気づいたことを誰に渡すか|早さの目安

間に合わなくなりそうだと気づいたとき、その気づきを誰にいつ渡すかで、後から選べる対応の幅は変わります。渡す先が決まっているか、確定してから渡すのか、その前に渡すのか、渡す形が決まっているかによって、引き取る側の動き方も変わります。気づいたことをどこに、どれだけ早く渡すかという2点に絞って見ていきます。
気づいたことをどこに渡すかは、確定する前か後かで、対応の幅が変わります。
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この記事のポイント
- 気づいたことを渡す先は、確定する前から決めておけます
- 渡す段階は、確定してからではなく、可能性が出た時点です
- 渡した後に引き取る人が誰かも、渡す前に見えている職場があります
1. リスクの共有先と早さは、気づいた時点で決まります
間に合わなくなりそうだと気づいたリスクを、誰に渡すか、そしてどれだけ早く渡すかは、確定した後ではなく、気づいた時点で決められます。渡す先が先に決まっていれば、迷わず渡せます。渡す早さも、確定するのを待つ必要はなく、可能性が出た段階で渡すほうが、引き取る側に対応の幅が残ります。
間に合わなくなりそうだと気づいたとき、最初に考えるのは自分でどう間に合わせるかです。ただ、そのリスクを誰に渡すかを考えずに時間だけが進むと、渡す先を考える余裕そのものが減っていきます。
渡す先について、まず見ておきたいのは、渡し先が先に決まっているかどうかです。決まっていれば、気づいた瞬間にそこへ渡すだけで済みます。決まっていない場合は、直属の上長など、日常的に報告している相手が渡し先になります。
渡す先が先に決まっていない場合でも、気づいた時点で渡す相手を選び直す必要はありません。日常的に報告している相手にまず渡し、そこから先の判断は渡した相手に委ねられます。渡す先を自分で最後まで決め切ろうとしないことが、渡す早さを保つことにつながります。
そのリスクを渡す早さについては、確定してから渡すのか、可能性が出た時点で渡すのかで、後の展開が変わります。確定するのを待つ間にも時間は進み、引き取る側が選べる対応の幅は狭くなっていきます。
可能性が出た時点で渡すというのは、まだ確定していない内容をそのまま渡すことです。今分かっている範囲であることを伝えれば、渡すこと自体が早すぎるということはありません。
渡す形が決まっているかどうかも、渡す早さに関わります。渡す形が決まっていないと、渡す前に文章を整えることに時間を使い、結果として渡す早さが失われます。
次の項目では、気づいてから引き取られるまでを4つの地点に分けて見ていきます。
2. 気づいてから引き取られるまでを4点に分けます
気づいたリスクが引き取り先に渡るまでを、4つの地点に分けます。
気づく地点は、間に合わなくなりそうだという感覚がまだ確信に至っていない段階です。この段階で止まらず、次の地点に進めることが、後の対応の幅を残します。
渡す先を確かめる地点では、渡し先が先に決まっているかをまず見ます。決まっていない場合は、直属の上長など、日常的に報告している相手を渡し先にします。
今分かっている分で渡す地点は、確定するまで待たない地点です。確定していない部分はそのまま「確定していない」と伝えれば、渡す内容として十分です。
引き取り先が決まる地点に着くと、そこから先の対応は引き取り先が担います。引き取り先が誰になるかは、渡した内容や職場によって変わります。
渡す先がまだ分からない段階でも、今分かっている分で渡す地点に進むことはできます。渡した後に渡す先が変わることもありますが、変わったこと自体は渡す側の責任にはなりません。
4つの地点は後戻りできます。渡した後に新しい情報が分かれば、同じ渡し先にもう一度渡して構いません。
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3. 渡す前に決めておくことを4項目で並べます
気づいたリスクを渡す前に決めておきたいことと、それをどこで確かめられるかを並べます。
渡す前に決めておくこと
| 渡す前に決めておくこと | どこで確かめられるか |
|---|---|
| 渡す先 | 日常の報告先、または社内の窓口の案内 |
| 渡す段階 | 確定する前か後か、自分の中で決めておく基準 |
| 渡す形 | 口頭・チャット・メールのうち、渡し先が受け取りやすい形 |
| 引き取る人 | 渡した先が誰に引き継ぐかの、渡し先での運用 |
気づいたリスクを渡す前に決めておきたいことは、大きく4つに分かれます。渡す先、渡す段階、渡す形、そして引き取る人です。
渡す先は、日常的に報告している相手であることがほとんどです。社内に窓口の案内がある場合は、その案内に沿います。
渡す段階は、確定する前か後かを、自分の中で決めておく基準です。可能性が出た時点で渡すと決めておけば、渡すたびに迷わずに済みます。
渡す形は、口頭・チャット・メールのうち、渡し先が受け取りやすい形を選びます。形が決まっていないと、渡す直前に形を考える時間が生まれます。
引き取る人は、渡した先の運用によって決まります。渡した相手がそのまま引き取ることもあれば、別の担当に引き継ぐこともあります。引き継ぎ先が誰であるかまでは、渡す側が決めることではありません。
4つのうち何も決まっていない状態で気づくこともあります。その場合は、まず渡す先だけを決めて渡し、渡す段階・渡す形・引き取る人は渡した後に整えても構いません。4つを一度に揃える必要はありません。
渡した後、記録として何を残すかは、渡すこととは別に確かめる道筋があります。
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4. 引き取る役は職場ごとに分かれます
渡した内容を誰が引き取るかは、職場によって違います。同じ渡し方をしても、引き取る役が固定されている職場もあれば、その場にいる人が引き取る職場もあります。
