自己PRが書けないとき|材料の棚卸し

自己PRが書けないと感じるとき、原因は文章の書き方ではなく、材料がまだ手元に整理されていないことにある場合があります。担当した範囲や使った技術など、手元にある事実を先に洗い出すと、書き始める材料が揃います。ここでは、自己PRに使える材料の集め方と、そこから選ぶ決め方を見ていきます。
自己PRの材料を探すときに最初に確かめたいのは、担当した範囲を事実として書き出せているかです。書き出せていない状態のまま選ぶ作業に進むと、材料が定まりません。
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この記事のポイント
- 自己PRが書けないのは、材料の棚卸しが済んでいないことが理由の場合があります
- 材料は、担当した範囲・使った技術・関わった人数と役割・残した記録の4種類に分けて洗い出せます
- 一般労働者の賃金は25〜29歳で279.4千円、45〜49歳で377.9千円です*1。年代によって、任された範囲の書き方の重心が変わります
1. 自己PRが書けないのは、材料の棚卸しが済んでいないからです
自己PRが書けないと感じるときの多くは、書き方に迷っているのではなく、書く材料がまだ手元に整理されていない状態です。担当した範囲・使った技術・関わった人数と役割・残した記録という4種類の事実を洗い出すと、そこから選んで書き始められます。文章を練る前に、まず材料を並べる作業が要ります。
自己PRの欄を前にして手が止まるとき、原因を語彙の少なさだと考えがちですが、実際に足りていないのは言葉ではなく、書くための材料です。
材料とは、担当した業務の範囲、使った技術、関わった人数や自分の役割、そこで残した記録といった、すでに起きた事実を指します。これらは新しく作り出すものではなく、日々の仕事の中に残っています。
材料が整理されていない状態で書き始めると、思いついた出来事だけをつなぎ合わせた文章になりやすく、読み手にとって何を担当したのかが伝わりにくくなります。
先に材料を並べてから文章に落とすと、選ぶ作業と書く作業が分かれるため、書きながら材料を探す手間が減ります。
この先では、材料の置き場所を整理する表、書けない原因の枝分かれ、年代による書き方の重心の違い、材料を絞る順番、選ぶときの型、よくある質問という順に見ていきます。
2. 材料の置き場所を、思い出す場所ごとに整理します
材料は種類ごとに、思い出しやすい場所が違います。書き出す前に、どこを見れば思い出せるかを先に整理します。
材料の種類・主に思い出せる場所・書き出す例
| 材料の種類 | 主に思い出せる場所 | 書き出す例 |
|---|---|---|
| 担当した範囲 | 作業記録・進行中のタスク一覧 | 担当した機能や工程の範囲 |
| 使った技術 | 設計資料・課題管理のタグや分類 | 使用した言語やツールの名称 |
| 関わった人数と役割 | 報告資料・体制図 | チームの人数と自分の役割 |
| 残した記録 | 課題管理の対応履歴・報告資料 | 対応した件数や期間 |
4種類の材料は、扱う頻度が高いと思われる順に並べています。担当した範囲は、他の材料の前提になります。
使った技術は、設計資料や課題管理のタグから拾えます。日々の会話で使っている名称と資料に残っている表記が異なる場合は、資料側の表記を優先します。
関わった人数と役割は、報告資料や体制図に残っていることが多く、自分一人で完結していない仕事ほど、この材料が使えます。
残した記録は、課題管理の対応履歴や報告資料の件数から拾えます。件数や期間は、数字として書き出せる材料になります。
表の4項目は、一度にすべて埋まらなくても使えます。埋まった項目から、自己PRに使う事実として選ぶ作業に進めます。
作業記録や課題管理に残っていない場合は、当時のチームメンバーや上長に確認する方法もあります。自分の記憶だけで埋めようとせず、周囲の記録と合わせて材料を補えます。設計資料が古い形式で残っている場合も、日付や版数を手がかりに、担当していた時期の内容を探せます。
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3. 書けない状態は、3つの原因に分かれます
自己PRが書けない状態は、原因によって次に手を付ける場所が変わります。
材料が出てこない場合は、記憶をたどるのではなく、作業記録や課題管理といった残っている記録を見返す作業から始められます。
材料が多すぎて選べない場合は、すべてを盛り込もうとせず、応募する募集の記載と重なる事実に絞る作業に進めます。
事実はあるのに言葉にできない場合は、一文にまとめようとする前に、担当した範囲・使った技術・関わった人数という材料ごとに分けて書き出す作業から始められます。
3つの原因は、どれが良い状態かを比べるものではありません。今どの状態にいるかが分かれば、次にする作業が決まります。
原因が複数当てはまる場合もあります。当てはまる分だけ、次の作業を順に進められます。
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4. 任された範囲の書き方は、年代によって重心が変わります
担当した範囲を書くとき、どこまで詳しく書くかは、任されている範囲の広さによって変わります。範囲が狭いうちは、担当した作業そのものを具体的に書く重心になります。
任される範囲が広がると、作業そのものよりも、範囲全体をどう進めたかという書き方の重心に変わっていきます。これは経験の有無を示すものではなく、任されている範囲の違いによるものです。
一般労働者の賃金は、25〜29歳で279.4千円、45〜49歳で377.9千円です*1。年代によって水準に差がありますが、これは任される範囲の広さが年代とともに変わりやすいことの一つの目安であり、書き方を決める基準にはなりません。
