インフラエンジニアの職務経歴書のサンプルは?工程ごとに書く見本

インフラエンジニアの職務経歴書は、担当した工程(要件定義・設計・構築・運用)ごとに、何をどこまで担ったかを書くと読み手に伝わります*1。構築の仕事は設計から構築までの担当を、運用の仕事は監視・バックアップといった定常業務と障害対応を分けて書いてください*2。プロジェクトごとの構成は別紙の一覧にまとめます*3。
サンプルは構築が中心の人と運用が中心の人の2つで、どちらも工程ごとに書いた見本です。会社名は伏せ、人数や台数、期間は例として置いています。書き替えるときは、工程の名前を残して、行ごとの作業だけを入れ替えます。
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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事のポイント
- インフラの仕事は要件定義・設計・構築・運用開始後の対応と進むため、職務経歴もこの工程で区切って書きます。読む人が、担当の広さを工程の名前で追えるからです。
- 運用の仕事は、監視や定期的なバックアップのような決まった作業と、障害が起きたときの復旧作業を分けて書きます。構築を担当していない人も、この2つで職務経歴の欄を組み立てられます。
- サーバーの台数や構成の細部は、別紙に移します。ハローワークの手引きでは、本体はA4縦で1〜2枚程度が一般的とされています。
1. 職務経歴は担当した工程ごとに書き分ける
インフラの職務経歴は、要件定義から運用までのうち自分が担った工程を選び、工程ごとに作業を書き分けます*1。構築を中心にしてきた人は設計と構築で担った作業を、運用を中心にしてきた人は定常業務と障害対応を本体に書いてください*1*2。定常業務とは監視やバックアップのように決まって行う作業で、障害対応とは故障が起きたときの連絡と復旧のことです*2。構成や台数といった細部は別紙の一覧に移し、本体はA4縦で1〜2枚程度に収めてください*3。
job tagは、厚生労働省の職業情報提供サイトです。ITインフラ(情報システムの基盤)を設計・開発する職業は、job tagで「システムエンジニア(基盤システム)」とされています*1。この職業は、インフラエンジニアとも呼ばれます*1。
job tagによると、仕事は要件定義、設計、構築、引き継ぎ、運用開始後の対応と進みます*1。開発の過程は、今後の開発や保守のためにドキュメントとして整理するとされています*1。職務経歴書でも工程の名前で担当を区切り、設計書や手順書を作った経験は、その工程の作業として書きます。
2. 職務経歴は工程を選ぶところから書き始める
まず、4つの工程のうち自分が担当したものを、プロジェクトごとに選び出します。工程の名前は、職務要約と職務経歴で同じ言い方にそろえてください。要件定義だけに加わったプロジェクトでも、顧客の要望を聞き取った経験として1行に書けます*1。
次に、選んだ工程ごとの作業を書きます。文は、ハローワークなどの冊子『職務経歴書の作り方』(以下、手引き)が原則とする「〜を担当」「〜に従事」のような体言止めで書きます*3。専門的な用語や内容には、かっこ書きで説明を付けることも手引きは勧めています*3。
3段目では、プロジェクトごとのサーバー構成や台数を、開発担当プロジェクト一覧などの別紙に移します*3。本体に構成まで書くと、担当した工程が細部に埋もれて読む人が追いにくくなるためです。別紙にしておけば、面接で構成を聞かれたときにも、その一覧を見ながら答えられます。
最後に、職務経歴の行を見返しながら職務要約を書きます。要約には、担当した工程の名前と、その工程に就いていた年数を入れてください。先に要約から書くと、職務経歴の行に無い強みを要約だけに書いてしまい、両者が食い違うことがあります。
3. インフラエンジニアの職務経歴書のサンプル2つ
サンプルはどちらも、手引きで必須とされる冒頭部分(標題・日付・氏名)と職務経歴を入れ、職務要約・活かせる経験・資格を足しています*3。会社名は「株式会社〇〇」、年は「20XX年」で伏せました。人数・台数・期間の数字は、すべて例です。
サンプル①:構築の経験が中心の人
職務経歴書
20XX年X月X日現在 氏名 〇〇 〇〇
