが異なり、外からは見えにくい部分です。判断する人や実施される時期、判断のもとになる基準がどの書類に書かれているかを知っておくと、選考の段階から確かめる手がかりが増えます。決まり方を確かめる方法を整理します。
決まり方について迷ったときは、賃金規程や評価に関する社内規程の記載を確かめることが、まず自分にできる確認になります。
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この記事のポイント
- 決まり方は、判断する人や実施される時期が会社ごとに異なります。手がかりは、賃金規程や評価に関する社内規程に書かれています
- 求人票や労働条件通知書にも、関わる記載が示される場合があります。まずはどこまで書かれているかを確かめます
- DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%、そのうち『大幅に不足』は50.1%です*1。昇給の話とは別の、人材需給の前提として示します
1. 昇給は、誰が・いつ・何をもとに決めるかが会社ごとに異なります
決まり方は、会社ごとに仕組みが異なります。判断する人、実施される時期、判断のもとになる基準は、賃金規程や評価に関する社内規程に書かれています。まずはどの書類に、何が書かれているかを確かめる進め方を見ていきます。
会社によって仕組みが異なるとはいえ、判断の基準や実施の時期が、まったく書面に残っていないわけではありません。多くの場合、賃金規程や評価に関する社内規程、求人票、労働条件通知書のいずれかに、手がかりとなる記載があります。
ここでは、上がるかどうかの見通しを立てることではなく、どこに記載があり、どう確かめられるかという進め方を追います。記載を確かめる姿勢は、選考の初期から入社後まで、共通して使える視点になります。
2. 確かめる4つの場面をたどります
4つの場面は、順番に踏み切るものというより、確かめられた場面から次に進むための目安です。求人票の記載に関連の基準が示されていれば、その時点で概要はつかめます。
記載が薄い求人票では、面接の場で昇給について聞く進め方があります。聞いた内容は、あとで労働条件通知書の記載と見比べる材料になります。
内定後に受け取る労働条件通知書は、求人票よりも詳しい記載になっていることがあります。ここで初めて関連の記載が示される場合もあります。
入社後に確かめられる賃金規程や評価に関する社内規程は、通知書の記載を補う位置づけです。規程を読んでおくと、通知書だけでは分からない部分の手がかりになります。
4つの場面すべてを毎回踏む必要はありません。求人票と通知書の記載が一致していて、疑問が残らない場合は、規程まで確かめずに済むこともあります。
4つの場面の中で、どこに重心を置くかは、会社の情報開示の姿勢によっても変わります。求人票の段階で詳しく書く会社もあれば、内定後の書面で初めて詳しく示す会社もあります。
求人票と労働条件通知書の記載が大きく異なる場合は、面接で聞いた内容がその差を埋める手がかりになります。記載の一致や不一致を確かめる作業自体が、この4つの場面の一部です。
4つの場面のどこかで記載が見当たらなかったとしても、それだけで確かめる手段が尽きたわけではありません。次の場面に進めば、別の書類から手がかりが得られる場合もあります。
3. 確かめる先を4つ挙げます
決まり方を確かめる先は、選考の段階によって変わります。代表的な確かめ先を、そこで分かることと合わせて挙げます。等級や給与テーブルの読み方そのものは、別の記事に譲ります。
確かめること・どこで分かるか・分からないときの相手
| 確かめること | どこで分かるか | 分からないときの相手 |
|---|---|---|
| 昇給を判断する基準 | 賃金規程や評価に関する社内規程 | 人事・総務 |
| 実施される時期 | 賃金規程や就業規則の記載 | 人事・総務 |
| 求人票に関連の記載があるか | 求人票の待遇欄 | 応募先の採用担当 |
| 内定後の記載の詳しさ | 労働条件通知書 | 人事・採用担当 |
賃金規程や評価に関する社内規程は、判断する基準が書かれている中心の書類です。基準の書かれ方は会社によって異なり、詳しく明記されている場合と、大枠だけが示されている場合があります。
実施される時期についても、賃金規程や就業規則に記載がある場合があります。時期が固定されている会社もあれば、評価のタイミングに合わせて見直す会社もあります。
求人票の待遇欄には、関連する記載が示されることがあります。記載が見当たらない求人票もあるため、まずは待遇欄をひととおり確認します。
内定後に受け取る労働条件通知書には、求人票よりも詳しい記載が示される場合があります。求人票の記載と通知書の記載を見比べておくと、記載の変化に気づきやすくなります。
4つの確かめ先は、順に上から下へ進むものではなく、記載が分かった時点で止めてよいものです。1つの書類だけを頼りにするより、複数の書類を組み合わせて読むほうが、記載の抜けに気づきやすくなります。
複数の書類を見比べたときに記載の細かさが異なっていても、それ自体は矛盾ではありません。求人募集の段階と内定後とで、開示できる情報の詳しさが変わることは珍しくないためです。
賃金の等級と昇給の関係を詳しく確かめる方法については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 給与テーブルの見方|等級と上がり方を確かめる
4. 決まり方が見えにくい理由を捉えます
決まり方が外から見えにくいのは、判断する人と実施される時期が、会社の中で分かれていることが関係していると考えられます。
判断する人は、直属の上司である場合もあれば、人事や経営層が最終的に関わる場合もあります。決裁の段階が複数に分かれている会社ほど、外からは仕組みが見えにくくなります。