この数字は、どの年代でも通用する書き方の正解を示すものではありません。書き方の重心を決めるのは、実際に任されていた範囲そのものです。
範囲が狭い場合でも、担当した作業の中で自分が判断した部分があれば、その判断を材料として書き出せます。範囲の広さだけが材料の価値を決めるわけではありません。
書き方の重心は、応募する募集の内容によっても変わります。同じ範囲を担当していても、募集ごとに求められる書き方の重心は変わるため、都度見直す前提で書いておけます。一度書いた自己PRをそのまま使い続けるのではなく、募集が変わるたびに重心を合わせ直す作業が発生します。
5. 材料を絞る順番は、下から3段に積み上げます
洗い出した材料は、そのまま全部を書くのではなく、下から3段の順番で絞っていきます。
土台に置くのは、担当した範囲・使った技術・関わった人数と役割・残した記録という、洗い出した事実そのものです。この段階では数を絞りません。
中段では、洗い出した事実の中から、自分が任されていた範囲が分かる事実だけを残します。担当していたが任されてはいなかった作業は、この段階で外れます。
頂点では、中段で残った事実の中から、応募する募集の記載と重なる1点に絞ります。頂点に残る材料の数は、土台よりも大きく減ります。
上に行くほど数が絞られる形にしているのは、自己PRに書く事実は多いほど良いわけではなく、募集内容と重なる1点が伝わることのほうが重要だからです。
絞る順番を守らなくても、最終的に頂点に残る事実が同じであれば問題ありません。順番は、絞り方に迷ったときの目印として使えます。
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6. 選ぶときの基準を、3つの型で揃えます
頂点に残す1点を選ぶときに使える基準を、3つの型で示します。
選ぶときの3つの型
- 重なりで選ぶ型:募集内容の記載と重なる事実を優先します
- 数字で選ぶ型:人数や期間など、数字で示せる事実を優先します
- 役割で選ぶ型:任された範囲が分かる事実を優先します
3つの型は、どれか1つだけを使う決まりではなく、組み合わせて使えます。重なりで選ぶ型を軸にしながら、数字で選ぶ型を添える進め方もあります。
重なりで選ぶ型は、募集内容に書かれている言葉と、自分の事実に共通する部分を探す型です。共通する部分が見つかれば、そこが自己PRの軸になります。
数字で選ぶ型は、関わった人数や対応した期間など、数字にできる事実を優先します。数字は読み手にとって規模を判断しやすい材料になります。
役割で選ぶ型は、担当した範囲の中で自分がどこまで任されていたかが分かる事実を優先します。範囲の広さではなく、任された役割の明確さを基準にします。
3つの型のうち、どれを軸にするかは、募集内容や材料の内容によって変わります。同じ型を毎回使う必要はありません。
選んだあとに材料が2つ以上残った場合は、募集内容との重なりが大きいほうを先に置く進め方もあります。
選んだ材料は、応募する募集が変わるたびに見直せます。一度選んだ型をそのまま次の応募にも使う必要はなく、募集内容に合わせて基準を入れ替える進め方もあります。型を入れ替えても、洗い出した材料そのものを作り直す必要はありません。
7. よくある質問|材料の集め方と選び方
Q1. 自己PRに使える材料が、思い出しても出てこない場合はどうすればよいですか。
A. 記憶をたどるのではなく、作業記録や課題管理といった残っている記録を見返す方法があります。担当した範囲・使った技術・関わった人数と役割・残した記録の4種類に分けて見返すと、材料が見つかりやすくなります。
Q2. 材料が複数見つかったときは、全部書いたほうがよいのでしょうか。
A. 全部を書く必要はありません。応募する募集の記載と重なる事実を優先し、残りは面接で話す材料として残しておく進め方があります。優先順位に迷う場合は、数字で示せる事実を基準にする方法もあります。
Q3. 使った技術が地味に見える場合、材料として使えますか。
A. 使えます。技術そのものの新しさよりも、その技術をどの範囲で使い、どのような役割を担ったかが伝わることのほうが重要です。担当した範囲や関わった人数と合わせて書くと、技術の位置づけが伝わりやすくなります。
Q4. 担当した範囲がチームの一部で、個人の成果として示しにくい場合はどうすればよいですか。
A. チーム全体の成果ではなく、その中で自分が任されていた範囲や役割に絞って書く方法があります。関わった人数と、その中での自分の役割を合わせて書くと、個人の分担が伝わりやすくなります。
8. まとめ:自己PRの材料は、棚卸しから見えてきます
この記事の要点
- 自己PRが書けないのは、書き方の問題ではなく、材料の棚卸しが済んでいないことが理由の場合があります
- 材料は、担当した範囲・使った技術・関わった人数と役割・残した記録の4種類に分けて洗い出せます
- 書けない状態は、材料が出てこない・多すぎて選べない・言葉にできないの3つに分かれ、原因ごとに次の作業が変わります
- 一般労働者の賃金は25〜29歳で279.4千円、45〜49歳で377.9千円です*1。年代によって、任された範囲の書き方の重心が変わります
- 材料を絞る基準には、重なりで選ぶ・数字で選ぶ・役割で選ぶという3つの型があります
自己PRが書けないと感じたとき、最初に手を付けられるのは、文章そのものではなく材料の棚卸しです。担当した範囲・使った技術・関わった人数と役割・残した記録という事実を洗い出し、募集内容と重なる1点に絞っていけば、そこから書き始められます。材料が2つ以上残ったときは、数字で示せる事実や、任された範囲が分かる事実を基準に選ぶ進め方があります。書き方を練る前に、まず手元にある事実を並べる作業から始められます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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