【職務要約】
株式会社〇〇で社内システムの基盤構築に従事。
要件定義から設計、構築、開発チームへの引き継ぎまでを一貫して担当(期間は約5年・例)。
設計ではサーバーとネットワークの構成を決め、設計書を作成。
【職務経歴】
20XX年4月〜20XX年3月 株式会社〇〇 情報システム部
社内向け業務システムの基盤の新規構築(チーム5名・例)。
・要件定義:利用部門の要望を聞き取り、必要なサーバーの台数と性能を整理。
・設計:OSとミドルウェアを選び、構成・性能・信頼性を設計書にまとめる。
・構築:仮想サーバー20台(例)にOSとミドルウェアを入れ、ストレージとネットワークを設定。
・引き継ぎ:アプリケーションを開発するエンジニアへ、構成と作業手順を説明して引き渡し。
【活かせる経験・知識】
・サーバーとネットワークを組み合わせた構成を、要件から設計した経験。
・構築後の不具合に対し、設定の見直しと機器の部分的な入れ替えで対応した経験。
【資格】
20XX年X月 基本情報技術者試験 合格。
サンプル②:運用を中心に経験してきた人
職務経歴書
氏名 〇〇 〇〇
20XX年X月X日現在
【職務要約】
サーバーの運用・管理に、株式会社〇〇で約4年(例)従事。
稼働監視と定期的なバックアップの定常業務に加え、障害時の連絡と復旧作業を担当。
定例ミーティングで運用状況を報告し、運用手順書の更新も担う。
【職務経歴】
20XX年10月〜現在 株式会社〇〇 インフラ運用チーム
社内外向けシステムのサーバー約50台(例)の運用・管理。
・定常業務:監視ツールでリソースを監視し、異常なアクセスがないかログをチェック。
・定常業務:データとシステムのバックアップを決まった日時に取得。
・非定常業務:障害の発生時に保守担当へ連絡し、早期の復旧作業を担当。
・運用手順の見直し:手順の問題点を会議で検討し、運用手順書を書き直し。
【活かせる経験】
・障害の連絡から復旧までを、夜間を含む当番制で受け持った経験(例)。
・日報とログの記録をもとに、同じ障害が続いた箇所の手順を改めた経験。
【資格】
20XX年X月 応用情報技術者試験 合格。
サンプル①では、工程の名前を行の頭に置き、その工程で何をしたかを体言止めで続けています。構築の次に引き継ぎまで書いているのは、job tagで、開発を行うエンジニアへの引き継ぎが構築の次の工程とされているためです*1。設計書を作った経験は、機能・構成・性能・信頼性など設計書に書く項目のうち、自分が書いた部分を挙げてください*1。
一方、サンプル②では、定常業務と非定常業務を分けて行を立てています。運用・管理(IT)の定常業務には、リソース監視やログのチェックなどの稼働監視と、定期的なバックアップが含まれます*2。非定常業務は、障害が起きたときに保守担当へ連絡し、早期に復旧させる作業です*2。
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4. 職務経歴書の本体と別紙に分ける記録
手引きでは、冒頭部分(標題・氏名・日付)と職務経歴が必須の項目とされています*3。本体はA4縦の白無地の紙で1〜2枚程度が一般的で、別紙を付ける場合は、その分の枚数が若干増えても差し支えないとされています*3。
そのため、構築の仕事では、本体に担当した工程と期間を書き、プロジェクトごとの構成と規模は別紙に回します。運用の仕事では、定常業務と障害対応のどちらを担当したかを本体に書き、見直した運用手順の直した箇所は別紙に記録として残してください。本体を読んだ人は担当の広さをつかみ、構成の細部を知りたいときだけ別紙を開けます。
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5. 工程ごとの作業と職務経歴書での書き方の例
表の2列目は、job tagの「システムエンジニア(基盤システム)」と「運用・管理(IT)」の説明から取った作業です*1*2。3列目は、その作業を職務経歴書の1行にしたときの例で、手引きのとおり体言止めにしています*3。
インフラの工程と職務経歴書に書く作業
| 工程 | job tag にある作業 | 職務経歴書での書き方の例 |
|---|---|---|
