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転職の面接の交通費|会社の支給とハローワークの広域求職活動費

転職の面接の交通費|会社の支給とハローワークの広域求職活動費のイメージ写真

遠くの会社から面接の案内が届くと、交通費がいくらかかるのか、会社が出してくれるのかが気になります。新幹線や飛行機が要る距離なら、往復で数万円になることもあります。

転職の面接の交通費を出すかどうかは、会社によって違います。会社から出ないときでも、雇用保険の基本手当(失業手当)を受けている人には、使える給付が用意されています。ハローワークが紹介した遠方の求人の面接なら、広域求職活動費として運賃と宿泊料が支給されることがあります*1。2026年8月1日からは、受け取れる回数に上限が設けられました*1。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 面接の交通費を出すかどうかは会社が決めています。案内に書かれていなければ、日程の連絡をするときに聞いておくと、当日の出費に備えられます。
  • 雇用保険の基本手当を受けている人がハローワークの紹介で遠くの会社の面接に行くと、広域求職活動費として運賃と宿泊料が出ることがあります*1。
  • 2026年8月1日から、広域求職活動費を受け取れる回数に上限が設けられました。基本手当をもらえる日数が90日以下なら3回までです*1。

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1. 面接の交通費を出すかどうかは会社が決めている

転職の面接の交通費は、出すかどうかを会社ごとに決めています。会社から出なくても、退職して雇用保険を受給中の人は、ハローワーク経由で遠くの会社を受けるなら広域求職活動費を申請できることがあります*1。

面接の案内に「交通費支給」「当社規定により支給」と書かれていれば、会社が出すということです。何も書かれていなければ、面接の日程を返信するときに「交通費の扱いについても教えていただけますか」と一言添えて聞きます。当日に領収書が要るのかどうかも、そのとき一緒に分かります。

交通費が出るときは、実費を精算する会社もあれば、決まった額を渡す会社もあります。実費の精算なら、乗車券や航空券の領収書、利用した経路の分かるものを取っておきます。ICカードで乗った場合は、利用履歴を印字しておくと説明に困りません。

会社が交通費を出す場合でも、その額が広域求職活動費より少ないときは、差額をハローワークが支給します*1*2。会社から出ることが分かっていても、条件に当てはまりそうならハローワークに相談しておく意味があります。

2. 広域求職活動費が支給される5つの条件

広域求職活動費は、雇用保険の受給資格者がハローワークから紹介された遠方の求人事業所を訪ね、面接などを受けた場合に支給されます*1。支給されるには、次の5つをすべて満たす必要があります*1。

広域求職活動費の支給要件*1

  • 雇用保険の受給資格者であること(広域求職活動の指示を受けた時点で受給資格者なら、活動を始める時点で受給資格者でなくてもよい)
  • ハローワークに紹介された求人が、受給手続きをしたハローワークが受け持つ地域の外にある事業所の、常用の求人であること
  • 受給手続きをしたハローワークから、訪問する会社の所在地を管轄するハローワークまでの距離が、往復で200km以上あること(鉄道などの距離で計算)
  • 雇用保険の待期期間(受給手続きのあと、基本手当が支給されない最初の期間)が過ぎてから、広域求職活動を始めたこと
  • 面接に行く費用が会社から支給されないこと、または支給額が広域求職活動費の額に満たないこと

職業紹介を正当な理由なく断ったなどで給付制限(基本手当が一定期間支給されなくなること)を受けた人は、その期間が過ぎてから広域求職活動を始める必要もあります*1。

条件を見ると分かるとおり、広域求職活動費はハローワークの紹介が前提です。求人サイトや転職エージェントを通じて自分で応募した会社の面接は、距離が遠くても対象になりません。遠くの会社を受けたいときは、応募する前にハローワークの窓口で、その求人を紹介してもらえるか相談しておきます。

距離は、自宅からではなく、受給手続きをしたハローワークと、訪問する会社を受け持つハローワークの間で測ります*1。自宅が県境に近いと実際の移動距離と差が出ることもあるので、対象になるかはハローワークで聞いておきます。

