コーディングテストでAIを使うとバレる?受験の規約と画面の記録

コーディングテストでAIを使ってよいかは、見つかるかどうかより先に、各社の受験案内と規約で決まります。案内で禁止されているのにAIを使えば、見つかるかどうかにかかわらず不正にあたります。案内にAIのことが書かれていないときは、受験の前に会社へ問い合わせるのが先です。
検知の方法や画面の記録の有無は、公的な資料に書かれていないため、断定しません。代わりに、案内の読みどころと、4つの区分ごとの動き、問い合わせの文面の例を示します。内定との関係は、厚生労働省の資料にある一般の枠組みが根拠です。
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この記事のポイント
- 使ってよいかは、見つかるかどうかではなく、受験案内と規約で決まります。禁止されているのに使えば、不正にあたります。
- AIの利用が許可されていても、出すコードは自分で説明できる状態にします。案内に書かれていないときは、受験の前に問い合わせます。
- 内定は解約権留保付の労働契約とされ、取消しは解雇と同じように扱われます*1*2。取消しの理由は、客観的に合理的で社会通念上も相当なものに絞られます*1。
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
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1. 使ってよいかは受験案内と規約で決まる
コーディングテストでAIを使えるのは、その会社の受験案内と規約が許す範囲だけです。案内でAIの利用が禁止されているのに使えば、決まりに反した受験になります。AIの利用を許可する案内なら、その範囲までが使える限度です。案内に何も書かれていないときは、使ってよいかが決まっていない状態なので、使う前に問い合わせます。
検知される仕組みがあるのか、画面が記録されるのかは、会社ごとに違い、公的な資料にも書かれていません。そのため、見つかる確率を見積もって使うかどうかを決める考え方は、成り立ちません。見積もるための情報が、受験者の側には無いからです。
決まりは、受験の前に届く案内や、受験開始の画面に出る規約に書かれていることがあります。AIの利用、検索、他の人への相談、資料の参照が、それぞれ許可か禁止かで書き分けられている場合もあります。
AIの利用と一口に言っても、チャット型のAIに問題文を貼る使い方と、エディタの補完機能を使う使い方は別物です。案内が「外部ツールの利用を禁止する」と書くのか、「AIによるコード生成を禁止する」と書くのかで、補完機能が含まれるかが変わります。読み取れないときは、問い合わせの対象です。
2. 許可の有無と説明できるかで取る動きが変わる

案内の書き方は、AIの利用が許可されている場合と、禁止されている・書かれていない場合に分かれます。もう1つの区切りは、提出するコードを自分で説明できるかどうかです。2つを組み合わせると4つの区分になり、区分ごとに受験の前と最中の動きが変わります。
案内がAIの利用を許可していて、コードも自分で説明できるときは、案内に書かれた範囲で使います。範囲の書き方は会社ごとに違い、使ってよい場面を限る案内なら、その場面だけで使います。使った旨を伝えるよう求める案内なら、提出のときや面接で、どこにAIを使ったかを話す形です。
許可されていても、説明できないコードは出しません。提出したコードについて面接官から聞かれたとき、書き方の理由を答えられなければ、許可の範囲で使った場合でも、実力は伝わりません。AIが出したコードは、1行ずつ読んで、動きを自分の言葉で言えるようになってから出します。
説明できる状態にするには、4つの作業をします。まず、各行が何をしているかを声に出して言います。次に、入力を変えて動かして、結果が予想と合うかを見る作業です。3つ目は、処理にかかる時間が入力の大きさでどう変わるかを言えるようにすることです。最後に、AIの出力を見ずに、同じ処理を自分で書き直せるかを試します。
案内で禁止されているときは、説明できるかどうかに関係なく、使いません。説明できるコードでも、禁止された道具で作れば、決まりに反した受験です。案内に書かれていないときは、書かれていないことが許可と同じ意味ではないので、問い合わせます。返事が許可なら上の2つの区分に進み、禁止なら使わずに受けます。返事が来ないときは、使わずに受けるのが安全側の選び方です。