この違いが生まれる背景には、職場にいる人の経験の幅があります。一般労働者の賃金は、40〜44歳で月364.3千円、50〜54歳で月388.8千円です*1。この数字は年齢階級別の賃金であり、渡す先を決めるものではありません。職場には経験の幅があり、誰が引き取る役かも職場ごとに違うという背景として見ておく数字です。
経験の幅がある職場では、渡した内容をすぐに引き取れる人と、確認しながら進める人が混在します。渡す側は、引き取る側の経験を見極めて渡し方を変える必要はありません。今分かっている範囲をそのまま渡せば、引き取る側がその範囲に応じて動きます。
経験の幅がある職場だからといって、経験を積む機会がまだ少ない人が渡してはいけないわけではありません。渡す側の経験と、気づいたことを渡せるかどうかは別の話です。気づいた時点で渡すという動き方は、経験の年数に関わらず同じです。
引き取る役が誰であるかは、渡す前から分かっている場合と、渡した後に決まる場合があります。どちらであっても、渡す側がすることは変わりません。渡す先と渡す段階を決めておき、その通りに渡すことです。
次の項目では、渡してから対応が決まるまでを4つの段階で見ていきます。
5. 渡してから対応が決まるまでを4段で追います
渡してから対応が決まるまでを、4つの段階に分けて追います。
渡してから対応が決まるまでには、渡す段階、受け取る段階、判断する段階、対応が決まる段階という4つの段階があります。
渡す段階でつまずきやすいのは、確定していない部分を省いてしまうことです。確定していない部分も含めて渡すほうが、次の段階で判断する側の材料が増えます。
受け取る段階は、渡し先がその場で内容を受け止める段階です。受け取ったことを、渡した側に一言返すだけで、渡した側は次の対応に移れます。
判断する段階に使える時間は、渡すタイミングが遅いほど短くなります。可能性が出た時点で渡しておくと、判断する段階に使える時間そのものが長く残ります。
対応が決まる段階まで進むと、そこから先を進めるのは引き取り先です。渡した側がその後も同じリスクを抱え続ける必要はありません。
渡すタイミングが遅れると、判断する段階が短くなるだけでなく、対応が決まった後にやり直しが発生することもあります。渡すタイミングと、その後の手戻りの関係は、別に確かめられる道筋があります。
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6. 渡す形に入れておくものを整理します
気づいたリスクを渡す形が決まっていない場合に、入れておきたいものを整理します。
渡す形に入れておくもの
- 気づいた時点:いつ気づいたかを含めます
- 今分かっている範囲:確定していない部分もそのまま伝えます
- 望む対応:判断してほしい内容を添えます
- 早まる可能性:状況が変わりそうかどうかを伝えます
渡す形が決まっていない場合、何を入れれば渡せる内容になるかで迷うことがあります。入れておきたいものは、大きく4つです。
気づいた時点は、いつその可能性に気づいたかを指します。渡すタイミングが遅れて見えないよう、気づいた時点を含めておきます。
今分かっている範囲は、確定していない部分を含めてそのまま伝える内容です。分からない部分を分かっているように書く必要はありません。
望む対応は、渡した後に相手に判断してほしい内容です。判断してほしい内容を添えておくと、受け取った側が何をすればよいかがすぐに分かります。
早まる可能性は、状況がこの先変わりそうかどうかを伝える項目です。変わる可能性があるなら、その旨も渡す内容に含めます。
あらかじめこの4つを箇条書きの形にしておくと、気づいた場面ごとに一から書き直す必要がなくなります。書式を都度考える手間が減れば、渡す早さもその分保てます。
この4つが入っていれば、渡す形として十分です。文章を整えることに時間をかける必要はありません。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 間に合わなくなりそうだと気づいたとき、誰に渡すのがよいですか。
A. まず、気づいたリスクを日常的に報告している相手に渡します。渡す先が社内であらかじめ決まっている場合は、その先に渡します。
Q2. 確定してから渡すのと、可能性が出た時点で渡すのと、どちらがよいですか。
A. 可能性が出た時点で渡すほうが、引き取る側に対応を選べる余地が残ります。確定するまで待つと、その余地が狭くなります。
Q3. まだ確定していない内容を渡すと、迷惑になりませんか。
A. 今分かっている範囲であることを伝えれば、渡すこと自体が迷惑にはなりません。確定を待って渡す時期が遅れるほうが、引き取る側の対応の幅を狭めます。
Q4. 渡した後の対応は、誰が担いますか。
A. 渡した後の対応は、引き取り先が担います。引き取り先が誰になるかは、職場や渡す内容によって変わります。
8. まとめ:気づいた時点で、渡す先と早さを決めておきます
この記事の要点
- 間に合わなくなりそうだと気づいたリスクは、確定する前の時点で渡す先に渡せます
- 渡す先が先に決まっていれば、気づいた時点で迷わず渡せます
- 渡す前に決めておきたいことは、渡す先・渡す段階・渡す形・引き取る人の4つです
- 渡す形が決まっていない場合は、気づいた時点・今分かっている範囲・望む対応・早まる可能性の4つを入れておきます
- 渡した後の対応は引き取り先が担い、渡した側が抱え続ける必要はありません
間に合わなくなりそうだというリスクに気づいたとき、渡す先と渡す早さが決まっていれば、迷う時間そのものが減ります。確定するのを待たず、今分かっている範囲のまま渡す。渡された先が引き取り、そこから先の対応を進める。この形を先に決めておくことが、気づいた時点でできる備えになります。
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