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3. 2026年8月から受け取れる回数に上限ができた

2026年8月1日から、広域求職活動費を受け取れる回数に上限が設けられました*1。上限は、基本手当をもらえる日数(所定給付日数)に応じて決まります*1。

2026年7月31日以前に始めた広域求職活動は、この回数に数えません*1。上限を超えたあとの広域求職活動には支給されないと、雇用保険法施行規則に定められています*2。

所定給付日数ごとの広域求職活動費の受給回数の上限(2026年8月1日から*1)

所定給付日数受給回数の上限
90日以下3回
120日4回
150日5回
180日6回
210日7回
240日8回
270日9回
300日10回
330日11回
360日12回

自分の所定給付日数は、受給手続きのあとに受け取る雇用保険受給資格者証に書かれています。遠くの会社を何社も受ける予定があるなら、受給回数の上限から逆算して、どの面接に広域求職活動費を使うかを決めておくと無駄がありません。

1回の広域求職活動で複数の会社を訪ねることもできます。訪問先の数に応じて広域求職活動面接等訪問証明書が交付されるので*1、同じ地域の会社の面接を近い日にまとめられれば、少ない回数で済みます。

4. 支給される額は運賃と宿泊料

広域求職活動費として支給されるのは、鉄道賃・船賃・航空賃・車賃と宿泊料です*1*2。運賃は、受給手続きをしたハローワークから、面接先の会社の地域のハローワークまでの順路について、通常の経路と方法で計算した額です*1*2。実際に払った金額ではなく、この計算で決まる額が支給されます。

宿泊料は、鉄道などの計算距離が400km以上あるときだけ支給されます*1*2。1泊あたりの額は8,700円で、面接先の地域のハローワークが東京都の特別区や大阪市など一部の地域以外にある場合は7,800円です*2。これに、距離と訪問する会社の数で決まる泊数を掛けた額になります*2。

泊数は、雇用保険法施行規則の表で決められていて、訪問する会社が3か所以上か、2か所以下かで変わります*2。

広域求職活動費の宿泊料の泊数(鉄道賃の計算の基礎となる距離による*2)

距離訪問先が3か所以上訪問先が2か所以下
400km以上800km未満2泊1泊
800km以上1,200km未満3泊2泊
1,200km以上1,600km未満4泊3泊
1,600km以上2,000km未満5泊4泊
2,000km以上6泊5泊

船賃や車賃を受け取る場合は、その計算の基礎となる距離の4倍を、鉄道賃の距離に足して泊数を決めます*2。離島への移動のように船を使う面接では、鉄道の距離だけで見るより泊数が多くなることがあります。

5. 広域求職活動費の申請は面接のあと10日以内

広域求職活動費は、面接の前にハローワークで書類を受け取っておかないと申請できません。流れは次のとおりです*1。

広域求職活動費の申請までの流れ*1 求人の紹介を受ける ハローワークの職業相談の窓口 書類を受け取る 広域求職活動指示書と 訪問証明書 面接を受ける 会社に訪問証明書の証明欄を 記入してもらう 書類を出す 活動を終えた日の翌日から 10日以内 提出先は受給手続きをしたハローワークの雇用保険の窓口*1

対象になる求人の紹介を受けると、雇用保険の窓口から「広域求職活動指示書」が渡されます*1。訪問する会社の数に応じた「広域求職活動面接等訪問証明書」も一緒です*1。面接を受けたら、その会社に訪問証明書の事業主証明欄を記入してもらいます*1。

広域求職活動を終えたら、その翌日から10日以内に書類を出します*1。出すのは、支給申請書・広域求職活動指示書・雇用保険受給資格者証・広域求職活動面接等訪問証明書の4つです*1。面接の当日に証明欄を書いてもらい忘れると、後から郵送でお願いすることになり、10日の期限に間に合わせにくくなります。

