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フルリモートの入社手続き|労働条件通知書のメールとマイナンバー

テーブルの上で、白い角形封筒から出した罫線だけの書類と返信用の封筒

フルリモートで入社するときも、労働条件通知書はメールで受け取れ、マイナンバーは郵送やオンラインで提供できます*1*4。メールで受け取れるのは、本人が希望し、内容を出力して書面にできる場合に限ります*1。労働条件通知書とは、会社が採用時に労働条件を明示する書面です*3。

社会保険の届出は会社が行い、本人は基礎年金番号通知書かマイナンバーカードを、会社の指定する方法で示します*6。手続きそのものは出社して入社する場合と同じで、書類のやり取りがメールや郵送やオンラインになります。雇用保険の届出の期限は、被保険者になった日の属する月の翌月10日までです*7。

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監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事のポイント

  • 労働条件通知書をメールで受け取れるのは、本人が希望した場合だけです*1。希望していないのにメールのみで明示すると、会社は法令違反となり、30万円以下の罰金となる場合があります*2。
  • マイナンバーは、郵送なら確認書類の写し、オンラインなら画像データの電子的送信などで会社に提供します*4。マイナンバーそのものを示す書類と、本人だと示す書類の両方が要り、マイナンバーカードなら1枚で足ります*4*5。
  • 社会保険の届出は、会社が事実発生から5日以内に日本年金機構へ出します*6。雇用保険の届出は、被保険者になった日の属する月の翌月10日までに会社が出します*7。

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1. フルリモートの入社手続きはメール・郵送・オンラインで進む

労働条件通知書はメールで、マイナンバーは郵送かオンラインで、会社に出社せず受け渡せます*1*4。メールで通知書を受け取るには、本人の希望があり、受け取った内容を出力して書面を作れることが条件です*1。マイナンバーのオンライン提供には、画像データの送信、会社が発行するIDとパスワード、電子署名などの方法があります*4。社会保険と雇用保険の届出は会社が行います*6*7。

労働条件の明示、マイナンバーの提供、社会保険と雇用保険の届出は、出社する入社と同じ法令と制度に基づく手続きです。違うのは、書類を窓口で手渡す代わりに、メールの添付ファイル、郵送、オンラインの送信で受け渡す点です。フルリモートで入社する人が、出社する人とは別の書類を求められるわけではありません。

4つの手続きは、動く人で分けると分かりやすくなります。労働条件通知書は会社から本人へ渡され、マイナンバーは本人から会社へ渡されます。社会保険と雇用保険の届出は、どちらも会社が国の機関へ出す書類で、本人が自分で窓口へ出す書類ではありません。本人が動くのは、番号の書類や年金の書類を会社の指定する方法で渡す場面です。

2. 入社手続きは4つあり届出には期限がある

入社手続きのうち、労働条件通知書の交付と2つの届出は会社が行い、マイナンバーの提供は本人が行います。2つの届出とは、社会保険の届出と雇用保険の届出のことです。

フルリモートの入社手続き4つと届出の期限 労働条件通知書 メールは本人が希望し 出力できる場合に限る*1 マイナンバー 郵送は書類の写し、 オンラインは 画像データなど*4 社会保険の届出 会社が事実発生から 5日以内に日本年金機構へ* 6 雇用保険の届出 会社が被保険者になった 月の翌月10日までに*7 社会保険の届出は5日以内、雇用保険の届出は翌月10日までが期限

フルリモートの入社手続きで期限があるのは2つの届出だけで、どちらも会社が出す書類です。社会保険の届出は事実発生から5日以内と短く、入社日の直後に動きます*6。雇用保険の届出は、被保険者になった日の属する月の翌月10日までです*7。

本人が期限を意識する場面は、会社から書類を求められたときです。マイナンバーや基礎年金番号通知書の提出が遅れると、会社は届出に必要な情報をそろえられません。入社前に、手元にマイナンバーカードか基礎年金番号通知書があるかを見ておき、会社の案内にある提出方法に合わせて準備します*6。