3. 受験案内で読む5つの箇所と書かれていないときの動き
受験案内は、メールの本文や受験ページ、受験開始前の同意画面に分かれて載る場合があります。AIの利用についての文が、1か所にまとまっているとは限りません。読む箇所を決めておくと、書かれていないことがどれかを、受験の前に洗い出せます。
コーディングテストの受験案内で読む5つの箇所と、書かれていないときにすること
| 案内の箇所 | 書かれていることがある文 | 書かれていないときの動き |
|---|---|---|
| AIの利用 | 「AIによるコードの生成を禁止する」「AIの利用を認める」のような文 | 問い合わせる。返事が来るまでは使わずに受ける |
| 検索と資料の参照 | ブラウザでの検索や、公式ドキュメントの参照を認める文、認めない文 | AIとは別に、検索してよいかも問い合わせる |
| 使う道具 | 指定されたエディタや環境の名前、補完機能の扱い | 補完機能を使う予定なら、使ってよいかを問い合わせる |
| 利用の申告 | AIを使った場合に、その旨を提出のときに書く求め | 使うなら、提出のときに自分から使った旨を伝える |
| 違反の扱い | 決まりに反したときに、受験の結果が無効になるといった扱い | 扱いが書かれていなくても、禁止された使い方では受けない |
AIの利用の行は、案内に書かれていれば、そこで決まります。許可なら図の「許可」の区分、禁止なら「禁止・記載なし」の区分の動きです。検索と資料の参照の行は、AIとは別に決まっている場合があります。AIは禁止でも検索は許可という案内もあり、逆の案内もあるので、行ごとに読みます。
案内の文と、同意画面の規約の文が、食い違っているように読めることもあります。そのときは、どちらに従うかを自分で決めずに、会社に問い合わせます。食い違いを自分の都合のよい側に読んで受験した場合、あとから決まりに反したと言われても、反論の根拠がありません。
利用の申告の行は、許可されている受験でも見落としやすい箇所です。AIの利用を認める受験でも、使った旨を提出のときに書くよう求める案内があります。書く欄がなければ、提出するコードのコメントや、面接の場で伝える方法を、問い合わせて決めます。
4. 案内に書かれていないときの問い合わせ文面の例
案内にAIの記載が見当たらないときは、受験の前に、案内のメールへの返信か、採用担当者への連絡で聞きます。問い合わせは、日程が決まった時点で出すほうが、返事を待つ時間を取れます。
筆者が作った例文を示します。公的な雛形ではなく、問い合わせの見本です。「件名:コーディングテストの受験に関する質問(氏名) 採用ご担当者様 貴社のコーディングテストを受験予定の○○です。受験案内にAIの利用に関する記載が見当たらなかったため、お尋ねします。AIによるコード生成ツールや、エディタの補完機能を、受験中に使ってよいでしょうか。使ってよい場合は、範囲と、使った旨を伝える方法も教えてください。受験日の前日までに、ご返信をお願いいたします。」
問い合わせでは、3つを守ります。質問は、AIを使ってよいかの1点に絞ります。使いたい道具が、チャット型のAIなのか、エディタの補完機能なのかも書くと、答える側が迷いません。返事は、受験の前に文面で受け取っておきます。
返事は、3通りに分かれます。許可の返事なら、範囲と申告の方法を聞いたうえで、図の「許可」の区分の動きに進みます。禁止の返事なら、使わずに受けるだけです。口頭で答えられたときは、あとで食い違わないよう、聞いた内容と日付をメモに残します。
受験開始の画面で、規約への同意を求められることがあります。同意する前に、AIの利用に関する文を読みます。同意したあとは、その規約が受験中の決まりです。読み取れない文があれば、同意する前に、会社に聞ける連絡先を探しておきます。
あわせて読みたい | エンジニアのコーディングテストとは?難易度別の対策方法
5. 内定の取消しとAIの規約は一般の枠組みで考える

内定は、解約権留保付の労働契約と解されます*2。内定の取消しは、労働契約を会社が一方的に解除するものなので、解雇として扱われる、という説明です*2。取消しが認められる事由は、内定のときに知ることができなかった事実で、客観的に合理的かつ社会通念上相当と認められるものに限られます*1*2。