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6. 会社から受け取った交通費と税金

転職の面接の交通費を会社から受け取ったときの税金も気になるところです。所得税法は、給与をもらう人が仕事で出張したときや、転任や就職・退職に伴って引っ越したときの旅費で、通常必要と認められるものを非課税としています*3。国税庁の通達も、非課税になるのはその旅行に通常必要な費用に充てられる範囲の金品だとしています*4。

ただ、この条文と通達に挙がっているのは出張と引っ越しのための旅行で、面接に行くための交通費については書かれていません*3*4。会社から受け取った面接の交通費がこの非課税の規定に当たるかどうかは、条文からは言い切れません。額が大きくて気になる場合は、税務署に聞いておくと安心です。

会社の側の消費税の扱いについては、国税庁が、採用面接を受ける人はふつう従業員等に当たらないため、支払う交通費は出張旅費等の特例の対象にならないとしています*5。一方、労働契約が成立しているとみられる内定者に払う交通費は、通常必要と認められる部分について特例の対象にしてよいとされています*5。

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7. よくある質問

Q1. 交通費が出るか面接の前に聞いても失礼になりませんか?

A. 失礼にはなりません。日程の返信に「交通費の扱いについても教えていただけますか」と添える程度で十分です。返事をもらったら、領収書が要るかどうかもあわせて聞いておきます。

Q2. 求人サイトで自分で応募した会社でも広域求職活動費は出ますか?

A. 出ません。広域求職活動費は、ハローワークの紹介を受けた求人が対象です*1。遠くの会社を受ける予定があるなら、応募の前にハローワークで紹介を受けられるか相談してください。

Q3. 在職中の転職活動でも広域求職活動費を受け取れますか?

A. 雇用保険の受給資格者であることが条件なので*1、会社を辞める前の在職中の転職活動では受け取れません。対象になるのは、退職して雇用保険の受給手続きをした人です。

Q4. 面接をオンラインにしてもらうことはできますか?

A. 会社によっては、一次面接などをオンラインで受けられることがあります。遠くて交通費の負担が大きいことを伝えて相談すれば、最終面接だけ来社にしてもらえる場合もあります。

Q5. 就職が決まって引っ越すときの費用も出ますか?

A. 引っ越しには、移転費という別の給付があります*2。ハローワークや職業紹介事業者が紹介した仕事に就くために住所を変える場合で、ハローワークが住所の変更を必要と認めたときに支給されます*2。移転費には運賃のほかに移転料と着後手当があり*2、対象や手続きは広域求職活動費と違うので、窓口で確認してください。

8. まとめ:交通費は会社に聞きハローワークの紹介なら広域求職活動費も使える

この記事のまとめ

  • 面接の交通費を出すかどうかは会社が決めている。案内に書かれていなければ日程の返信で聞く
  • ハローワークの紹介で、往復200km以上離れた会社の面接に行く受給資格者は、広域求職活動費を受け取れることがある*1
  • 2026年8月1日から受給回数に上限がある。所定給付日数90日以下なら3回まで*1
  • 宿泊料は鉄道などの計算距離が400km以上のとき。1泊8,700円か7,800円に、距離と訪問数で決まる泊数を掛ける*2
  • 申請は広域求職活動を終えた日の翌日から10日以内。面接の当日に訪問証明書を書いてもらう*1

遠くの会社の面接に呼ばれたら、まず案内に交通費の記載があるかを見てください。雇用保険を受給中なら、その求人をハローワークで紹介してもらえるかを聞いてから日程を決めると、広域求職活動費も使えます。

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出典・参考情報

*1 広域求職活動費に関するお知らせ~令和8年8月1日から受給可能な回数が設定されます~(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク)
*2 雇用保険法施行規則 第96条〜第99条(e-Gov法令検索)
*3 所得税法 第9条第1項第4号(e-Gov法令検索)
*4 所得税基本通達 9-3・9-4(国税庁)
*5 インボイス制度に関するQ&A 問107-3(国税庁)

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