| 要件定義 | 顧客の要望を聞き取り、どんなITインフラが要るかを明確にする | 社内の要望をもとに、必要な機器の性能と台数を決定 |
| 設計 | 使うハードウェアやOSを選び、構成を決める。設計書を作る | 機能と構成を記した設計書の作成を担当 |
| 構築 | 機器などを導入し、OSやミドルウェアのインストールまで行う | 仮想サーバーへのOSとミドルウェアの導入に従事 |
| 運用 | リソース監視やログのチェック、定期的なバックアップ、障害時の連絡と復旧、運用手順の見直し | サーバーの稼働監視と障害時の復旧作業に従事 |
つまり、3列目の書き方は、自分がした作業の動詞を入れ替えれば使えます。設計書を自分で書かずにレビューだけを受け持ったなら「設計書のレビューを担当」と書き、作成と区別してください。
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6. 書き替える前に手元にそろえる記録
書き替えは、記憶ではなく手元の記録をもとに進めると、期間や役割を取り違えずに済みます。そろえておくのは次の3つです。
サンプルを自分の経歴に書き替えるときに手元に置くもの
- 担当したプロジェクトの期間と役割の記録:職務経歴の年月と、どの工程を担当したかを書くときに使います。
- 作った設計書や運用手順書の名前:工程ごとの作業を1行にするときに使います。書類そのものは社外に出しません。
- 障害対応の記録(日付と対応した作業):非定常業務の行と、活かせる経験の欄に書く経験を選ぶときに使います。
ただし、サンプルを書き替えるときも、顧客名・システム名・IPアドレスのような社外秘の情報は書かないでください。職務経歴書を渡したあと、誰がどこまで読むかは応募者の側では決められません。顧客は「製造業の顧客」、システムは「社内向け業務システム」のように業種や用途で書けば、担当した作業は伝わります。
7. インフラエンジニアの職務経歴書でよくある質問
Q1. 運用の経験しかなくても職務経歴書は書けますか
A. 書けます。job tagにある運用・管理(IT)の仕事は、決まった作業を繰り返す定常業務と、障害が起きたときの非定常業務に分かれています*2。この2つを行に分け、運用手順書を更新した経験があれば、それも1行に加えてください*2。
Q2. クラウドの経験はどう書けばいいですか
A. 基盤システムの仕事として、構築の工程に書いてください。job tagでは、最近はクラウド上に仮想のシステムを構築することも多いとされています*1。サービスの名前は書かず、クラウド上に組んだサーバーやネットワークの構成と、自分が担当した作業を書きます。
Q3. 構築と運用の両方をしてきた場合はどう書きますか
A. キャリア式で、構築と運用の類型に分けて書く方法があります*3。キャリア式とは、職務経歴を職務の類型ごとに分け、アピール力の高い順に並べる書き方です*3。時系列の略歴を別に付けると分かりやすいとされているので、在籍した会社と期間の一覧も添えてください*3。
8. まとめ:インフラエンジニアの職務経歴書は工程と別紙で組み立てる
書き始める前に押さえる4つ
- 職務経歴は要件定義から運用までの工程で区切り、担当した工程の作業を1行ずつ書きます*1。
- 運用の仕事は、稼働監視とバックアップを定常業務、障害時の連絡と復旧を非定常業務として行を分けてください*2。
- サーバー構成の細部は開発担当プロジェクト一覧などの別紙にまとめ、本体の枚数を増やさずに済ませます*3。
- 顧客やシステムの名前は業種や用途に言い換え、社外秘の情報は職務経歴書に残しません。
書き上げたら、担当した工程の名前が職務要約と職務経歴の両方に出ているかを読み返してください。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(基盤システム)」
*2 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「運用・管理(IT)」
*3 厚生労働省職業安定局・都道府県労働局・ハローワーク『職務経歴書の作り方』(令和8年5月発行)
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