実施される時期も、毎年決まった月に見直す会社と、個々の評価のタイミングに合わせて見直す会社があります。時期が固定されていない場合、求人票や通知書だけでは分からないことがあります。
決める人と時期が分かれているという構造は、会社の規模や制度の設計によるものです。仕組みを知る入り口として、賃金規程や評価に関する社内規程の記載を確かめる進め方があります。
決裁の段階数は、組織の規模が大きいほど増える傾向があると考えられますが、規模だけで一概に決まるものでもありません。最終的には、その会社の賃金規程や評価に関する社内規程の記載を確かめることが、仕組みを知る近道になります。
賃金規程や評価に関する社内規程は、入社前には開示されないこともあります。入社後に読む機会があれば、そこで初めて仕組みの全体像がつかめる場合もあります。
同じ業種や職種であっても、制度の設計は会社ごとに異なるため、決まり方の詳しさは揃いません。同僚や知人から聞いた話をそのまま当てはめず、自分の勤務先の記載を確かめることが基本になります。
昇給以外の形で処遇が上がる、専門職としての制度については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 専門職として進む道|制度としてあるかを見る
5. 書かれているかどうかで確かめ方を分けます
決まり方は、賃金規程や求人票に基準が明記されている場合と、記載が薄く運用に委ねられている場合とに分かれます。どちらに当たるかで、確かめ方の重心が変わります。
基準が明記されている場合は、記載そのものを読み込み、分からない点だけを人事・採用担当に確かめる進め方になります。記載が薄い場合は、面接や窓口に聞く場面が増えます。
どちらの場合であっても、最終的に確かめる先は賃金規程や評価に関する社内規程、そして人事・採用担当という点で変わりません。
記載の詳しさに差があっても、優劣を判断する材料にはなりません。詳しく書かれていない会社ほど、面接や窓口でのやり取りを通じて確かめる場面が増えるというだけの違いです。
6. 面接で聞くときの言い方を揃えます
面接で昇給について聞くときは、聞き方によって答えやすさが変わります。次の3つの言い方を揃えておくと、聞き取れる内容が増えます。
聞くときの3つの言い方
- 基準を聞く:判断する基準がどの書類に書かれているかを聞きます
- 時期を聞く:実施される時期がいつ頃かを聞きます
- 窓口を聞く:記載について確かめる窓口がどこかを聞きます
3つの言い方は、基準・時期・窓口という3つの角度に対応しています。どれか1つだけを聞くより、3つを順に聞いておくと、記載の抜けに気づきやすくなります。
面接の場で聞きにくいと感じる場合は、内定後に労働条件通知書を受け取った段階で、同じ3つの角度から記載を確かめる進め方もあります。
聞いた内容や記載を、その場でメモに残しておくと、あとで賃金規程の記載と見比べるときの手がかりになります。
3つの言い方は、面接官や採用担当が答えやすい形にそろえてあります。抽象的な聞き方よりも、基準・時期・窓口というように対象を絞って聞くほうが、記載に基づいた答えを得やすくなります。
聞いた答えをそのまま信じるだけでなく、あとで書面の記載と見比べる前提で聞いておくと、記載との違いに気づきやすくなります。
求人票と労働条件通知書の記載を見比べる方法については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 労働条件通知書|求人票との差を見る
7. よくある質問|規程と窓口が手がかりです
Q1. 昇給の決まり方はどこを見れば分かりますか。
A. 賃金規程や評価に関する社内規程に記載がある場合は、そこで確認できます。記載が見当たらない場合は、求人票や労働条件通知書の記載、または人事・採用担当への確認が手がかりになります。
Q2. 求人票に関連の記載がない場合はどうすればよいですか。
A. 面接の場で、判断する基準や時期について聞く進め方があります。内定後に受け取る労働条件通知書で、あらためて記載を確かめることもできます。
Q3. 昇給の基準は会社によって違いますか。
A. 基準の書き方や運用は会社によって異なります。ここでは基準の優劣は判断せず、賃金規程や評価に関する社内規程の記載を確かめる進め方を示すにとどめます。
Q4. 面接で聞きにくい場合はどうすればよいですか。
A. 内定後の労働条件通知書を受け取った段階で、あらためて確かめる進め方もあります。分からない点は、勤務先の人事・採用担当に相談する方法があります。
8. まとめ:昇給の決まり方は規程と窓口で確かめます
この記事の要点
- 昇給は、判断する人と実施される時期が会社ごとに異なり、外からは見えにくい仕組みです
- 手がかりは、賃金規程や評価に関する社内規程の記載にあります
- 求人票や労働条件通知書にも、関わる記載が示される場合があります
- DX推進人材が不足と回答した企業は85.5%、そのうち大幅に不足は50.1%です*1。昇給の話とは別の前提として示します
- 記載を読んでも分からない点は、勤務先の人事・採用担当に確かめる進め方があります
昇給がどのように決まるかは、判断する人と実施される時期が会社ごとに異なるため、外からは仕組みが見えにくくなっています。手がかりは、賃金規程や評価に関する社内規程の記載にあり、求人票や労働条件通知書にも関連する記載が示される場合があります。記載を確かめても分からない点が残るときは、勤務先の人事・採用担当に相談する進め方があります。決まり方を知ることは、会社を評価することではなく、自分が確かめられる範囲を広げるための入り口として捉えられます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 IPA DX動向2026
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