3. マイナンバーの提供方法は郵送とオンラインで出すものが違う

夜の机で、無地のカードの真上にスマートフォンをかざして撮ろうとする手

マイナンバーの提供には、対面のほかに、郵送とオンラインの方法があります*4。

マイナンバーを会社へ提供する方法と出すもの

提供の方法出すもの補足
郵送対面で示す確認書類の写し*4書類そのものか、その写しを送る*5
オンライン(画像データ)マイナンバーカードや運転免許証等の画像データ*4電子的に送信して提供する*4
オンライン(IDとパスワード)会社が本人であることを確認したうえで発行するID・パスワード*4会社が先に本人確認をしてから発行される*4
オンライン(電子署名)電子署名*4マイナンバーカードのICチップの読み取りによる方法もある*5

提供で行われる確認は2つです。番号確認はマイナンバーそのものの確認で、マイナンバーカード、通知カード、番号付きの住民票の写しのいずれかを使います*4。身元確認は本人であることの確認で、マイナンバーカード、または運転免許証やパスポートなど写真付きの身分証明書のいずれかです*4。マイナンバーカードがあれば、1枚で両方の確認に足ります*4*5。

通知カードは令和2年5月25日に廃止されていますが、記載された氏名や住所などが住民票の記載と一致している場合に限り、番号確認書類として使えます*4。手元の通知カードを使うなら、引っ越しや改姓のあとで記載が変わっていないかを先に見ておきます。

雇用関係にあり、対面で確認して本人に相違ないことが明らかな場合は、身元確認書類の提示が不要です*4。この省略は対面で確認できる場合の話です。出社しない入社では、身元確認の書類も用意しておくほうが手戻りがありません。

あわせて読みたい | 住所変更の届け出先|転職と引越しで出す書類と控えの取り方

4. 労働条件通知書をメールで受け取れる条件

自宅のプリンターから出てくる罫線だけの用紙を受け取ろうとする手

労働条件の明示は、原則として書面の交付で行われます*1*3。ただし、労働者が希望した場合には、ファクシミリや電子メール等の送信でも明示できます*1。メールで受け取れるかどうかは会社の都合ではなく、本人の希望が条件です*1*2。

メールで受け取る場合は、受け取った記録を出力して書面を作成できるものに限られます*1。プリンターの有無といった個人の事情にかかわらず、一般的に出力できる状態であれば、出力して書面を作成できると認められます*2。

ウェブメール(Gmailなど)やSNSのメッセージも対象に含まれます*2。第三者が閲覧できるブログなどへの書き込みは認められません*2。厚生労働省などのリーフレットは、印刷や保存がしやすいよう、PDFなどの添付ファイルで送ることを勧めています*2。

本人の希望がないまま、電子メール等のみで明示した場合は、労働基準関係法令の違反となり、最高で30万円以下の罰金が科される場合があります*2。同じリーフレットは、会社に3つのことを勧めています。本当に希望したかを個別に明示的に聞くこと、メールが届いたかを本人に聞くこと、なるべく出力して保存するよう伝えることです*2。メールで受け取るなら、届いたかを聞かれたときに答え、受け取った通知書は出力するか、ファイルのまま保存しておきます。

令和6年4月1日からは、有期労働契約の更新回数に上限がある場合の上限回数と、就業の場所と従事すべき業務の変更の範囲が、明示する事項に加わっています*3。届いた通知書に、この2点が書かれているかを読みます。求人の内容と通知書の内容が違うと感じたときの動き方は、別の記事にまとめています。

あわせて読みたい | 内定条件が求人内容と違う|労働条件通知書の確認と相談窓口

5. 社会保険と雇用保険の届出は会社が行う

従業員が適用事業所に雇用され、健康保険と厚生年金保険に加入するときは、事業主が被保険者資格取得届を日本年金機構へ提出します*6。被保険者とは、これらの保険に加入する人のことです。提出の時期は、加入する事実が生じてから5日以内で、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です*6。提出方法には、電子申請、電子媒体(CDまたはDVD)、郵送、窓口持参があります*6。

本人が会社に出すものは、基礎年金番号通知書(年金手帳)またはマイナンバーカードで、マイナンバーカードは提示のみで足ります*6。提出先は事業所の事務担当者で、提出方法は事務担当者等に指定された方法です*6。提出方法は会社が指定するので、出社しない入社では、案内のメールや書面でその方法を読んでから動きます。