面接で事実と違うことを答えた場合に、それが内定取消しの理由として有効かどうかは、ケースバイケースで、一概には決められません*2。このQ&Aが扱っているのは面接での回答です。コーディングテストの受験ではありません。受験の決まりに反した使い方が取消しにつながるかは、個別の事情で分かれるので、ここで言えるのは一般の枠組みまでです。
不安があるときは、労働問題を扱う窓口や弁護士に、個別の事情を話して聞きます。内定を得る前の段階では、取消しの枠組みよりも、受験の決まりに沿って受けることのほうが、受験者にできる備えです。
AI事業者ガイドラインは、AIを使う側に、AI提供者が想定した範囲内で使うこと、AI提供者が定めたサービス規約を守ることを求めています*3。このガイドラインは事業者向けの指針で、個人が選考の試験で使う場面を定めたものではありません。
AIを提供する会社の規約も、受験とは別に読めます。OpenAIの利用規約は、AIの出力を人が作ったものと偽る行為を禁止事項に挙げています*4。案内がAIの利用を禁止している受験で、AIのコードを自分で書いたものとして出せば、受験の決まりとAIの規約の両方に反する形です。
OpenAIの規約が定めるのは出力の扱いで、選考の試験で使ってよいかは、この規約では決まりません*4。使ってよいかを決めるのは、受験案内です。規約は、出力の正確性と適切性を利用者が評価することも求めています*4。出力されたコードは、動かして結果を見てから出します。
テスト後の面接で、AIを使ったかどうかを聞かれたときは、使った場合も使わなかった場合も、事実のとおり答えます。許可の範囲で使ったなら、使った場面をそのまま話すだけです。AIについての考えを聞かれたときの答え方は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい | 生成AIについてどう思うか面接で聞かれたら?答え方と例文
6. よくある質問
Q1. コーディングテストでAIを使うとバレますか
A. 見つかるかどうかは、断定できません。検知の仕組みを使うか、画面を記録するかは会社ごとに違い、案内に書かれる場合もあります。使ってよいかは案内と規約で決まるので、禁止されているなら使いません。
Q2. AIの利用が許可されているなら何でも使ってよいですか
A. 案内が認めた範囲に限って使い、申告を求められたら、その形で伝えます。提出するコードは、書き方の理由まで話せるようにしてください。
Q3. 案内に何も書かれていないときは使ってよいですか
A. 書かれていないことは、許可と同じ意味ではありません。受験の前に問い合わせて、返事を文面で受け取ります。返事の期限までに届かなければ、使わないで受けます。
Q4. エディタの補完機能は禁止されたAIの利用に入りますか
A. 案内の書き方で変わります。「AIによるコード生成」と書かれていれば、補完機能が入るかは読み取れません。使う予定なら、使ってよいかを問い合わせます。
Q5. AIを使ったことが内定のあとで取消しの理由になりますか
A. 内定の取消しが認められるのは、限られた場合だけです*1*2。AIの使い方が理由になるかは、事情ごとに違います。
Q6. 面接でAIを使ったかと聞かれたらどう答えますか
A. 事実のとおり答えます。使ったなら使った場面を、使わなかったなら使わなかったことを、そのまま話します。
7. まとめ:使ってよいかは受験案内で決まり書かれていなければ先に聞く
コーディングテストでAIを使う前に決めておくこと
- 使ってよいかの基準:受験案内と規約に書かれた範囲
- 禁止されているとき:使わない。使えば決まりに反した受験になる
- 許可されているとき:案内の範囲で使い、動きを言えるコードだけを出す
- 書かれていないとき:使う前に問い合わせ、返事を文面で受け取る
- 内定との関係:取消しが認められる場合は限られる*1*2
見つかる仕組みの有無は、ここでは言い切れません。受験の前に案内を読み返し、書かれていないことを会社に問い合わせます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 内定の取消し(大日本印刷事件)(確かめよう労働条件・厚生労働省)
*2 内定取消しに関するQ&A(確かめよう労働条件・厚生労働省)
*3 AI事業者ガイドライン(第1.2版)概要(総務省・経済産業省)
*4 Terms of Use(OpenAI・2026年1月1日発効)
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