配偶者や子などを扶養していて、被扶養者となる要件を満たしている場合は、本人が事業主(事務担当者)へ健康保険被扶養者(異動)届を提出します*6。この届出を渡す相手は会社の事務担当者で、本人が日本年金機構へ出すものではありません。

雇用保険の被保険者資格取得届は、労働者を雇用したときに出す届出で、期限は被保険者となった日の属する月の翌月10日までです*7。届出の確認書類には、賃金台帳、労働者名簿、出勤簿(タイムカード)が挙がっています。他の社会保険の資格取得関係書類と、雇用期間を確認できる資料(雇用契約書等)も確認書類です*7。

入社後にテレワークで業務を始めるときの会社側の対策は、別のガイドラインにあります。総務省のテレワークセキュリティガイドライン(第5版・令和3年5月)は、使う端末として、企業等からの支給端末と個人所有端末の両方を想定しています*8。管理者向けの対策の1つに、貸与するテレワーク端末への必要最小限の権限の付与があります*8。厚生労働省のテレワークガイドラインも、セキュリティ対策に総務省のガイドラインを活用することや、労働者への教育を行うことが望ましいとしています*9。

6. よくある質問

Q1. 労働条件通知書はメールだけで受け取れますか?

A. 本人の希望があり、出力して書面を作れるものであれば、メールで受け取れます*1。書面の交付が原則で、メールは希望した場合の方法です*1。

Q2. 希望していないのにメールだけで送られてきたときは?

A. 労働者の希望がないのに電子メール等のみで明示するのは、労働基準関係法令の違反です*2。罰金の対象となる場合があります*2。

Q3. SNSのメッセージで受け取ってもよいですか?

A. メールとSNSのメッセージは、どちらも対象に含まれます*2。第三者が閲覧できるブログなどへの書き込みは認められません*2。

Q4. メールで届く通知書はどんな形が望ましいですか?

A. メールに添付したファイルの形で送られてくるのが、リーフレットの勧める形です*2。

Q5. マイナンバーを郵送で出すときは何を送りますか?

A. 番号確認と身元確認のために対面で示す書類の写しを送ります*4。マイナンバーカードがあれば、1枚の写しで両方に足ります*4*5。

Q6. 通知カードは番号確認に使えますか?

A. 氏名や住所などの記載が住民票と同じなら、番号確認書類として使えます*4。

Q7. 社会保険の届出はいつまでに出されますか?

A. 事業主が、事実発生から5日以内に日本年金機構へ出します*6。

Q8. 雇用保険の届出の期限はいつですか?

A. 被保険者となった日の属する月の翌月10日までです*7。

Q9. 扶養している人がいるときは何を出しますか?

A. 要件を満たす被扶養者がいれば、本人が事業主へ健康保険被扶養者(異動)届を出します*6。

7. まとめ:フルリモートの入社手続きは書類のやり取りの手段が違う

この記事のまとめ

  • 労働条件通知書をメールで受け取れるのは、本人が希望し、出力して書面にできる場合だけ*1
  • 本人の希望なしにメールのみで明示すると、会社は罰金の対象となる場合がある*2
  • マイナンバーは、郵送なら確認書類の写し、オンラインなら画像データやID・パスワード、電子署名などで提供する*4
  • 社会保険の届出は事実発生から5日以内、雇用保険の届出は翌月10日までに、会社が出す*6*7
  • 本人は基礎年金番号通知書かマイナンバーカードを、会社の指定する方法で示す*6

入社が決まったら、労働条件通知書をメールで受け取るか書面で受け取るか、マイナンバーの提供方法、年金の書類の渡し方を、会社からの案内で先に読んでおきましょう。

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出典・参考情報

*1 労働基準法施行規則 第5条(e-Gov法令検索)
*2 労働契約締結時の労働条件の明示(事業主向けリーフレット)(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
*3 確かめよう労働条件 Q&A「採用時にはどのような労働条件が明示されるのでしょうか?」(厚生労働省)
*4 番号法令、国税庁告示における主な本人確認書類等(国税庁)
*5 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)(個人情報保護委員会)
*6 就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き(日本年金機構)
*7 雇用保険 手続き一覧表(厚生労働省)
*8 テレワークセキュリティガイドライン 第5版(総務省)
*9 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(厚生労働省)

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